〜ギョンコルド広場上空の海域〜
〜ホーディside〜
チッ……デッケンの野郎め! トチ狂いやがって……だがノア……これは使えるなぁ……このデカブツを魚人島に落とせば……クズ共みんなまとめて処分できる!
人間……麦わらの一味共……それに魚人のプライドを捨てやがったアーロンやジンベエも全員ぶち殺してくれる!
そのためには……しらほしが島の真上辺りに来た時に……ヤツを、デッケンを始末する! そうすりゃあ……ジャハハハハ!
さぁ〜て……まずはしらほしをとっ捕まえるか……けっこうタフになった様だがスピードで今のおれに叶う者などいないんだからなぁ!
…………ん? 誰かと思えば麦わら……か? 下等種族が海に入るなんざ笑わせてくれるぜ!
「ジャハハハハ! 麦わらぁ! 陸の上じゃてこずったがこの海では立場は逆転する!」
「へーそーなのかー?」
ちぃっ……鼻なんぞほじりやがって……なめてんのか!? すぐに後悔させてやるぞ!
「死ねぇっ!」
挨拶かわりに撃ち水を10発ほどぶっ放す。陸の時と違って早く動けまい!
「だから無駄だって。」
!? ぜ、全弾かわしただと!? しかもほとんど動かずに……陸ん時といい何をやりやがった……
「確かに動きにくいけど……お前程度ならこれで十分だ。」
!!? ガ、ガキがぁ!!
い、いやヤツのペースに乗せられるな……そんなもの……超スピードでの噛み付きでバラバラにして……
「武装色! 銃弾(ブレット)!!」
!? 先に仕掛けてきや
ドゴォォ!!
!? グ、ヘェッ……!? ハ、ハラが……なんて一撃……ありえねぇ……人間……しかも能力者が海中でこうも速いとは……ぐぅ……シャボンさえ破壊できれば……一瞬でカタがつくってのに……
「も〜い〜か〜!?」
!? ちぃっ考えが纏まらんうちに……コイツを振り切った後デッケンの能力を解除させる……それだけの事がなんて難関……
「んじゃとりあえずぶっ飛ばすぞ〜お前!」
ゾワッッ……こ、この殺気は……
「ギア2武装! ……くらえ! エース直伝のぉぉぉ……」
!? ヤツの腕が後方に伸び……黒く変色した……しかも海中で燃えてるだと!?
「火拳銃(レッドホーク)!!!」
ズドォォォッッ!!
!? ガハァッッ!? ば、馬鹿な見、見えな……ギィアアア!? ハ、ハラがや、焼けるぅ〜〜死……死んじまう!!
「あれ? ひょっとしておれの出る幕なしじゃね!?」
どこからかアーロンの声が……いかん……1対2は……エ、ESを……
バリボリッ
……こうなりゃあ……全部食ってやる! この身がどうなろうと……かまうものか! 魚人島をぶっ潰せるんなら!
「ありゃ〜アーロン〜お前も来たのかよ〜」
ぬっ!? 幻聴ではなかったか……おのれ……
「へっ……カシラの指令でな。けど……思った以上だな。海中でもホーディを倒すとは……む!?」
「アーロンンン〜……貴様ァァ……どこまでおれ達を幻滅させるぅぅ〜!」
人間に寝返った軟弱者め……!
「それに関しちゃ何の弁明もできねぇよ。許してもらうつもりもねぇ。ただ敵であるお前を倒す……そんだけだ。」
「しらほしは一人にして大丈夫なのか?」
「デッケンの強さと能力はだいたいカシラから聞いてるし実際に見たが大体分かった。……あの程度じゃしらほしの敵じゃねぇよ。カシラに地獄の様な特訓やらされたからな。その強さは……ウチのモンに匹敵するぜ。それに……カシラ以外で『海中』でしらほしに勝てるヤツはこの世に存在しねぇ。」
「うへ〜そうなのか〜」
しらほしを鍛えたのは……傾世……アマクサ・シオリ……おのれぇ……ヤツさえ姿を見せれば一番に始末してやるというのに……ぐっ!? いかん……思考ができ……
「グオオオオオ………………グッ……グウエエエエエッッ!!!」
「うわっいきなりなん……ってとんでもない量吐いてるぞ!? それになんか体がグニョグニョしてきた!?」
「! ま、まさかありゃ……カシラが言ってた……『マックシング』!?」
「なにそのマックなんとかって。」
「ドーピングの限界突破現象だ……あれ見ろよ。」
「おお! 筋肉が萎んで……いや、違うな〜凝縮してる……すげぇ威圧感だ…」
「ガアアアアッッ!」
「! 速ぇ! ……やべぇな……これじゃ満足に動けねぇ……」
「やっと出番か。肝冷やしたぜ。」
「? 何言ってんだ?」
「いや、こっちの話……おれの背中に乗れ! 脚代わりになってやる。」
「おお! サンキュー〜」
「ききき貴様らぁ〜どこまでも舐めた真似を……目障りな馴れ合いなぞしおってぇ〜!」
「うらやましいのか?」
「ほざけぇぇっっ〜!」
もう考えるのはヤメだ! 目に映る全ての者を八つ裂きにしてやる!
「キリサメ!!」
愛刀を抜き背ビレに装着。そして超スピードでヤツらに狙いを定める。
「死ねぇっ!!」
「うわっと! ……速ぇなぁ……先輩はうれしいぞ〜」
「それ以上しゃべるなぁっっ!! 面汚しがぁっっ!!!」
クソッ……アーロンめ……やはり強い……10年前とはまるで別人……だが引けん!
「魚人空手! 海太鼓!!」
「! 振動波か……が、カシラの『無空波』に比べりゃ……弱すぎる! 魚人ケンカ殺法プラス武装色! 螺旋掌打!!」
!? ヤツの拳が……回転……これは確かコークスクリューとか言う拳闘技術……掌打が振動波を掻き消しただと!? ……ぐおっ!? 威力が死なずにおれにまで……
「おいおいもうちょっとしっかりしてくれよ後輩。」
ぐ……おのれ……
「調子に乗るなぁっっ!!」
「武装色! ゴムゴムの……JETバズーカ!!!」
ぐっ! 今度は麦わらが来やがった! !? ヤツの両拳が目の前……
ドゴオオオオッッ!!!
グオオオオッッ!!?
「ありゃ……吹っ飛ばしすぎちまった。」
「(あの位置は……運良くカシラの指示通りの展開になってるな〜)」
〜デッケンside〜
「しらほしぃぃ〜大人しくするんだぁ〜!!」
「デッケン様……今すぐノアをお止めください。お願いです。」
「ふざけるなしらほしぃ! お前は魚人島と共に滅びるのだぁ〜! そして! このおれも後を追ってやるぞぉぉ〜!」
「……そうですか……やはりお止めになってくれないのですか……仕方ありませんね。ここはお姉様の教え通り……デッケン様。あなたの体に直接言うことを聞かせます。ですから……今から泣いて謝っても、許しませんからね!!」
しらほしなぜだ……なぜおれに愛を向けてくれんのだぁ!?
「許さないだとぉ!? お前が何をしようと言うのだぁ!」
「あなたを……こらしめます!」
「ほざけぇー!」
生意気なヤツめ……まずは黙らせんとなぁ〜……しかし……ナイフは通じん……何を使「えい! しがん……ばち!!」
!? なんだぁ!? 指から何かが飛び出してきやがったぁ!? ……ってヤベェ!
ドゴオオンッッ!
間一髪外れた何かは巨岩をも容易く粉砕しおった……おのれ……なんだと言うのだこの強さは……一体誰が……
「デッケン様お覚悟!」
ええい! 血相変えて襲ってきおって……
何か……策は…………! あの船は……人間のか!? バホホホホホッッ!! あれでも十分殺せるだろう! 覚悟しろよ!
おれは気配を殺し人間の船の真下に接近。そして……タッチ! 能力発動だぁ!
「!? ジャイロ船長! 舵が急に効かなく……」
「なっなんだとぉ〜〜!? このバカチンがぁ〜!?」
バホホホホホッ!! ノアには遠く及ばんがこのサイズの船ならっ……
「!? 船……!? これもデッケン様の……」
「もう遅いぃ! 死ねぇぇぇっ!!」
「………………」
? なんだぁ? 急に目を閉じやがって……お祈りの時間かぁ!?
「お願いします! ヨルムンガンド様っ!!」
『心得た……我らの王……しらほし姫よ。』
!? なっなっなっあっあれは……海王類だとぉーっ!!?
白と黒のストライプの……ありゃあウツボかぁ? 体長は500メートルはありやがる……あっ!?
「うわああああ〜!?」
人間の船がウツボもどきに食われやがった!?
『後で出してやる……人間達よ……さぁ皆……我らの神と王の勅命が来た……』
『ノアを魚人島に落とそうとするなんて……悪い子だねぇ……神の逆鱗に触れちゃうよ〜』
〜〜〜〜〜〜っっ!!?? ここここれは幻覚かぁっ!!? 海王類がどんどん現れやがるぅ……
「そう驚くなよデッケン。」
ん? 女の声? ……黒のタンクトップにスパッツとは……はしたない格好だな! い、いやそれよりコイツ誰なんだぁ!? なぜ海中で人間が平然と出来るぅ!?
「私か? 名前ぐらいは知ってるだろう? 傾世のシオリ……別名『海神リヴァイアサン』だよ。」
この女がぁ!? あ、あのぉっ!? んな馬鹿な……なぜこんな時にぃ……
……ん!? うわああっ!? こっちにホーディが飛んできたぁ!?
「ぐ……ここは…………!? き、貴様はっ……アマクサ・シオリっ!?」
「やあドーピング馬鹿。」
「!! 減らず口をっ……貴様を始末すれば全て上手くいくはず…死んでもらうぞ……チラ」
!? なんだぁ? ホーディのヤツなに
グサァッ……!
!? ん…………なんだ? なんか腹が…………あれ? 血が……あれ?……
……
……
……