〜竜宮城〜
〜ルフィside〜
宴会〜♪ 宴会〜♪ う〜ん我慢できねぇ! 先に食っちまおう!
修行ん時は食うにも困ったもんな〜 食える時に食う! これは何度も死にかけて学んだ教訓だ! そうと決まったらみんなには悪ぃけど先に食いもん探すぞぉ!
しっかし広ぇ城だな〜一部屋探すだけで大変だ〜 …………おっ! んまそーな匂いがするなぁ! あの部屋だ! 間違いねぇ!
……ありゃ……なんかでけぇ部屋だなぁ……ん!? なんだ? なんかの気配が……
「どちら様でいらっしゃるんですか!? あなた様は!!」
うぇぇっ!? この圧迫感……覇王色の覇気かぁ!?……ってやべ! 見つかっつった! じゃねーや。ついウルフの口調が移っちまったよ。……あのヤローもめちゃくちゃだったな〜
しっかし、デケェ人間……あ、人魚か〜!?
「お前は誰だよ〜?」
「わたくしはリュウグウ王国のネプチューン王の娘! しらほしです! 賊に弱みを見せる様な無様な醜態はさらしませんよ!」
なっ……なんだぁ!? コイツ……もじゃもじゃの子供ぉ〜!?
「ち、違うんだよ。おれ達、そのもじゃ……ネプチューンのおっさ……王様に招待されて来たんだよ!」
「…………本当でございますか? わたくし、疑わしきモノは全てぶっ壊せとお姉様に教わっているのです。嘘だったら…………ハッ!?」
「!? なんだ!? ありゃ……斧ぉ!?」
斧が飛んできた!? ……にしたってデケェな!
「えい! しがんっ!!」
人魚のヤツが指で斧をついたら斧が粉々になっちまった!? ……あの技って確かCP9のヤツらの……う〜ん……しらほしとかいうヤツ、なんでアイツらの技を……
けどありゃえげつねぇな〜 指がおれぐらいあるからとんでもねぇ凶器だ〜
「おい、お前それどこ……」「も〜デッケン様ったらしつこいです〜! ここはお姉様の教え通り、『シメ』なきゃいけませんわ!」
……ずいぶんはちゃめちゃなヤツだな〜 アイツみてぇだ!
んで色々話してたら食いもん分けてくれた。良いヤツだな! しかもここの飯ウメェし大量にあるしな! しらほしってヤツもいっぱい食ってるな〜
「あっ! そうですわ。今日はお母様のお墓に行きませんと!
え〜と……あなた様のお名前はなんと言うのでしょうか?」
「おれか? モンキー・D・ルフィ。海賊だ!」
「まぁ! あなた様が……お姉様からよく聞かされていましたわ。」
「モグモグ…………へ〜 お姉様って?」
「はい。とてもお強くて、美しくて、明るくて、優しくてそれでいて厳しくて……わたくし、尊敬しているんです。
2年前まで内気で引きこもりだったわたくしを鍛えてくださって……それに、この魚人島を守ってくれてるんです。」
「『海の神』様とか言うヤツか?」
「あ、皆様からはそう呼ばれていますね。わたくしやお父様達はもちろん、全ての海に住まう全ての者達の神様の様なお方なんですよ。ただ強いだけじゃなくてものすごく不思議な力を持っていますし。」
「すげえなソイツ! 会ってみてぇな!」
「はい。この前連絡があって、もうすぐここに上陸なさるはずですよ。」
そうか〜 あ……ちょっと小腹も満たしとくか〜
「……ぶへ〜 くった、くった〜」
「ルフィ様もものすごく大食漢であらせられるのですね。すごいです!」
「食うのが好きだからな〜」
「お姉さまみたいですね〜…………あら、もうこんな時間だわ。
それでは、わたくしはお父様に挨拶に行ってきます。」
「何のあいさつだ?」
朝はとっくに過ぎちまったぞ?
「はい。外出の時はお兄様達の誰かか10人の兵士の皆様が一緒に付き添ってくださるんです。」
あんだけ強けりゃ問題ねーと思うけどな〜
「おお、来たか。しらほしや……紹介しよう。この者達があのお方の言っておられた『麦わらの一味』のみなさんじゃもん。……お、ルフィ君。すでにしらほしに会ったのか。」
「あっれ〜みんな〜包帯〜 どしたんだぁ?」
「ああ、『色々』話してたぜ。……ってなんだぁ〜!!?? この女の子は〜!!」
「ああ、おっさんの娘のしらほしだってよ。」
みんなびっくりしてんな〜 けどなんか表情が固ぇな〜 ……あ! ゾロ!
「ゾロ! いつ来てたんだよ〜また迷子になってたのか?」
「違うわバカ! さっきまで変なガイコツに絡まれてたんだよ!」
「ヨホホ? 私、何もしてませんよ〜」
「オメェじゃねぇ!」
「ガイコツ…………ファラオ殿か?」
「そんな名だったな……知り合いかよ?」
「うむ……」
「お父様、海の森にあるお母様のお墓に行きたいのですが。」
「おお、そういえば今日も通う日であったな。……付き添いは……うーん、今息子達は不在じゃし……」
「おれがついてってやるよ!」
「ルフィ君か……すまぬが頼まれてくれるか。ではしらほしをよろしく頼む。」
「おう! 任せとけ!」
「しらほしも気をつけるんじゃもん。スパルタで鍛えられたとはいえ、お前の見聞色の覇気はまだまだ未熟なんじゃから。」
「はい気をつけます。それではお父様……行ってまいります。」
「うむ。」
〜ホーディside〜
ジャハハハハ……平和ボケしたリュウグウ王国のバカ王族共……貴様ら全員軟弱な思想を持つ国民もろとも根絶やしにしてやるぞ。
「バホホホ〜しらほしぃ〜今、お前の花婿が迎えに行くぞ〜……のハズだ!」
「フン……竜宮城か……」
デッケンやアーロンさんも気合いが入ってる様だ…………それでこそ御しやすい。
で、竜宮城に着いたんだが……
…………? 妙だな……人気がない……だと? ナニがあったというんだ?
「おいおいせっかく来たのに出迎えがねぇとはなぁ! シラけさせてくれるぜ!」
……確かにアーロンさんの言う通り……誰もいない……!? ん?この音は……足音か……ここに近づいてるな……
ヤツらは……確か麦わらの一味。それに……ん? 誰だ? あの包帯は……
「アーロン……まさかアンタが襲ってくるとはねぇ……」
アーロンさんと知り合いの様だな……という事はあの女が『泥棒猫』か……
「ナミか……シャーハッハッハッ! 久しぶりだなぁ。シャボンディ以来か……」
「アンタ……シオリを裏切ったの!? 一体どういう事よ!」
「このシャボンを見りゃだいたい分かると思うが……おれは悪魔の実を食わされ……泳げなくなっちまったんだよ! 手段を選ばないアイツにはついていけないのよーー……ゴホンッ! ……いけねぇのさ!!」
「なっ……彼女がそんな事を!?」
「構うんじゃねぇ……それよりあのホオジロザメのヤロウが危険だ……」
さっきから一体なんだ? あの包帯……
「よそ見してるたぁずいぶん余裕だな! SHARK・ON・ARROW!!」
「!? は、早……」
アーロンさんの突撃が因縁があるらしい泥棒猫に迫る……確かに記憶にあるより……早い。
「…………」
ガシィッッ
!? あの包帯……受け止めるとは……
「!? テメェはなんだぁ!?」
「……テメェらに名乗る名はねぇよ!」
「バホホホ! お前らは勝手にやっていろ! さぁサンゴよ! しらほしの下へ飛べぇ!」
城に生えてるサンゴでしらほしを追跡しようとするが……
「硬殻塔へ飛ばねぇ!? おのれぇぃ! 誰がかどわかしたぁ〜!?」
…………いきなり戦力が減ったか……まぁいい。髪の長い女、剣士、長鼻、骨……数は足りんが確かに麦わらの一味だな……
「我々はアーロンさんの意志を受け継いだ新魚人海賊団! アーロンさんの野望を打ち砕いたお前らは……我々の糧になってもらう!」
「テメェ……一回負けたくせに性懲りもなく……」
「シャハハハハ! 止めたきゃ……殺すしかねぇぞ。そうでもしないと……止まらねぇのさ! おれ達魚人族はなぁ!」
「アーロンさん……そろそろバブリーサンゴの用意を。……さて、人間共……無力になったらどうするか……見せてもらうぞ! 租鮫(ソシャーク)!!」
城の柱を破壊。これで……ここに海水が侵入してくる。
「うおっ!? なんつー真似を!」
ジャハハハハ……驚くのはまだ早ぇぜ?
「矢武鮫(やぶさめ)!!」
海水は無限にある。いつまで耐え切れ……「矢武鮫!!!」
!? バカな!? ……あの包帯男……魚人か?おれと同等……
「フン……制御が荒ぇぞ、若僧め。」
「うわぁ!? 頭の撃ち水を相殺しやがったぁ! バケモンだぁっ!!」
「サメ野郎……テメェはおれがブッた斬ってやるよ。」
今度は……確か海賊狩りか……人間の剣士のくせになまいきだ……
「アーロンはおれがやる。ナミ……はケイミーらと共に先に行ってろ。」
「包帯……け、けど……」
「いいから任せろ。直に追いつく。」
「逃がすか……って早ぇ〜!? さすが人魚……」
手下じゃ追いつくのは無理だな……フン……女と人魚とヒトデもどきを逃がしたか……が、ささいな事だ。
「さぁ、王共をどこへ隠したか……吐いてもらうぞ下等生物共……」
「させると思うか? 魚野郎。」
フン……流石に凄まじい気迫だ……だが……
「一刀流……厄港鳥!!」
! 水面を疾る斬撃……ちっ!
「ぎゃああああ!!?」
とっさに近くにいた部下を盾にする。
「あ、あのヤロー仲間を盾に!? 最低だぁ〜!」
フン……もう手遅れだ。直にここは海水で満たされる……? 剣士め……性懲りもなくおれに水中戦を挑むか……愚か者め。……ん? 消えた!?
ザンッ!!
!? グッ……ハッ……!? バカな……これほどとは……
「か、頭〜! エ、ESを!」
部下が持ってきたESを掻き込む。
……!! ッグオオオ!!
「む……この威圧感……なんだ?」
……ハアッ! ハアッ……
「ウソップ! ブルックを連れ……!? テメェ……しつけぇな!」
逃がしはしねぇ……
「ジャハハハハッ……もうテメェらは終わり」ドゴォォ!!
なっなんだ!? 城の壁を破壊して船が乱入して来やがった……あの漆黒の船……潜水艦だと!?
「まーはっはっは! たかが魚人がやってくれるではないか! チェス! クロマーリモ! やれい!」
「「ハッ! ……魚雷発射ぁ!」」
く、潜水艦から魚雷が……ちぃっ……何者だっ!? ……が、魚雷ごとき喰らうおれではない!
飛んできた魚雷を口で受け止め吐き捨てる。
「その笑い声……まさかあのカバ……だと…?」
麦わらの一味の知り合いだと!?
「カバ……少し向こうにいけ、狭い。さて……ゆくぞ? 1000万V放電(ヴァーリー)!」
!? ぐ……潜水艦のハッチが開きそこからいきなり電撃が……!?
「今のうちにギョンコルド広場に撤退するぞ!」
!? く……逃げられたか……しかし……ギョンコルド広場とは……
〜サンゴが丘〜
〜???side〜
「おいチョッパー! 海の森ってトコに行きゃいいんだったな!」
「うん、さっきルフィとゾロから連絡あったぞ! 急ごう!」
クスクスクスクス……相変わらず……騒がしいなぁ……サンジの旦那は……
「え、え〜と……おれ達はどうします? ギ、ギンさん……」
「オメェらはどうしたい……」
「え!? ……ひ、ひとまずは大頭の指令通り待機……」
「キャハハハハ……Mr.5ったらそんなにビクつかないでよ……ギンさんもその程度じゃ……怒らない……わよね?」
「クックックッ……オメェらはしばらく隠れてろ……おれはシオリが来るまで……適当に遊んでるぜ……」
「あ、ちょ、ちょっと……」
フン……サンジさんよぉ……その程度か? ……ガッカリさせてくれるなよ? でないと…………喰っちまうぜ?