暁型四姉妹との日常(前編)
「今日は電が秘書艦をするのです!」
「なあ」
「なんですか?司令官さん」
「こたつはいいなぁ」
「なのです!」
「電もこたつが好きだな?」
「はい!ぽかぽかしてとっても気持ちいいのです」
「同感だ。またこたつで食べるみかんが美味いんだ」
「司令官はいつもこうして、響ちゃんとおこたつに入ってお話をしているのですか?」
「まあ、大体はそうだな」
「響ちゃんはいつも嬉しそうに司令官の部屋に行くのです」
「そうなのか?」
「はい!それで帰ってきたら、司令官とどんなお話をしたのか、電達にも聞かせてくれるのです!」
「う、うん」
「そのときの響ちゃんは嬉しそうに微笑んでいて、とっても可愛いのです!」
「そ、そうか」
「だから今日、司令官と一緒にお仕事するのを電はとっても楽しみにしていたのです!」
「わ、わかった。いっぱいお話ししような」
「なのです!そしたら今日は電が響ちゃん達にお話ししてあげるのです」
「響、恥ずかし過ぎて死ぬんじゃないか?」
「どうしたのですか?司令官」
「いや、なんでもない。さて、何を話そうか」
「あっ、あの…響ちゃんの日記で見たんですけど、司令官は響ちゃんをお膝の上に乗せてお話しするんですか?」
「たまにするが……響の日記?」
「はわわ!?これは内緒だったのです」
「ほほう?盗み見か?」
「ちっ、違うのです。こ、これは、響ちゃんがいつも楽しそうに書いているから…」
「わかったわかった。響には黙っておくから。手をばたばたさせるな。そんなに手を振るといつもみたいに…」
「あっ」
「あー、またか?電。こたつに飲み物をこぼすのは」
「ご、ごめんなさいなのです!また司令官さんのお家を……」
「いや、何度も言うがな電。これはただのこたつで」
「すぐに洗ってくるのです!」
「行ってしまった。電といるといつもこんな感じだな」
「司令官のためにもっともっと働いちゃうね!」
「あーっ!」
「どうしたんだ?雷。家に来るなり叫んで」
「もうっ駄目じゃない司令官。この前掃除したのにもうこんなに散らかしちゃって」
「むっ、すまない。ここのところ忙しくてな」
「今もこたつに入ってるじゃない!あっ!洗い物も溜まってる!」
「雷。こっちに来てこたつに入ろう」
「駄目よ、司令官。お家は綺麗にしないと。ほらっ、こたつのお布団も変えちゃうね?」
「ああ、頼む」
「もうっ、洗濯物も溜まってるじゃない!」
「そろそろみかんがきれるな。後で補給しないと」
「はい、司令官。みかんを持ってきたわ」
「おっ、ありがとう」
「お掃除でしょ?お洗濯でしょ?食器洗いに…あっ、お布団も干さなきゃ。わぁ、することがいっぱいで困っちゃうわ」
「その割には笑顔だな」
「そうだっ、司令官。お腹は減ってない?」
「そろそろ昼か。そうだな少し空いてるが」
「雷がご飯を作ってあげるわ」
「何から何まですまないな、雷」
「大丈夫よ司令官。もっと、もーっと私に頼っていいのよ?」
「ぐぅ」
「どうしたの!?司令官。お腹が痛いの?」
「いや、雷の働きぶりが嬉しくてな。胸を打たれたんだ」
「えっ、そんなに嬉しいの?」
「ああ」
「じゃあ司令官のためにもっともっと働いちゃうね!」
「ああ…頼む」
「もうっ、司令官ったらシャツをこんなにくしゃくしゃにして」
「嬉しそうだなー。あっ、そういえば雷」
「なあに、司令官」
「今持ってるシャツな?結構昔のやつでもう着れないんだ。捨てといてくれ」
「んー、もったいないから雷が貰ってもいい?」
「それはいいんだが、どうするんだ?」
「もちろん大きくなったら着るのよ?」
「大きな雷かぁ…仕事のできるキャリアウーマンみたいになりそうだな」
「司令官ったらそんなに褒めなくてもー。あっ、ごめんねっ。すぐにご飯を作るわ」
「いや、ゆっくりでいいぞー」
「冷蔵庫に牛乳しかないじゃない!ちょっとお買い物に行ってきまーす」
「それならお金を出すからちょっと待ってくれ」
「はーい!司令官。ご飯はもうちょっとだけ待っていてね?」
「作ってくれるだけでありがたいからな。いつでもいいぞ?」
「それじゃあ雷、行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい。……雷といるとどんどんダメになっていく自分がいるな。最近ご近所さんの目が痛い」
この作品はあと幾つかのおまけを投稿したのち、完結とさせてもらいたいと思います。
理由はいくつかあるんですが、第一にこの作品の着地点が想像出来ないことが大きな要因となりました。
ケッコンカッコカリしちゃいましたからね。これ以上無理に続けてもモチベーションが続かないかなぁ、と思うのです。
続けるのを期待してくれていた方には申し訳ないですが、後はおまけをいくつか投稿して完結という事に決めました。
それでは沢山のお気に入り登録と感想、並びに評価ありがとうございました。
ちなみにおまけは四、五話ほどの予定です。
ただ少し投稿期間が空くと思います、ご了承ください。