【勘違い物】性欲を抑えながら頑張るIS学園生活   作:シロガネ11号室

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主人公の時代では現在のネットスラングは既に死語になってる模様


異世界介入編『俺が! 俺たちが引きニートだ!』
第一話「何か資格は?」「死角はありません、無敵です」


 吾輩は『大和・ジパング』である。名前はそれだ(但しアバターの)

 

 と、某名作小説のように自己紹介をしてみる。目覚めたらなんか路地裏にいた。ゲームを始めたはずなので左手でメニューを開いてみた。出て来なかった

 

「リアル……だと……?」

 

 ネットの世界はいいね。死語が溢れている。

 そんな無駄な思考をしつつも現状を把握していく。

 

 ゲーム開始→なんか吸い込まれる→路地裏【NEW!】

 

 結論、異世界

 

「テンプレじゃないか」

 

 漢「大和」、異世界で生きていくことを決意した!

 

 自分、大和。話術には自信がある(※但しゲームに限る)

 フルダイブ型エロゲーは分岐イベントである一定のニュアンスの言葉を使わないと攻略できないから自然と話術が身につくのだ!

 只今より、異世界人と対話をする!

 

「あ、あ、あ、あの。こ、ここここ」

「おい、お前もIS適正試験受けに来たのか? ん? 場所が分かんない? 一緒に行こうぜ!」

 

 ミッションコンプリート!

 フッ、流石は俺。やればできるじゃないか(震え声)

 

 異世界とはいえリアル。色々あってリアルの人間とはあまり話せなくなってしまった。しかし! ネットの向こうの友人が『外星へ旅行したら人見知りなおった』って言ってたし俺も『異世界へ旅行したら対人恐怖症克服したった』って言ってやるぜ!

 

 

 

『はい、次の方ー』

 

 ISとやらの適性試験は何故か男だけしか受けないらしい。男しか適正が無いのだろうか?

 おばちゃんに試験室に呼ばれた俺は「あ、はい」と言いながら部屋に入る。

 

 そこには、なんかかっこいい機械があった。

 

(やっべー、マジかっけー。使ってみてー)

 

 そう考えていると、担当のおばちゃんが「はい、触ってみて」と言ってきた。ほう、触るのが試験なのだろうか?

 適正試験とやらだから使ってみるのかと思ったのだが、触るだけでいいとは拍子抜けである。

 

 そして、それに俺は触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は何やら厳重な警護の敷かれた部屋のベッドに寝転ぶ。脳内で浮かぶのはあのAA『どうしてこうなった』だ

 あの機械に触れた瞬間、俺は全身に電流が流れたかのような衝撃を受けた。それはまるで感情の本流で、と言っても全く負のものではなかった。

 

『嬉しい』

『ありがとう』

『はじめまして』

『知りたい』

 

 立ち上がり鏡を見る。そこには俺が相当の課金、時間をつぎ込んで作り上げられた整った青年の顔が映った。

 

「……」

 

 どう見てもこの世界に来る前にやろうとしていたゲームのアバターだが、ゲームメニューは開けない。否、開く行動に出れないでいた。

 

 厳重な警護→俺、なんか重要人物っぽい→あれ? 俺この世界に戸籍なくね→不法滞在者→must die→よろしい、ならば監視だ

 

 見られてる……ッ! 俺、超絶見られてる……ッ!!

 

 ここで本物のリア充なら「イエーイ、カメラ見てるぅ~?」って出来るんだろうが(偏見)、俺には出来ない。怪しい行動をしたら死にかねない

 つまり俺はゲームで培った能力を使えるのかどうかを試せずにいるのだ! 不覚……ッ! 正に不覚……ッ!!

 

 誰だ、死角はないと言った奴。出てこい

 

 

 

 

 はい、俺ですすみません。

 

 そう一人で脳内漫才をやっているとプシューという音を立ててドアがスライドした。この部屋に来るまでに見た街の風景からするとここは日本の平成と同じくらいの文明を持っていると推測できた。

 現代の技術を使えば人の脳に様々なデータを強制的に書き込むことなど造作ないことだ。結構情報の量が多いと辛いけど。そのデータと比較してどこの、いつの時代に似ていると比較できたのだ。

 

 ドアから出てきたのは目の鋭い女性。リアルでは美人だろうが、それよりも超美麗アバター(どっかの宣伝文句)をいつも見ていた俺からすると『まだまだだね(調整が)』ってレベルだ

 

 その女性は俺に付いて来い、と言ってスタスタと歩き始める。うーん、ケツはエロいな、仕方ない。ついていくかね

 

 女性が歩いて行った先は何やら会議室のような場所だった。とりあえず俺は異世界人と言っても信じてもらえないと考え、記憶喪失という設定にしようと思う。まさに完璧死角なし!

 

 そういえば服装を確認してなかった。見てみるとやろうとしていたゲームの中での初期アバターが着ている『普通のシャツ』『普通のズボン』『普通の靴』『普通の首飾り』『普通の指輪』だった。流石は普通シリーズ、異世界にも普通に溶け込めるぜ!

 

「座れ」

「……」

 

 俺は学習する生き物。試験会場に案内してくれた男と出会った時のような失敗はしない。即ち、話さない! そうすればキョドる事もないだろう。多分、おそらく……あ、不安になってきた

 

「お前、先程『大和・ジパング』と名乗ったな?」

「……ああ」

 

 あ、あの! 偽名なんです! って言おうとしたらこれだよ! もう喋らなくてもいいよね。そう考えていると相手は険しい顔になった。ですよね、流石に『大和・ジパング』なんて偽名だよ。現代的に言うと『日本・日本』だよ

 

「そのような名前の人物はこの日本にはいなかったそうだが?」

 

 明らかにこちらを疑っている。しょうがない、異世界人なんだもの(自分が) み○を

 

「何がなにやらさっぱり……」

 そもそもトラックに跳ねられて転生&異世界とかいう再び流行りだしたジャンルとは違い、過程を飛ばし異世界に来るという結果が来た。何クリムゾンだよと

 

「どういうことだ?」

 

 え、聞かれてた? どうしようどこから聞かれてたんだろうか。まあ、ここは設定通りにいこう

 

「記憶が混乱している」

 

 目の前の人はアバター、目の前の人はアバターと自己暗示をかけて言葉を紡ぐ。幸いアバター職人初心者レベルと同じくらいの容姿の女性で助かった。普通に言葉を話せた

 なぜアバターとは話せて人とは話せないのか、自分でもよくわからないけれどこの人とは少しは話せるみたいだ

 

 

 

 

 

 目の前の少年は強い、そう私は確信している。それに私の親友(というか腐れ縁)の篠ノ之束もが『その男、生け捕りにして』と言っているのだから私の勘も強ち間違いではないだろう。あの天災が初めて他人に興味を持ったのだ(多分研究的な意味で、だが)

 

 私、織斑千冬は目の前にいる「大和・ジパング」と名乗った落ち着いた雰囲気を持つ精悍な少年に戸惑っている。

 

『何が何やらさっぱり』

『記憶が混乱している』

『記憶能力は突然の自体に役割が持てますな』(なんかうざかったから殴りたくなった)

『そうだ、俺が大和だ』

 

 などといった不可解な言葉を発しており、正直お手上げだ。誰だ、世界最強だからと言って変人だろうと対処できると判断した上の奴ら。表に出ろ

 

 束にとっても想定外だった弟の一夏とこの男二人の男性のIS適正者、世界は彼らの確保に動き始めている。国籍も、何もかも不明なこの大和には一夏にとっての私、つまり後ろ盾がない。研究対象としていつ狙われてもおかしくはないのだ

 

 どっかの研究機関が創りだした人造男性IS適正者だとしても情報は必ず束の手に渡る。だのにそれも無い。

 

 全てはこの目の前の男しか知り得ない。だというのにこいつは記憶障害(演技の可能性もある)があるとのことだ

 

「本当に、記憶が無いのだな?」

「ええ」

 

 ……本当に困ったぞ

 本当に記憶が無いとしても、この重要人物を医者に見せるなど危険なことは出来ない

 

 まあいい。上からの命令は『男を説得してIS学園に入れろ』ということだ。生活の中でこいつの人間性を調べていけばいい

 

 私は報告書をまとめ、彼に『記憶が戻るまで学園にいればいい。年もそれぐらいだ。生活の中で何かを思い出すだろう』と言って説得し、学園へ入ることにした。納得してくれてよかった、納得しなければ私の給料が減って一夏に良い物を食わせてやれなくなるからな

 

 

 

 

 

 ということがあって、今日は入学式だ。記憶喪失の人間は戸籍を取れるため、彼の戸籍をまず作り、そして二人目の男性のIS適格者と世界に発表した。

 不測の事態があってもいいように重要な生徒(大和、一夏、束の妹である箒)を私のクラスに入れ、成績トップだったイギリスの代表候補生セシリア・オルコットも同じクラスとした。

 

 何かの襲撃があってもこれで大丈夫だ。私とセシリアで救援まである程度持ちこたえられる。副担任もある程度実力のある山田真耶であるから安心できる

 

 そう思いながら教室の扉を開いた。ちょうど愚弟が適当な自己紹介をしていたから出席簿アタック(命名、私)をしてやった

 

 ジャーンジャーン!!

「ゲェーっ!バーサーカー!!———ひでぶっ!?」(某SSよりコピペごめんなさい)

 

 誰が狂戦士か。あとそのSEは何だ

 出席簿アタックの威力が倍になった、いい音がした。素晴らしい手応えだった。正に快感!

 

 

 

 

 

 

 いずれ無くなるのだから美しいという日本人の感性は桜が作った、そう小学校の頃先生に教えてもらった記憶がある

 でも、雨が降った後車が通るとすごく汚い。僕はそう思うのです

 

 なんとか記憶喪失設定で乗り切った入学式当日、俺はまるでVIPのようにヘリで運動場へ護送された。とても気持ちが良かったです

 IS学園はどうやら島にあるようで、車に轢かれた哀れな花弁を見ずにすんだと安堵した

 

 ヘリから降りると何やら視線を感じる。ISとやらは女性しか動かせないらしく、何かの間違えで動かしてしまった俺が超超超珍しいんだそうだ。某行列な映画のエージェントっぽいのが俺に張り付くくらいに。

 

 あの女性との尋問(織斑千冬って言って世界最強らしい。名前をネットで調べたら出てきた)から約三日で入学式。やっと監視から開放されてオ○ニーができるぜ!

 

 

 

 そう思っていたんですが

 

 

 

 よく考えたら女の園に男二人、警戒されるに決まってるじゃないですかー! やだー!

 絶対お嬢様とかがいて『男とか信用なりませんわ! 監視して変なことをしたら痛めつけなさい!』みたいな事があるに決まってる!(←エロゲのし過ぎ)

 

 くっ、どこだ。隠しカメラはどこだ!? という生活が俺を待っているに違いない

 

 

 

 

 

 

 

 どうしよう……これから……

 

 マイサンは答えてくれない。いや、答えられても困るけれど

 




続け
あと主さんとそのファンさんごめんなさい。なんか入れたかったんです。一分節なら型月だと使えるらしいからそのFFに適用できるかな?ダメ?
外国行ったら人見知り治りました(マジで)

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