〜インペルダウンLV4・LV3との連絡通路前〜
〜マゼランside〜
う〜む…まさか…このインペルダウンに堂々と侵入してくる者がいるとはな…
モンキー・D・ルフィ…通称麦わらのルフィ。エニエス・ロビーを陥とした規格外か…
だが、目的がどうであれ…エニエス・ロビーの時の様に上手く行くとは思わん事だ。
が、道化のバギー、バロックワークス元社員ギャルディーノ(Mr.3)はともかく…傾国のシオリ…なぜヤツまで来た?
エニエス・ロビーではまるで麦わらを援護するかの如く現れ、シャボンディ諸島ではあのパシフィスタを強奪し、更に大将黄猿殿とも引き分けたという怪物…
ヤツから目を離す訳にはいかんな…しかし…
「監視電伝虫に写っている傾国のシオリがずっとピースサインしていますっ!」
…監視の目に気づいていてあえて放置とは…読めん…
「それより署長!出来れば早くトイレから出てきてくださ〜い!」
報告した者が悲痛な声を上げるが…仕方なかろう。腹が痛くては戦が出来ん。
その後、ミノタウロスが倒されたという報告が入る…
両者共に戦闘能力は高いか…仕方ない。おれが直々に相手するしかあるまい。
となると…ここをハンニャバル、レベル5への階段の守護は…サディちゃんに任せるか。
そしておれ自身はヤツらが調理場に向かっているという情報を確認、現場まで『毒の道(ベノム・ロード)』で急行。目標を捕捉した。
「いいカネ!?ここの監獄署長マゼラン…ヤツまで来たら終わりだガネ!」
あれは…元BWのギャルディーノか…流石に小狡賢いな…
「あぁ…マゼランか…奴如き敵じゃねぇよ…もうすぐ現れるからテキトーに相手してやんよ。」
「ぎゃ〜〜!?何言ってんのぉ〜!?頼むからおれまで巻き込むんじゃねぇぞぉ!!」
!?ぬ…大きな口を…と言いたいが…黄猿殿と引き分ける実力…厄介だな…残りの二人はついでに始末しておくか。
「なんだ?ゼリー?うんこ?」
「上ぇ見ろ。」
おれの気配を察知するか…傾国のシオリめ…だが関係ない。
ドスゥンッ!!
ちょうど麦わらの目の前に着地する。
「なんだよ〜!?もう少しでんまそうな匂いのとこに行けんのに…誰だお前!?」
どうやらベストコンディションではない様だな…どうでもいいが。
「ここのボス…ドクドクの実の猛毒人間のマゼランだ。アホみてぇに強ぇぞ。相手に触れないと攻撃出来ないお前とは相性最悪だ。」
おれの事を知っている様だが…今なお大胆不敵な笑みを崩しておらん。
海賊女帝ボア・ハンコックに匹敵する美貌だが…海賊ならば始末せねばならん。
「ギャァァっ〜〜!!マゼランはやべぇぇ〜!逃げるしかねぇぇぇっ〜!」
つくづくうるさいなこの二匹は…
「そこの麦わらのルフィ…貴様の目的は分かっている。ポートガス・D・エースの元にはいかせんぞ。
…だが傾国のシオリ…貴様は何を企んでおる?今すぐ吐けば毒漬けにするのは勘弁してやろう。」
「さあてな…力ずくで吐かせてみなよ…」
ビリッ…
ぬぅ…やはりコイツ…覇気を扱うか…そんじょそこらの覇気使いならば敵ではないが…黄猿殿クラスの実力者か……
「初めから全力を出させてもらうぞ…そうでなければこちらが負けかねんのでな……『毒竜(ヒドラ)』!!」
「うわ!なんだぁ!?背中から一杯ドラゴンが生えた〜!?」
「ルフィ、お前ら、下がって…いや、この隙に食糧庫に行ってな。後で追いつく。あ、俺の分残しといてくれよ。全部食ったらシバくからな。」
「お、おう!分かった!気をつけろよ!」
コイツら…おれを前にしてぬけぬけと…
「逃がすか!毒ガス弾(クロロ・ボール)!」
傾国は水を使う以外詳細が不明だが、麦わらはゴム…パラミシア。毒を無効化出来まい。
「ウォーターバズーカ!」
!水の大砲が相殺しおった…あれでは毒が飛散せん…
「確か…水使いだったか…ヒトヒトの実・モデル・人魚らしいな?」
「当たり♪」
水使いとは…つくづく能力者には鬼門だな…
しかし、くそ…麦わらを行かせるとは…毒の道で追おうとしても阻まれるだろうな…こやつには。
「毒フグ!!」
「……水流葬送!」
むっ…!水で包みこむとは…しかし…どうやれば水で我が毒を…だが手をこまねく訳にはいかん。
「毒・雲!」
ブレスにより生まれる毒を含んだ霧…
「ウォータートルネード!!」
ぬ!?水の竜巻とは……完全に霧散されてしまったか!
ぐぬう…こうも距離を取られては分が悪すぎる…
「確かにアンタの毒はめちゃくちゃ怖ぇが…当たらなきゃ意味がねぇ。…アンタは遅すぎる。
ウチには雷速の奴がいるし俺はそいつに対応できる。
それにこの前黄猿と戦って光速には慣れててね…」
そうだな…目で追うのも無理がありすぎるスピードだ…これほどとは…弱点はないのか…?
「そしてアンタの体自体は普通の人間と変わらねぇ。攻撃が当たりゃダメージをくらうだろう?
しかも俺は近距離から遠距離全てのスペシャリストだ。
それでも…やるかい?」
…確かにそうだろうな…黄猿殿に手傷さえ負わせる技量…そして能力の相性…この場所ではおれに勝ち目は薄いだろう。
奥の手はここでは使えんのが痛いな…
「だが…この世に悪を蔓延らせる訳にはいかんのだ!海賊よ!!」
「!……さすがだな。さすがマゼラン。俺はそこに痺れるし憧れる。
…だから…あんたには奥の手を見せてやるよ…黄猿にも見せる必要がなかったのをな…」
ゴゴゴゴゴ…
傾国のシオリの姿が…!?
〜LV5への階段前〜
〜サディちゃんside〜
署長…遅いわねぇ〜ん…麦わらって子、そんなに手ごわいのかしらぁ〜?こんな事だったら私も一度イジメたかったわ〜ん♪
「サディ獄卒ちょ」バシィッ
「ぎゃあ!?」
「サディちゃんとお呼び!!
…う〜ん、たまんないわぁ…その悲鳴♪」
「サ、サディちゃん!前方から侵入者が!」
あら、誰かしら?
「アナタはだあれ?」
かわいい女の子とかわいい男の子と…フケた赤っ鼻と冴えないおじさんかぁ…
「ゲップ…うぷ…食いすぎた…ああ失礼。よぉサディちゃん会いたかったぜぇ…ヒマがあったらお前を手に入れたかったが、今回はお流れだ…下に行きてぇんで…通らせてもらうぜ?」
あらぁ?女の子は私の事知ってるみたぁい…しかも手に入れたいだなんてぇ…けど…
「マゼラン署長ちゃんは…?」
どうやって振り切ってきたのかしら?
「マゼランは美味かった…ゲプ…」
膨れたお腹をさすりながらとんでもない事を言い出したわ〜ちょっと…冗談よね?
「なんて…嘘に決まってんだろ。あんな毒物野郎なんか食ったら食中毒死するわ!
ま、んな事はどーでもいいんだ…さっさと道をゆずらなきゃ…あんな事やこんな事しちゃうぞ〜」
なにそれ?怖い事言わないでよねぇん!
「私はイジメられるのは好きじゃないのよぉ〜獄卒獣ちゃん達ぃ…やっておしまい!」
「アラホラサッサーWWWWW」
女の子が訳分かんない事返してきたわぁ!?
「うぉっ!?さっきの牛のヤツみてぇだ!」
「「ぎゃああああ!!3匹もいるう〜〜!?」」
ウフフフフッいい悲鳴を聞か「メイルシュトローム!!」
!!??きゃ〜〜〜!?なんでこんなところに津波が〜〜〜!!?
………………………
〜ニューカマーランド〜
〜シオリside〜
「ようこそここはインペルダウンLEVEL5.5番地!
囚人達の秘密の花園!『ニューカマーランド』!ヒィーハー!!」
今目の前にはこの世界最大級の珍獣ことオカマ王エンポリオ・イワンコフがいらっしゃる。
…しっかし…近距離で見るとキッツイな〜SAN値がゴリゴリ削られるわ…
俺らはサディちゃんをのした後LEVEL4から階段を下りLEVEL5の極寒地獄に降り立ち、見聞色の覇気でこの場所を突き止めた。
しかし…いや〜マジでマゼランは怖かったわ〜
だいたいあんな化け物と接近戦なんか出来るかい!
一人で黒ひげ一味を撃退したり(まぁあれはワザとなのか舐めプなのか分からねぇが…)、クロコ、ジンベエ、イワさんを相手どれるんだもんなぁ〜
事前に黄猿と戦った事や遭遇した場所に助けられたな。あんな狭いトコじゃ毒の巨兵は使えんだろうし。
心理戦に持ち込めたのも大きかったな。ただ次が問題だが…
しかし…さてさて…これからどうすっかな〜?
エースを救うだけなら今すぐ出来るが…そうなると頂上戦争の展開が全く分からなくなるからなぁ…却下だな。
ここは原作通りマリンフォードまで見逃すか…ただ10時間ぐらいもルフィをここに留ませる理由が思いつかねぇ。
いや、俺らが近づきゃその分早く繰り上げて護送する…か?
で、案の定反対したルフィに戦力不足を説きここに来たワケだ。場所も見聞色を使えば簡単に見つかった。
…なんで長年も見つかんないんだろうな…海軍はバカばっかりか?覇気使いは何やっとったんや?
「あら、どうしたっチャブル?傾国ガール!考え事かしら?」
とイワさん。SMの女王様ルックに巨大な顔面(しかも更に巨大化可能)、おかしい頭身…確かに忘れられんわな。
「だからさっきからなんなんだ!?この化け物はぁ!?」
茫然としてるバギーに3。ボンちゃんにショック受けてるようならそら度肝抜かれるわな。
…今も無数にいる珍獣共に引っかきまわされてる。
「革命軍幹部にして、カマバッカ王国女王の…エンポリオ・イワンコフだ。…まぁ色々規格外なお人だよ。」
「規格外なのはヴァナータじゃな〜い?うちのドラゴンに本気出させたって聞いたけど。」
「なんでここにいながらそんな事知ってんだ?」
さすがイワさんだが…
「ンフッフッ…ヴァターシの力をみくびってもらっちゃ困るわぁ!ヒーハー!
それよりも麦わらボーイの目的は分かってるけど…ヴァナータの目的は何かしら?ただ麦わらボーイを救いたいってだけじゃないんでしょ?」
「まぁな…手伝いするだけで侵入するにゃハードル高すぎるからな。ここは。」
…ここに来たもう一つの理由は…奴のスカウト。黒ひげに荷担するぐらいだから俺にも勧誘できる目はあるだろ。
他の奴らも…といいたいが、あんま魅力を感じねぇ。例外は奴ぐらいだが…デカすぎるしな…いや例のアイテムがありゃイケるか…?駄目だったら…退場してもらうか…
「ま、信用するかしないかは自由さ。お互い利用しあえばいいんじゃね?」
「信じてるわよ。ヴァナータの麦わらボーイを見る目…かわいい我が子を見守る母親の様だもの。」
!?ハァ?母親って…勘弁してくれよ。
「イワちゃん!おれ早くエースを助け「やかましい!」
「へぶっ!?」
「そんなザマで本気で助けられると思ってブルのかしら?傾国ガールがいなきゃむしろ死んでるのはヴァナータなのよ!」
「…うん、分かってた。…おれは……弱い!…こんなザマで海賊王になるって言ってたおれを殴りたくなるよ!
…けどおれはもっと強くなる!みんなを守れるぐらいに…そのためにまずはエースを助けなきゃ…強くなる資格もないと思うんだ。」
おおぅ…その覚悟、戦争後にしてなかったか?
「良い覚悟ね…それじゃ弱ったヴァナータの体力を回復してあげるわ。時間はかかるけどね……エンポリオ・ヒール・ホルモン!」
聞いた事ない技でルフィを強制的に眠らせた。
…まぁ…説得する手間省けたな。
で、数時間後…
「おれ何時間寝ちまったんだぁ〜!?けど体が軽い〜♪」
今のルフィは絶好調だな。本来なら体力ゼロに近い所にドーピングの嵐だったしな。
イワさんが言う通りドーピングはあんま多用するもんちゃうしな。これなら中将とかにボコられんで済むやろ。
「ところでアンタは脱獄しないのか?」
「まだ、脱獄する時じゃなっシブルね。色々と計画進行中のもあるし…ヴァターシの同胞『革命家ドラゴン』」「ああ…おれの父ちゃんか…」
「そう、アナタの父ちゃんが軍を率いて動く時…その時に再びシャバに飛び出す予定よ。…
…!?父ちゃん…!?」
ものすごいリアクションだな。ザ○○マみたい。
「ああ。」
「えぇぇ〜〜!?英雄ガープといい、なんなんだガネ!コイツの家族はっ!?」
「ヴァ…ヴァカおっしゃい!!ヴァナータが革命家ドラゴンの息子ぉぉっ!?
「おれもよく知らねぇんだよ。顔を知らねぇし。」
全く似てないよな〜本当に親子か?…にしてもドラゴンのあの能力にはたまげたな。ま、次戦う事になっても負けねぇけどな。
と俺をよそに2人がドラゴンについて話し、その後作戦会議を行い、今すぐ脱獄作戦が開始される事になった。
「じゃあ〜行くわよぉ〜〜〜ンナッ!!」
イワさんの号令の元、エース達がいるとされるLEVEL6に直進する俺ら。そして…
「エース…………!!?」
「いないな…一歩遅かったか。」
LEVEL6に到着したが…エースの姿は見えない。
この状況にイワさんの部下イナズマが悪態をつく。まぁこの人にはあまり無茶しないでもらうか。
バギー、3も嫌々ながらもついてきている。
………お!あれは…ジンベエか。
ルフィに気づいた彼がエースの状況を伝える。
教えられた道…リフトを見つけるも使えない。
更に上に行く階段も塞がれ催眠ガスが流されるがそこはイナズマの能力で阻止できた。
しかし閉じ込められた事に変わりはないな。
海軍本部に行くかどうかでイワさんとルフィが揉めるがルフィに根負けする。
と、そこに…
「ここを抜けたきゃ…おれを解放しろ。おれならこの天井に穴を開けられる。どうだ?麦わら…クハハハ…」
「お前……!ここに捕まってたのか!クロコダイル!!」
元王下七武海のクロコダイルがおられました。