こたつでみかん   作:link

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提督:一部の駆逐艦達からこたつに住んでいると思われている。なおこたつを出て一定時間が経つと死んでしまうらしい。

響:秘書艦。既にВерныйに改造済みだがみんなからは響の名で呼ばれてる。みかんの食べ過ぎで手が黄色くなってきた気がするらしい。

暁:提督がこたつで暮らしていると勘違いしている艦むすその一。彼女の遊びでは敵にも味方にもなる都合のいい存在として扱われる。

雷:男をダメにする母性ロリ。毎日の如く提督の世話をしては自立心を骨抜きにする魔性の少女。

電:提督がこたつで暮らしていると勘違いしている艦むすその二。何度もこたつの布団に飲み物をこぼしその度に提督のお家を壊してしまったと慌てる少女。

憲兵さん:提督が雷の猛攻に屈した時、どこからともなく現れ提督を真人間に戻すのが主な仕事。転職を検討しているが鎮守府からは逃れない。


キャラクター紹介に見せかけた響が可愛いだけの本編
包容力のあるロリに絆されてダメになりそうな一話


「なあ」

 

「なんだい、司令官」

 

「こたつはいいなぁ」

 

「そうだね」

 

 

 

「最近、平和だな」

 

「そうだね」

 

「深海棲艦も最近見てないし」

 

「遠征ばかりで嫌になっちゃうわねって、暁姉さんがぼやいてたよ」

 

「申し訳ないけどなぁ、仕事がないんだよなぁ」

 

「書類ももう終わったからね」

 

「まだ昼にもなってないのにな」

 

「建造でもするかい?」

 

「これ以上増えても仕方ないだろう?」

 

「それもそうだね」

 

「秘書艦の響を抜いたら二艦隊分しかいないけどな」

 

「駆逐艦六の軽巡四、雷巡と空母に戦艦が一人ずつ、だね」

 

「この戦力でこの海域が取り戻せたからなぁ。しかも三ヶ月やそこらで」

 

「あの時はみんな唖然としてたよ」

 

「やっぱり、こんなさほど重要でもない島に鎮守府なんて要らないんじゃないのか?」

 

「一応、本土と繋がる航路にある補給所の一つだからね。何かあったら困るからじゃないかな」

 

「だからって、軍人が昼間からこたつでみかんを食べてるのは流石にまずいだろ。しかも執務室で」

 

「じゃあ片付けるかい?」

 

「まあ、ばれなきゃ問題ないから」

 

「最近は支援物資ばっかで補給には立ち寄らないからね」

 

「支援物資と言えば、そっちもそろそろどうにかしないとなぁ」

 

「どういうことだい?」

 

「補給部隊が物資を定期的に届けてくれるだろう?」

 

「うん」

 

「けど家じゃあ艦隊はあまり出撃しないし、運用するにも限度があるから建造はできない」

 

「そうだね」

 

「かといって開発は家の幸運艦が張り切ったおかげで、充実している」

 

「あの時の司令官は少しおかしかった」

 

「その事は忘れてくれ」

 

「それは無理な相談だよ」

 

「まあ、いいか。話を戻すと軽巡や駆逐艦は、暇だからかも知れないがよく遠征に行ってきてくれている」

 

「姉さん達はよく遊んでいたりするけどね」

 

「それでも駆逐艦が必要な任務には、率先して行ってくれているじゃないか」

 

「電は戦いよりそういうのが向いてるし、雷はお節介やきで暁姉さんは姉さんだから」

 

「そういえば雷の世話好きはどうにかならないか?」

 

「急にどうしたのさ」

 

「いや、俺の家ってこの鎮守府のすぐ側にあるだろ?」

 

「なるほど」

 

「今ので大体わかっただろうけど、時々雷が家にまで世話をしに来るんだよ」

 

「そんなことをしていたんだね」

 

「ここで働いている時も何かと手伝ってくれて、家の事までやってくれる」

 

「ふむ」

 

「この前、本土で会議があった時、夜遅くに家に帰ると雷がご飯を作ってくれていたんだ」

 

「それで?」

 

「温め直した味噌汁をお椀によそうエプロン姿の雷にダメになりそうだった」

 

「憲兵さんを呼んだほうがいいのかな」

 

「いや、それには及ばない。知ってるか響」

 

「何をだい?」

 

「このこたつの布団は三日に一回、雷が洗濯して交換してくれているんだ」

 

「それは初耳だね」

 

「書類もやってくれてることもあるし、家事も済ませてくれる。このままではダメな男になりそうだ」

 

「ときに司令官」

 

「なんだ?」

 

「ずいぶんと話がずれているよ」

 

「そうだった。ええとどこまで進んだっけ?」

 

「みんなが遠征にも出てくれているところまでだよ」

 

「そうだった。みんなが遠征でも物資を持って帰ってくれている」

 

「そうだね」

 

「物資は次々に補給されるけど消費しないから、置く場所がない。どうしようか響」

 

「補給を断ればいいじゃないか」

 

「それはダメだ」

 

「何故かな」

 

「仕事を増やされるかもしれないじゃないか」

 

「もう既にダメな男じゃないか、司令官は」

 

「結構傷つくなその言葉」

 

「ふむ、それならちょうどいい」

 

「どうしたんだ?響。こたつから出て」

 

「時報だよ。んんっ、ヒトヒトマルマル。皆を連れて、演習してこようか」

 

「そうだな。たまにはみんなの勇姿でも見に行くか」

 

「そう言うのなら、早くこたつから出たらどうだい?」

 

「こたつには勝てん。助けてくれ、響」

 

「やれやれだね、司令官。司令官はやっぱりダメな男だよ」




警告タグは保険のようなものなのでほとんどそういった描写は出てきません。
ちょっとした暇つぶしにどうぞ。

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