ONEPIECE世界を過去キャラと満喫   作:一匹犬

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38話「魚人島探訪その3・伝説襲来」

〜???〜

 

 

〜???side〜

 

 

 

「グゴ〜! グゴ〜! ZZZ……」

 

……ここは……なんだぁ? えれェ暗い所、いや、なんもありゃしねぇ。それに体が宙に浮いてる様な、妙な感覚だ…………さっきまでいい気分で眠ってたってのに、この有様はなんだァ? てかうるせェ! なんだこのイビキは!?

 

「あぁ? なんだここ……って誰だ爺さん!? これはテメェの仕業か!? 怪しく光りやがって! 神妙にしやがれ!」

 

あん? なんだ薮から棒に…………いや、それより真っ暗な所に急に現れやがって、しかも体中が光ってるコイツは……この格好はワノ国の侍か?

 

「何ワケ分かんねぇ事言ってやがるアホンダラ。侍、こりゃオメェがやったんじゃねぇのか?」

 

せっかく後腐れなく寝てたってのに邪魔しやがって……喧嘩売ってんなら買ってやるぜ?

 

「そりゃこっちの台詞だ。何百年か忘れたがけっこう長ぇ間惰眠を貪ってたのによ……」

 

コイツも被害者か……こりゃ一体何が起きてんだ? …………! 良く気を配りゃあ、あちこちにかなりの数の強い気配が漂ってやがる……それにさっきから聞こえるイビキは…………!? オーズだと!? ……いや、似てるがジュニアじゃねぇな……

いや、それよりもだ……ここは一体どこだってんだ?

 

「あらあらあら〜ここにいたんですね〜けっこう探したんですよ〜」

 

!? この姉ちゃんは…………な、なんだこの気配は……人間に出せるもんじゃねぇ。まるでバケモンだな……

 

「うおっ!? なんだこの闘気……まるでしにが……」

 

侍もコイツの異質さに気づいてんな……

 

「娘っ子……ここはなんだ? それになんでおれぁ目を覚ませている?」

 

「うふふ……慌てないあわてない。お姉さんが1から教えてあげますからね〜」

 

ますますヤベェな。まるで蛇に睨まれた蛙の気分だ。シオリ以外にこれ程ヤバすぎる気を持つヤツがいるとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その話本当……みてぇだな。」

 

こりゃ参ったな。この姉ちゃんの話が本当なら……ヤベェ事になっちまう。せっかくシオリ達にグラグラの実を処分してもらったってのに……台なしじゃねぇか。

 

「心配しなくても私が飽きたら帰しますから〜安心してくださいな〜それではまた後で来ますね〜」

 

……消えちまった。あの女……なんかの能力者か? しかしこんな現象を起こせる能力は……ヤベェな。世界が混乱しちまうぞ。

 

「……オレとしては何百年ぶりに暴れられそうだから構わねぇが……他人の手の平の上ってのが気にいらねーな……」

 

侍も流石にご立腹か。……やれやれ、この先どうなっちまうのか……ま、再びあの鼻髭野郎と会えるのが唯一の救いかねぇ……

 

「グゴー! グゴー!」

 

「「うるせェ!!」」

 

全く……あの女の話通りなら魚人島がヤベェな。シオリに任すしかねぇが……嫌な予感がしやがるぜ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜魚人島・リュウグウ城〜

 

 

 

 〜シオリside〜

 

 

 

王の間を通りすぎある程度歩くと……フカボシが巨大な扉の前で止まり、扉をノックする。

 

「しらほし、フカボシだ。」

 

「フカボシお兄様? どうなされたのでございますか?」

 

……なんかモニカ王女みたいなしゃべり方だな。文法が変ですよ。とツッコミてぇ。

 

「お前に会わせたい方を連れてきた。一度話してみないか?」

 

「あっはい……分かりました。」

 

ゴゴゴと巨大な扉が開く。そこから現れたのは尾も含め身長20m程の美少女。その彼女が俺を見て一瞬ビクッとして、その後ジーッと凝視してくる。

 

「あなた様は……どなた? だけど……なぜなんでしょうか。ものすごく懐かしい匂いがします。」

 

? 懐かしい言われてもなー

 

「俺は傾世のシオリと呼ばれてる、アマクサ・シオリ。リヴァイアサンっぽい力を使えるぜ。」

 

「えぇっ!? リヴァイアサン様ですか!?」

 

やっぱり皆同じ反応するな〜 反抗的なのは野心持ってるデッケンに、後はホーディか。会った事ないけど。

 

「本物じゃねぇよ。世界中を沈めるなんて馬鹿げた芸当なんてできねぇしな。」

 

世界を洪水で沈めるなんて能力者に出来るもんじゃねぇだろ。多分召喚獣、いやこの世界で言うなら海王類の一種だったんだろうな。

 

「は、はあ……でもシオリ様から感じるこの感じは……紛れもなく神様的な物を感じますぅ。」

 

うーん、この強くてニューゲーム感は……ま、話を進めるか。

しらほしに王達同様色々伝える。確かしらほしは知ってたんだったか。

その反応を見てフカボシも仰天してその後可愛い妹を見守る兄の顔になった。

 

「お前がポセイドン……リヴァイアサンの代弁者として海王類を統べる存在ってのは知ってるか?」

 

「ポセイドン……やっぱり……ヨルムンガルド様達が言ってらした事は本当だったのですね……」

 

なんだ? 聞いた事ない名前が出たが新キャラか?

 

「ヨルムンガルド様は……ここら辺一帯を支配されています海王類です。」

 

……そういやFFにそういう名前の雑魚モンスター(終盤のだが)がいたっけ?

 

「やっぱ海王類と会話できるのか……どういう会話したんだ?」

 

「えと……『まもなく偉大なる海神が真の覚醒を成す。ぬしも海王の力に目覚めよ』とか……」

 

? 海神はひょっとして俺の事として……真の覚醒? どういう事だ?

 

「『海神は元々海に住まう者以外の、全ての者の命を海に流し、新たなる世界を創造する』らしいです。」

 

……額面通りに受け取るなら……後々に俺が大量殺戮しかねん預言だな全く。

 

「その海王類には悪ぃが、今ん所楽に自分の力をコントロール出来てるから、そんなえげつない未来にはならんと思うぞ。」

 

「我々はただ海神様の御心に従うだけです。シオリ様にはそうなれるだけの素質があると父上はおっしゃってます。」

 

フカボシがそう言うが……う〜ん素質ねぇ……と、その時!

 

ズガガガガガッ!

 

いきなりリュウグウ城が強い揺れに襲われた。

 

「クッ!? 一体何があった!?」

 

「フカボシ様! バンダーデッケンめが大量の海獣を従えて城に攻めて来ました!」

 

「!?バンダーデッケンが!? 一体なぜ……確かに今までもしらほしを狙ってちまちまと嫌がらせはしてきたが……」

 

こりゃどういう展開だ?原作にないよなこれは。

見聞色で探るが……デッケンに数十頭の海獣……ん? 部下にデカブツとかいたよーな気がしたが今回見えねぇな。ま、雑魚だらけだ。さっさと終わらせちまおう。

 

「シオリさん! デッケンめが攻めてきおったわい!」

 

ジンベエや皆が駆け付けてきた。さて……どうするか。

 

「皆、ジンベエは城の入口辺りで迎撃、フカボシ達はしらほしを守れ。……ハチは無理するなよ? アーロン達のサポートに徹しろ。」

 

俺の指示で各持ち場に赴く皆。俺は城の外に着く。すると……

無数の海獣が上空?から現れた。そしてその中の一頭の頭の上にはやはりおなじみバンダーデッケン。

 

「…………」

 

ん? いつも騒がしい奴にしては妙に静かな……

だがそんな事にはお構いなく海獣達がうなりを挙げて迫ってくる。

……ここは獣形態、いやそれは後までとっとくか。

 

「皆は城に近づく奴を迎撃しろ!」

 

俺は自分から行き討ちもらした奴を他に任せる。ジンベエがいるから問題ないだろ。水が全くない地帯ならエネル一人でも楽勝のはずだし。

 

「ウォーターマグナム!」

 

津波系の技は効かないだろうし直接攻撃で行くか。範囲が狭いが……

 

「ギャオオオッ!?」

 

特大の水の弾丸を喰らい吹っ飛ぶ海獣の一頭。が、それにも怯まず残りの奴らが我先にと俺に迫る。

 

「武装色……」

 

脚に武装色の覇気を収束させる。

 

「嵐脚・百鬼夜行!」

 

エニエス・ロビーで青キジに使った脚技だ。覇気の伴った飛ぶ蹴撃波を同時に百発放つ技。

 

「「「GyaOOOOON!!」」」

 

これで計20頭、まだ半分近くか。……よし!

 

「はぁぁぁ!」

 

気を集中させ獣形態に変身する。

 

「グアァァ!」

 

俺の変身を見て硬直していた海獣の群れだったがそのうちの一頭が意を決した感じで突貫してくる……のを。

 

「邪魔だ!」

 

尻尾を振り回しての一撃……尾撃をお見舞いすると一発で吹っ飛んでいく。

それを見た海獣達が本能故か脇目も振らず逃走しだした。デッケンは結局一言もしゃべらず仕舞いだったが……何のために来たのやら。

で、元の姿に戻り息をついたのだが……

 

「フン……だから雑魚なんざ使うなって言ったんだ。全く……」

 

! 声? い、いやそれよりどっかで聞いたよーな……と、その時。

 

ズゥゥゥン! ミシミシミシ……

 

うぉっ!? 今度の揺れはでか…………この感触は……なんだ!? なんか体験した事がある様な……

 

「海震じゃと……一体なぜこの様な地で……」

 

俺の戦いを見守ってたジンベエが戸惑いの声を発する。

? 海震っつーと確か白ひげが頂上戦争開幕で使った技だっけか? 一体何が起きてんだ? ………!? こ、この覇気はまさか!?

 

「…………」

 

悠然と向こうからやってきたのは身の丈7m近くはあるゴツイ体格の大男。金色がかった白い長髪をたなびかせ、恐ろしく尖った三日月の形の髭、丸太の様にぶっとい腕が握るのは大男並の長さがある薙刀……そう、どこからどう見てもこの男は……

 

「な……オ、オヤジさん!?」

 

そう、かつて世界最強の男と讃えられた大海賊、白ひげ、エドワード・ニューゲートだった。

…………これは……何の冗談だ? ! まさかクローン人間とかか!

 

「? オヤジさんにしては妙に違和感が……」

 

ジンベエが白ひげ?と距離を保ちながら首を傾げる。

 

「! 髪が抜けておらん……まるで病にかかる前の頃みたいに若い!」

 

確か病気だっけか。しかし……若い?

 

「久しぶり……でもねぇなシオリにジンベエ。」

 

「! 本当にオヤジさんか!?」

 

「あぁ、おれぁ白ひげ……お前らの……敵だ!」

 

!? 敵ぃ!? 何言って……そもそもどういう状況だこれは!

 

「て、敵!?一体何」「ぬぅぅぅん!」

 

白ひげが片腕を振りかぶる……これはまずい!

 

「ちぃっ!」

 

ジンベエを突き飛ばし代わりに振動パンチの直撃を喰らい吹っ飛ばされてしまう。

 

「シ、シオリさん! 大丈夫か!」

 

「く……効いた……こりゃ俺の記憶にある白ひげより強くねーか?」

 

「体が3、40代の頃まで若返ってな。悪ぃが晩年の時より3倍は強ぇよ。」

 

若返り……一体どういう事だ? 全然状況がつかめねぇ。

 

「オヤジさん! 生きておったのか!?」

 

「いや……死んだよおれは。ただ能力者に復活させられちまったがな。」

 

能力者? 復活?

 

「この効果はカゲカゲの実……モリアの仕業か!?」

 

確かモリアは影を死体に入れて復活させてた様な……

 

「モリアと言うと元七武海のか……ヤツじゃねぇよ。」

 

「それは私がやってあげました〜」

 

突然脳天気な声が響く。あいつは確か……町通りですれ違った女か。

 

「このカゲカゲの実みたいな能力……なんだ?」

 

「私はリバイ……いえ、今風に言えば『イキイキの実』の能力者といった所ですかね〜」

 

「イキイキ……?」

 

名前からして元気になりそうな……いや違うか。

 

「おおざっぱに言えばあの世から現世に魂を召喚して復活させる能力です〜」

 

!? 死者復活だと!? まるでNARUTOのエドテンみたいな……

 

「……イケニエを用意してそれに憑依させるってとこか?」

 

「? いえ〜蘇生させる人の一部分やゆかりのあるモノを媒介にして召喚するんですよ〜」

 

……Fateシリーズのサーヴァントってとこか?

 

「能力とはいえぶっ飛びすぎだろ。てかお前……いや、お前らは……何者だ?」

 

この女だけじゃない、まだ二人ほど隠れてやがる。

 

「ほー 気配殺してたのに鋭いやっちゃのぉ〜」

 

「ま、武装色、見聞色の覇気の力量は図抜けておったからの。」

 

残りの二人もさっきすれ違ったやつらだ。こいつらは……

 

「自己紹介がまだやったな。ウチはパンドラ、七英雄の一人や。」

 

こいつの関西弁は訛りがきついな。どこら辺だ? ……いや、この世界に関西弁とかねーな。ワノ国語の一つってとこか? しかし七英雄って……

 

「私も七英雄なんです〜 セリューネと申します〜」

 

そう、こいつだ。なんつーか放ってる気配がまるで生物とは違ってる。それになぜか知らねぇけど体がゾクゾクしやがる……

 

「わらわは……いや、姿を見せれば手っ取り早いの。」

 

最後に和服の女が前に出るが奴の姿が……ゾオン系……ってこいつは!

 

「この化け狐はライジン島のか!」

 

「その通りじゃリヴァイアサンよ。案外早い再会じゃったのう。」

 

……ちっ、まだこいつに勝てる算段がねぇってのに。……ん? 数十mまで巨大化してたのがまた人間に戻りやがった。

 

「ライジン島でもそうだが……お前、俺に一体何の恨みがあっていちいち仕掛けてくるんだよ?」

 

「わらわ達は竜王と契約を結んでおるでな。必然とリヴァイアサンとミドガルズオルムは敵になる。この三者は相いれる事が有り得ぬゆえな。」

 

確か神獣種系……しかし。

 

「敵なのは分かったが、いくらなんでも敵対心が強すぎねぇか? 当時のリヴァイアサンにいじめられでもしたんかね?」

 

「次々と世界を海に沈めた者が言う事かい! 外道が!」

 

パンドラとか言うヤカラの姉ちゃんがぶちギレる。

 

「いやそれ別人……」

 

そもそも800年前の話だし……そういやどういう事だ? こいつらまるで当時を見たみたいな口ぶりだが……

 

「力を受け継いだ時点でそれは論外や! あの赤い大蛇も巨大化の際合計何万人も死なせたけどリヴァイアサンに比べりゃかわいいもんや!」

 

……つくづく迷惑極まりねぇってか? 神獣種系ってのは……

 

「いい加減黙ってろ。だいたい前の因縁なんざ知ったこっちゃねぇんだよ。」

 

「あぁん!? 喧嘩売ってんのか! 買(こ)うたるぞわれェ!」

 

なんなんだよこいつは……いくらなんでも沸点低すぎだろ。

 

「まぁそもそも話がはかどる相手ではなかろう? ユミよ。」

 

ユミ? パンドラとか言う名前じゃなかったか?

 

「他人がいるとこで本名言うなや九尾。」

 

「カカカ、すまぬな。」

 

「いつまでだべってんだ? やるんならさっさと来いよ。」

 

「カカカ、『今』のおぬしではわらわ達には到底敵わぬぞえ。まずはこやつらを撃退してもらうかの。セリューネよ。」

 

「はいな〜 リューマさん、オーズさんいらっしゃいまし〜」

 

青髪姉ちゃんが何やら手に握っていたものを天に向かい投げ、それを懐から出した巫女さんとか退魔師とかが振ってる白いヒラヒラがついた棒で叩きつけた。すると……

 

「!?」

 

叩かれたものが光り輝き人の形になり……光が収まると身長170㎝くらいの侍っぽいやつと100mくらいの巨人……スリラーバークにいたオーズに似てるな……が現れた。

 

「霊体を召喚しこの『復活の杖』で受肉させる……これで蘇生は完成です♪ まぁ杖無しでも出来ますけど疲れますし〜」

 

……こいつ、命をなんだと思ってんだ? しかし……リューマってどっかで……

 

「お、確かにこの世に帰れたな。……全く、複雑な気分だぜ。」

 

侍風の男がぼやいてるが……しっかしこいつなんつー荒々しい闘気だよ。まるで数日間飯食えなかった肉食獣みたいだぞ。

 

「うがー! …………あれ? 寒くねー! どーなってんだぁ!」

 

こいつは……まさかスリラーバークのオーズそのものか? ジュニアより小さいがこいつが放ってるのは間違いなく武装色……

 

「そして、この時代の大海賊の……エドワードだっけか? 異名が白ひげ?」

 

パンドラとかいう女が白ひげに声を掛ける。

 

「……あぁ。」

 

「オヤジさん! なぜこやつらの言いなりに……」

 

ジンベエからしてみれば信じられんだろうがFate方式ならおそらく……

 

「召喚者には抵抗できない……だろ?」

 

「正解です〜 オイタをする子は他の子の教育に悪いですから〜」

 

……チッ、ますます厄介だな。全盛期の人間を好きなだけ召喚……か。くそ、デメリットはねぇのか?

 

「もういいかよ? テメェら。そろそろ斬りてぇんだがよ……秋水がないのが不便ではあるが……ま、問題ねぇ。」

 

リューマが殺気を撒き散らしながら近づいてくる。……あっ思い出した。スリラーバークのゾンビ侍のリューマか……けど外見はどう見ても2〜30代の青年……服装もあの時と違って無地の安物っぽいし……

 

「お前ら! この侍は任す! ジンベエはオーズを足止めしといてくれ!」

 

リューマはおそらくミホーク級……いや、ひょっとするとそれ以上かもしれん……が皆も強くなってる。簡単にはやられないはず。

 

「おれの相手はお前か……シオリよう。」

 

目の前に立ちはだかる巨人……白ひげ。まさか全盛期のと戦うはめになるとは……

 

「伝説の海賊白ひげだからって……俺に勝てると思ってんのか?」

 

「前なら無理だったろうが、今なら負ける気はしねぇな。」

 

不敵な笑みを浮かべ薙刀を構える白ひげ。……覇気が溜まってきてる!?

 

「ウェアアアアアッ!!」

 

覇気を纏った薙刀が俺を両断した。

 

「! これは残像……」

 

「武装色60%……無空波!」

 

無防備の奴の背後に現れけっこう本気の寸打を放った……のだが。

 

「恐ろしい技だ。拳自体の破壊力もすげぇが振動波まで襲ってくるたぁな……が、振動は俺には効かねぇよ。」

 

あ、そうか。白ひげは振動人間。地震を起こすだけでなく自身も振動と一体化出来るんだったか……ぐ!?

 

ボーッとしてたら白ひげの後ろ回し蹴りを食らっちまった。

 

「やっぱ常識はずれな堅さだなぁオイ。並……いや、海軍大将でも血ヘド吐いてる一撃だってのによ。」

 

こりゃこの前の豪鬼より……強ぇか? ……仕方ねぇな初めて本気出すか?

 

「なにボサッとしてやがる!」

 

! ちぃっ! 調子に乗りやがって!

 

「5000加圧!」

 

極限まで強化された水圧の剣で白ひげに強襲する。

 

「ぬぇぇぇいっ!!」

 

武装色で強化されたのか真っ赤になった薙刀がアクアセイバーを受け止めた。

 

「5000加圧を受け止めるのかよ……」

 

その後も何度か打ち合うが一進一退。……世界最強の身体能力になってる俺に劣らねぇとは……しょうがねぇ、ここはアレで行くか!

 

「おぉぉぉぉ! アクアセイバー最大出力! ……伸びよ!」

 

両手に極大の水の柱を生み出す。

 

「薙ぎ払え! 星ごと奴を!」

 

水の極太柱を白ひげに向け振り下ろす! 人間に防げる技じゃねぇぞ!

 

「! ぬぅぅぅんっ!」

 

白ひげの両腕が膨張し、それぞれの手を合わせそのまま水の柱に向け叩きこみやがった。

 

ズバァァァァ!!

 

水の柱がものの見事に真っ二つになり弾け飛んだ。その余波で上空から大量の水滴が降り注いでくる。

……なんつー非常識な……これが本当の世界最強かよ……はっ!?

 

「考え事してる場合か!シオリィィィィ!!」

 

バギィィィッッ!!

 

!? な、なにを食らった!? 体が言う事を聞かねぇ……

 

「!? お嬢様が一撃で!?」

 

「テ、テンプルに食らっちまったぁ〜! ヤバすぎるぅ!」

 

皆の声や色んな雑音が頭に鳴り響きやがる……気持ち悪い……

 

『やれやれ……いい加減やられっぱなしになるのはやめてくれよ。……しょうがねぇな。おれ様が力の使い方を教えてやるぜ。』

 

!? な、なんだこの声……

 

 

 

「!」

 

「どした〜セリューネ?」

 

「傾世のシオリさんの魂が変化しました。……これは……なんて凄まじく強靭な魂……」

 

「! この空気は……オメェまさか!」

 

「だっはっはっはっ! 久しぶりじゃねぇか! 地震野郎!」

 

「……グラララ……まさかオメェが『現れる』とはな……生き返ってみるもんだ。」

 

「へっ……久々に決着つけようじゃねぇか! エドよ!」

 

 

 

 

 


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