錬鉄の魔術使いと魔法使い達   作:シエロティエラ

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さてさて久しぶりの執筆作業、実は下書きのデータやメモが消えてしまい、前話と原作を読みながら、その場で書いていっております。
そして今までのを見返していて気づいたこと。フィレンツェやらルーナやら、存在から忘れていたキャラが多数いたこと。
さて、どうしましょうか?





21. 状況確認

 

 

 

 

 我ながら今情けないほどの阿呆面をさらしているだろう。床に寝転がり、汗で服や床を濡らし、口を半開きにして荒い呼吸を繰り返していれば、誰でも私が今普通じゃないことは分かるだろう。その証拠に、試験官だったトフティ教授が小走りで私の許へと駆け寄ってきた。

 

 

「ポッター!! ミズ・ポッター!! 大丈夫かの!?」

 

 

 駆け寄った教授は、私の肩を叩いて意識があるか確認してくる。そう言えば、マグルの救命措置の出だしも、この意識確認だったなぁ。なんて関係ないことを頭から追い払いつつ、私は教授を見て首だけ動かした。

 

 

「意識はあるようじゃの。どうじゃ、立てるか?」

 

「……はい、大丈夫です」

 

「そうかの。こうなったのも試験のプレッシャーかもしれんの。回答は終わっておるようだが、このまま続けるかな?」

 

「……いえ、申し訳ありませんが、もう退室させていただきます。私の解答用紙は回収して大丈夫です」

 

 

 そう、正直言って意識はあるけど、またいつ何時倒れるか分かったものではない。服越しでも石の床が変色するほどの汗。加えて一か所に寝そべるのではなく、もがき、動きまわってそれなのだから、脱水状態になっていると言っても過言じゃあないだろう。これはさっさと医務室に行き、水分補給をして安静にしなければならない。ダドリーも言っていた、汗を多量にかいたら、水かスポーツドリンクを必ず飲めって。

 

 

「そうかね。ならば医務室に行くといい。そしてしばらく休んでなさい」

 

「はい、失礼します」

 

 

 そんなこんなで、医務室に行って休眠すること一時間。動いても問題ない状態になり、マダム・ポンフリーの了解も出たので、急いで私は寮に向かった。談話室にはロンとハーマイオニー、そして何故かジニーとネビルがいた。まぁネビルは分からないでもない、私の後ろの席で試験を受けていたし。

 問題はジニーがこの場にいることと、これはやはりというべきか、シロウがいないことだ。まぁシロウの不在は今に始まったことじゃない。特に今年はオババガエル絡みで学校を開けることが多い。正直出席日数は大丈夫なのかと心配になるけど、何やら教師陣は黙認しているようだし、オババの授業は休んでいないので、少なくとも変に怪しまれてはいないと思う、たぶん。

 

 

「よかった、大丈夫みたいだね」

 

「ええ、ごめんなさいね。」

 

「問題ないわ。それよりどうしたの?」

 

 

 ネビルの安堵した声を聞きつつ、何故私が転げまわるような事態になったのか、それを覚えている限り、事細かに説明した。勿論念のために、占いの試験で視た予知も話している。

 話し終えると、みんな一様に眉間に皺をよせ、何やら考え込む。とくにハーマイオニーはブツブツと何やら呟いているため、傍から見れば不気味極まりない。

 

 

「……ねぇマリー。私思うんだけど」

 

「うん。恐らく向こうの仕掛けた罠だと思う」

 

「でも貴方の様子を見る限り、わかってても行きそうじゃない」

 

 

 ジニーの言う通り、罠であるとわかっていながらも敵地に赴くのは、火中の栗を拾うかのようだ。でも同時に、ある人物の無事も確かめたいという欲求にも駆られている。

 夢で聞いた会話、あの時拷問されていた男は、十二年の苦しみと言っていた。私の身近にいる人間でそんな体験をしているのは、シリウスさんかルーピンさん、そしてシロウぐらいだろう。ダンブルドア先生等の教授陣も含まれるだろうけど、拷問をしていた男―恐らくヴォルデモートだろう―にそうやすやすと捕まるようなことはないだろう。

 ということは自然とシリウスさんあたりに絞り込まれる。確認したいが、しかしフクロウ便だと遅いし、もっと早い方法を使いたい。だけど、今すぐ使える方法は考えられるだけで二つ。一つは「姿現し」という一種の空間転移だけど、残念ながら私は使えない。もとよりホグワーツには特殊な結界が張られており、ダンブルドア先生と一部教師以外は「姿現し」を使えない。

 もう一つの方法は、「煙突飛行ネットワーク」を使い、顔だけを対象の暖炉にだして確認する方法だ。ただこれまた厄介なことに、今年に入って新たな条例が出て、ホグワーツの煙突飛行は、オババの部屋を除いて、全てオババに監視されている状態だ。それはマグゴナガル先生の部屋や、スネイプ先生の部屋も例外ではない。権力の間違った使い方と言えるだろう。

 

 

「危険を冒すことになるけど、アンブリッジの部屋に侵入しようと思う」

 

「冗談よね?」

 

「冗談じゃないよ。だってあの部屋からじゃないと、監視無しで煙突飛行は使えない」

 

「ばれたら退学どころじゃなくなるわよ?」

 

 

 ジニーとハーマイオニーが必死に止めてくるけど、申し訳ないことにもう私の腹は決まっている。全く、こんな後先考えず、思い立ったら突っ走るところは誰に似たのやら。ああ、私の父親か。

 

 

「協力してくれなんて言わないよ。あくまで自己満足だから」

 

「でも……」

 

「気持ちは嬉しいけど、ね。流石にこんな個人的なことに、手伝ってくれなんて言えないよ」

 

 

 それだけを言い、私はベッドに透明マントを取りに戻った。はてさて、このマントをまさか教師の部屋への潜入に使うことになるとは。嗚呼お父さま、マリーは貴方そっくりの悪い子に育っちゃったみたいです。お母さまごめんなさい、どうやらポッターの血筋は校則違反と深い因縁がありそうです。

 

 

「じゃあ行ってくるね」

 

 

 そういい、私はマントを被って寮から出た。目指すはカエルの魔境、鬼が出るか蛇が出るか。そおれは神のみぞ知ること。

 

 

 

 






はい、ここまでです。
久しぶりに書いて、しかも下書きなしなのでグダグダになったかも。それにお腹も空きすぎて大して頭も働いていない疑惑。
一応誤字脱字がないか気を付けましたけど、まぁ後から出てきますよね。

さて、次回は何処まで書こうか。それ以前にいつ書こうかということで悩んでおります。

それでは皆々様、ごきげんよう。



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