〜魚人島・竜宮城付近〜
〜ゾロside〜
……また、はぐれちまった……全く、世話が焼けるぜアイツらは…………探そうにも近くにゃ気配が感じられねぇし……見聞色で拾いきれねぇって事はけっこう離されたって事か……まぁとにかくここら辺は空気がある所で良かったぜ。
さて、おれはどう動くか…………辺りを見回すが……ありゃ城か? あれなら目立つし、あん中で待つとする…………!?
「おい……そこのヤツ、出てこい。さっさと出ね……ああ!? ブルックじゃねぇか!」
妙だな……アイツの気配は感じなかったぞ……それ程アイツも上達してんのか?
「ん? なんだというのだ? 無礼な若僧めが! 余に向かってそのような口を開くとは!」
ああ? どうしたんだよ急に……
「なんか変なモンでも食ったのか? キテレツな格好と喋り方しやがって。」
いつの間にあんな貴族みたいな服用意したんだ? どっかの店で買ったのかよ?
「さっきから口が過ぎるぞ、若僧。余はブルックとかいう名ではないわ!」
!? あ、そういやアフロが無ぇ……ブルックじゃねぇのか……
が、どういうこった? ガイコツのコスプレなんかじゃねぇ。正真正銘の……アンデットだ…………あっ!
「モリアの部下か!?」
あのでからっきょ野郎……まだ生きてんだよな確か……
「モリア? ……ああ! あの元七武海か。……フン、あのような木っ端と一緒にするな無礼者。……余は! 偉大なる! 済国の王! ファラオなるぞ!」
いちいち一言言う度にカッコつけなポーズとるなよ。
「いや……せいこくなんて知らねぇし……」
……ん? いや、待てよ確かししょ……鷹の目の持ってた書物に大昔の歴史にそんな国があったって書いてた様な……?
「ところでおぬし……麦わらの一味の『海賊狩り』で相違ないか?」
!? おれを知ってる!? そういやこのガイコツ何しに来やがったんだ?
「シオリから色々聞いているのでな……なるほど、確かに良い面構えをしておるわ。」
「テメェ! アマクサの部下か!?」
「部下ではないわ…………同志……か?」
聞かれてもしらんがな。……じゃなくて、知らねぇよ。
「……さて、ぬしの外面は分かった。後は中身……この新世界で生きて行けるかどうか余直々に確かめてやろうではないか。光栄に思うが良いぞ。」
さっきからエラソーにしやがって……って、な、なんだ!? あの剣は……なんてプレッシャーだ……妖刀か!? ……ん?
「来ねぇのか?」
「王者は自らは動かぬ。近寄る者を斬り払うのみよ。」
「ちっ! なめやがって!」
ヤツに斬りかかり鍔ぜり合いになるが……コイツ、ガイコツのくせにすげえパワーだ! 押し切れねぇ……
「STR(筋力)はまあ良し……フン!」
! コイツも飛ぶ斬撃……
ゾワァ!!
!! 覇気かよ! ヤベェ!
ギリギリのところでかわす。あぶねぇ……喰らってたら軽くねぇダメージもらってたな……
「フム……あれをかわすか……QUI(運動性)、PSY(霊感)も良い。合格点をやろう。」
さっきから何言ってやがる……けど一つだけ分かった……コイツは……強ぇ!
なら……手加減抜きだ!
「三刀流……黒縄・大龍巻!!!」
斬撃を伴った竜巻だ。そんじょそこらの雑魚には抵抗出来る術はねぇんだが……
「フム……斬れる竜巻か……フ、笑止!……『剣閃』!!!」
!? なんだ!? 青い飛ぶ斬撃!? ……龍巻をぶった斬りやがった。しかしコイツ……斬撃の色こそ違うがししょ……鷹の目と同じ覇気を伴った奥義の一つを……
「後はHP(生命力)とVIT(丈夫さ)だな……おぬし最大の武器は人外じみた生命力と聞いておる。それがどれ程のモノか……我が必殺剣で試してやろう! ……草薙の剣『レベル3』!!!」
!? なんだあ!? いきなり上から斬撃……いや規模がデカすぎるだろ!? ぐおっ!? 避けれねぇ! 範囲が広すぎる!
ズドドドドドドドッッ!!
空から降った斬撃の雨が地面を穴だらけにしやがった…………く、体中がワケ分かんねぇ斬撃に斬り裂かれちまった……油断した……
「フム、余の剣を受けてその程度で済むか……確かに呆れる程の生命力よのお……それにそれ以外もそこそこは鍛えられておる。褒めてつかわすぞ。」
さっきから何を偉そうに……
「とりあえずこれでも飲むが良いぞ。」
ああ? 誰がそんな怪しいモン…………酒かな?
べ、別にお前の為に飲むんじゃないんだからな!
………………!? なっ……傷が治った……
「流石はシオリの秘蔵品の一つよ。」
アマクサのかよ…………ん? ありゃなんだあ!? 妙な形した白と黒のツートンカラーの小型の船が空飛んでこっちに近づいてやがる……
その船?が止まって中から誰か出てきたな……
「王様王様、あんまりはっちゃけねぇでくれますかぁ? 後始末が大変なんすから〜」
妙な色つきグラサンのイケメン兄ちゃんだな……けど髪を短くしてるのは評価出来る。あまりチャラさを感じねぇ。
「いやん〜サーキースちゃん、王様に何言っても無駄だと思うわん〜」
「ぷぷぷぷ。」
さらに鼻がちょっと長いアイマスク?をした女とオランウータンみてぇなヤツ……誰だコイツら……? しかし全員……それなりに出来るな。
「んな事ぐらい分かってらぁ! 言っただけだよ。全くカバといい王様といい扱いに困るぜ。」
エモノは背中の巨大なナイフか……
「ウム! そこそこ楽しめたし、そろそろ動くとするか! 者共はイーグル号で例の場所で待機しておれ。」
「アンタ一人にするとすげえ不安なんすけど……まぁ開いた時間ベラミー船長やみんなに土産とか探しとこうかな……」
「私達もカポーティやピクルス達のおみやげ買っとこっと〜」
「ちょっと待て! ……テメェらもアマクサの部下か!?」
「!? うわっ大頭を呼び捨てって……なんて命知らず……」
ん? 大頭? 何の事だよ……
「麦わらの一味って確かシオリちゃんのオキニだから大丈夫と思うけど〜」
「ああそういやそうだっけ……あ、そういや大頭っておれの事ミッチーって呼ぶんだけどなんでかな……」
「なんか散髪した瞬間からそう呼んでたよね? なんでか知らないけど。」
「直接聞くの怖いしな〜 船長に頼んでみようかなあ……」
「え〜〜? そもそもベラミー船長ちゃん自体シオリちゃんと堂々と会話出来てないじゃないのさ。」
ベラミーって確かシャボンディでルフィと戦ったとか言うヤツか?
「うっ……仕方ねぇだろ……出会いが衝撃的すぎたんだからよ……と、それより! アンタがNo.2のロロノア・ゾロかよ……めちゃくちゃな圧迫感だな。こりゃベラミー船長並だぜ……こんなのが1億2000万なんて詐欺だろ。」
「金額で勝ってるのに実力で負けてるね〜」
「精進が足りんわ未熟者が。」
おれの懸賞金額って高いのか低いのかよく分かんねぇな……
「…………よし、決めたぜ。」
お、この闘気は……
「どしたの〜?」
「おれは1億5000万の賞金首だが……その覇気を見るとアンタより上とは思えねぇ。……手合わせ願うぜ。」
「1億5000万……おれより上かよ……ったくアマクサにはどんだけバケモンの部下がいるんだ……」
「バケモンっていったら……アヤちゃんとかギ、ギンちゃんとかかな?」
「お前……ちゃんづけしてるのバレたらシバかれるぞ。洒落抜きで怖ぇんだからあの人は……」
? なんの話してんだ? ギンってのはどっかで聞いたな……
「まぁ良いや……受けた。」
「ありがてぇ。じゃ……行くぜ。」
……あのナイフ……あの感じは……まぁおれには関係ねぇが。
「うりゃああ!」
スピードは……それなりだな。悪くねぇ……が。
「おれには通じねぇ。……鷹波。」
地を疾る斬撃をお見舞いする。
「! 喰らうか!」
! あの動き方……CP9の剃、いや確か剃刀とか言う複合技……
「バックスタッブ!!」
!前方に武装色の覇気を感じたが……気のせいか!? しかもいきなりおれの背後に現れやがった。……が。
「二刀流……蟹工船!!」
船をも断つ二つの鋏と化した刀がおれの背中を斬ろうとしたビッグナイフを挟みこむ。
「ぐっ……なんて力……船長以上だと!?」
慌てて後方に飛び跳ねるイケメン兄ちゃんだが……アマクサの幹部並の評価とは嬉しいねぇ。しかしあのナイフ……あの感触は……
「海楼石製か……」
「ああ、アンタにゃ意味ねぇがな。……あまり長々とできねぇし……次でお終いにしようや。」
「ああ。それには賛成だ。」
あんま長居出来ねぇからな。
「き、緊張するわ〜ん……サーキースちゃん死体にならないといいんだけど!」
「縁起でもねぇ事言うな! ……行くぜ! 大刀流……大! 車! 輪!」
あぁ!? テメェの武器を投げ……ってブーメランみてぇに戻ってきておれの方向に向かってきやがった!?
ズガガガガガッッ
秋水で受け止めるがなかなか止まらねぇ……
「スキあり! 十指銃!!」
両手を合わせて襲って来たが……確かクソコックが話してたCP9の使う技だったか? ……全く……
「やれやれ……侮ってたよ。悪ぃな…………」
ズパン!
「ぐはっ……」
武装色の覇気で指銃を受けきり、秋水でナイフを弾き、無防備になったヤツを三代目鬼徹で薙ぎ払う。
「なかなか楽しめた。」
ドサッ
ヤツが地に倒れ伏す音が聞こえた。
「あの局面で峰打ちかよ……差はでけぇな……」
「微弱とは言え武装色の覇気を使えるのは驚いたぜ。アマクサに叩きこまれたのか?」
「ああ……一年以上前にな……いつつつ……」
「ほらサーキースちゃん、ハイポーションですよ〜 あ〜んしてね〜」
「…………」
恥ずかしそうだな流石に。
「ムヒョヒョヒョ……若人が青春しているのを見るのは毎度楽しめるのう。」
「……大将……ホント勘弁してください……マジで。」
お、元気になりがったな。
「さていい加減行動に移るか。シオリに小言を言われたくないからのう。余も時間まで適当にこの国の観光と洒落こもう。」
「付き添いはしませんからね。ま、とにかく行くか……」
「はいは〜い。」
…………全く、なんだってんだよコイツら……この島、一体どうなってやがる……?
〜魚人島・サンゴが丘表通り〜
〜ウソップside〜
ふぅ〜……とりあえずサンジは助かったな〜あの双子の兄ちゃんらには感謝しねぇと……
全くアイツ、出血量合計したら軽く成人男性なみに出しただろ、よく生きてるな。
……にしても……何でも当たる占いってえげつねぇな。おれなんか怖くて占ってもらう気なんて起きねぇよ。
ま、マーメイドカフェでブルックとも合流出来たし、ロビン、フランキーの行方も分かってナミと怪しい包帯も近くにいるらしいな。
で、サンジ、付き添いでチョッパーを安全な所で待機してもらって、おれらはお魚タクシーとかいうのに乗ってパッパグの屋敷に向かう事になった。
「ありゃ? あの海賊旗ってなんだあ?」
ん? なんかの工場に旗ついてんな……ドクロに二匹の蛇……どっかで見たような……
「ああ、あれはリュウグウ王ネプチューン様のツテでこの国を守ってもらってる「四皇『海の神』様の海賊旗だよ。あの工場は食糧生産工場なの。」ケ、ケイミー!?」
「くいもん〜!? あっ腹減ったなあ〜」
う、海の神様なんてすげえ肩書だな……しかも四皇って……ナニモンだあ〜〜!?
「ナニモンなんだよ〜ソイツは〜!?」
四皇と聞いてルフィの目が輝いてんな。
「四皇『白ひげ』が亡くなって一時期荒れ「たんだけど1年半前にここを守ってくれた女性(ひと)なの。守ってくれてるのにこっちには何の代償も求めないすっごい良い方なんだよ! だけどそれじゃ悪いから私達は自発的に彼女の趣味である『食』を満足させるために工場を作ったの。」……うう……おれなんか…」
パッパグ……しっかしキトクな人もいたもんだ。けど……な〜んかひっかかるんだよなあ〜食うのが趣味ねぇ〜
「あり? なんか身に覚えがあるなぁ……なんだっけ……」
ルフィが首かしげてたり世間話してるうちにパッパグの家についたが……すげえな。
「あら〜みんな〜!?」
お! ナミ発見! ついでに包帯も。
「コイツがみんなを助けてくれたのよ〜」
へー、深海でもスイスイ泳いでたしやっぱ魚人スゲーな。あん時水中で戦ったサンジマジ尊敬。
「知り合って間がねぇのにおれに荷物持ちさせるコイツをどうにかしてくれ……」
ゲンナリしてるな、包帯。
「コイツはこういう女だ。あきらめろ。」
関わっちまったお前が悪い。
んで買い物も終わったんだが包帯が1番多く持ってんな。一軒家に匹敵する量の荷物を軽々持てるなんて……
「すげえ怪力だな〜」
「シャーー…………え〜と……シャ、シャーベット食いたくなってきた! ど、どっかで休けい取らねぇか?」
「うう〜〜ん?」
どしたナミ? 包帯をジロジロ見て。なんか包帯も汗だくだな。とそこへ……
『じゃーもん♪ じゃーもん♪ じゃーもん♪』
あん? なんだ? この変な歌は。
「「ああ〜! あの方は〜!?」」
「この島の統率者! リュウグウ「王国国王『リュウグウの海神』ネプチューン様〜!!」……うぅ……」
「うへー! もじゃもじゃだ〜おもしれ〜♪」
失礼な口を開いたらしいルフィがパッパグに怒られてんな。
ん? あれ……あのでっけぇサメは……
「おぬしらか? 『麦わらの一味』は? ……フム、あのお方が言う様に良い顔をしておるんじゃもん。よしおぬしらを我が竜宮城へ招待するんじゃもん!」
しかしでっけぇ人魚だな〜しかもオッサン……マジで強そうだ〜……って竜宮城ぉ!? どんなトコだよ!?
「おや? なぜおぬしが麦わらの者達と……あのお方と一緒ではないのか?」
王様が包帯に話しかけてるけど知り合いかよ。
「今、別行動中です……『直に』来ますよ。」
何の話だよ?
で現在、でっかいサメのメガロに乗って王様と共に竜宮城に向かってるんだが……
あれか〜スゲー♪ なんて豪華で幻想的なんだ〜うへー食べ物とか楽しみだな〜
〜サンゴが丘〜
〜リュウグウ王国三王子・長兄フカボシside〜
「確かに『濡れ髪』のカリブー受け取りました。すぐに海楼石の手錠をつけましょう。
……それにしても助かりました。シロウ殿。」
「いえ、よこしまな気配が駄々漏れだったので運良く発見出来たまでです。」
「ところで……あなたが来たという事は……あの方が…………! という事は『ヤツら』の蜂起が近い!?」
「えぇ、そう言ってましたね。それで僕とバサラさんとギンさん達が来ました。後、姉上とアヤも来ます。」
「うっ! ギ、ギン殿が……しかもアヤ殿まで……これは…………決戦の場をよく吟味しないと辺り一帯廃墟になりますね……」
ホーディ率いる新魚人海賊団なんてお二人だけで壊滅できるだろうな……
「それはそうと……この島に訪れたという麦わらの一味達……それ程ですか?」
「えぇ、姉上はずいぶんと目をかけてますね。姉上自ら船長を徹底的に鍛えましたから。」
それは……気の毒な……あのお方の訓練は地獄のようだったからな……
だがおかげで『アイツ』もたくましくなったし明るくなった。
我ら三兄弟も2年前よりはるかに強くなれた。これなら『アイツ』を守れる。母上様の代わりに……
サーキースの主な活躍はここまでです。所詮非(準)戦闘員なので。