ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第五十三話~

 小雪のところに飛ぶと既に早雪の装置は起動していた。小雪はドトウから少し離れたところに座り込んでいた。見たところ怪我とかはなさそうだった。でもギリギリだったかな…装置起動してたし実物の宝が無かったことにキレて八つ当たり的な感じで小雪が殺されてもおかしくはないからな。とりあえず小雪に声を掛けてみるか。うつむいてて俺達の存在に気がついてないみたいだし。

 

「小雪さん、大丈夫か?」

 

「!?ナルト!!来てくれたのね!!ってなんでその女が一緒に!?」

 

 まあそうなるよな…なんて説明すればいいのかな。姉ちゃんだって言うのは簡単だけど今すぐ信じてもらうのは厳しいだろうしな…どうしたものか…

 

「今は時間ないから説明は省かせてもらうけど私は今ナルトの味方だから。あなたを攻撃する気はないわ」

 

「まあそういうことだから…後で説明はするから今はそれで納得してくれないかな? とっととドトウを倒してくるからさ」

 

「…わかったわ。でもちゃんと説明はしてよね」

 

「わかってるってばよ。どうせ第七班のみんなにも説明しなきゃいけないんだ。しっかり説明するって」

 

 とりあえずはなんとかなったのかな。姉ちゃんから話を切り出してくれたのが幸いだったのかも。今はとりあえずドトウだ。そこまで苦戦はしないと思うんだけどね。

 

「なぜ貴様がここに…それにミズモ。なぜそいつと共に現れた?」

 

「なぜと言われても…もう私はこの子と敵対する気は全くないんです。そしてもうあなたに従う気もないわ」

 

「儂に従う気がないだと!?貴様そんなことをして許されるとでも…」

 

「もうあなたに許してもらう必要はないわ。なぜならあなたはここで倒されるからよ。私とナルトにね」

 

 以外と姉ちゃん肝座ってるな…いきなり面と向かって裏切り宣言なんて普通やらないと思うんだけど。まあ母ちゃんの血が強いとしたら…うん。普通にできるか。母ちゃんが夫婦喧嘩で負けたのって俺に九喇嘛を封印した時だけらしいし…母ちゃんも面と向かって言いそうだ。親子は似るって言うしな。

 

「フン!!貴様らの忍術などこの最新のチャクラの鎧の前では無力だ!!それでどう儂に勝てるというのだ!!」

 

 確か原作だとチャクラの鎧についてる玉? のようなやつをぶつけながら千鳥を放ってサスケがドトウのチャクラの鎧を故障させてたんだっけか。あれを姉ちゃんが持ってればいけるか。まあなくても九喇嘛のチャクラを借りてチャクラの鎧で防ぎきれない程の大技をぶっぱなすっていう手もあるんだけど…そうすると俺がしばらく動けなくなるんだよな…鍵なしで封印の隙間から無理矢理借りる形だから俺に合わせたチャクラじゃなくて九喇嘛のチャクラのまんまだから俺にもダメージがあるからな。まあ九喇嘛が頑張って合わせようとしてくれてるのと父ちゃんの封印式のおかげでそれでもかなりダメージは軽減されてるんだけどね。とりあえず姉ちゃんに聞いてみるか。

 

「姉ちゃんはチャクラの鎧って着てるの?」

 

「いや、私は着てないわね。氷遁使うのにも必要なかったからね。けど逆位相チャクラ発生装置なら持ってるわ。チャクラの鎧にも搭載されてるんだけど相手の忍術を防ぐ事のできるものよ」

 

「それ貸してくれってばよ!!」

 

「わかったわ」

 

 正直チャクラの鎧から取り出すという作業がないからこっちの方が助かる…ってか姉ちゃんはなんでそれだけを持ってるんだ? まあいいや。気にしてても仕方ないだろう。俺は姉ちゃんからその装置を受け取った。やっぱり見た目はただの玉なんだが…これがあの鎧を突破する鍵なんだ。やってやるか。

 

「姉ちゃん、これ渡しておくから俺の術の準備ができたらいうからそうしたらドトウの方に投げてくれってばよ」

 

 そう言いながら俺は姉ちゃんにマーキング付きクナイを渡した。流石に装置を持ちながら投げて狙い通りに投げられるとは思えなかったしこっちの方が術に集中できる。足元にマーキングを付けて、右手にチャクラを集めて…

 

「よし、準備できた。姉ちゃんのタイミングで投げてくれ」

 

「了解よ」

 

 そう言うと姉ちゃんはドトウに向かってクナイを投げた。姉ちゃんが忍具投げるところ初めて見たけど上手いな…イタチには劣るけど普通の暗部くらいは扱いが上手いと思う。そのおかげでかなりいいところに投げてくれている。俺もしっかりやんなきゃな。

 

「何をするかと思えば儂にクナイだと。笑わせるな!!忍術が通じないからといって…」

 

「くらえ、螺旋丸!!」

 

 俺は姉ちゃんの投げたクナイに飛んで左手に持った装置をぶつけながら螺旋丸を放った。バチバチと音をたてながら術が炸裂している。ドトウの体に届いてはいないが少しずつ近づいてはいる。

 

「これしきの術で儂は倒せんよ!!」

 

“ピシピシ”

 

 何かにヒビの入るような音がした。よく見てみるとドトウの鎧の中にある装置に割れ目のようなものが見えた。よし、これでもう一発やればいけそうだな。そんなことを考えていると俺に向かってドトウが殴りかかってきていた。受けるのも癪だし避けよう。

 

「飛雷神の術!!」

 

 俺はさっき付けたマーキングに飛んだ。姉ちゃんはクナイ投げた後、特に動いてないから俺はその隣にいる。ドトウの方を見るとパンチを空ぶった姿が見えている。ってかパンチの速度遅いな。こいつろくに体術なんてやってないだろ。まああんな老体で動ける方が普通じゃないか。もし動けてたらチャクラの鎧なんていらないだろうしね。

 

「ちょこまかと動きよって…」

 

「小雪さん、ここから離れててくれってばよ。多分、戦闘が激しくなると思うから巻き込まれないように」

 

「わかったわ、離れてればいいのね」

 

「おう!!」

 

 そう言うと小雪は走って離れていった。これで安心して戦えるかな。まあ来てすぐ離れてもらえばよかったんだけど…まあ気にしない。

 

「小雪を逃がしたところでどうなるというのだ。儂に忍術が効かないのはさっきのでわかっただろう?」

 

「うるせえってばよ!!黙ってろ!!耄碌じじい!!」

 

「ふふふ、なかなか言うわねナルト」

 

「貴様ら…許さん!!喰らえ、氷遁 黒龍暴風雪!!」

 

「私も舐められたものね。氷遁 黒龍暴風雪!!」

 

 姉ちゃんがドトウと同じ術を発動し相殺した。やっぱ姉ちゃん強いな…

 

「なに!?」

 

「ナイス、姉ちゃん!!」

 

「このくらい朝飯前よ」

 

 今思えば姉ちゃんも俺と同じ血を継いでるんだ。忍びの才能が突出しててもおかしくねえか。それなら思いつきだけどやってみたいことがあるな。

 

「姉ちゃん、ちょっと協力してくれってばよ」

 

「ん? 何かしら」

 

 俺は姉ちゃんの耳もとで思いついたことを話した。これができたらかなり強力な攻撃になるはずなんだけど…

 

「全く…それってぶっつけ本番でやることなの? やれないことではないと思うけど」

 

「いいじゃんか。俺はできると思うってばよ」

 

「はあ…わかったわよ。準備しなさい、ナルト」

 

「うっし!!」

 

 姉ちゃんの許可も出たしやるか。右手にチャクラを集めて…

 

「姉ちゃん!!」

 

「了解、いくわよ!!」

 

 俺の右手に作った螺旋丸に姉ちゃんのチャクラが組み込まれていく。おお、思った通りだ。そして…

 

「あれは…虹色のチャクラ…」

 

 小雪がそう呟いたのが聞こえた。原作と同じように輝いてるのかな?

 

「そんなもの、当たりさえしなければどうということはない!!氷遁 双龍暴風雪!!」

 

「そんな術貫いてやるってばよ!!」

 

 俺はドトウの放った術に向かって走っていった。

 

「氷遁 氷輪螺旋丸!!」

 

 ドトウの術に向かって放った。俺はドトウの術を突き抜けそのままドトウに向かっていく。

 

「なに!?」

 

「喰らいやがれ!!」

 

「ぐああああああ!!」

 

 俺の術はそのままドトウに直撃した。ドトウは凍りつきながら吹っ飛んでいき柱にぶつかった。柱に蜘蛛の巣状に割れ目が入りドトウは落下し地面に叩きつけられ動かなくなった。これによってドトウ達との戦いに終わりが告げられた…




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