ONEPIECE世界を過去キャラと満喫   作:一匹犬

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36話「魚人島探訪その1・観光」

〜魚人島・リュウグウ城〜

 

 

 

 

「アッハッハ! あつやきタマゴついか〜」

 

「お、お嬢様、箸で茶碗叩くのはお行儀悪いですよ。」

 

リュウグウ城の宴会場で大騒ぎする俺達。なんか随分久しぶりな気がするが多分気のせいやろ。

 

「固い事言うなって! あ、ガリついか! おいリュウボシ! マンボシ! お前らも飲め!」

 

「「は、はい〜」」

 

ネプチューン三兄弟達がお堅いのではっちゃけさせる。お、おかわりの料理が来たか。で、堪能するが……

 

「ん? この厚焼き卵、焼きが甘いな……女将を呼べい!」

 

「リ、リヴァイアサン様……」

 

「黙れ士郎! 若僧がでしゃばるな!」

 

「しろうって誰なんですか……」

 

「まぁ至高大好きおじさんごっこは止めにして……フカボシ、堅苦しいのはいいって。気軽に呼び捨てでいいよ。」

 

「い、いえ、偉大なる海神にそのような事は……」

 

こいつらは魚人島の王族のネプチューン三兄弟。少しふとましいが雰囲気イケメンの長男フカボシ、暇さえあれば歌ってるというどこの熱気バサラだの細長い顔の次男リュウボシ、常に踊ってリズムを取ってる(マラカス持たせたい……)太っちょの三男マンボシ。

フカボシはともかく残りの二人は常に挙動不審で近寄りたくないがそれは事情を知らない時に限ってだ。二人がこの様な素行になったのは残り一人の兄弟への愛故だ。

 

「お姉様、そんなにたくさん、すごいです〜」

 

「しらほし、感心してる場合か。」

 

「う、はいぃ……」

 

「お前は体の割に食が細すぎる。強くなりたかったら今の三倍は喰え。」

 

「わ、分っかりましたぁ〜」

 

俺をお姉様と呼ぶ少女……しらほし。フカボシ達と同じこの島を統治するリュウグウ王国の姫君だ。可愛い系では世界有数の美貌だろう……まぁ身長が20mぐらいあるが。

4人共人魚ではあるがそれぞれ何の人魚かは忘れた。

 

「それにしても海神様……先日は見事でした。まざまざと海神の御力を見せてくださいました。」

 

毛むくじゃらの巨人……じゃなくて人魚のおっさんが話し掛けてくる。4兄弟の父のネプチューン王だ。巨体は伊達ではなく間違いなく海軍中将より強い。ギックリ腰さえ発症しなければ。

 

「まぁ最初ここは素通りするつもりだったんだけどな。あのヒゲストーカーさえ発見しなけりゃ。」

 

「バンダーデッケン……ふざけた性格をしとりますがその能力はあまりに物騒。」

 

射程無限でホーミング機能付きだっけか? マトマトの実って。アホのデッケンでああなんだから切れ者が所持者だったらえげつないだろうなぁ。……デッケン、あとついでにホホジロザメの魚人の……ホーディも今のうちに潰しとくか?

ま、とにかくなんで俺らが宴会に呼ばれてるのかと言うと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜三日前〜

 

 

 

ライジン島での巨大な雷鳥の件を終わらせた時、抜け抜けと傘売りババア達がやって来たのでふん縛る。わめき立てる彼らを尋問するとようやく口を割った。

……白髪の痩せぎすの男『レッド』か……なんかあの『神域』を連想するがジャンルちゃうし別人やろな。

で、彼らをマリージョアの僻地に放り出した。俺らは海賊だから警察に届ける訳にもいかんしな。なんか遠くの方ですげぇドンパチしてた気がするが関係ないので傘下にしたウルージさん達と共にさっさと楽園(パラダイス)に帰る事にした。なんだかんだでしばらく帰ってなかったしな。

 

で、リスキーレッド島でコーティング作業を施してもらい魚人島のある海底トンネルを再びくぐるべく潜水したのだが……魚人島近くまで来た時、巨大なライオン頭の化け物……海獣と出くわす。つーかなんか硬直しとんな。

 

「バホッ!? 何を止まっとる! 早く行かんか!」

 

ライオン頭の頭上に誰かがいた。というか特徴ある風貌だから丸分かりだけどな。

 

「おい、ヒゲストーカー。」

 

船から出て奴に接近して話しかける。

 

「!? な、なんだお前は! というか早く言うことを聞かんか!」

 

俺に応対したり海獣の頭を叩いたりとせわしないヒゲ。

 

「やけに花で飾った斧なんか持ち出してどーする気だい? ロリコン親父のバンダーデッケンさんよお。」

 

確かしらほしは天竜人が来た時10歳未満だったよな。その時のしらほしに惚れるんだから文句なしにロリコンだろう!

 

「ぬあっ!? 貴様一体なにも」

 

どん!

 

5割くらいの覇王色の覇気をぶつける。

 

「バホッ!?」

 

当然失神するヒゲ。……顔見られたけど忘れてくれりゃいいんだが。

主からの指示が来ず硬直してる海獣には一にらみかますだけで脱兎のごとく逃げ出した。

 

 

 

 

 

「……さて、せっかくここら辺まで来たんだし魚人島堪能しとくか〜」

 

デッケンは別にどうでもいいので放置した。

 

「観光地としても三ツ星をキープしている魚人島リュウグウ王国……しかし本当に幻想的な場所ですね。」

 

まぁそれには同感。修業がてら時々息抜きに来るか。

 

「そういやさっきのはバンダーデッケン……カシラ知ってたんすか?」

 

アーロンが尋ねてくる。

 

「まぁな。ここのある程度の有名人は把握してる。奴は魚人島に仇なす存在の一角だな。」

 

「! 魚人島に……ん? 一角ってどういう……」

 

「言葉通り、魚人島を狙う輩は複数いる。ま、細かい事は後でな。」

 

「…………」

 

なんか怖い顔してる。あ、そういや妹住んでたっけ。

 

「とりあえずマーメイドカフェってとこに行ってみるか。」

 

確かそこにアーロンの妹がいたはず。……で、店を発見し入店すると……

 

「いらっしゃいませ〜」

 

入るなりけたたましい声の五重奏が耳に飛び込んできた。確かこのょぅι゙ょら5人は……メダカの人魚だっけ?

 

「あれ〜変な人達〜」

「見て見てカバとかおもしろい頭の人がいる〜」

「あ、すごいお偉いさんのふーかくがただよってる人がいる〜」

「そんなのいないんじゃない?」

「だからなに〜?」

 

……忙しい子供らだ。あ、一人ひねくれ者がいるな。

 

「あれ? 人間のお客さん……あっあなたはルフィちんのお友達の、えーとなんだっけ? あとなんか体が震えてきちゃった〜!?」

 

テーブルに座ってた人魚……唇が腫れぼったいが間違いなく美少女の人魚ケイミーがいて例の顔面崩壊芸を見せてくれた。あの驚き方も愛嬌あってかわいいな。

 

「うわっなんだこのスゲーオーラを漂わせてるねーちゃんは!?」

 

しゃべって動けるヒトデのパッパグが俺を一目みるなり仰天した。なんかフランキーみたいな事言うな。というかヒトデなのに自力で進化したお前がすげーよ。

 

「ああ、ルフィのダチの傾世のシオリだ。お前らは確か……ルフィの知り合いのタコ魚人の友達だっけか?」

 

「あれ!? はっちん知ってるの?」

 

「お前がとっ捕まってたオークション会場で会ったよ。」

 

「! あぁ、思い出したぜ。ハチの仲間かお前ら。」

 

アーロンも思い出した様だな。

 

「あなたは……あっ! はっちんが言ってたアーロンさんて人?」

 

積もる話をする三人。一段落ついた所で……

 

「ハチはどうしたんだ?」

 

「はっちんはルフィちん達の船を守るために頑張ってたんだけど……ついに大怪我しちゃって療養するためにここに戻ってきたの。」

 

そういやハチと人さらいチームリーダーの……デュ、デュ、デュエル?が無防備のサニー号を守ってたんだったか。

 

「ハチも弱いな…………よし、鍛えてやるか。…………あ!」

 

良い事思いついた!

 

「どうしたんすかカシラ?」

 

「ハチ治したらあいつを借りるぞ。鍛えてこの魚人島守れる存在にしてやる。あとついでに東の海の刑務所にいるアーロンの部下共も救出しよう!」

 

俺の言葉に吹き出すアーロン。

 

「な、な、な……マジっすか!?」

 

新世界に行って痛感した。俺らは手勢が少なすぎる。それにはアーロンの仲間……いや、それだけじゃない。

 

「アジトに戻って落ち着いたらグランドラインの前半の海と東の海に戻るぞ。」

 

「? 一体どういう事なのですか?」

 

「まずはシャム、ブチ含むクロネコ海賊団……ジャンゴは海軍に行ったから無視するとして……」

 

「! ジャンゴが海軍? い、いやそれよりもクロネコ海賊団を……」

 

「あれ? マリンフォードで会わなかったのか? 今は黒檻のヒナの直属の部下だよ。」

 

「あの戦場では余裕がありませんでしたから……」

ま、そりゃそうだ。一応ルーキーだしな。

 

「しかし……彼らが手下になるでしょうか……自分で言うのもなんですが私は手下からは恐れられていますし話を聞いてくれるとは思えません。」

 

……そりゃ杓死とかかまされたらたまったもんじゃねぇわな。

 

「まぁ俺が仲介してやる。説得出来るかどうかはお前に任すよ。」

 

クロは原作と比べかなり変わった。まるでクロコダイル並の変わりっぷりだ。……いやまぁクロコは善人になっちゃいないけど、頂上戦争編での振る舞いはアラバスタの時から見たら到底考えられんけどな。

 

「次にクリーク海賊団の残り。数千人いるが……ま、全員は無理だろうけど何十、何百人かはいけるんじゃね?」

 

ま、そもそも何千人も養えんし。

 

「アイツら生きてんのかな……」

 

クリークが感慨深げにつぶやく。

 

「東の海に散り散り……下手すると他の海に行ってるのも多いだろうからあんま期待はできんけどな。」

 

略奪とかして捕まったのも何人かいそうだ。

 

「次はさっき行った通りアーロン海賊団。ハチは当然としてエイ男……名前なんだっけ?」

 

「クロオビっす。」

 

「ああ、それそれ。それとキスの魚人の…………チュウ?」

 

「合ってるっす。」

 

「そいつらがいる刑務所襲撃してついでに他のお前の部下も誘ってみるか。関係ない囚人が俺らに与しない場合は脱走出来ない様にするが。」

 

「なんてありがてぇ話だ……」

 

感動してるアーロン。

 

「三幹部……特にハチはイジメ抜くぞ。ヒョウモンダコの人魚の……えーとなんだっけ?」

 

「ヒョウモンダコ……まさかヒョウゾウっすか?」

 

「ああ、それそれ。ソイツ越え出来るまで鍛えてやるぜぇ〜」

 

「アイツ以上……こりゃえげつねぇ特訓になりそうな……」

 

確かルフィを感心させてたし……それなりに強いんだろうな。

 

「次は……ワポルの海賊団は…………要らんか。」

 

「かばっ!? おぉいぃ!シオリくんン!?」

 

「冗談だ。……でもドラム島にいるとは思えんからなぁ……サッパリ見当がつかねぇんだけど。」

 

「なぁに! おれ様が呼びかければすぐにも集まってきてくれるわ!」

 

自信だけはホント世界一かもな。……ま、それはほっといて、戦力になるのは……アフロ頭と変な顔の奴か。ま、いないよりマシか?

 

「次は……バロックワークスか。」

 

「えぇっ!? またあの野郎達と会えるのぅ!?」

 

確か扉絵連載では……脱走してカフェを開い……あ! フィンガー引き抜いたからカフェやってる保証がねぇ! それにボンちゃんも引き抜いたから脱走出来たかも謎だし……うーん、とにかくしらみつぶしに探してみるか。アラバスタにいなかったら諦めよう。

 

「候補はMr.5ペアより上の連中全員だ。ただしMr.1とMr.3は除く。」

 

「えぇっ!? なぁんでぇ!?」

 

「1はクロコに心酔してるし、3はバギーとの組み合わせが抜群だ。多分すげぇ名を上げると思う。」

 

3を味方に引き入れるならバギー一味も引き入れないと。けどそのつもりはないから彼らは諦める。

 

「次は……ベラミー海賊団か。」

 

「へっ!? あ、アイツらとまた……会えるんすか!?」

 

「……ドフラに殺されてなかったらな。ジャヤを中心に探してみるか。」

 

原作じゃドフラの能力で操られたサーキースに殺されてたっけ?(※なぜか生きてた)

 

「まぁ思想的に俺についていけないのが多いだろうから強制はしないけどな。もし見つかったらお前と話し合って決めてもらうさ。」

 

「正直……前の仲間といた時は井の中の蛙だったッス。身の程を知らねぇガキが図に乗って……今は厳しいけどすげぇ生き甲斐を感じるっつうか……それをサーキース達と分かち合えたらすげぇ幸せだと思う…………よし、なんとか説得してみるッス。」

 

おぉ、だいぶ変わったなぁ〜原作フェードアウトしたのを知ってるこっちにしたら感慨深いものがある。

 

「で、次、エネルの四神官だが……空島に行くのが面倒すぎるので却下かな。」

 

確かゲダツはどっかで温泉掘ってた記憶があるが。

 

「まぁ……それは仕方ないな。」

 

エネルも特に残念がってはない。可哀相な三人だこと。ちなみに雷鳥の子供……『ヒノ』はエネルの体のあちこちに飛んで移動していてせわしない。

 

「次は……フォクシー海賊団か。」

 

「フェッフェッフェ! ヤツらにまた会えるのかよう! そいつはたまらねぇぜ!」

 

なんだかんだでバラエティー豊かだしな。掘り出し物がいるかも。ただロングリングなんとかランドにいるとも思えんし分が悪い賭けだな。

 

「CP9は海列車にいた……足長とか猫っぽい4式使いの…………なんだっけ?」

 

「? …………猫っぽい……覚えがないな。」※ネロ

 

「まぁ、あんまアクがないからそいつらはいいか。」

 

猫もどきとか生きてるかどうかすら分からねーし。

 

「それには賛成だな。足手まといが増えても意味はない。」

 

相変わらず辛辣だなルッチは。

 

そんなこんなで今後の展望を考えてたらカフェの奥の部屋からやけにでかい妖艶な人魚が出てきた。

 

「お前達何を騒いでるいるんだ……い……!? 兄さん!?」

 

妖艶人魚がアーロンを見て仰天している。

 

「! シャーリーか!? 随分久しぶりだ……」

 

アーロンも心なしか嬉しそうだな。

 

「兄さんこそ……8年間心配したのよ。」

 

「……悪い。まぁ色々あってな。」

 

アーロンが妹に色々(ナミの事から俺の部下になった事など云々)話した。

 

「そう……兄さんがした事は同胞として許せないけど……シオリさんが兄さんの罪を引き受けてくれたのね…………私はシャーリーと申します。シオリさん、こんな兄ですがこれからもよろしく頼みます。」

 

「ああ、もちろんだ。」

 

「しかし……映像で見るより幾分穏やかですね。あの海神の御身は映像越しでも神々しさを感じたのですが。」

 

「そんなに神々しいの?……そういやなんでリヴァイアサンにそこまで心酔してんだ?」

 

「自覚がないのですか……それでは、私達魚人族に伝わるいにしえの伝承を伝えましょう。」

 

……いにしえか。なんか嫌な予感がするのう。

 

 

 

 

 


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