目指せ自営業!社畜局員のミッド暮らし   作:この世全てのゴミ

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皆さん、あけましておめでとうございます。私は新年早々、おみくじの代わりにクリスマスイベントすら手を付けられなかったFGOでガチャを単発で数回回した所、モードレッドとアタランテが当たりました。これで幸先がいいのかそれとも今年の運を使いつくしたのか…前者であることを願います。

さて、今回の話ですが…ええ、もうやけになってきましたとも。どうしよう、スランプですね…あ、後今回よりも次回の方が酷かったりします。色んな意味で。



…そう言えば、今回と次回、全くリリなののキャラ出てねぇや……


第十一話 命がけの鬼ごっこ

「こんばんはかな?いきなりだが死んでくれないか」

「へ?」

 

 突然の出来事にオンモードは解けて気の抜けた声を出してしまう。

 目の前のイケメンの後ろにある剣がギチギチと音を立てた後にこちらに向かって物凄いスピードで飛んできた

 

「ってあぶな!?」

「ち、避けやがったか」

 

 反射的に後ろに飛びのく…じゃなくてどっちかと言うとずっこけた形だがそれが幸を成したのか飛んできた剣は俺の頭上を通過していった…本当に殺す気かよ……ってあれ?俺の後ろにあるものって…

 そろりそろりと後ろを向いてみれば――

 

「ほわあああッ!!」

 

 先ほどまで片付けていた書類が、データが全て剣に貫かれグチャグチャに…

 文句を言いつけてやろうと後ろを振り向こうとするが自分の足元が何だか金色に光ってることに気付く…これって……

 

「ヤバいッ!」

 

 慌ててその身を倒し横に転がれば先ほど自分が居た場所から先ほどのような剣がたくさん出てきた。もう少し遅ければ愉快なオブジェになる所だった…

 そしてそんな俺をみてあのイケメンはその端正な顔を憎々しげに歪める。

 

「勘の良い奴だ…」

「え、いやちょ、いきなり何なんですか!?」

 

 そう言うもあちらの反応は無く…

 

「死ねぇ!!」

 

返されたのは殺意だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 走る、走る、走る、普段は駆けることなんてしない廊下を全力疾走する。幸い、どの局員もお仕事に夢中の為今の時間帯人は居ない。…いや、どっちかっていうと不幸か。だって…

 

「死に晒せぇッ!」

 

 後ろに怖い顔して追いかけて来る剣やら何やらをこっちにたくさん飛ばして来る人が居るんだから…ッ!これを誰かしらに見てもらえれば救助とかを頼むことも出来るだろうに。

 

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬゥッ!!マジでヤメろください!いや、ホントに!」

「ウルサイ!貴様は死ね!」

「何でさ!?」

 

 こちらに幾つも飛来する剣を自分でも信じられないほどの身体能力で回避していく。こんなに身体能力高かったっけ?あれか、命の危険を感じてってやつか

 

「そもそも何で狙われなきゃいけない?!あなたと会ったことないぞ!?」

 

 自分の想いを叫ぶ…ホントに何で自分があのイケメン…『神谷優』に狙われなきゃいけないのか

 神谷優、高町なのはと並ぶとんでもない実力と魔力を持ったエースの一人。仕事にも精力的に取り組み、女性を虜にするそのルックスで管理局のアイドルのようになってる人物だ。更にレアスキルを複数所持しているまさしく、「この世界で魔導士になるために生まれた人物」とまで言われるほどの人間。そんな雲を突き抜けた先にいるような天上人にどうして狙われているのか…もうこれわかんねぇな。

 

「貴様が俺に殺される理由なんて指で数えたら足らん位だ!……そもそも、男である時点で汚らわしいと言うのに…」

 

 何か最後の方はうまく聞こえなかったけどそんなに怨みを買う事したのか俺は!?

 兎に角、逃げねば逃げねば。俺は死ぬときは自営業設立して幸せな家庭を気付いてそこそこ楽しんで生きた後に家族に看取られながら老衰で死にたい!いや、もしかしたら自営業設立する前に過労死する可能性も否めなくないが…

 何て思えば見えるのは階段、エレベーターだったら待ってる間に殺されてしまうが階段だったら何とか行ける

 階段を普通に降りてたら遅いので次の階段へ横に飛び降りて短縮する。そして落下角度と足を着く位置を調整しうまく着地する。…俺は本当に事務員何だろうか?運動神経悪いのによくこんなことできたなと思う。が、こんな事務員にも出来る事なので当然…

 

「ちょこまかと往生際の悪い奴め」

 

 本場の戦闘職の方には軽々と出来てしまう訳です。…マズイ、このままじゃ捉えられるのも時間の問題だ。避けるのでさえ精一杯なのにこのまま逃げ続ければいつか体力が切れてズブリだ。なんとしても避けたい…。ホントは道中の人がこの状況を他の人に伝えてくれたりするならいいんだけど…正直何だか来てくれる気がしない。いや、逃げ回ってる内に人気の少ない所に来てしまった俺に非があるのだけど。

 ともかく、死にたくない。その一心で頭をフル回転させる。浮かんできた案は三つ

 

一、社畜のピースは逆転のアイデアが浮かぶ。

 

二、話し合いに持ち込んでみる。

 

三、諦める…現実は非情である。

 

 まず一は無理だ。そんな案が浮かぶならとっくに実行してる。そして三、テメーは駄目だ。こんなところで死んでられません。っていう事で消去法で二しかない。

 

「ま、待て!話せばわかる!」

 

 兎に角、制止の言葉を出し次に話し合いを持ちかける…アレ?おかしいな、何だか死亡フラグがビンビン立ったような気がする。しかし、そんな予感とは反してイケメン、神谷優は止まってくれた。

 

「どうしてアンタが俺を殺そうとしてるのかは分からないが…少なくとも、理由も分からないまま俺は殺されたくない!」

「………」

 

 うん、ホントに理由が分からないまま殺されるのは嫌だ。あ、けどこれだと理由がはっきりすれば俺は殺されても良いっていう風に聞こえるな…なんだろう、今日はこの手のミスが多い気がするぞ?

 俺の言葉を聞いた神谷優は少しの沈黙の後に再び背後の空間を黄金に光らせた。また剣が飛んでくるのかと思い身構えたがそうではなかった。剣の代わりに現れたのは………本?

 

「おい、お前これを知ってるか?」

 

 そう言って目の前に突き付けられた本、それは漫画のようだった。

 

「…『魔法少女リリカルなのは』?え、何これ……」

 

 漫画の表紙にはどこかで見たことのある人の顔があった…う~ん、絶対知ってる筈の顔なんだよな…アレ?っていうかこの漫画の題名…あ、これエース・オブ・エースだ。子供の頃で今より若いけどこれは間違いなく高町なのはその人だ。え、何この人漫画化されてたの?

 

「…その反応を見るに…転生者ではなかったか………」

「え、いきなり何言ってんのこの人、怖い」

 

 え、転生者?何、その怖い単語。世の中に転生者なんて人居るのかよ…つまりこの人転生者?…まあ、目の前の神谷優が転生者なのかどうかはどうでもいい。問題はこの後どうなるのかだ。

 

「…何かよくわかんないけど殺されなくていいの、俺?」

「いや、殺す。転生者ではなくともなのは達の近くに男がすり寄ったと言う時点で死刑確定だ」

 

 はい、死刑宣告もらいましたー。ていうか何、この人高町なのはのボディーガードか何か?それともストーカーか何か?どちらにせよ、俺に害でしかないっていうのは明らかだ。

 

「すり寄ったっておま…俺はただ仕事だよ!?そんなのじゃないから!高町なのはとかが好きなら告白でも何でもすればいいだろう!」

 

 ホント、あんな理由で殺されるのはヤダ。そも、そんな異性として見てる気はないし仕事上のお付き合いなのだ。何か今日プライベートな感じで昼食ごろに誘われた気がしないでもないがもう完璧人付き合いの一部なのでノーカン、セーフだ。

 が、そんな俺の考えなど一分たりとも伝わる筈もなく神谷優は言葉を出す。―――吐き出した言葉は少し予想外だった

 

 

 

「貴ィィィッッ様はッッ!全ッ然ッ分かっていないな!」

 

 

「いいか、あの神聖な百合空間に俺たちのような男は入ってはいけない。分かるか?純粋なモノこそ美しい!その中の至高が百合だ!あの美しい女性同士の麗しき関係、同性愛という禁断の果実の背徳感。そんな至高のジャンルの中で(俺の中で)最も熱いのがリリなののキャラによる百合だ!ああ、なのフェイ何かはもう素晴らしい。子供の頃からあの二人の関係は見守っていたがそのどれもが最高クラスだった!他にも八神はやてが守護騎士達総受けのようなのも素晴らしい。そんな美しく神聖で、何人たりとも犯してはならない。これを崩そうとするバカ共を俺は何度も粛清し、その考えを改めさせてきた。そしてJS事件も終わりしばらくは大丈夫だろうと思い仕事に集中し始めた矢先、貴様が現れたのだ!一言二言話した程度なら構わない、だがお前は既に彼女たちの生活に浸透し始めている。もはや布教では矯正不可能、だからここでお前を消すことで混じってしまった不純物を無くす!」

 

 

「長い、三行で」

「百合最高

 男駄目

 お前消す」

「最初からそうしてくれ…これで良しっと」

「ん?」

 

 なんか話がややすり変わってる気がしないでもないが…うん、兎に角こいつがマヌケ…いや、単なる馬鹿で助かった。

 

「な、何だコレは!ってキツッ!?」

「まさか喋ってる間に縛れるとは思ってもみなかったよ」

 

 神谷優が演説に夢中になっている間に、デバイスに入れておいた新しいアプリ、『アラナワ』を使った。

 『アラナワ』は何でも目標が隙だらけだったら縄に変化したデバイスが勝手に相手を縛るアプリだ。つい最近、局員のデバイスに入れることが義務付けられたアプリだ(ご都合主義)。因みにこれと交代で『寝ることはゆるさへんで』くんが使用禁止になっていたりする。理由はやっぱり危険だから使うなだそうだ。

 

「こ、この程度の縄直ぐに引きちぎって…え、ちょっと待って!何か縛り方が変わって…」

「ええーと、説明書によると…何でも抵抗した時の力が大きいほど縛り方は危なく成っていく…ああ、結構な力で抵抗したんだな亀甲縛りになってる」

 

 初めて使ってみたけど誰だよ、こんな変態アプリ開発したのは。管理局もよく採用したな…。開発者はえーと…アンリミテッドディザイア?…分からん。まあいいや。

 と、俺が説明書を見ている間に亀甲縛りからドンドン縛り方がえげつなくなってるな。亀甲縛りだけじゃなくてホグタイまで追加されてる…身動き取れないなこりゃ。

 

「クソ!こうなったら王の財宝(ゲートオブ・バビロン)で…」

「【注意、相手が魔力を使おうとしたら電流が流れます。この技術は『寝ることはゆるさへんで』くんからの流用です】」

「グァァァァァッッ!!」

 

 この人本当にあの神谷優なんだろうか?今偽物ですって言われたら間違いなく信じる自信があるね、俺は。

 …あ、気絶してる。

 

「…兎に角、この人どうしようか…持って帰るのも面倒だししかももう夜中だし…」

 

 引き摺って生ごみ置き場に出しに行こうか。そうしよう、それがいい。そして戻って仕事をかた…づ…け……

 

 

 

 

――――気が変わった。この人には罰を受けてもらおう。俺が考え付く限りで最悪の罰を

 

 

 

 罰を実行するべく、縄に縛られ気絶してる神谷優を引き摺りながら俺はある奴に連絡を取るべくこいつにメチャクチャにされた仕事部屋へ向かった。連絡とるにもデバイスは今縄になってるからね。




お目汚し失礼しました…感想やらなにやら募集してまっせ。

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