最近忙しくて書く暇がない…FGOのオケアノスも全然やれてない…
なんか最近ワースト回を更新してる希ガス…
粗筋、買い物に出かけるピースくん、カフェで魔王と遭遇、その娘に嫌いと言われる、以上。
「ゴメンね?つき合わさしちゃって」
「別に、今日は一日外の方に居る予定だったから構わんさ」
「……オジサン暇なんですか?」
「暇なのは否定しないけど責めてお兄さんって呼んで欲しかったな」
あの後、まだ買い物があると言った高町なのはに荷物持ちを要請され現在はショッピングに付き合っている。因みに高町ヴィヴィオの機嫌はまだ悪いままだ。多分、っていうか絶対に俺が居るからだろう。
普通、嫌われてるのが分かったら片割れに誘われても乗らないんだろうが…理由が分からないのに嫌われてるのはちょっと納得がいかない。と言う訳で、ほんの少しだけ一緒に居る時間を増やしてその理由を探してみようとしている訳だ。それが高町なのはの頼みを受けた理由だ。
つまり、ある意味自分から荷物持ちになったはいいのだが…
「流石に多くないか?」
「ほら、休みの日が少ないからどうしても溜めて買って置かなきゃいけなくて」
「そういうことか…まあ、仕事が早く上がれるようになれば帰りに買い物が出来るくらいの時間は出来るんじゃないか?」
「…痛いとこをついてくるね」
買い物の荷物が多い理由が分かった。確かに、俺もその傾向がある。だが一人暮らしだからそう簡単に減りはしないから毎回行くって訳ではないがな。…それにしてもちょっと重いな、自分の荷物+高町なのはの荷物の一部っていうのは事務員には少し辛い。
それと、高町ヴィヴィオが不機嫌になるタイミングが少し分かった。
「………」
『仕事』と言う言葉が出て来るあたりになると一瞬だけ、その顔を歪ませている。で、その後はまた元の表情に戻るが不機嫌オーラが出るのだ。いや、まあ俺が居る時点で不機嫌オーラが出てるから正確には濃くなるっていうのが正しいんだけどね。
そうして少し確かめながら先を行く高町親子の背を追っていれば高町なのはが次の店に入っていった。…服屋か。
「ちょっと最近ヴィヴィオが大きくなってきたから新しい服を買わなきゃいけないんだよね」
「成長期なのか」
「多分そうだと思う、フェイトちゃんもドンドン背が伸びて行ってるって言ってたし」
「……そう言えば今日は一緒じゃないんだな」
今日はフェイト・T・ハラオウンが居ないと言う事に今更気が付いた。確か、休憩時間の雑談では三人で暮らしてるって聞いた気がする。すると、ボソッと呟いただけの俺の言葉に高町なのはが反応した。聞こえてたのか。
「フェイトちゃんは今日はお仕事なの」
「まあそう休日が重なる訳じゃあるまいしな」
「…」
おっと、また高町ヴィヴィオが不機嫌になってる…でも、さっき程じゃないな。フェイト・T・ハラオウンの場合は違うのか?もしかしてこの子はフェイト・T・ハラオウンよりも高町なのはの方が好きなのか?うーん、高町なのはよりフェイト・T・ハラオウンの方が優しそう、というか甘やかしそうなんだけどな。
「さて、服選びは俺が態々中に入るほどじゃないか。ここで待ってる」
「そう?それじゃあなるべく早くに戻ってくるね」
そう言って、高町なのはは高町ヴィヴィオを引っ張っていく。何だか子供よりはしゃいでるな、あの人。まあ、微笑ましいく思えるのは高町なのはだからだろうか?いや、多分美人だからだな。
―――何て思ったその折、まるで剣で体が串刺しにされたかのような感覚に襲われた。
全身が総毛立ち、本能が警鐘を鳴らす。マズイ、この場から直ぐに離れろと。だが、足はすくんで動けない。冷や汗をかきながらもゆっくりと、後ろから向けられるこの殺気の方向へ振り向く。
―――そこには誰も居なかった
確かに誰も居ない、だがそれでも『居た』と言う事は分かっている。流石に、先ほどの感覚は錯覚では済まされないだろう。戦うような人間でもないただ事務仕事をこなす人間にも分かるほどの殺気…一体どうしてそんなものを向けられたのかは分からない。が、今回はもう何も無さそうだ。…それが分かっただけでかなり安堵した。
安堵のあまり思わず、近くにあったベンチへとドサッと腰を下ろす。息も気付かない内に止まっていたようで、呼吸が苦しい。少し深呼吸をすることにする。
「スゥーハァー」
「……」
「スゥーハっウオッ!?」
「…フフ」
気づいたら、目の前に高町ヴィヴィオが居た。それも結構近くに。その事に驚き少し情けない声を上げてしまう。
こちらをジッとみていた高町ヴィヴィオはその様子が面白かったのか少し微笑んだ。
「…なんでここに居るんだ?高町なのは…お母さんと一緒じゃないのか?」
「…私の服を選ぶのに夢中になってるから少しだけ抜けて来たんです」
いいのか、それで。君のお母さんは君の為に選んでくれてるんだぞと言葉が出そうになったが、どうやら俺に何かの用があるようだ。
高町ヴィヴィオは俺の前からトテトテと歩き、隣に座った。しかし、喋らずに沈黙が続く。それに耐え切れず、俺は口を開いた。
「なあ、何でこっちに来たんだ?確か俺のこと嫌いなんだろう?」
「…」
なんというか、咄嗟に出てしまった言葉だが少し意地悪な気がしないでもない。だが、高町ヴィヴィオの反応はなかった。
どうしたものか、そう悩み頭を掻こうとしたとき高町ヴィヴィオはようやく口を開いた。
「なのはママが貴方の事を話してくれるようになってから…なのはママが一緒に居てくれる時間が減りました」
……成程ね、どうして『仕事』って言葉で不機嫌になるのかも俺が嫌いって言ってた理由もフェイト・T・ハラオウンが今日は『仕事』と言ってたのに高町なのはの時ほど不機嫌になっていなかったのか、全て合点が行った。
高町ヴィヴィオは言葉をつづける。
「フェイトママはよく一緒に居てくれます。だけど…なのはママはお仕事があるからって言って帰ってくるのも遅い…『お仕事』があるから、なのはママは私に構ってくれない。だから、私は『お仕事』は嫌いだし、なのはママと一緒に居ることが出来て、なのはママに『お仕事』をやらしてるオジサンも嫌いです」
『お仕事』があるから高町なのはにあまり構ってもらえてない。だから『お仕事』が嫌いで、仕事中でも関わっていられる俺も羨ましくて嫌い…『お仕事』をやらしてるっていうわけではないが、少なくとも俺はそう思われている…。
きっと、子供が人を嫌いになるには十分な理由だろう。
「…それが不機嫌なのと俺を嫌いって言ってた理由か」
「…はい」
自分が嫌いだと言った相手にその理由を伝えに来る、そしてそれを聞き返されても素直に認める。これだけでもう他の子供よりも全然精神年齢が高いって分かる。見たところ、まだ七歳やそこらなのに凄い子だ。だけど、同時にその理由で嫌いだと言うあたり、しっかりとした子供だろう。
さて、仕事に忙しく家族などに構っていられない。これは社畜や優秀だから仕事が多く回ってくるやつには案外ある話だ。勿論、働いてる人たちはその人たちの為にお金を稼ぐために働いているのである。構ってくれ、だなんて中々言えないだろう。本当によくある問題だ。
もしかしたら自分はそのひとにとってどうでもいいのではないか?
色々多感な時期の子供なんかはそんな疑問が浮かんでくるだろう…結果、すれ違いがすれ違いを生んで大喧嘩になったりしてしまう。だけど、この子は『仕事』を頑張ってやっているのは自分の為にやっていると理解できるからその苛立ちなんかをこうして、俺に嫌いと言う形でぶつけたりしてるわけだ。決して高町なのはに迷惑をかけないように。
つまり、このことから分かることは『感情の再確認は適度にしておく』と言う事だ。例え、それを本人からされるのではなく又聞きのようなものでも。
「ねえ、君のお母さんが仕事中も休憩時間もしょっちゅう呟いてること教えてやろうか?」
「え?」
「『ヴィヴィオとフェイトちゃんに早く会いたーい』って」
「――ッ」
「多分、寂しかったんだろ?一緒に居てくれる別の大切な人は居てももう一人はあまり居てくれない。もしかしたら自分はその人にあまり思われていないんじゃないかって」
「断言してやる、あの
「……」
「それに、今だって君の為に服を夢中で選んでるんだろ?ほら、分かりやすいほど想われてる」
「……」
チラリと横目で隣に座る高町ヴィヴィオを見てみれば俯いていた。泣いているのか、そのスカートは少しだけ濡れている。そんな高町ヴィヴィオの頭に軽くポンっと手を置いて撫でる。
そうしてると、服屋の方から高町なのはの声が聞こえた。多分、この子が居なくなって何処に行ったのか探しているんだろう。
「ほれ、呼んでるぞ?大切なお母さんが…はやく目のそれ拭って行ってやれ。……あ、マジで拭ってくれよ?もし彼女に見られでもしたら俺が死にかねない」
「…フフ、はい」
立ち上がり服屋の方に駆けていこうとする高町ヴィヴィオ。だが、その前に俺の前に立ちこう言った。
「オジサンのこと、嫌い…ではなくなりました」
そう言って、高町なのはのする方に向かって行った。
その姿は、純粋でなんにでも成長するであろう子供の姿だった。うん、やっぱり社会に出て純粋さを失う前くらいは子供はああいう風にあるべきだと思う。……俺もいつまで少年の心保てるかな?せめて店を持つまでは保ちたいと思う。
「っていうか、俺結局オジサン呼びで定着されたのか?…少し悲しいな」
余談だが、この後高町ヴィヴィオの涙の跡と泣いた後特有の目が赤くなるなどで俺は泣かしたと高町なのはに思われて記憶が飛ぶほどの恐怖が残る技をくらいダウンしていたりする。
なんとなく覚えているのは高町なのはの髪の毛が上体の高速移動により∞のマークに見えたくらいだ。
「あの男…」
ダンッ!壁を殴りながらと男は憎々しげにそう呟いた。青年の目に残るのは高町なのはと高町ヴィヴィオが店の中に入りそれを微笑ましそうに見送った青年の姿だった。
「必要最低限の付き合いなら見逃してやろうかと思ってたが…駄目だな、やはり『排除』すべきだ」
サラリと物騒な事を呟く男。だがその目に冗談の色はなく、殺意のみが爛々と輝いている。
男の隠しきれない苛立ちを表すかのように金色の魔力光が見え始める。しかもその量と質はどれもが規格外と呼べるレベルのものだった。それに悲鳴を上げたのか、周囲の壁にピシリとヒビが入る。そのことで気付いたのか男は魔力を抑えた。
だが、苛立ちは消えないのか男は空間に黄金の波紋を出現させるとその中に手を突っ込み、引き抜く。その手には飲み物が握られておりそれを苛立ちごと飲み干すかのように一気に体内に入れる。
「プハァ…絶対に、絶対に排除してやるぞ……ピース・ルナセルッ!!」
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小ネタ もしもピースくんが家を買ったら
ピース「…ただいま」
シーン…
ピース「職場より家にいる時間の方が短いな…はは」
ピース「何のために家を買ったんだろう…」
こうなる(確信)