響:秘書艦。既にВерныйに改造済みだがみんなからは響の名で呼ばれてる。こたつに入って十分に温まったところで冷たいオレンジジュースをちびちびと飲むのが好き。内と外との温度差が癖になる系艦娘。
翔鶴:自他共に認める子供好き。食堂に鎮座する大きいこたつで少しずつみかんを剥いて食べるのが好き。何気ない日常をほんわか過ごしたい系お姉さん。
「なあ」
「なんだい、司令官」
「こたつはいいなぁ」
「そうだね」
「カタパルトかぁ」
「カタパルト?」
「いや、どうにかしてカタパルトを入手できないかな、と」
「司令官はどうしてカタパルトが欲しいんだい?」
「ああ、翔鶴を改二に改装するためにカタパルトが必要なんだ」
「それでカタパルトが欲しいのか」
「翔鶴はいつも世話になっているからな。本人は入手が困難なら無理しなくてもいいと言ってくれているんだが…」
「それでも司令官はお礼をしたいんだね」
「そうだ」
「そうだね。私達も翔鶴さんには世話になっている。できる限りは手を貸そう」
「そうか、ありがとう」
「それで?カタパルトはどうしたら手に入るんだい?」
「現状では打つ手がない」
「そうなのかい?」
「まず必要とするカタパルトは試作品で数が少ない」
「ふむ」
「当然、優先順位は最前線の激戦区だ」
「そうなるね」
「しかも、取り分けその中でも数多の任務をこなし功績を立てた人にのみ渡されるんだ」
「成る程、それは厳しいね」
「だろうなぁ…。今日も一日平和でこたつに入っていた記憶しかないからなぁ」
「司令官はいつでもこたつに入っているじゃないか」
「いや、そうでもないぞ」
「司令官。そろそろ否定から入るのを変えたらどうだい」
「そうかな?」
「そうだよ。いつも私に論破されているじゃないか」
「むう」
「まあ、けど最近はよく私達と遊んでくれているね」
「この前みんなに言われたからな」
「ああ、会議のときにだね」
「そうだ。その会議の後に翔鶴さんと一緒に飲んでな」
「珍しいね。司令官はお酒はあまり得意じゃないと記憶しているけど」
「その時はたまたま酒を飲みたい気分だったんだ」
「そう」
「まあ、その時に愚痴を聞いてくれたり、世話を焼いてくれたりしてな」
「うん」
「それで、翔鶴にはいつも助けてもらっているから何か贈ろうかと思ったんだ」
「…………それでカタパルトなのかい?」
「ああ」
「はあ……司令官は女心がわかってないね」
「うん?」
「どうして日頃の感謝の気持ちを伝えるのにカタパルトなのさ」
「だめなのか?翔鶴だって改二になりたがっていたぞ?」
「そうじゃないんだよ、司令官。私達は確かに艦娘だ」
「うむ」
「けどその前に一人の女の子でもあるんだよ」
「そうだな」
「それに今回は日頃の感謝を伝えるんだから、もっと相応しいものがある筈だ」
「そうだな、理解した。しかし、こういう時に何を贈ればいいのかわからんぞ?」
「無難なのはハンカチじゃないかな?」
「ふーむ、ハンカチかぁ……確か翔鶴は花が好きだったな?」
「そうだよ。けど、流石に翔鶴さんが好きな花の名前までは知らないよ」
「どうせなら徹底的に喜ばせたいな」
「それなら今度翔鶴さんと一緒に遊ぶ約束があるからその時にそれとなく聞いておこう」
「おおっ、それは助かるな…って、響達はよく翔鶴と遊んだりしているのか?」
「遊ぶと言うよりは何かを教わっていることが多いね」
「例えば?」
「そうだね。この前なんかはお菓子作りを教えてもらったね」
「女の子らしいな。ちなみに何を作ったんだ?」
「カップケーキだよ」
「カップケーキか……うん?この前紅茶と一緒に出てきたのもカップケーキだったよな?」
「そうだよ、あれは私が作ったんだ。ちゃんと司令官の味の好みに合わせて作ったよ」
「通りで。ありがとう響。改めて言うが美味しかったぞ」
「そう言ってもらえると私も嬉しい」
「少しお腹が減ってきたな」
「食べ物の話をしたからね」
「それに頭も使ったからな」
「そうだね、もうそろそろいい時間だ」
「ん?どうした響」
「ヒトサンマルマル。今日は私が作ろう。司令官は何がいい?」
「そうだなぁ……響の得意なやつでいいよ」
「そうか、それなら今日のランチは…ピロシキにしようか」
「ああ、それはいいな。それと翔鶴の件もよろしく頼む」
「了解だ。それじゃあ作ってくるよ」
「よろしく…………響にも世話になっているからなぁ、今度何か贈るとしようか」
最新話を投稿するときに気を使っている事は、前書き、後書き、本文を全部切りのいい数字で終わらせていることです。
暇な人は是非数えてみてください。
一部修正。一話〜八話
響:秘書艦、を響:秘書艦。に直しました。