目指せ自営業!社畜局員のミッド暮らし   作:この世全てのゴミ

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はい、今回も登場はやて=サン

何だか最近はやて=サンの出番が多い気がしますが別にヒロインに決まった訳じゃないです。ただ、なんとなく話が作りやすいから…




第七話 持つべきものは友人だった

 粗筋、勘違い、仕事大量押しつけ、死ぬ、以上

 

 

 

 俺はあの後、大きなお世話、余計な親切の元の現在仕事をしている。

 高町なのはは帰ってしまっているため現在はこうして一人、頑張っているわけだ。三徹分くらい。

 不幸中の幸いというべきか、高町なのはは一週間ほどいないためいつもやる仕事量は少ないのだが…

 

「じゃ、これ頼むわ」

「がんばれよ!お前ならできる!」

「あ^~、仕事が減ってうれしんじゃ^~」

 

 どんどん、追加されていくのだ。皆、俺があの催しにでると思いどんどん仕事を持ってくる。何度もやめろと抗議しようにも大量の仕事が放り投げられるのでそれに埋もれてしまい、毎回できないでいる。後、最後の奴だけは必ず殴ってやろう。多分、間違えて殺してしまっても許される。

 おかげで、集中執務室は仕事関連のもので埋まってしまっている。書類は山ではなくビル群を大量に作り、メモリースティックなどのデータ関連のものについては机の棚がすべて埋まった。

 あれ?これってもしかしてこの基地の中の事務仕事のほとんどが俺に集まってきてるんじゃないのか?

 

「うう…畜生、畜生…」

 

 本来なら、高町なのはがいないので仕事はいつもより軽くなる。そうなる予定だったのだ。なのに、どうして!こんなことになってしまっているんだ!!

 しかし、心の中で叫ぼうが、言葉を紡ごうが目の前に仕事が来たらそれをやってしまう。ああ、悲しい性だ…。

 もう、この際だ、やるだけやってしまおう。そしてボーナスを大量にもらってやろうじゃないか。多分、っていうか確実にこれだけやっていれば俺はランキング内に入れるはずだ。それを自営業設立の足掛けにするんだ。そう考えなければやっていられない。

 

「だが、いつまで経っても経っても仕事は減らないのであったまる」

 

 なんか、この三日間で独り言がだいぶ増えた気がする。まあいいや、どうせ誰も聞いてないんだし。

 それにしても、なんだか視界がぼやけてきたな。イカンイカン、寝てしまったら最後だ。気を引き締めなければ。…そうだあれを使うことにしよう。

 デバイスを取り出し(片手で仕事をやりつつ)デバイスの中に入っているあるアプリを起動させる。すると、携帯電話のようだったデバイスは姿を変え、首輪のようになった。これが俺がいつも仕事がやばい時に使っているアプリだ。

 

その名も、『寝ることはゆるさへんで』君だ。

 

 名前の通り寝ることを許さない、徹夜するときに最高のアプリだ。

 装着者の脳波を測定し、その脳波が睡眠傾向に行くと電撃を流してくる。また、脳の性能を低下させないために各所に電流を送るという素敵性能だ!(白目)

 

「よし、装着!…アバババババババ!」

 

 首輪になったデバイスをつける。すると、即座に電流が流れてきた。脳天までしびれるこの感じ…ふむ、効くな。

 

「…よし、仕事を再開するか…」

 

 こうして、俺は仕事を再開し始めた。たまに電流を流されてビクンとなりながらも、仕事を再開したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 関係ない話だがこの、『寝ることはゆるさへんで』君は管理局が入れることを推奨しているアプリだったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日、私こと八神はやてはピースくんの元へ遊びに行っていた。

 理由は前回と同じで暇だからや。最近は遠征なんて物もなく、仕事も書類系ばかり。これでは体が鈍ってしまう。更に、仕事は午前中でなくなってしまいその日は半休となってしまった。

 家に帰れば多分誰かしらは居るだろうが、今日は外で遊んでいたい気分だ。家に帰る気はしなかったのでどうしようか悩んでいたところ、ピースくんの顔が頭に浮かんだ。

 前回行ったときは仕事に集中していた時にお邪魔してしまったから怒られてしまったが、今なのはちゃんも出張で居ないそうなので仕事は少ないと聞く、それなら遊びいっても怒られることはないだろう。

 

「にしても…何か休んでる局員が多いなぁ、これしっかり仕事しとるんやろうか?」

 

 なのはちゃんとピースくんが今勤めている基地はそこそこ忙しい基地だ。仕事がよく回ってくる基地で、局員はそんなダラダラするほど休憩時間は得られなかったはず…なのにどうしてこんなになっているのか疑問に思った。

 すると、局員たちの会話が耳に入る。

 

「いや~、もう仕事が殆どなくて楽だわ~ピースさまさまだろ」

「それなwアイツが処理王GPに出るって話聞いたときはマジでこれで仕事が消えるって思ったぜ」

「アイツ、普通なら投げるような仕事でも淡々とこなすしな!」

「ホント、いいやつだわ~w」

「処理王GPの期間っていつまでだっけ?」

「確か五日間だろ?ってことはあと二日はほぼ休日みたいなもんじゃねえかww」

「マジ最高ww」

「けど、仕事持って行くとき怖いよな…」

「ああ、だってアイツ無表情で機械みたいに作業してるんだもんな…人間味が感じられないくらい集中ってどんだけだよ」

 

 処理王GP、そしてピースくん、人間味が感じられないほど集中している…なんだろう、嫌な予感しかしなかった。

 だから、少し話を聞かせてもらう事にする。

 

 

「なあ、その話…詳しく聞かせてくれへん?」

 

 

「へ?」

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 話していた二人から詳しく事情を聞いた後、私は廊下を走っていた。理由?そんなの単純だ、下手したら仕事の中で死にかけているであろう彼の救助に行くためだ。

 処理王GPのことも聞いたが、まず彼がそんなものに出るわけがない。自己評価が低く、面倒事も嫌いで隠された意味も簡単に気付いてしまう彼だ。きっと出る気など毛頭になかっただろう。

 前回行った、ピースくんとなのはちゃんが仕事部屋にしている部屋が見えて来た。

 扉を勢いよく開け放つ、するとそこに見えたのは…

 

「なんやこれ…」

 

 白いビル群に小さな黒い山――――そしてビクンビクンと痙攣をおこしながら机にうつ伏せになっている彼が、私の目に入ってきた。

 周りのビル群など気にしないで、彼がいる机の元に向かう。

 

「わああぁあ!大丈夫かいな!?しっかりせいピースくん!」

「アバババ…」

「起きんか、なんか痙攣しとるって痛っ!なんで君のからだ電流が流れとんねん!?」

 

 彼が痙攣をおこしてる理由が分かった。っていうか触れて痛いって感じるレベルの電流ってヤバイ。

 急いで、彼の体に電流が流れてる原因を探す。如何に友人と言えど、異性の体をまさぐるのはどうかと思いはするが今は緊急事態だ。そんなこと考えている暇はない。

 途中、数回電流が流れてきたが、それでも頑張って探すと。ピースの首の何かあるのが分かった。

 これは…首輪だろうか?兎に角、これが原因なら外そうと思い手を出すが、直後に電流が流れる。

 

「あだっ!こんな電流、首なんかに流されでもしつづけたらとんでもないことになるで!早く外さんと…でもどうやって……しゃあない!壊すわ」

 

 これもピースの為だ。多分、この首輪はデバイスか何かであろうから壊したら不味いだろうが…まあ切断位にとどめて置けばきっと中のデータは壊れないだろう。

 

「それ!」

 

 魔力で作った刃を形成し、ピースの首についた首輪だけをうまく切る。そしてバリアジャケットを手にだけ展開し、首輪を回収した。するとピースの痙攣も納まり始めた。

 

「良かった…痙攣納まり始めたわ。もしこれで納まんなかったら確実に病院行き…いや、起きたら病院に連れてこ。流石に痙攣はマズイしなぁ」

「う、うう…?」

「お、意識が戻ったんか!?」

 

 どうやら、意識が戻り始めたようだ。電流の所為で気を失っていたのかと思うが…顔をみて、意識が無かった理由はなんとなく分かった。

 目の下に隈が…途轍もなく、大きく濃い隈が出来ているのだ。多分、一日二日の徹夜じゃこうはならないだろう。

 とにかく、意識が戻ってよかった…。

 

 

 

―――あ、あとこの基地の休んでた局員たちは全員シバイとこ。この部屋に溢れてる仕事は多分、そいつらのやろうし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識が回復した俺は、未だぼんやりする頭で助けてくれたと言う八神はやての言葉を聞いていた。

 

「君、意識失って痙攣しとったで?一体何しとったんや?」

「何って…いつも通り仕事…ですだよますだ」

「混じっとる、公私が混じっておるで、ピースくん」

 

 ああ、駄目だ。頭がまだボーっとっていうか襲い掛かってきている睡魔の所為で全く働かない。八神はやては友人でも上官に当たるんだから、言葉は聞かないと、けど聞かなくても別に…あ、駄目だ。思考も公私を分けることが出来なくなってきた。

 

「っていうか、君…一体何徹しおってるねん。隈がヤバイで?」

「うー…大体、三徹くらい?今日で四徹目に突入しようとしてた…」

「社畜なのはええけど、その内死んでまうで?」

 

 うん、その事は今日骨身にっていうか脳髄まで染み込んだ気がします。

 よし、大分頭は起こした(無理やり)これで少しはマシだろう。

 それにしてもまさか、『寝ることはゆるさへんで』君にリミッターが無かったとは…今度から使用に気を付けよう。今日みたいな事を起こさないためにも。

 

「全く、痙攣まで起こすって…一体どんなアプリ使っとたんや?」

「…『寝ることはゆるさへんで』っていうアプリ。管理局が推奨してるから検索すればでてくるんじゃないか?」

「えーと………ピースくん、このアプリはインテリジェントデバイス以外の使用は危険ですので注意してくださいって書いてあるで?」

 

 マジか、ってことは俺は危険極まりないアプリを使ってたって訳だな。HAHAHA!笑えねぇ…

 

「…今度からは気を付けます」

「せやな、気を付けてや…それと、どうして君がこんなに仕事やっとるん?間違いなく、個人が処理できる量じゃないと思うんやけど」

「ああ、それはな―――」

 

 どうしてこうなったのか、その経緯を事細かく説明する。すると、説明が進んでいくごとに八神はやての顔が段々と笑みのようになっていき、最終的には目が笑ってなく、口だけが笑ってる顔になった。何これ、怖い。

 

「成程な、君に責はあらへん。精々が、断ることを出来ずに目の前に置かれてしまった仕事をやってしまう社畜性だけや」

「あれ、何か私っていうか俺っていうか…結構責ない?」

「私が無罪って言えば、無罪や」

「アッハイ」

 

 なんでだろう、今まで怖さなんてあんまり感じなかったのに今の八神はやてはとても怖い。…もしかしたら本気で怒らせたりするとこうなるのかも知れない。今度から怒らせたりするのはやめよう。

 何て思っていれば、グゥ~と食事を求める音が部屋に響き渡った。

 

「……」

「…多分食堂はまだ空いてるから、食いに行こか?」

「…そうだな」

 

 そう言えば、殆ど食事はとってないんだった。確か水を少し飲んでたくらいだったか。

 食堂に移動するため、立ち上がろうとするが…ガクッと腰が抜けうまく立てない…

 

「…買って持ってくるわ」

「…すまない…」

「別にええよ」

「あ、金を持ってってく…れ……」

 

 お金を渡そうと財布をポケットから取り出すが…感触が薄い、小銭すら入ってる気がしない。

 ああ、そう言えば三日前は何も買わずに帰ろうって思ってたからお金はあんまり入れてなかったんだっけ?そう言えば最近銀行にも行ってない。

 財布の感触で絶望しているこちらに気付いたのか、八神はやてがこちらの手を掴んで下げさせる。そして――

 

「…奢るで?」

「お願いします…っっ!」

 

 この日だけはきっと忘れない。多分今までもこれからもきっと今日ほど惨めな思いはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 因みにその日で仕事は通常業務に戻った。なんでも子狸が周りの奴らを叱ってくれたらしい。

 また、高町なのはが帰ってきた後に発表された処理王GPの順位は9位だった。たった、三徹と一日分しか働いてないのになんで順位が良かったのかと言えば参加者が少なかったらしい。

 貰えたボーナス額は十万と千円、結構貰えた。怪我の功名と言う奴だろうか?

 

 

 

 

 




感想大募集中だぜ!あ、他のものも色々受け付けていますよ?

小ネタ

ピース「…ふう」シゴトシュウリョウ

同僚「終わったのか?なら手伝ってくれよ!まだたくさんあるんだ!」

ピース「自分でやれバカヤロー…俺はもう帰る」

同僚「ズリィぞっ!」

上司「あ、仕事終わって手が空いた?じゃあこれお願いね」

ピース「え?」

ドサッ…

ピース「…手伝って?」

同僚「自分でやれバカヤロー」

言葉が、返ってくることって、たまにあるよね!

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