35話「スネーク作戦再び…」
〜海底監獄インペルダウン付近の海中〜
〜シオリside〜
俺は今、海底監獄インペルダウンの目の前に来ている…海底のだが。シャボンディからここまで獣形態で一直線で急行した。
確か…ブル…ゴリ?とかいう斧持った奴が出入りしてたから侵入できるはずだ。
そん中の一匹をとりあえずシメとくか……で、秒殺。
被ってる布切れを剥ぎ取りそのまま被る…ってクサっ!!…くそっ…しゃあねぇな…
で、他のブルゴリと共に…インペルダウン内部に侵入…成功!
「ご苦労さん(ん?やけに痩せてるな…あのブルゴリ…)。」
おいおいちゃんと確認しろよ…まぁ手間省けるけどさ。
とにかく…ブルゴリの姿のまま姿をくらます…荷物は………うん、浸水してねぇな。よし、完全防水のを仕入れといてよかったぜ。いくらなんでも丸腰でインペルダウン踏破は勘弁だからな。持っていくのを吟味するのに難儀したがこれ以上のはなかったししゃあない。
さて…とりあえずあのおっかない毒野郎が現れるまではストーカーしとくか。監視カメラにも写らんようにせんと…
「どわーーっ!!麦わらぁ!?なぜ貴様がここにぃ〜!?」
急に聞こえてくる素っ頓狂な声。
ルフィの声と…もう一つの声が聞こえる。おお!千葉ボイス!…うん、100%バギーだな。ローグタウンの時は遠かったから迫力が違うな。しかし…相変わらず面白ぇ性格しとるわ…
2人は途中で現れた何匹かのブルゴリを相手取ってるが実質ルフィ1人で全て倒した…そろそろ脱ぐか俺も。
「もう一匹いやがった!」
ってルフィが攻撃してきたよ!パンチが命中するが当然効かない。
「!?硬ぇ!こいつ強ぇな!………ゴムゴムの…JETピストル!!」
!おいおいいきなりJET技かい。あんま飛ばすなよ。
けど、それを受け止める。
「んなぁー!?指一本でぇ!?」
「俺だよルフィ。」
布切れを脱ぐ。
「あー!!?シオリじゃねーか!なんでお前がいるんだ!?」
「ああ、俺もここに用事があってな。ちょっと不法侵入しました。」
…予定が狂っちまったが…まぁいいか。ルフィと冒険するのも嬉しいしな。
「そうか〜」
「あっさりしすぎだぁ〜〜!!怪し過ぎるだろうが〜!
テメェは誰だぁ〜!?小娘が来ていい場所じゃねぇぞぉ!!」
小娘って…あぁそういやシャンクスと同世代だっけか。
…シャンクスの同世代がルフィと同じ精神年齢ってのもどうかと思うが。
「傾国のシオリだ。それで分からんなら一般人Aとでも呼んでろ。」
「け、けいこく…?……!!懸賞金1億8000万の傾国のシオリぃ!?
ああああっ!!その悪魔みたいな笑顔本物だぁ〜!!」
悪魔みたいな笑顔って…意外に有名だな俺。そういやキッド達超新星も知っとったし…
「とゆーか…なんでお前も侵入してんだ?」
もちろん知ってるが話合わせとかんと…
「エースを助けてぇんだ!レベル5ってところにいるらしくて。」
「ああ、レベル5なら場所知ってるから一緒に行くか?」
なんかバギーが余計な事言うなぁ!とか言ってるがスルーする。
「ほんとか!」
「ああ、しかし…エース…火拳のエースか…あいつとはアラバスタのナノハナってトコで会ってタイマンしたなぁ。」
「ほんとかよ!どうなったんだ!?」
「あいつも任務とやらがあった様でお流れになったよ。」
「やっぱすげえな〜エースはめちゃくちゃ強ぇのに!あ!そういやお前あん時大丈夫だったんか?」
あん時…?…あぁ麦わらクルーが飛ばされた時か。
「黄猿程度なら問題ない。」
あいつと戦えたのはマジでタメになったわ。次出くわしたら…驚くだろうな…
…その後も会話しながらフロア内をひた走る俺ら。バギーもルフィの左腕のアレとかにも気づいたりしてなにやら交渉してるが…
「ボゲバブオゥ!?」
しゃべっとる最中に後頭部から壁に激突した。心構えなかったから痛いやろな〜
そこに勘違いしたルフィが壁を破壊。そしてそのままレベル1紅蓮地獄の看守室を突き抜け宙に投げ出される。
「なんだぁここは!?」
何も知らないルフィに乗られてるバギーが説明する。
「シオリ……おぉーっ!?シオリも空飛んでるー!!」
「CP9の使う技の一つだよ。…強ぇ海兵はたいてい使えるぜ。」
「へー!おれも飛んでみてぇな〜」
剃をすぐラーニングするしサンジだって月歩系の技出来たんだから難しくないと思うんだが…ガラじゃねぇか…しかし針だらけだな…目に映る範囲だけでも見晴らし良くしとくか。
「嵐脚!」
針をみんなまとめて斬撃波でなぎ払う…うし、足場の確保完了〜バギーとかはどういう足してんだ化け物〜とか喚いてるが黙殺。
…こうして俺ら3人は先に進み…レベル2への逃げ道に到着し、ルフィが真っ先に飛び降りる。
「へっバカめ。念願のトレジャーマークが手に入りゃもうこんな所とはおサラバだぁ!」「そうはいかねぇよぉ…」
むんずと首根っこをつかむ。
「え、え〜と…シオリさぁ〜ん?」
「お前も来い。ちなみに拒否権はない。」
「ギャーーーっ!!?」
2人揃ってダイブ!
〜レベル2『魔界の猛獣』フロア〜
魔界のって…幽白やガッシュじゃあるまいし…
まぁ珍しい化け物がうろちょろしてるのは確かだがな。
まぁどいつも暴走チョッパーに勝てねぇだろうな…多分。
んで、目の前にはマヌケ面の巨大なニワトリっぽい化け物。
「バババババシリスクだぁ!?」
「へ〜バババババシリスクか〜変な名前だな!」
…やっぱ2人のコントはおもしれぇな。特等席だぜ、ここはよ。
…と俺がのんきに眺めてるコントが終わらんうちに化け物が襲いかかってくるのを…
「ゴムゴムのバズーカ!」
ルフィの攻撃が迎撃するが全く効かない。
「硬ぇな…それに狭いしよ…ここじゃやりにくいな!逃げる!!」
逃げると決めたら決断早いルフィが逃げに出る。
で、広い空間に出た所でルフィがそろそろ本気出す。
「ギア3…」
指…いや、指の中の骨まで噛んで穴を開け息を吹き込み腕を巨大化させる。
「ゴムゴムの……巨人の銃(ギガントピストル)!!!」
巨人族なみのパンチがバシリスクをぶっ飛ばした。
バギーなんかは仰天しとるな…助太刀しても良かったがギア2ほどは消耗しないしいいだろ。
それを見た囚人達がはしゃいでやがる。………おっ!Mr.3がいたぜ。
こいつほど評価が様変わりした奴もいねぇだろうな。インペル編で一気に好きになったわ。あとツッコミレベルが非常に高ぇ。ツッコミ要員としてメチャクチャ欲しいが…コイツとバギーが一緒にいるのが好きなんだよなぁ…
…しっかしうるせぇな…この囚人共は。俺にも下品な事言ってくるし…
たまりかねた3が鍵を開けると中から大量に出てくるが…大半が足手まといだな。
…ま、弱い奴は勝手に脱落してくだろ。
Mr.3と大量のおまけを追加してさらに突き進む…のだが。
珍妙な化け物が大挙して襲ってくるがザコだらけだ。俺以外の三人で十分対処できる。
「君も手伝わんカネ〜!?」
「こいつら如きじゃ俺の出る幕はないな。それより…前見ろ。」
目の前に立ち塞がるのは巨大なオッサン顔の化け物。…でけぇな。とは言え海王類ほどじゃないから楽勝だが。
「う〜〜わ〜なんかいるぞコレー…」
「階段の守り主のスフィンクスだガネ〜!!」
「ソーメン…ラーメン!タンメン!」
麺類の名を叫びながら襲ってくる。
…この世界来てから食った日本食って焼きそばとラーメンだけなんだよな〜もっとラーメン文化が盛んなトコないんかな〜
ワンゼが今どこにいるか知らんし…てか作り方見たら食う気なくすか。
さて、無い物ねだりは置いといて、どう下に行くか…
倒してもいいがこいつに下のフロアを突き破ってもらうか。
「ルフィ!Mr.さん!こいつらを挑発しろ!」
「分かった〜」
「なんでスリーって呼ばないのカネ!?」
ぶつくさ文句は言いつつ蝋の力で偽物を作りまくりスフィンクスを翻弄するMr.3。
そろそろか…
ボゴォン!!
スフィンクスが床を抜けさせた。
「ぎゃああああ!!このバカ怪物フロアの床をぶち抜きやがったぁ〜!!?」
うん分かってるよ。いちいち言わんでも。
…さぁ〜て、毒野郎との対決も近いし俺も体慣らしとくかな〜
〜レベル3『飢餓地獄』フロア〜
「おら、起きろ。」
地面に衝突して気絶してるバギーと3をたたき起こす。
………にしても…あちぃな…ここがレベル3…飢餓地獄か…地面が砂になってやんの…
「渇きすぎて死にそうだガネ〜」
「そういや、喉かわくな〜」
比較的余裕のあるルフィ。まぁ皆が騒ぐのも分かる。
「んじゃ、水やろうか?ウォーターバズーカ!」
「「「!!??」」」
3人に水の大砲をぶっかける。
「アホぉーー!おぼれ死ぬだろうがぁ〜!」
キレるバギー。もちっと落ち着かんと血管切れるぞ。
「贅沢な奴だな。まだ足りんか?」
「違うわぁ!!量が多すぎじゃ、バカタレぇ!!」
「水もいいけどよ。食いもんねぇか〜ハラ減ったよ〜」
「…水の能力者…?魚人族とかカネ?」
「能力者だよ。ちなみにクロコダイルをおちょくれるくらい強いぜ〜」
「ボボボボスをっ!?んなバカなっ!?」
「後でクロコダイルに会わせてやっからそん時聞けよ。」
「誰も会いたいなんて言ってないガネ!?」
この後、突如海楼石製の網のワナが襲ってきたりしたがアクアセイバーでアッサリ切断(もちろん俺は見聞色であらかじめ待避済)。
サルデスとかいう極チビ率いるブルゴリ達もルフィが撃退。
その隙にバギーと3がワナの金網をよじ登っていた。
「ギャーハッハッハ!!麦わらぁ!エースに会ったらよろしくな!
命あったらまたすぐ飲もうってよ!」
「フハハハハ!せいぜいいい囮になってくれたまえ〜」
「…せっかく会えたけど…おう!またな!ここまで送ってくれてありがとう!」
短い別れだけどな。
「ルフィ、いちいち戦ってたらキリがねぇ。下に行く道探すぞ〜」
「おおっ!」
え〜と、どうやって行くんだっけな〜細かいトコまで覚えてねぇ…
う〜ん、原作では確かボンちゃんが来て……っと!まだスフィンクスが追ってくるよ。しつけぇな。
逃げるルフィが海楼石製のワナに動きを取られ捕まるが…
「どけや!!」
ちょい本気の蹴りでノックアウトする。
「やっぱすげえな〜!なんでそんなに強ぇんだ!?」
うっ…神様達にもらいました!
「んな事より道思い出したぜ。こっちだ。」
あぶねーあぶねー…どうでもいいトコはもう忘れかけとるな…
んで、先に進むが…立ちはだかるモノがいた。
「なんだぁ〜?牛?」
「獄卒獣…ミノタウロスだな。」
たしか動物(ゾオン)系能力者の成れの果てだっけか?
「見かけによらず速ぇぞ…だがギア2使わずに倒してみろ。いちいち使ってたらガス欠するからな。」
「おうっ!」
ルフィが挑むが思いもよらないスピードに翻弄される。棘つき金棒で殴られダメージまで受ける。
「いてぇ!…こいつ強ぇなっ…」
「まだまだだな…次は俺が相手だぜ。牛。」
標的を俺に変えて襲ってくるが…遅い。
船にいる間は毎日エネルと実戦組み手してるし、この間は黄猿と超高速戦闘したからな。
奴との戦いは実にタメになった。スピード対応に関しては一気にレベルアップした感じだな。
というか思考が体についていける様になったと言うべきか。あいつ…自分は光速だから負ける事はないとか思ってんだろな。次会った時が見物だぜぇ…ククク…
「すげえ…CP9のやつらみたいに避けまくってる…」
「そろそろ終わらすか。ウォーターバズーカ!」
カウンターの水の大砲でミノタウロスをはるかかなたにぶっ飛ばした。
「いいか。何も考えずがむしゃらに動くんじゃない。敵の呼吸を感じ、心を感じろ。そうすりゃ最小限の力で敵を倒せる。
呼吸を感じるのはゾロ、心を感じるのはエネルにだって出来るんだ。お前もこのぐらいやってみせろ。」
ちょうど今のルフィはミスターポポに完敗した悟空みたいだ。パワーやスピードを使いこなせてない。
「そうかぁ…なんつーか…深ぇな…おれもまだまだだ。」
心の底から分かりゃ…強くなるぜ。覇気云々別にしてな。
その後俺らはレベル4に続く道を発見し熱々の道を降りていく。
「熱ぃ〜なぁ…ここ…」
「もう真下がレベル4の焦熱地獄だからな…さて慎重に降り「ああああ〜!!?」…もう来たんか。」
上から騒がしくやって来たのはぶっ飛ばしたはずのミノタウロスに追われるバギーと3。
つか3死にそうだな。スタミナなさすぎだろ。
「あっ!バギー!3!なんだぁ〜やっぱり一緒に行きてぇのか!」
「アホォ!地獄なんか真っ平御免じゃあ!!空からこいつが降ってきたんだよぉ!」
さすがツッコミスピードはウソップに追随してるな…ウチにはまだハイレベルなツッコミがいないしな…
しかし追いかけられてんのに無駄話とは余裕あるじゃねぇか。3もツッコミの時だけ元気になるし。
追うミノタウロスに嫌気がさしたのかバギーが新兵器の説明をし出すがルフィにはスルーされる。…3にツッコミ入れてもらえて良かったな。
バギーのマギー玉、ルフィと3の合体技『ゴムゴムのトンカチ回転銃(ライフル』が炸裂しフラフラになるミノタウロス。そこに…
「カイザーダルフィン!!」
空島以降出番のなかったイルカをぶっ放しはるか向こうに押し流した…のだが。
俺らがいた床が崩落した。
「わりっ!やりすぎた!!」
ヘラっとした笑みを浮かべながら誠心誠意込めて謝る。
「「アホォォォ〜〜〜!!」」
「うわ〜落ち…あ、ゴムだから大丈夫かな〜?」
「「一人だけ助かろうとすんなぁ!?」」
「俺も空飛べるから大丈夫だ。……二人共、短い付き合いだったな。うぅ…お前らの事、俺…忘れねぇからっ!!」
涙があふれる。
「何嘘泣きしてんじゃああコルアアアアァァァ………………………」
「冗談はそこまでにしとくか。」
月歩で3人を拾い華麗に足場に着地する。
…ここがLEVEL4の『焦熱地獄』か…ルフィもよくこんな所でマゼランと戦ったもんだ…
「死ぬかと思ったガネ…」
そりゃ3だけ飛び降り耐性ないし怖かったろうな。
「ここはなんだ?…おれ腹減ってきたぞぉ…」
しかしルフィは燃費悪ぃな…船長やって分かったが、ルフィの食う量確保すんのキツかったやろな〜ナミちゃんやサンジは。
…さてと…もうすぐだな…毒野郎の出現は…
なんとかやり過ごして食糧ゲットしてイワさん探すか…