ONEPIECE世界を過去キャラと満喫   作:一匹犬

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17話「天地魔闘(前編)」

〜ギョンコルド広場〜

 

 

〜ウソップside〜

 

 

えぇぇ〜!? お、おれ達あの化け物女のシオリと戦うのかよ〜!? なんで急にそんな事……

 

「……ウソップ。今失礼な事考えなかったか?」

 

ウッ読まれた!?

 

「ま、とにかく…………なんでって顔してるな……なに、お前達に新世界の『上の方』の強さを体験してほしくてな。こうする事に決めた。」

 

う、うえのほう? それってもしかして……

 

「……例えば、四皇や海軍大将の様なモノかしら?」

 

ロビンが問いかけるが……いっつも冷静だなー

 

「四皇と大将じゃ比較にならんさ。白ひげは……全盛期からは程遠いからあの頂上戦争の最後以外の部分は鵜呑みにするな。それより…………シャボンディ諸島。」

 

その言葉にみんなの顔つきが変わる。

 

「二年前、あそこで絶望を味わったろ? 邦……大将黄猿プラスおまけによって。だが……二年! お前達は死に物狂いで強さ、もしくは戦闘員……いや、仲間をサポートする力を手に入れた。それがどこまで通用するか試したくはないか?」

 

……ありゃあキツかった。おれ達はもうあんな別れ方をしたくなくて必死にがんばってきたんだ。新世界での自分達の『位置』を知るってのは……重要だな。

 

「ルフィ……お前、前に四皇を倒すと宣言していたよな……その言葉が本当かどうか試してやるよ。」

 

「ちょっとルフィ! アンタ何やってくれてるのよ!!」

 

あぁ!? ルフィがナミにぶん殴られた!! おれのツッコミが間に合わなかったぜ……

 

「うぅ……だってよぉ〜海賊王になるにはそいつら越えねぇと! それぐらいの気持ちを持たねぇとシャンクスにとてもじゃねぇけど会えねぇし。」

 

あ! また殴られた!?

 

「ナ、ナミ……お前……今になって分かったけど、武装色の覇気使えんだな〜」

 

たんこぶだらけのルフィが感心してる。おいおいナミまで覇気使いかよ。おれは武装色は使えねぇってのに。

 

「フム……見た所、感情の起伏により発動する様だな。ただ身体能力が高くないからあまり肉弾戦には役に立たんだろうがな。さぁそろそろ決断しろ。挑戦するかしないか。」

 

「けど、私達でってのもねぇ……いくらアンタが馬鹿げた強さとはいっても……」

 

ナミがためらってる。疲れるのが嫌なだけ……とは思いたくねぇよな……でも確かにそうだよな〜いくらなんでも1対多じゃ……

 

「何を言っている? お前達だけじゃない。お前達麦わらの一味プラス傾世のシオリ海賊団の連合軍だ。ギンとアヤは別だが。」

 

!? おいおい? 何言ってんだよ……そんなの目茶苦茶じゃ……

 

「……むしろ戦力は足りんぐらいだがな。」

 

エネルがぼやいてる。……え? 足りないって……

 

「正気で言ってんのか!?」

 

ゾロがすげぇ怒ってる……コイツはシオリに反抗的だな……よーやるわ……

 

「不満か? ロロノア・ゾロ。」

 

「当然だろうが。いくらなんでも舐めすぎだろ。」

 

「……なら、実力で示せ。私を叩きのめしたら認めてやる。」

 

どうやってだよ!? 何回シミュレーションしてもダメージ与えるイメージすらわかねぇんだけど!

 

「いや、シオリは舐めてるワケじゃねぇ。修行中何度もおれ、エース、ジンベエ、ハンコック達三姉妹とか白ひげ二世海賊団のヤツら全員とで戦ったけど全然歯が立たなかったしよ。」

 

「…………」

 

ジンベエがすっげぇ沈んでるな……

 

「なるほど……最強だ……」

 

ゾロまで遠い目しだしたな……

 

「ゾロは決めた様だが他はどうだ?」

 

いや、あっちの世界に行ってますけど?

 

「あなたと戦うのは確かに何物にも代えがたい貴重な経験だと思うわ。」

 

ロビンも賛成し他のみんなもそれに続いた。うぅ……こんな時に持病が発症してくれたら……

 

「フム……良い返事だ。やはり一皮剥けた様だな。では……あっ肝心な事を忘れていた。」

 

と言ってクラゲ女と巨大クラゲの死体が置いてある所に歩いていった? いやいやそれよりおれは闘うって言ってないんですけどねぇ。聞いてます?

 

「さてさて……奇麗な死体のジェイリーちゃんはともかく、見事にバラバラだなコレは……う〜ん、スライムみたいな単細胞生物の様に復活出来るかねぇ……」

 

シオリがなんかグチグチ言いながら一人と一匹に何かを埋め込んで……!? な、なんだ!? あれは……火の鳥!?

火の鳥の様な業火がそれぞれを包んだ……

 

「う……」『(´・ω・`)』

 

!!? い、生き返ったぁ!?

 

「よし、これで問題なし。おい、二人を適当な所まで運んでくれ。」

 

「はっ!」

 

他の幹部同様拘束されてお城の兵士にどっかに運ばれてったな……

 

「では改めて仕切り直すか。まずは作戦タイムをやろう。向こうに行っているから終わったら呼べ。」

 

「「「…………」」」

 

ア然としてるみんなをよそにシオリが数百mぐらい向こうに行った……あ、エネル達もこっちに来やがった。

 

「しかし作戦って……全部シオリに聞かれない?見聞色の覇気とかいうので筒抜けじゃないの?」

 

「見聞色の覇気は必要のない情報は遮断出来る。シオリも盗聴する様な野暮な事はしないさ。」

 

合流したエネルが返す。

 

「それってつまり……本気を出すまでもないって事?」

 

ナミ! その顔怖ぇよ!!

「いや……細かい事は今は話せんが……『今の』シオリはいわば……戦闘狂だ。」

 

「「…………」」

 

エネルが説明してる間中ずっと複雑な顔してるな。サムライってヤツら。

 

「うぅ……今回も大頭と戦うのか……毎度ながら恐すぎる……」

 

ロボットからけっこうな人数のヤツが降りてきて色つきグラサンの兄ちゃんが泣き言言ってるな。

 

「余の力が及ばぬ、まさにこの世の理(ことわり)の様な存在。あやつに抵抗できるのは『ヤツ』や七英雄ぐらいだろうて。」

 

ガイコツがエラソーな口調でしゃべってるけど……七英雄てなんだよ? 七武海なら知ってっけど。

 

「そりゃ……な。スリラーバークでのあのすんばらしいご活躍を見れば分かる。」

 

鼻血出かけてるぞ……サンジ。次大量出血しても助けねぇぞいい加減にしねぇと。ま、それはともかくゾロやチョッパーもア然としてんな〜チョッパーとか抱きつかれるのがトラウマになってるが……

 

「実を言うと二年前は好戦的というワケではないんだが……まぁそれに関しては本人から話すまで待ってやってくれ。ま、雑談はこれくらいにするか。まずは作戦を決めていくと「ちょっと待てよ……」

 

あ! ギンてヤツが乱入してきた!?

 

「やっぱ俺に先にやらせろよ……我慢できねぇ……」

 

うっ! だからその顔怖いって!

 

「……」

 

サンジが割って入った!?

 

「ほう……俺に用か? サンジさん……ん? おいおいまるで今すぐ俺に一騎打ちを言い出しかねない面だぜ?」

 

「それが希望だよ。……所で……誤魔化してんのか? お前らしくねぇ。おれが割って入った時点で飛び掛かってくるかと思ったよ。……怖じ気づいてるのか?」

 

「…………」

 

なんて冷たい空気だ……サンジ……

 

「サンジさん……無理するな。足が震えてるぜ?」

 

「え……」

 

あっ!? サンジの体が……

 

ガッ

 

「ぐっ!?」

 

ギンがサンジの顔面を掴んで持ち上げた!?

 

「挑発するにせよ言葉を選べ。かりそめにもこの俺が怖じ気づくなどと……二年オカマ王に鍛えられた程度で強くなったと勘違い……青二才が…………うせろッッッ!!!」

 

あ!? サンジがぶっ飛ばされたぁ!?

 

「とんだ邪魔が入っちまったなぁ……さぁいいだろ? シオリよぉ……」

 

素人でもそれと分かるほどのとんでもない殺気を撒き散らしてるギン。うぅ……二年ボーイン列島で地獄を味わったのにこのプレッシャー……どーなってんだよ……

 

「フッ……ずいぶん親切なんだな。驚いたぞ……そうだな……その方がルフィ達の勝率も上がるだろうしな……」

 

ん? 何を話してるのかよく聞こえねぇ……

 

「ではまずギンと、その後続けて麦わら傾世連合軍との1対多のバトルロイヤルだ。」

 

「…………」

 

ルフィ達は下がった。……おれもさがろっと。

 

「しかし……あの野郎一人で勝つつもりかよ? …………鼻血コック、ヤツはどういう戦闘スタイルなんだ?」

 

なんとか立ち上がったサンジにゾロが質問した。

 

「昔はトンファー使ってたんだが……今は素手だ。あのワダツミとかいうデカ饅頭を軽々とぶっ飛ばせる力もある。とにかくおれより……数段上だ。」

 

サンジがあっさり自分より上って認めるなんて…………仕方ないよな……

 

「ちょっと、あのギンってのシオリに勝てるの?」

 

別の所じゃナミがエネルに質問してる。

 

「……勝てんな。日に日に強くなっているとはいえ……それでもシオリ、アヤとそれ以外には厳然たる壁がある。

ただ……その壁を破壊できる可能性を秘めている数少ない者の一人が……ギンだ。」

 

一人ってことは……他にもとんでもないのがいるのか……怖すぎる。うぅ……そいつらに会ってはいけない病が……

 

 

 

……で、おれ達から離れた所で睨み合う二人。うっ……とんでもない空気だ……あそこだけ空間が歪んでるような……

 

「さて、始めるか……とりあえずは……私にやる気を出させてくれよ?」

 

シオリはけだる気にしててなんつーか……これから戦う人に見えねぇよ。

 

「フン……いつまで生意気な口が利けるか見物だぜ……」

 

ギンは両手をズボンのポケットに突っ込んだままだ……って、あ!? いつの間にかギンの目の前にシオリが!

 

バキィィィッッ

 

シオリの右拳が襲いやがるがギンは両腕を交差してガードした! しかしあの服動きにくくねぇんかな? 裾とかスカートとか邪魔だろ。

 

ズザザザザザッ……

 

「チッ……こうも押されるとは……力みが足りねぇか……」

 

10mぐらい押し込まれたな。

 

「どうした? 口だけか?」

 

シオリが続けて右脚をカカト落としの体勢に……

 

「けっ! 舐めるなよ!?」

 

振り上げた足を担いで更に右腕を間接技……腕絡みだっけ? で掴んで続いてシオリの左足を刈ってそのまま押し倒した!? しかもシオリの顔面に右の肘打ちを……ってあの固め方じゃ逃げられねぇぞ!

 

「……」

 

あっ……シオリがギンの延髄辺りに蹴りを当ててかわした。肘打ちは外れて地面に激突したんだが……

 

ボゴォッ!

 

地面が3mぐらい陥没しやがったぁ!? そして離れる二人だけど……

 

「狼牙……前に一度見せただけで使いこなすとはね……」

 

シオリが感心してるな。

 

「安心しろ。他人の技は二度とは使わん。流儀じゃねぇ。……技だの奥義だのは『お前達』で共有したらいい。」

 

「お前達とは?」

 

シオリがニヤニヤしながら問い掛ける。なんで笑ってんの!?

 

「俺以外の全て!」

 

「「「…………」」」

 

流石にみんな絶句してんな……

 

「……負けん気が強いのは流石だが一回でも私に勝ってないお前がそんなセリフを吐くのは……井の中の蛙だな。けど、緊張はしてない様だね……結構。良い動きだったよ。」

 

「ギンの野郎……あんな技、下手したらシオリさんのお顔に傷が……」

 

サンジ……

 

「しばらく適当にやるか……ウォータージェット。」

 

シオリが指をかざしそこから水圧のレーザーを撃ってきた!?

 

「へっ!」

 

とんでもないスピードなのにかわした!?

 

「ホッホッホッ……デスビーム(嘘)」

 

今度は一気に連射した?

 

「ふんっ……小賢しい……」

 

あっ!? 正面に来たのを受け止めて握り潰した!?

 

「ほう……2000加圧は効かないか。」

 

……300加圧で鉄板切断できるんですけどー

 

「いつまで遊んでんだぁ? いつもとは違うんだ……とっととペースあげてこうや?」

 

「ならお前が頑張るんだな。弱いヤツに力を出す気はないのでな。」

 

「クックックッ……言うねぇ……なら、ちっと出力上げていくか……」

 

ギンの放つ気配がますます濃くなってる!?

 

「いつまでチンタラしてるんだ? 武装嵐脚……百鬼夜行!!」

 

あ、シオリが先に仕掛けた!? ……ってなんだぁ? あの攻撃!?

 

「CP9の技の……嵐脚だ。しかし百発全部覇気込み……目茶苦茶だな……」

 

ゾロがうめいてる。

 

「遅ぇ。……かぁっ!!」

 

あ!? 拳で大半の斬撃を打ち落としたぁ!? ちなみに打ち落とし損ねた斬撃は軽々と地面や周りの環境を破壊してる……

 

「ちぃっと拳が痛ぇが……こんなもんだろ。廻し受けするまでもねぇ。」

「フフ、並の者なら10発目辺りで薙ぎ倒せるんだがな……」

 

「シオリの言う『並』とは1〜3億、もしくは少〜中将クラスだがな。」

 

とサムライの……バサラとかいうヤツ。

 

「うんうん、腕は鈍ってない様だ。思いの外こうも早く本気を出すはめになるとは……お前も強くなってるね。……さて、それじゃ、40%……!!」

 

!? ううっ!!? な、なんじゃこりゃ!? さっきの時より強烈な圧迫感がシオリから放たれてる! さらに右腕にとんでもねぇエネルギーが充満してる!

 

「さぁ! これはどう凌ぐ!? カラミティウォールッッッ!!!」

 

シオリが腕を振り上げたら足元から5mぐらいの高さの水の壁が噴出してギンに迫ってきた!

 

「大量殲滅版を圧縮した一点突破版だ。今までみたいなぬるいものじゃないぞ?」

 

……水の壁が落ちていた鋼鉄の盾とか防具とかを粉々にしてる……いくらなんでも反則じゃね?

 

「黒縄大竜巻とは……密度が桁違いだ……」

 

あの斬れる竜巻よりすげぇのかよ!?

 

「けっ!」

 

「「「あっ!?」」」

 

おれらが驚いてるのを尻目にギンが顔面を水の壁に突っ込ませた!?

 

ムリ……ムリ……ムリ〜〜〜……ッ

 

……水の壁と衝突してるギンの顔がとんでもなく歪んで……

 

ベリッッ……ビリビリビリッッ!!

 

なっ!? つ、突き破った!? 岩とか鋼鉄を粉々にしてた水の壁を……

 

「!!」

 

バキィィィッッ!

 

あっギンの拳がシオリの顔面に命中してぶっ飛ばした!?

 

「んなっ!? シオリをあんなにぶっ飛ばすなんてめちゃくちゃだな〜!!」

 

ルフィが仰天してる。

 

更に距離をつめて息のつかせぬ連打が始まりやがった。シオリの顔面を両手で掴み強烈な膝蹴りが鼻を穿てば鼻血が噴出し、続いて裏拳がこめかみを強打、更に前髪をつかみ顔を持ち上げ頭突きをかませば額が割れ噴水の様に血が噴出する。おいおい勝っちまうんじゃねぇか?

 

「チッ……どういうつもりだ? ワザとくらいやがって……」

 

はあ? 何言ってんだ……

 

ニィ……

 

ゾワァッッ!!!

 

? 答えず笑みを浮かべるシオリ。てか今までなんか比べものにならない程の圧迫感が……やべぇなんか第6感が逃げろって言ってる!

 

「うっ……あれは……『狂姫』……ッッ!!」

 

「きょうき?」

 

「くるいひめとも発音しますが……姉上の本性です……」

 

本性?どういうこった?

 

「ちったぁやる気を出さねぇか!? 『狂姫』さんよぉ!!」

 

あっギンが更にシオリをボッコボコにしてる。顔中血まみれで……あざだらけだ。

 

「ギン……あんの野郎ッッ!!」

 

サンジがキレてるが気づいてねぇのか? シオリの存在みたいなもんが別物になったの……

 

「調子くれてんじゃねぇぞ!? ……おらぁ!!」

 

あ、シオリも反撃してギンをぶっ飛ばした。なんて一撃だよ。一発の威力がギンのをとんでもなく上回ってる。たった一発で(見た目の)ダメージをイーブンにしやがった。……つっても二人共パワーがトンデモレベルなんだが。いやそれよりまだ俺の勘が警報鳴らしてるし。

 

「ぺっ…………テメェ……」

 

大きな血溜まりを吐き捨てるギン。

 

「いや失敬……なに、あまりにも久しぶりなのでな。お前を含め私にダメージを与えられる者とケンカ出来るのは……つい殴られたくなった。」

 

口から血を垂らしながら獰猛な笑み浮かべてる……うぅ……なんかますます圧迫感が……

 

「……最後に挑んだのは三ヶ月ぐれぇ前か……そういやカイドウとかも最近会ってなかったか……道理でストレスが溜まってる訳だ……アヤとはアイツがおとなしくなったり飽きたらそこで終わりだしなぁ…………で少しは発散出来たかよ?」

 

「半分くらいはな。本来ならとことん殺り合いたいが……残りはルフィ達に任せるさ。」

 

「クックックッ……なら俺も調子こかせてもらうぜぇ!?」

 

ビリビリビリッッ

 

ギンの着てる胴着が破れていく。

 

「なっ……なんだ!? あの背中!!」

 

「鬼の顔……?」

 

みんなの言う通りまるで背中に鬼が棲み着いた様な風貌だ……

 

「打撃用筋肉の最終進化系……そこから繰り出される一撃は常軌を逸している……」

 

シロウとかいうのがうめく様にこぼす。

 

「フフ……なら私は……」

 

? シオリは左腕を宙に、右腕を地に下げた? な、なんだあの構え……

 

「げっ!?」

 

シオリの仲間やルフィやジンベエがすごいビビってる!?

 

「ケッ……『天地魔闘の構え』たぁな……お前こそずいぶん親切じゃねぇか……」

 

「て、てんちまとうのかまえ……って?」

 

カタコトになってるぞチョッパー。

 

「……見れば分かる。しかし……二人は何度か戦っているが……鬼の貌と天地魔闘、この二つがぶつかるのは……初めてか? 一体どうなる?」

 

よく分からんが……二人から沸き起こる殺気というかなんていうか……恐ろしい空気が漂う空間はおれでも分かるくらい充満してるな。絶対に踏み入れたくない領域だぜ…………あ!? ギンが無造作にシオリの目の前まで……

 

「さぁ……思い切り来い。後悔しない様に……な。」

 

「フン……そろそろ仕舞いにするかッッッ!」

 

!? ギンが両腕を挙げた? ……って背中の筋肉に浮き出た顔が……泣いてる!?

 

ゾワッッ

 

ギンの腕にシャレにならないエネルギーが……まるで大砲……

 

「今宵……よもやこれが使えるとは思わなかったッッ……受けてみろ!!!」

 

うおっ!? ただの正拳突きなのに……なんでこんなに死の気配を漂わすんだ!?

拳が空を斬る音がこっちにまで聞こえてきやがった!?

 

「フェニックスウイング!!!」

 

!? シオリの右手が正拳突きを受け止めた!? な、なんだ!? 手が……燃えてるぅ!?

 

「! ムッ……まだ押されるとは予想以上……だがっ! ……カラミティエンドッッ!!!」

 

シオリの左腕の手刀が正拳突きを放った右腕を強打した!?

 

「ぐっ!」

 

「カイザー……マーメイドッッ!!!」

 

しかもすぐにシオリの右手から……巨大な人魚が生まれて……ギンを飲み込んだ!

 

ズガガガガガガガガガガガッッッ!!!

 

人魚に飲み込まれたギンが数十メートルもふっ飛ばされた!?

 

「「「…………」」」

 

とんでもないものを目撃してしまったおれ達は声も出せない……

 

「な、なんだ……あれは……」

 

ゾロがうめいてる。

 

「必殺技のコンボ技だ。シオリは普通の者にとっての超必殺技を一瞬で三連撃放つ事が出来る。これは二年前から地道に特訓していた様だが。」

 

「これこそ……我が奥義……天地魔闘の構え。天は攻撃……すなわち武装色の極限、カラミティエンド。地とは防御……あらゆるものを弾き、切り払うカウンター、フェニックスウイング。そして魔とは悪魔の実の力……リヴァイアサンの力を具現化したカイザーシリーズ。私は攻撃、防御、悪魔の実の力の3動作を一瞬で繰り出せる。そのための不動の構えこそが天地魔闘だ。

……だがさすがはギン……鬼の一撃を相殺するのに二つも技を使わされるとは……たいしたヤツだ……と言ってもこれを破った者はまだいないがな。」

 

破るって……あんなの無理に決まって…………あっ! ギンが瓦礫の中から這いでてきた……

 

「チッ……また負けたか……」

 

「まぁ私が簡単に負けたら話にならんからな。落ち込む事はない。お前は新世界でも格闘戦なら五指に入る。」

 

「地上最強の生物になるには……一指じゃなきゃいけねぇんだよ……にしても……クソッ……脱がさせる事もできねぇとはな……」

脱がせるって……おいおい。

もう戦うつもりはないのか腰を下ろしてあぐらをかいた。

 

「邪魔したな。お前ら。後は勝手にしたらいい。」

 

…………

 

「……ひょっとして、ギンて人はシオリの技を引き出す為に先鋒を?」

 

「……勘違いするな。別にお前らのためにやったワケじゃねぇ。」

 

オッサンのツンデレはキツいな〜

 

「(出力を押さえすぎたか……鬼の一撃を受け止めた右腕が麻痺してる……しばらくはまともに使えんな。……いや、良いハンデか。)さ、始めるぞ。作戦を練る時間は取れたろう。」

 

う、つ、次こそおれ達の出番か! ……生きて帰れるかな〜?

 

 

 

 

 

 




引き延ばし申し訳ない。VS麦わらチームは次回で。

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