ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~番外編二十八・五話~

 時は少し遡り俺の影分身はというと別の演習場に来ている。集合時間は本体より遅い時間だったので、余裕持って来た。まだ他には誰も来ていないので、クナイを使ってジャグリングをしていた。失敗をしたら危ないけど忍具の細かい扱いが向上するかなと思いやっている。これをやってるのを見られると、結構注意されるんだよな…なんでだろう。危ないと言っても軽く手を切るか、酷くて足に刺さる程度のことなのに…俺の感覚が変なのか。そんなことを考えていると…

 

「あー!!ナルっち!!またそれやってる!!危ないからやんないでって言ったのに…もう!!」

 

 ナズナが来た瞬間に怒られた…くそぅ…

 

「えー…いいじゃんか。修行の一環なんだし…」

 

「クナイはそんな使い方しないでしょ!!いいから止めて!!」

 

 これ以上怒られるのはあれだし、止めておくか…

 

「わ、分かったってばよ…止めるよ」

 

「次やってるの見かけたらお仕置きするからね!!」

 

「ええ!?」

 

 なんでだ…理不尽だ。

 

「朝から元気だな…お前ら。うちは朝からそんなに騒げないぞ」

 

 多由也が来た。そろそろ集合時間なのかな。時計持ってきてないから分かんないや。

 

「お、みんな揃ってるようだな。それじゃあ始めようと思うんだけど…」

 

 ん? なんか問題あるのか?

 

「ナルト、お前影分身だろ? あんまり激しいことは出来ないな」

 

 そういうことか。それなら…

 

「シスイさんがちゃんと加減してくれるなら大丈夫だってばよ。まあ課題によると思うけど。一応アカデミー卒業したばっかりのだしね」

 

「まあそうなんだけど。お前らにそんなことしても合格間違いないからな。ナルトが鍛えすぎなんだよな」

 

「そうかな? そこまで修行厳しくしたつもりはないんだけど」

 

「ナルっち…あれは相当きつかったよ…」

 

「あれで厳しくないとか…うち、考えられないぞ」

 

 え、そんなに厳しかったのか…うーん自分の感覚でやっちゃだめなのかもな。

 

「ま、そういうことだ。ナルトが教えている以上この試験の答えも言わずとしてわかってるだろうしな。個々の実力をみようかな。アカデミーに戻す意味もないから合格でいいよ。試験はね」

 

 ず、随分と甘い判定で…まあシスイらしいっちゃらしいけど。

 

「まさか試験やらずして合格とは思わなかったってばよ」

 

「私もー」

 

「うちもだな」

 

「まあ、火影様からの許可も出てたし問題はないんだ。逆に戻すなって言われたしな。じゃあナズナから行くか」

 

 じいちゃん…そういうことしていいのかな…気にしてても仕方ないか。ナズナからなのか。まあ見てよう。そうしてナズナ、多由也がシスイと組手をしていった。ナズナは火遁や風遁を使い、攻撃をしていた。まあ中忍中位くらいのレベルはあるから結構な威力がある。まあシスイに当たる気配はなかったけどね。さすが“瞬身のシスイ”って言われるだけあるね。速い速い。大人気ないとも思ったけどね。多由也は最初は体術で攻めてたけど、途中から笛を使い、幻術をかけようとしていた。まあ狙いはいいんだけど、シスイは最強幻術を使うくらいだからな。相手が悪かったな。まあ下忍レベルは超えてるけどね。そして俺の番が来た。

 

「じゃあ最後にナルト。影分身だが特に加減する気はないからちゃんとやれよ?」

 

「分かってるってばよ。準備出来てるからいつでもいいってばよ」

 

 まあ、なるべく攻撃を喰らわないようにしながらいくか。

 

「じゃあ、スタートだ」

 

 その掛け声を皮切りに俺は印を結んでいった。

 

「風遁 真空波!!」

 

 様子見に軽い術を放った。避けるのか守るのか…それともかき消すのか。どう来る?

 

「様子見とは随分と余裕見せてるんじゃない? だけど…甘いぜ!!」

 

「うわっと…本当に加減なしですね。いきなり瞬身使って突っ込んで来るなんて…」

 

「まあな。お前には少しくらい本気でいかないとこっちが危ないからな」

 

「よく言うってばよ。俺シスイさんに勝ったことあんまりないのに。術の使い方とかは負けてるしな」

 

「よく言うぜ、お前は写輪眼もないくせに対抗出来すぎて吃驚するんだよ」

 

 ええ…そりゃあイタチ、シスイっていう天才二人と何回も組手すればなれるでしょう。主にイタチだけど。あの人の修行は俺のなんかよりずっと厳しかったのにな…あ、そのせいで俺の感覚が狂ったのか!?そうとしか考えられない…って今はそんなこと置いておいて。

 

「じゃあ、行くってばよ!!シスイさん!!」

 

「来い!!」

 

 そうして組手激しくなっていった。お互いに瞬身を使いクナイや蹴りなどで攻撃していく。周囲には時折クナイとクナイ、足と足がぶつかる音が響く。普通の下忍レベルでは見えない速さで動きで行っていた。

 

「やっぱり速いな…この二人は」

 

「うち、シスイ先生が戦うの初めて見るけど…ナルトに追いつけるなんて凄いな」

 

「っちい、やっぱり瞬身だと少し俺の方が遅いか…きつくなってきたってばよ」

 

「ほんと、お前ってやつは…飛雷神使ってないくせにそういうこと言うなよな。少し落ち込むからよ」

 

「じゃあ、こういうのはどうだってばよ!!」

 

 手のひらにチャクラを集めていく。当たらないだろうけど脅しにはなるかな。

 

「螺旋投丸!!」

 

 螺旋丸を投げる術だ。威力は変わらないから当たると結構なダメージになる。

 

「お前、その術まで使ってくるのか!?」

 

「ちゃんとやれって言ったのはそっちだってばよ?」

 

 だから本気の攻撃をしたんだもん。俺は悪くない。

 

「ほんっと、危ないな…」

 

 シスイは瞬身を使って避けていた。さっきまでシスイがいた場所は地面がえぐれている。結構な範囲で。まあまあかな。

 

「ふう、組手は終わりにするか。これ以上やるとこの演習場が壊れちまいそうだしな」

 

「ちぇえ、これからだったのに…まあいっか。あんまりやるとチャクラ切れで消えちまうし」

 

 今消えるのはまずいだろう。本体はまだ演習中だろうから無駄に疲労を貯めさせても嫌だしな。

 

「やっぱりナルっちはとんでもないね。シスイさん相手に影分身でここまでやっちゃうんだから」

 

「ああ、うちなんて幻術完封されちまってたのに…」

 

「まあ、相性もあるってばよ。俺とシスイさんは相性は普通だけど多由也とシスイさんの相性は多由也にとって最悪に近いからな。そこは仕方ないってばよ」

 

「まあ、話はいろいろあるだろうがちょっと俺の話を聞いてくれ。お前らは明日から任務を行う。ナルトは本体が休みの時でこっちの任務があるときは本体で来るように伝えてくれ。あとは集合時間に遅れないようにすることかな。じゃあ今日はお疲れ様。では解散」

 

 そう言ってシスイは帰っていってしまった。

 

「じゃあ、俺達も帰るか。もうすぐ昼だしなんか食べてくか?」

 

「私、ナルっちの料理食べたい!!」

 

「うちも食べたいかな」

 

「じゃあ、とりあえず俺ん家行くか。行くぞ」

 

「「うん!!」」

 

 そう言って三人でナルトの家に向かうのであった…




いかがだったでしょうか。次回から波の国編です。
感想、批評などよろしくお願いします。

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