〜ギョンコルド広場〜
〜シオリside〜
「おおっ……麦わらの一味達も強いのう〜」
ルフィ達の戦いっぷりを見物して感心してるもじゃもじゃ王。そこに長男坊のフカボシが駆け付ける。
「父上!」
「? どうした……! まさか……」
「はい! ノアが動き出したようです……おそらく……いえ、間違いなく下手人はデッケンでしょう。行き先はやはり……」
「うむ……しらほしを狙うか……リヴァイアサンのおっしゃられていた事は本当だったんじゃもん……
だがここはあの方を信じる他あるまい。しらほしも訓練に訓練を重ねた……制御してくれるはず…」
……ネプチューンの言う通りこれはしらほしの実力テストだ。まぁ失敗しても私が再命令を出せば問題ないが……出来れば頑張ってほしい。
「海獣も無力化し終わったし我々は麦わらの者達やしらほしのサポートに徹するぞ!」
「「「はいっ!!!」」」
ま、王族も問題ないだろう。しごきにしごいたからES仕様の幹部共すら倒せる。さすがに暴走ホーディにはタイマンじゃ勝てないが。
それはそうと……デッケンも暴走しだしたか……はるかなかたから魚人島に匹敵する大きさを誇る舟『ノア』がこの島……いや、しらほし目掛け落ちて来る。大きすぎるからスピードはゆっくりしてるが……まぁ……無駄なあがきだがな。
…………お! ノアからワダツミが落ちてきたが……運が悪いな〜 あそこら辺には……
彼は何人かの雑兵とかを下敷きにしながら地面に落下。彼からしてみたら2、3階から落ちた感じか。痛い痛いと喚きながら辺りの雑兵を吹き飛ばしてる。血を見たハート様って所だな……がとある人物を見たら急に大人しくなった。
「クスクスクス……誰かと思えば……デクの坊か……何しに来たんだぁ?」
ギン次郎がおられました。ワダツミは蛇に睨まれたカエルの様にしばらく硬直していたが……
「うわああああああ〜!!恐いよおおおおお〜!!」
我慢の限界を越えパニクるワダツミ。そんな彼をよそに雑兵がギン次郎に近づく……あ〜あ……
「なっなんだこのおっさんは! 殺っち……」
だが、ギン次郎を見た瞬間動きが止まる。そして次に起こした行動に周りの者達が驚愕する。
「ヒィィィッッ」「ぎゃあああっ!」「うわあああああ!」
近くにいた者同士で殴り合いを始める。相手がいない者は自分で自分を殴りつける。
「は、はあああっ!!? な、何をしてんだ!? テメェらっ!?」
理解しがたい事態に動揺するホーディ。
「な、何をしている! さっさと止めてその人間を……」
ホーディが血相変えて叫ぶが誰も聞いちゃいない。しかし……
「やめい。」
ギン次郎の一言でピタリと止まる雑兵達。そしてすぐに直立不動の体勢になる。まるで教師に叱られた生徒の様に。
「貴様らの選択は正しい……仮に戦おうとせず逃亡を図ればその瞬間貴様らの人生は終焉を迎えていた。」
おいおい無駄に殺すんじゃないぞ。
「俺に戦いを挑む……論外。天地がひっくり返っても勝ち目は零!!
ならば苦肉の策……自分自身を潰し合う。それでいい。それが最善……許してやろう。」
「「「…………」」」
ハハハ……心の底から助かったって表情だな。寿命はちょっと縮んだろうけど。
「それよりもだ……デクの坊……二度も俺の前に姿を見せるとはどういうつもりだ?」
だが顔に好戦的な笑みは浮かばない。どうでもいいモノを見る時の表情だ。
「ぐ、ぐ、ぐ……ど、どくんだど〜!」
山下たろ〜君みたいなドモリ方でギン次郎に踏み付けをしようとするワダツミだが……やはり簡単に受け止められる。
「邪ッッッ!!!」
ジャンプし彼の脚にハイキック……場所的にはローだが……を叩き込むと一発でぶっ倒れた。
「……一日に二度負ける馬鹿がいるかッッッ!!!」
そう吐き捨て無造作にワダツミの髪の毛を掴む……あ、このシーンて天内……
「消えうせいっ!!!」
軽々とワダツミの超巨体を投げ飛ばす。
ブチブチブチブチ……
髪の毛がめちゃくちゃ抜けたな……まぁサイズは天と地ほどの差だから10円ハゲ以下の感じだが。
「「「ええええええ〜!!?」」」
サンジやチョッパー以外のメンツも仰天してるな流石に。
ズウウウンンン……!!!
とばっちりでまた何百人かがワダツミの下敷きになったな……ご愁傷様。
「…………フン……する事がねぇなぁ。他のヤツらの見物でもするか……なぁシオリ。」
隠密モードの私を見つける事ができるのは流石だ。しかし……やはりここじゃギン次郎の欲を満たせるヤツはいないだろうな……また私が相手してやる事になるか…………さてさて次はどこを見物するかな……
「「うおおおお〜」」
お! ルフィとホーディが戦うか……ま、相手にならんがな陸上じゃ。
ホーディの猛攻は一発もカスリすらしない。原作で余裕だったからな。今回はもっと楽だろう……と、そこにでかい声が響く。
「まっはっはっはっ!! 集まったか者共!! よし合体するぞぉ!!」
「えっ!? 合体ぃっ!?」
ステキワードにルフィが反応。よそ見してもホーディの攻撃はカスリもしない。
「トランスフォーメーション!! ヘルズベアーモード!!」
ワポルの叫びと共に漆黒のボディの1号機ベアー号が跳び上がり変形していく。尾翼やその他が折りたたまれフォルムが真四角になり、更に前面に2カ所、後面に1カ所、それぞれ左右に一カ所の計五つの空洞が生まれた。
「ジャガー号ライトアーム変形!!」
ミス・メリークリスマスが叫ぶとこれも漆黒のカラーリングの3号機のドリル戦車であるジャガー号が変形していき右腕の形になりベアー号の右側の空洞に接続される。
「ラ〜〜イ「ライトアーム接続完了!!」〜ト〜〜」
次に……「ドラゴン号レフトアーム変形!!」
Mr.5がノリノリで叫ぶ。
5号機……ドラゴン号。これも漆黒のカラーリングであるヘリコプターだ。それが四枚構成のプロペラ……専門用語で言うメインローターと分離し左腕の形に変形してゆきベアー号の左側の空洞に接続される。
「キャハハハ! レフトアーム接続完了よ!!」
さらに……「「ライガー号分離!!」」
パールとニャーバンブラザーズ達が叫ぶと白いカラーリングの4号機である、砲台タンクのライガー号が二つに分離しそれぞれが脚の形に変形し……ベアー号の前面の二つの空洞にそれぞれ接続される。
「ライトフット接続完了!!」
右脚部分にいるパールが叫ぶ。
「レフトフット接続完了!!」
左脚にいるニャーバンブラザーズが叫ぶ。
「よし! ラストだ! イーグル号分離!!」
サーキースが叫ぶ。
2号機である白と黒のツートンカラーの飛空挺イーグル号が二つに分離。一つは白い色の何やら人の顔の形になり、もう一つの黒い部分はリュックサックの様な形になる。
リュックサックはベアー号の底部に接続される。
「バックパック接続完了よん!!」
ポルチェちゃんが叫び、人の顔の形のはベアー号の後面部の空洞に接続された。
「ヘッドパーツ接続完了だぜ! リーダー!」
「まーはっはっはっ!! 天よ地よ人よ! 恐れおののけい! これが!」
「「「真!! ヘルズベアーロボ!!」」」
ここに最強の勇者……じゃない……鋼鉄(鋼鉄じゃないが)の守護神が誕生した。
「「「うおおおおおお〜!!? ススススススッゲェェェッッッ!! 5機も合体したあああああ〜!!」」」
感動のしすぎで号泣しながら目がキラキラしてるルフィ、ウソップ、チョッパー達。テンションがヤバい事になってるな。
「…………くま?」
ジンベエは呆然としているな。なにせ……ワポメタル、ワポルのバクバクの力、パシフィスタ、とある超希少材質、それにフランキー将軍を知ってる私の意見も取り入れ、しかもガレーラカンパニー全面協力の元完成した究極のロボットだ。
5機のマシン、合体した姿のネーミングの元ネタはもちろんゲッターロボ。流石に三段変形は無理だけど。
全長は20メートル、くまの3倍ちょい、MSで言えばアクシズ抗争頃……大型化の時代の標準サイズだ。
そしてジンベエが錯覚した様にカラーリングも相まってそのフォルムはバーソロミュー・くまを彷彿とさせる。まぁパシフィスタ5体使ってるから無理ないが。彼の遺志を勝手に引き継いだ様なものかもしれんがな。
「な、なんてすげえ合体機構だ……あれもワポメタル製……って本人いるから朝飯前か! しかし……5機合体なんて複雑なのを一体どうやって……」
大工魂がうずいている様子の変態さん。
しかし、もうね敵に対する圧迫感が半端じゃない。ロボが睨みを効かせるだけで敵達はジリジリと後退せざるを得ない状況になっている。サイズ的にはフォクシー海賊団の魚巨人ビッグパンぐらいなのだがやはりフォルムの影響があるからだろう。
「み、見かけ倒しだ! 一斉にかかれ!」
まずいと思ったのか何人かのリーダー格が発破をかけ無理矢理突撃させる。フン……フレアに破壊された旧式とはレベルが違う。雑魚では傷一つつけられんさ。
「ダイナマイトパンチ!!」
ヘルズベアーロボの左腕が唸りをあげ敵群を殴り飛ばす。
ドオン!!
殴られた敵群はなんと爆発に飲み込まれた……Mr.5のボムボムの実の力をフィードバックしているのだ。
「キャハハハ! まだ終わらないわよぉ! グラビトンパンチ!!」
ロボの左腕が超重力の塊に包まれ、そのまま振り下ろし敵群を潰した。加減はしているようだから死にはしない。これもバレンタインのキロキロの実の力をフィードバックしている。
腕を二振りしただけで数百人が戦闘不能になった。
「Mr.5ペアだけに良い所見せられないね! 私達もやるよ! それやるよ!」
「フォ〜フォ〜……ド〜〜リ「ドリルブースト……ナックル!!」ル〜」
右手が外されると中から巨大なドリルが現れ射出された。ドリルは敵群に突っ込み数百人をぶっ飛ばす。貫通したドリルは弧を描き再び右腕に戻ってくる。
スパロボ大戦のスレードゲルミルの同技を参考にした甲斐があったな。頭に装着すれば……
「あ、足を狙え!」
敵がヘルズベアーロボの足元にたかってくるが……
「ミサイル発射!!」
両太もも辺りから四連ミサイル発射口がせり出し小型ミサイルを一度に計8発ぶっ放す。4発同じ場所に当たれば黄猿やパシフィスタのレーザーを軽く越える破壊力だ。さらに……
「ヘルズキャノン!!」
足の裏のハッチが開きそこから巨大ミサイルが発射され数百人が当然の様にふっ飛ばされる。元ネタは当然ダイターン3のダイターンキャノン。
「ホバークラフトモード!」
足の裏や脚部側面からブースターが飛び出し更にバックパックからも炎が噴出し巨体を浮かび上がらせる。
これによりホバー走行を可能にした。もっともバックパックに噴風貝4個炎貝6個、両足それぞれには噴風貝5個、風貝10個も組み込んだが。
「Mr.5ペア! 斬艦刀エクスカリバーを出せい!」
「へいへい了解〜」
ワポルの指令に答えるMr.5。
ヘリであるドラゴン号のプロペラ四枚はバックパックに接続されていたが二枚外れ……合体した。形状は大剣。ワポメタルととある材質で造りだされた世界有数の硬度を誇る剣……その名もエクスカリバーだ。形状は15メートルもある大剣だが。
しかも……残りの二枚が横に連結し盾の形に。究極の防御力を誇る『イージスの盾』だ。もっともこんな戦場じゃオーバーキル、ダメージ1もいいとこだが。……とにかくこれで戦闘形態になった。
「大刀流……大! 車! りぃーーんンンン!!!」
サーキースの技を生かしたエクスカリバーの投擲が放たれた。次々と敵をふっ飛ばしていく……今回は峰打ちモードだから死人はそんなに出ないだろう。通常モードじゃ体を真っ二つにされた惨殺死体が数千体出来てしまうからな。
この投擲で2000人程が戦闘不能になった。……ルフィは相変わらず興奮しっ放しだな……
ま、とにかく必殺兵器はまだ山ほどあるが。ZZのアレとか某グレン……とか色々な。
さ〜て、フル装備で出撃させたんだ。存分にその勇姿を見せつけろよ。