ONEPIECE世界を過去キャラと満喫   作:一匹犬

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30話「ライジン島の冒険」

〜新世界・ガンリュウ島近海〜

 

 

 

先しゅ……ついさっき俺達は大団円を迎えた気がしたが別にそんな事はなかったぜ!

 

 

……ガンリュウ島を出発し、次の上陸地を目と鼻の先にある島ライジン島に決めた俺達は今そのライジン島の近海まで接近しているのだが……

 

「……え〜と、これはどうやって上陸するのでしょうか……」

 

当然エネル以外は困惑するわな。何せ……常に雷が降り注いでんだから。

……さ〜て流石に俺とエネル以外は留守番になるか? 雷を防ぐアイテムなんかねぇしな。

 

 

……ん? 複数気配が近づいてるな。あの小舟……なんか屋形船みたいだが、乗ってるのは婆さんと……黒いローブを羽織った人達が4人。性別は分からんな。

 

「傘はいらんかえや?」

 

船に後数mまで接近した所で婆さんが話し掛けてきた。

 

「傘ぁ? なんだあんたは?」

 

怪しさ100%なんだけど。

 

「ヒィーッヒッヒッ! なぁに……あたしゃただのしがない傘売りのババアですよ! 今なら雷を弾く特別性の傘を一本なんと29万8000ベリーで売ってあげますよ!」

 

どこのテレビショッピングだよ。それにシ○ラのババアコントのババアみたいな喋り方しやがって。しかし雷を防ぐ傘か……

 

「分かった、9本くれ。私とエネルには必要ないしな。」

 

「ん!?」

 

? 突如エネル達がギョッとした。なんやねんな。

 

「い、いや……何でもない。」

 

なんかガンリュウ島から時々おかしいな。何かあったのか?

 

「ヒィーッヒッヒッ! 毎度ありぃ〜大量購入の特典として宿屋までご案内いた〜しますよ〜」

 

小舟に先導され島の船着き場らしき所まで進む。ここら辺は雷が止んでるのか。……と、既に一隻の船が停まっていた。確か行きしなに見た船だな。

……ん? なんか超巨大な鉛筆の芯がマストに立てかけられてんな。……いや鉛筆の芯な訳ないか。けどあの丸太もどきどっかで見た様な……

 

 

 

微かな疑問を残しつつ船を停め上陸。もうすでに目の前が雷が降り注いでいるのだが……

クロ達が恐る恐る傘を開くと確かに雷を弾いている。どういう傘なんだよ。

 

「アンタらは凄いのぉ〜雷を物ともせんとはぁ〜」

 

雷に平然と打たれてる俺とエネルを見て呆れた口調でぼやく婆さん。

 

「まぁ色々あるんでな。」

 

「(ヒィーッヒッヒッ……この者ならあの化け物を……)」

 

化け物? 何を隠してる? この婆さん。

 

 

 

ま、とにかく婆さんに連れられ島の内陸部分に進む俺達。しっかし一体どうなってんだ? 木々とかが全く焼けてないなんて……ゴムの木とかでも無理だろ。

 

「この島の木々や動物は昔から雷に打たれてましてな。雷に強くなった突然変異種なんですじゃ。」

 

……すごいな。じんた……じゃなくて自然。

 

「……そもそもなんでこの島はずっと雷が降ってるんだよ。」

 

「それはある『怪物』のせいなんですじゃ。……」

 

「怪物?」

 

「伝説の怪鳥『サンダーバード』。月に一度島中の雷雲が一つになる時現れるという化け物鳥じゃ。」

 

サンダーバードって言われてもその名前じゃ某伝説の人形劇番組を思い出しちまうよ。

 

「ところが今年に入ってからというもの何故かずっと姿を現したままなのじゃ。」

 

「どこにいるんだ? その鳥は。」

 

「それは……あ、その前に宿屋の中に入りましょうかねぇ〜」

 

港から平野地帯を通りすぎると丘陵地帯に到着。そこに確かにみすぼらしい一軒家があった。

しかし……確かにそこそこ強い気配が一つ、丘陵地帯の奥から漂ってるな。ま、とにかくまずは宿屋で一服するか。

 

そして宿屋の中に入ったのだが……

 

「「「うわあああっ!?傾国のシオリだあああっ!?」」」

 

俺の顔を見て絶叫を挙げる先客達。日本の修行僧とかが着そうな服装の彼らは……確か…………なんだっけ?

 

「お前達は確か『破戒僧』ウルージの仲間だな?」

 

とエネル。ああ、ウルージさんの手下達か。そういやそういう格好だったな。

 

「ウルージの仲間達がなんでこんな所にいる? あとウルージさんはどこ行った?」

 

「そ、僧正は……怪物鳥退治に……」

 

H×Hのゲンスルーみたいな顔した金髪リーゼント眼鏡が答える。

 

「? 怪物鳥退治……どこでだ、ゲンスルー?」

 

「げ、ゲンスルー? おれはサリムってんだが……」

 

「モブの名前なんか覚えてられねぇよ。お前らを呼ぶ時、俺はゲンスルーって言うから。あ、そこのシャンプーハットみたいなん被ったオッサンはサブ、カバみたいな口はバラな。」

 

「いやおれはカラ」「ハサンって名前が……あ、なんでもないです。」

 

「で、どこだウルージさんは?」

 

「……そういえばなぜあの大男だけさんづけなのだ?」

 

「そりゃウルージさんだからな〜 しょうがねぇよ。」

 

「「へ?」」

 

「そ、僧正は……あの森の向こうの遺跡に向かった。怪物鳥は遺跡の屋根の上に陣取ってるんだ。」

 

ゲンスルーが森辺りを指差す。確かにさっきのデカイ気配はあっこから漂ってる。ついでに大物感あふれる気配……これはウルージさんだな。

 

「じゃ、行ってくる。みんなは留守……」

 

「シオリ、私も行く。何やら妙な予感がするのでな。」

 

「まぁ……エネルなら全力で動けるしいいか。じゃ皆頼むぞ。」

 

「ウッス!」

 

しかし……なんかみんなの眼差しが生暖かい様な……気のせいかね?

 

 

 

 

 

 

俺とエネルは森林地帯の向こうにあるという遺跡に向け進む。

 

「大きい方……サイズは20mといったところか? これが老婆の言った雷鳥ならこの間のガルーダよりも大きいな。」

 

サイズはな。まぁ気配からしてあの女ほどは強くはないだろうが。

 

 

で、遺跡に到着したが…………身の丈6mほどの大物感あふれる大男と全身が雷に包まれた体長8mほど、広げた翼が20m以上はある巨大な鳥が戦っていた。大男……ウルージさんは全身が焼け焦げながらも鬼神のごとき表情でまだ耐えている。……ウルージさんってあんなデカかったかな? 確か身長は2、3mぐらいだったような……

 

「ぬぅん!」

 

彼が鉄の様な拳で雷鳥に殴りかかる……お、武装色に目覚めてるか。

 

「! キョオオオーンッ!」

 

「なっ!?」

 

どこぞのスタンド使い鳥みたいな雄叫びを挙げた雷鳥が口から雷のビームを放った。

 

「ぐあああああっ!」

 

絶叫を挙げ倒れ伏すウルージさん。

 

「ク、クロコダ○ーンッ!!」

 

「なぜ関係ない元七武海の名前が!? ……いやそれよりも、さっきの光線……7、8000万Vは出ていたな。」

 

「へーお前の雷龍より威力が上なのか。」

 

「うむ……シオリ、この鳥の相手は私に任せてくれ。」

 

「分かった。じゃウルージさんの治療しとくわ。」

 

大の字でぶっ倒れてるウルージさんに近寄る。

 

「う……お前さんは……傾国のシオリ!?」

 

「ウルージさんが動揺すんな。半年前くらいにパワーアップして『傾世』になったんだよ。」

 

「な、なぜこの島に……」

 

「そりゃこっちのセリフだよ。よくこんなえげつない島に寄ったな。」

 

「……傘売りの老婆殿に依頼されたのだ。この島を苦しめる雷鳥を退治してくれと……」

 

ホーそうかそうか。道理で……

 

「あんたは見聞色の覇気……空島風に言えば心網か……は使えないようだな。はっきり言うがあの婆さん……いや、ババアに騙されてるよ。あの婆さんとその取り巻きは密猟者だ。」

 

「な、なんだと!?」

 

「黒幕はちょっと読めなかったが誰かの指令で動いてるみたいだな。」

 

いやー見聞色マジ便利……まぁ身内には使えんが。

 

「雷獣(キテン)!!」

 

「!? むぉっ!」

 

まばゆい光に身を竦めるウルージさん。……う〜んお互い雷だからか千日手に陥ってるか? エネルがもうちょい武装色が上手けりゃダメージ与えれんだがな……

 

「しかしエネルは相変わらずの強さだ……」

 

「同じ空島出身だっけか。」

 

「いや、彼はスカイピア出身ではない。余所から来たからな……」

 

? あ、そういや扉絵連載でそこら辺やってたな。それにエネルの出身地の名前も……ほとんど覚えてねぇけど。本来の歴史では彼とチビロボット軍団はどうなったのやら。

 

「まぁそこら辺は後回しだ。これ飲め。」

 

ウルージさんにハイポーションを飲ませる。

 

「む……傷が?」

 

「とりあえずお前はテキトーにあんぜ……!!?」

 

なんだ!? とんでもなく強大な気配が猛スピードで接近してやがる。距離を考えると音速で飛んでるな。一体何者だ?

 

熟考してる間にもそれはぐんぐんとこちらに接近しそして接触まで1キロ辺りになった時その姿を確認する事が出来た。

 

 

 

それは白にも銀にも見える体色、禍々しい眼光、一本一本が数mはある剣の様な歯、九つに別れた尻尾をしたハンパじゃない威圧感を放つ狐だった。ただ……全長が1キロ近くあったが。二人も硬直してるな。……ってこいつはっ!?

 

「白面の者だぁ!?」

 

間違いなく「うしおととら」のラスボス『白面の者』だ。あの外見はそうとしか言えない……けどなんか違和感が……なんだ?

 

「はくめんのもの? でおうて早々何を訳の分からぬ事を……我の名は九尾。『七英雄』の一人……いや、今の者は我らなど知らぬか。」

 

きゅうび? てか白面じゃない? ……確かに言われて見ればだいぶ本物より小さいな。それに……

 

「まぁ化け物が本物かどうかは置いといて……『七英雄』って言ったな?」

 

確かアミバもその名前言ってたな。

 

「七英雄ってのはなんだ? 他に乱暴者とか嫌われ者とかがいたりすんのか?」

 

「? 何を言っておるか知らぬが……我らは800年前、『世界を滅ぼす者』に対抗するため力を合わせた者の集まりよ。我の他に『銃神』、『聖女』、『禁断の地』、『ストームブリンガー』、『星喰い』、……全てをほ、いや、『オメガ』の計七人で形成されておる。」

 

全部聞いた事……いや、禁断の地とかストームブリンガーって確か……

 

「……で、なんで800年前の人間が現代に生きてるんだよ?」

 

「『世界を滅ぼす者』を一度……いや、ひとまず動けなくして封印したのだがな……そう簡単に滅ぶシロモノではない故、復活した時のために我らも『時の封印』によって眠りについたのだ。」

 

……なんか話が壮大になってきたな。俺にはあんま関係ねぇだろうけど。

 

「話は分かった。……で、その昔々の英雄さんがここに何しに来たよ?」

 

「我らは、我らを眠りから呼び起こした者に協力する事にしておる。それが『世界貴族』。天竜人とも呼ばれておるか? ……ただ、2、300年前ぐらいから世界貴族の質も地に墜ちてるのを実感してはおるがな。……まぁ我らは『世界を滅ぼす者』と戦う以外に目的はないから他の者など知った事ではないがな。」

 

「だからそれがここに来た事とどう関係がある?」

 

「もう感づいているのではないか? 『世界を滅ぼす者』……『神獣種系』ヘビヘビの実・モデル…………リヴァイアサンよ。」

 

!? 世界を滅ぼすだぁ? えらいきつい事言ってくれる……ん?

 

「……神獣種系って何だ? 幻獣種系じゃねぇのか?」

 

確か幻獣種系ってのはロギアより貴重じゃなかったのか?

 

「……何も知らぬのか。神獣種系はゾオンだけでなく全てのスーパーハイ……いや、悪魔の実の頂点に位置するモノだ。あまりにも人智を超えたモノゆえかわずか3つしか存在しないがな。」

 

えー? 流石神様だー♪ とでも思えってか? ……ったくまさかそんなたいそうなものだったとはな……と、その時。

 

「お嬢様〜」「僧正〜」

 

クロ達やウルージさんの仲間が傘を差しながら駆け付けてきた。

 

「異常にデカイ化け物がこの島……ってギャー!?」

 

白面を見て絶叫を挙げる皆。

 

「……リヴァイアサンの手下に……その他か。そなたらに用はない。去ね。」

 

ホントに路傍の石を見るかの様な目だな。

 

「……うん? それは……(あの『オーガ』の気配を……いや、まさかな。そもそもヤツは確か我らの時代で果てたはず……)」

 

白面もどきがギンの持ってる……って悪魔の実じゃねぇか! どこで拾ってきたんだよ。それにあの実どえらいオーラを漂わせてるし……とにかく実を見て驚いてんな。

 

「まぁ……今はそれどころではない。確か……天草詩織だったか。うぬの力を見るのが今世の主の命なのでな。さぁ……見せてもらうぞ。その破壊の力を……」

 

奴から殺気が放たれる。殺気自体はさっきの豪鬼に比べりゃかわいいもんだが……威圧感自体はとんでもないな。

 

「クカカカカッ! まずは小手調べとゆくかの!」

 

九つの尾の内の一つが変貌していく。あれは……鉄の尾!?

 

ズガガガガガガガッ

 

軽く振り回しただけで島がえぐれていく。まともに受けるとやばいか……つかエネルと鳥はまだ戦ってるんかい。

 

「ウォーターバズーカ! カイザーダルフィン!」

 

水の大砲などをぶつけるが……

 

「……舐めておるのか?」

 

ですよねー……人間に変換したら水鉄砲を浴びた感じだし。とにかくでかすぎる。どうするか……

 

「確かに人間形態も恐ろしい力を誇る様だが……この九尾の前ではあまりに無力!」

 

一つの尾だけでも数百mはあるんだがそれがいくつも俺目掛けて殺到してくる。ちぃっ!

 

「身体能力、武装色80%!」

 

肉体を全開近くまで上昇させる。この出力なら島食いすら空の彼方にふっ飛ばせるんだが……

尾の一つを受け止め……その際森林がごっそりほじくり返されたりしたがそんな事を気にする余裕がない。ぶん回して投げ飛ばしたかったがびくともしないとは……パワーに差がありすぎるな。

……仕方ない。ここは獣形態で行くか。海上じゃねぇから十分に発揮できんけど。

 

「! カカカ……ついに見せるか。その忌ま忌ましい悪魔の力を……」

 

……本当に酷い言われようだな。むかつく野郎だ。いや、それよりとても手抜きは出来ねぇだろうな。最初から最大規模の姿で行くか。それでもサイズが違いすぎるが……

 

そして最大の50m規模の姿に変身を終える。だが……

 

「!? ぬう……この期に及んでまだその姿とは……我に本性を見せるまでもないと言うか! 侮りおって!」

 

!? 奴の尾が次々と姿を変えていく。酸がしたたる尾、竜巻や雷を纏う尾、槍の様な毛がびっしりと生えた尾など……ちょ、おま!?

 

「さぁ! 死にたくなくば本性を現すがよい!」

 

さっきから何言ってんだ? 全力で変身したってば! ってそれどころじゃねぇ!

 

こっちの制止も聞かずいくつかの尾が俺に襲い掛かりいくつか攻撃を受け切り裂かれる。つ……そこそこ効いたな……

 

「…………フン、どういう理由かは知らぬが全力を出せぬ様だな。興ざめしたわ……」

 

白面が空高く舞い上がりそのままこちらを振り返りもせずあっという間に去っていった。

…………くそ、七英雄……か。

 

「なんと恐ろしい戦い……まるでこの世の終わりの様だった……この新世界……我々の存在はあまりに矮小すぎる。」

 

何やらガックリきてるウルージさん達。あんまウルージさんのこういう姿は見たくなかったが。

 

「なら……手を組まねぇか? 人手は多けりゃ多いほど良い。」

 

「…………」

 

ウルージさんがいまだ雷鳥と激闘を繰り広げてるエネルを見た後こちらに向き直った。

 

「我々の力などお前達に比べればあまりに小さい……だがお前達についていけば……更なる強さを得られるかもしれん。ここは……膝を折るしかあるまい。」

 

「分かってくれて何よりだ。」

 

さて……後はエネルと雷鳥か。

 

「…………」

 

激闘を繰り広げてたエネルが俺達近くに着陸する。

 

「戦況はどんな感じだ?」

 

「負けてはいないのだが……悔しい事にヤツは一歩も動いておらん……我々がここに来てからな。」

 

マジか。鳥だから起動力生かしゃいいのに……

 

「だが……久々だ。この様に心が震えるのは……お前と戦って以来だな。」

 

て事はかなりマジで戦ってるのか。……ん? この弱々しい気は……雷鳥の足元……

 

「エネル。雷鳥の足元……何かいるぞ。」

 

「何? ……」

 

エネルが雷化して雷鳥に近づいた。

 

「! これは……卵! そうかお前は……」

 

卵……暖めてたのか。

 

「……済まぬ事をしたな。もう襲いはせぬよ。」

 

『…………』

 

心なしか鳥も嬉しそう…………!? なんだ!? いきなり俺の見聞色の範囲内に攻撃的な気配……

 

その時、凄まじい轟音が発生した。

 

「サンダーバード!?」

 

エネルが叫ぶ。一体何が起きた?

 

『キョ……オオオ……』

 

フラフラと力無く遺跡の屋根から墜落。こ、これは体の大部分が……消滅してる?

 

「い、一体どういう事なんだ? 雷であるこやつの体を……」

 

武装色の弾丸……いや、武装色を込めてもこんな現象は……しかも俺の見聞色の範囲は百キロ近くあるのにどこから発射されたのか全く分からなかった……一体どういう事だ? と、その時……卵が割れた。

 

『ピィ〜……』

 

弱々しい声をあげ産まれた雷鳥の雛。

 

「……」

 

エネルが雛を拾い上げた。ん?

 

「好敵手の忘れ形見……私が育てる!」

 

ちょ……あ! 雛も一番最初にエネルを見たから親と思ってるなありゃ……

 

「餌とか分かるのか?」

 

まさか普通の雛みたいに小さい虫とかを食うとも思えんし……

 

「それなんだが……雷化状態の私に触られてもものともしていない。それどころか元気になっている様に見える。ひょっとすると雷が栄養源かもしれん。そもそも雷鳥であるあやつが暖めていたのだしな。」

 

そりゃそうか……しかし。

 

「雷鳥を撃った奴……一体何者だ?」

 

俺の範囲外、もしくは俺に全く気配を悟らせない程の見聞色の覇気の使い手なのか? だとすると厄介だな……

いや、それよりも……この前の豪鬼やゲーニッツ達と今回の白面に感じる違和感……一体なんだってんだ? よく分からんが何かが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜聖地マリージョア〜

 

 

 

〜天竜人デイフレアside〜

 

「あ、ここにいたんだ〜エメラルダスさん〜」

 

僕の屋敷の屋上に一人ぼっちで佇む真っ赤なレザースーツを着た栗色の髪の美人さん。え〜と確か『銃神(ガンマスター)』のライカ・エメラルダスだったかな〜?

 

「……『竜王』と『時の守護者』ですか。いえ、長い間腕を振るえなかったので適当に狩りをしていました。」

 

狩り? あ、そういえば武装色の覇気を使った残滓があるなぁ。

 

「肩書きじゃなくて名前で呼んでよ〜」

 

「悪いですが私達は天竜人などはどうでもよいのです。……まぁお前達は口だけの者ではないから見込みはありますがね。」

 

やっぱりすごい威圧感だな〜ガープさん、いやコングさん並か〜

 

「やはり変人の集まりだな。流石古代の英雄という事か?」

 

「変人呼ばわりはあんまりだと思うよ〜DIO〜」

 

「……そうだったな。よく考えれば近くにもっと変人がいたか。」

 

「えっ? どこにだい?」

 

「「…………」」

 

「ところで狩りって言ってたけど獲物が見当たらないね〜」

 

「確か……ライジン島でしたか? 現在の名前は。そこの生物でしたから。」

 

えぇ!? ライジン島〜? それって……

 

「あまり面白くない冗談だな。ライジン島はここから100キロ以上は離れている。」

 

正確には104キロだけどね。

 

「問題ありません。私の射程距離は無限ですので……過去には月面ステーションにある標的を撃ち抜いた事もありますから。」

 

!? そりゃなんともすごいね〜

 

「げつめん……月の事か? しかしステーション? ……駅だと?ウォーターセブンの海列車と何か関係が?」

 

いや、僕の一族である天竜王家の歴史書が正しければ、800年前のこの世界は……そういえばベガパンクさんも気になる事言ってたな〜

 

「その射程距離は反則だな〜」

 

「会話出来ない獣はともかく人間相手には不意打ちはしません。『戦う』場合は精々間合いは数十mですね。」

 

「西部劇のガンマンみたいだね〜」

 

「!? …………(この男、もしや……)」

 

「そういえば九尾はどこへ行った? 全く……七英雄というのは誰もかれも勝手すぎるな。」

 

「ああ、彼女なら変身して傾世のシオリに会いに行った様だよ。」

 

「……確かにいますね。あの忌ま忌ましいリヴァイアサンの姿に…………妙ですね。」

 

「妙?」

 

「あれ程痛め付けられているのに何故か本気を出さない……あのオーラと50m程の体では九尾の相手など出来ません。」

 

「彼女はその50mの姿でマリンフォードを壊滅状態にしたんだけどね〜」

 

「…………まぁ後々明らかになりますか。それに『大地の母』……この時代では『救世主』と呼ばれていましたか。彼女も放置するにはあまりに危険……」

 

革命軍と人民の『救世主』……クィンティア・L・セフィスか〜彼女もえげつないよね〜

 

「私の時代では『世界を滅ぼす者』、『大地の母』、『竜王』全てが敵対していましたが……この時代ではどうなるのか……まぁオメガがいますから大丈夫でしょうが。」

 

あのオドオドした少年か〜 知らない人が見たらいじめられっ子にしか見えないけど……『あの能力』は本当に恐ろしいね〜

……まぁそれより……彼女、多分二年後に向けて色々頑張ってるんだろうね。彼女がどこまで知識があるか分からないけど……面白くなりそうだ。とても二年も我慢出来ないね。やっぱり……ちょっと挨拶に行こうかな?

 

 

 

 

 

 




ウルージさん一味の名前は確か不明だったので元ネタのバルバロッサ・ウルージの関係者から取りました。もし名前が判明してましたらご一報ください。


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