次の日の朝、タズナの護衛に誰がつくか話し合っている。昨日の夜の修行は影分身を使って氷遁の性質変化の修行をした。とりあえずどういう段階で修行すればいいかわからなかったため、コップに入れた水を凍らせることをしている。まあまだ表面を凍らせることしかできないけど続けていけばなんとかなりそうだ。そんなことを考えていると…
「じゃあ、今日からしばらくはナルトの影分身二人を護衛につかせるってことでいいかな?」
カカシにそう言われた。まあ何の問題もないからいいかな。
「おう、わかったってばよ」
そう言って影分身を作りタズナの方に向かわせた。
「で、だ。お前らは修行するわけだが…ナルト。多分お前が全員の現状を把握しているはずだ。お前がそれぞれの修行内容を決めろ。その方がいいはずだ」
なるほどね…まあそうなるか。サクラ以外はアカデミーまで俺が修行つけていたわけだし、やり方はあんな感じでいいかな。
「了解だってばよ。まず、ここにいる全員が水面歩行の行までクリアしているから忍術や体術の強化がメインになるかな。まずはサクラと多由也には性質変化の修行をしてもらおうと思ってる。一つは使えるようになっておいた方が戦闘でも結構楽になると思うからね」
「なるほどな。確かにそりゃ使える方がいいけど時間かかるぞ?」
「知ってるってばよ。時間がかかるからこそ今から始めておくんだってばよ。始めなきゃいつまでも覚えらんないしね」
「わかった」
「わかったわ、やってやるわよ」
二人共気合は十分そうだな。なんとか中忍試験までには使えるようにしてあげたいかな。さて、後は…
「ナズナとサスケは…写輪眼開眼してるのか?」
「してないよ」
「してねえな」
なるほど…してないなら開眼させておく必要があるかな。サスケは特にだな、千鳥使ってもらうためにも写輪眼は欠かせないし。
「じゃあ二人は一対一で俺と組手をしてもらおうかな。いつもと違ってかなり厳しめでいくから覚悟しておくように」
「うへー…」
「まじかよ…」
とりあえず限界まで追い詰めていけば開眼するかなという軽い考えだけど…うまくやればいけるだろう。
「こんな感じだけど…いいかな? カカシ先生、シスイさん」
「いいと思うよ。うまくいけば大幅な戦力増強になりそうだし」
「そうだな。お前のプランに異論はないぜ」
よし、担当上忍二人の承認も得たしまずは…
「とりあえず、サクラと多由也のチャクラ性質を調べちゃうか」
「…聞きにくいんだけど、うち性質変化がなにかわかってない…」
「…そういえば私も…アカデミーでは名前ぐらいしか教わらなかったからそこまで知らないわ」
そういえばそうだったな。まあいい機会だし説明しておくか。
「じゃあ説明するってばよ。性質変化っていうのは簡単に言えばチャクラの性質を様々なものに変化させる技術のことだってばよ。で、性質変化には五大性質と呼ばれる基本性質があって火、水、風、雷、土の五つに分けられる。まあ例を上げるならサスケの“火遁 豪火球”なんかは火の性質だな。まあこんな感じだけどわかった?」
「わかった」
「ねえ、ひとつ質問あるんだけどいい?」
サクラから質問か。なんだろう?
「アカデミーで初代火影様は木遁忍術を使ったって習ったけど木遁ってどういう扱いになるの?」
なるほど、座学一位なだけあってそういうところはしっかり覚えてるのね。まあちゃんと答えてやるか。
「まあ初代火影様は木遁を使ったっていう記述しかないからおそらくだけど初代様は水と土の二つの性質変化が使えたはずだってばよ」
「じゃあ初代様はその二つと木遁で三つの性質変化を持ってるってこと?」
まあ普通だったらそう考えるよね…原作知らなかったら俺もそう思うし。
「いやそうじゃないんだってばよ。初代様は水と土の二つだけしか持ってなかったはずだってばよ」
「じゃあどういうこと?」
「土と水を同時に起こすんだってばよ。右手に水、左手に土みたいな感じにね。そうすると水と土が合わさって木という性質変化が生まれるんだってばよ。二つの性質変化を別々に使うのはそこまで難しくないけど同時となると別。普通じゃできない。それができるってことになるとその人は血継限界を持つ人ってことになるんだ」
こんな感じだったよな。いま自分でもやってることだし間違ってはないはず。間違ってたらできなかったはずだし。これで納得してくれればいいんだけど…
「そうなんだ。なるほどね。わかったわ」
「ナルト…お前よく覚えてたね。お前にそれ教えたのって七年位前じゃなかったか?」
「うん。重要なことだから覚えておいたんだってばよ」
まあ、性質変化はかなり重要だし。形態変化もだけど。とりあえずそれはおいておいて…
「で、その性質変化に対応するように人にも得意な性質みたいなのがあるんだ」
「ふーん、それどうやって見分けるの?」
「この紙を使うんだってばよ」
そうしてポケットから感応紙を取り出した。
「そんな紙でどうしてわかるんだ?」
「まあ、見てて」
そうして俺はチャクラを普通に紙に流し込んだ。すると紙は真っ二つに切れた。
「わっ!!切れた!?」
「これはチャクラによく反応する木から作られた感応紙なんだってばよ。これにチャクラを流し込むとチャクラの性質によって違う反応を見せるんだ。火なら燃える、水なら濡れる、風なら切れる、雷ならシワが入る、土なら崩れる。こんな感じで見極めるんだ」
そう言いながら紙を二人に渡した。
「じゃあ、チャクラ流し込んでみて」
俺がそう言うと二人共紙にチャクラを流し込んだ。するとサクラの方の紙は濡れて多由也の方は紙が燃えた。なるほど面白いかも。
「サクラが水で多由也が火か。ならサクラは俺が、多由也はシスイさんにお願いしていいかな? 俺は火の性質変化はできないからさ」
「了解。じゃあ多由也、厳しくいくから覚悟しておけよ」
「…わかった。できればナルトに教えて欲しかったけどそういうことなら仕方ないか」
「ナルトと一緒ってことはサスケ君とも一緒なのね!!頑張るわよしゃーんなろ!!」
「じゃあ修行開始だってばよ!!」
そうしてそれぞれの修行が始まった…
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