響:秘書艦。既にВерныйに改造済みだがみんなからは響の名で呼ばれてる。寝る前にその日の司令官の様子を姉妹艦達にせがまれる。子守唄を歌っているみたいだとお姉さん気分を味わえてご満悦。
金剛:鎮守府に来た時から変わらぬ愛を叫ぶ一人の戦士。挨拶はバーニングラブ。扉を開けるときもバーニングラブ。提督に会えばバーニングラブ。寝るときは羊の代わりにバーニングラブ。
阿武隈:鎮守府を歩いているとよく大井にぶつかりそうになる。ただ大井の真横を通過するのでぶつかった事はない。この鎮守府に北上が訪れた時、阿武隈の終わりがやってくるとか来ないとか。
「なあ」
「なんだい、司令官」
「こたつはいいなぁ」
「そうだね」
「今みんなは射撃訓練中だよな?」
「そうだよ」
「この部屋と訓練所はだいぶ距離が開いていたはずなんだが」
「そうだね」
「今、金剛の叫びが聞こえなかったか?」
「聞こえたよ」
「あいつのバーニングラブはどこまで響くんだ?」
「砲撃戦の渦中でも聞こえるよ」
「元気だな、あいつ」
「時々寝言でも言っているみたいだよ」
「ん?あいつは一人部屋だよな?まさか寝言でも叫ぶのか?」
「詳しくは知らない」
「響が直接聞いたんじゃないのか?」
「阿武隈さんから聞いたんだ」
「ああ、金剛の部屋の隣は阿武隈の部屋だったか」
「うん、阿武隈さんこの前金剛さんが寝言でも言ってるって話をしたんだ」
「ふーん、まあそれで迷惑になっているんだったら部屋を変えればいいからな」
「結構余ってるからね」
「そうなんだよなぁ、無駄に広いからなこの鎮守府」
「艦娘が少ないからそう感じるだけだと思う」
「もうそこら辺に自動販売機を設置してもいいと思う」
「喉が渇いたのかい?司令官」
「その通りだ」
「じゃあ何か入れてこよう。何がいい?」
「そうだな、ちょうど金剛の話をしていたしあったかい紅茶をミルク無しのストレートで頼む」
「了解」
「響も紅茶を淹れるの上手いよな」
「そうかい?まあ、私はよく紅茶を飲むからね。ロシアンティーが好きなんだ」
「名前はよく聞くけどロシアンティーってどういうものなんだ?」
「簡単に説明すると、ロシアで使われてる湯沸かし器で淹れた紅茶をジャムや蜂蜜とかと一緒に楽しむものだよ」
「ふーん」
「はい、紅茶が出来た」
「おっ、ありがとう……うん美味い」
「当然だ、私のは美味い。それより司令官」
「ん?なんだ?」
「その紅茶、淹れたてだけど熱くないのかい?」
「ああ、響は猫舌だったな」
「そうだよ」
「食堂でも話題になっていたぞ」
「何がだい?」
「熱いココアをふーふーしながら飲む響が可愛いって」
「なっ!」
「久しぶりに見たな響が慌ててる所」
「う、うるさい」
「まあ、その話は置いといて、猫舌っていうのは飲み方一つで治るらしいぞ」
「そうなのかい?」
「ああ、なんでも人間の舌は先の方が熱に敏感になっているらしい」
「へえ」
「響は熱いものを飲むときに舌の先をそーっと触れさせて熱さを確かめているだろう?」
「そうかもしれない」
「猫舌の人は基本的にそういう風に飲むから必要以上に熱さを感じるんだ」
「ふむ」
「だから熱いものを飲むときは舌の奥の方に流し込むと大丈夫なんだそうだ」
「司令官は物知りなんだね」
「たまたまさ」
「今度試してみるよ」
「まあ、艦娘に適用するかは知らないけどな」
「大丈夫さ」
「大した自信だな」
「司令官のことを信頼しているからね」
「それとこのことにどう関係があるんだ?」
「それは……秘密だ」
「いやいや、教えて欲しいんだが」
「駄目だ」
「そこをなんとか」
「そういえば司令官。紅茶だけだと寂しくはないかい?」
「む、それはそうだがそれよりもさっきの話を」
「それなら食堂でクッキーでも貰ってこよう」
「いや、それは有り難いんだが」
「行ってくる」
「あっ、響……行ってしまったか」
「そうだ司令官」
「どうしたんだ?戻ってきて」
「時報を忘れていた。ヒトゴーマルマル。この後は訓練だ。疲労の溜まっている艦は休ませよう」
「そうか、内容は任せる」
「了解だ。まずは司令官のためにクッキーを貰ってこよう」
「頼んだ」
「信頼の名は伊達じゃない。出るよ」
響、Верный、大好きだー結婚しよう。