聖なる焔と赤毛の子供(TOA+ネギま!)   作:月影57令

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前書き
 ふと思いついたので、試しに書いてみたら完結したので投稿します。チートがないから多分大勢の人には見向きもされない底辺SSになりそうな予感。

 プロローグだけでは短いので、三十分後に一話目も投稿します。





00 プロローグ

「ええっと、これを、こうして……」

 

 その部屋の中で子供が試行錯誤していた。それは魔法。構築式などを細かくいじる……と、

 

「え、あ! わぁ!」

 

 何やら予想外の事態が発生したらしい。両手をわたわたとさせて慌てている。

 

「うぼぁー!」

 

 そうして、子供はその世界から消えた。

 

 

     §

 

 

「う、うーん、もう食べられません……むにゃむにゃ」

 

 とある渓谷。群生した、夜に咲く白い花が綺麗なその場所で、周囲は暗闇に包まれた夜だった。子供が寝言を言っている。

 

「…………はっ!」

 

 目が覚めたようだ。

 

「あれ……僕は、ええと、確か…………そうだ!」

 

 自分の状況に気づいたのか、周囲を見回す。

 

「………………………………………………どこ、ここ」

 

 そこは子供にとってまったく見覚えがない場所だった。暗闇の中で特徴的な白い花が揺れている。――すると。

 

「あっ!」

 

 子供のすぐ傍に、二人の男女がいた。

 

 一人は鮮やかな朱色の髪をもつ青年。女性のように腰の辺りまで長く伸ばされたその髪は、先にいくほど金色がまじる不思議な髪色をしていた。朱金、とでも表現すればいいだろうか? 青年は背中に鞘を吊るし、剣を持っているようだ。上着は白いもの、何故かヘソ出しルックで鍛えられている腹筋がむき出しになっている。しかし見た目の印象はマッチョではなく、スマートな、華美という言葉が少しばかり似合うような洗練された雰囲気を感じる。黒いズボンに指が出るタイプの茶色の手袋をしていて、剣を振るうらしいことが見てとれる。年齢は十代後半、高校生くらいだろう。

 

 もう一人はこちらも長い灰褐色の髪を流した女性。前髪も長く、右目にかかっており、視界を遮るほどだ。これでは左目しか見えないだろうに。こちらは先端に刃の付いた杖らしきものを持っている。ブラウンの上着を着ているが、何故か肩の部分が素肌を露出している不思議な格好だ。肩は露出しているのに、腕には申し訳程度に保護する役目なのか、腕間接から手首まで覆う同色の袖がある。…………いったいどのような用途の服なのか一目見ただけではわからない。

 

 とにかく、男女に気づいた子供は慌てて、彼らを起こしにかかった。まずは紳士らしく女性の方に声をかける。

 

「あの、あの、起きて下さい」

 

 しばらく肩を揺すると、女性は目覚めた。

 

「…………う、ん……あれ……わた、し……」

 

「目が覚めましたか? 僕は――ネギ・スプリングフィールドと言います」

 

 そうして、この世界に赤毛の子供――ネギは現れた。彼がどのような物語を紡ぐのか、今は誰も知らない――。

 







後書き
 という訳でネギがTOAの世界にやってきました。基本は彼がメインになります。ネギをこの世界に投入した必要性については後述します。

 それと、「主人公」はネギですが、「主役」はやっぱりルークです。

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