天使の飲食店   作:茶ゴス

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第13話

「やっと落ち着いてきたねぇ」

 

「そうだね。スバル達も訓練もだいぶこなせるようになってきたし」

 

 

 そうかぁ、それやったら一回現場に出るってのも有りやけど……私達の仕事は基本受け身になってしまうからそんなにほいほいと実働出来るわけでもないんよな。

 取り敢えず早めに経験を積んでもらわないけないとは思うけど……どうしようかな。

 

 

「そういや、フェイトちゃんはどうしてるん?」

 

「確かジェイル・スカリエッティの情報が入ったらしくて午前中は調査してるよ」

 

「ああ、なるほどなぁ」

 

 

 確かフェイトちゃんがずっと探しているっていう人造魔導師製造計画「プロジェクトF」に関わってたっていう時空犯罪者やったよね。

 プレシアさんに止められてるみたいやけどフェイトちゃんはずっと探してるんよな……

 

 

「大変そうやなぁ」

 

「最近はプレシアさんと良く電話してて楽しそうだけどね」

 

「そうなんか」

 

 

 にしても、仕事が片付くと暇やなぁ……

 私らは言ってみればアイドルみたいな立場やから実務はそんなに回されやんのよな。たまにある現場に向けて訓練が主な仕事やし……

 

 新人達は訓練漬けでも私らはそうでもない。鈍らないようにはしているけどそれでも一日で1時間か2時間くらいしか訓練はしてない。

 

 今はシグナムが新人達の訓練を受け持ってるけど、ヴィータとかもさっさと書類処理してしまって暇してるみたいや……

 

 

「うーん……どないしよか」

 

 

 ……そうやな、新人達も慣れてきた頃やし他の皆も早く仕事を処理できるようになってきた……ここらで機動六課設立祝いみたいなものやろかな……だいぶ遅い気もしなくもないけど。

 

 うーん、取り敢えず皆の予定は……

 一番遅い人でも私やヴィータの17:00上がりか……問題はなさそうやな。

 

 後は店やけど……どうしようかな。

 

 

「あの店にしようかな……今日は何の店やろ……」

 

 

 端末を確認する。案の定矢澤ハコからの新着メールが一件届いている。

 今日はレストランかぁ……皆で食べるのは出来やんかな。

 

 

「ん?」

 

 

 またメール来た。内容は……へぇ、貸し切りに出来るんか。しかもある程度は自由に頼める……

 よし。

 

 

「リイン、ちょっと放送用マイクに回線つなげてくれる?」

 

「ふへ?わかりました」

 

「どうしたの?はやてちゃん」

 

「んー、まあちょっとね」

 

 

 お?つながった

 ?

 

 

『ああ、テステス、こちら八神はやて。みんな仕事中やろけど聞き流すくらいで聞いといて。機動六課の仕事にも慣れてきた頃やと思うから突然やけど親睦会に今日は皆でご飯食べに行こか。参加は強制や無いけど、今日は私の奢りやで』

 

 

 取り敢えずあの店は経営成り立っているか謎なくらい安い。さっき送られてきた内容の料金表もありえん安さやったし。

 

 

『一応店の方は押さえとくけど、大抵のものは食べれると思うから何食べたいかは考えといてな。時間は18:30にセントラルステーションの前集合な』

 

 

 一方的に告げて放送を切る。

 さてと、取り敢えず予約しておくか。あ、でもあの店って60人入るんかな……

 

 

「ちょっとはやてちゃん?」

 

「ん?どうしたん?」

 

「いや、それ私の台詞だよ。いきなりどうしたの?」

 

「ああ、ちょっと思い立ったんよ。今日は仕事も私達の5時上がりが最終やったし」

 

 

 それにまだ午前中やし考える予定はあるやろ。あ、まだ来てない人らにも連絡しとかんと。

 

 

「それにしてもいきなりだよ」

 

「こういうのは早めにしといたほうがええんよ。この前まで忙しくてそんな暇なかったやろ?」

 

「まあ……」

 

 

 またメールや。えっと、100人でも大丈夫やって?いや、それは盛ってない?あの店そんなに入る気しないけど。

 まあ、あの店長というかハコが嘘つかんやろし、なんとか出来るんやろな。それにしても随分とサービスがええよなぁ……よっぽどお客さんが来ないんやろな。

 

 

「ああ、なのはちゃん。フェイトちゃんにも知らせといてくれる?」

 

「わかったよ。でも親睦会なんてどこでやるの?」

 

「例の店」

 

「ああ……」

 

 

 あの店は色々と突っ込みどころとかを無視したら美味しいし安いからいい店なんやけどなぁ……

 

 ん?なんやろ。変な音が……

 

 

「八神部隊長!!」

 

「ん?どうしたん?スバル。今は訓練中違ったっけ?」

 

「休憩中です!それよりも!」

 

 

 随分とすごい剣幕やけど……

 

 

「おかわりは自由ですか!?」

 

「……まあ、好きなだけ食べたらええよ」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

 そういえばこの子は大食いやったっけ……金は大丈夫かな……

 

 あれ?またメール……

 

 

 

 

From:矢澤ハコ

To:八神はやて様

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( ノ゚Д゚)コンニチハ

今なら一人あたり1000Gで食べ放題!(・∀・)オトクダヨ!

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 ……あの店はホントに大丈夫なんかな。

 

 でもまあ、全員参加としても6万Gは安ないかな…….

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

【とある研究所】

 

 

「ふむ、今日の晩ごはんはどうしようか……皆で食べに行くのも有りだな……今日の店は……何?管理局の局員が来店予定?仕方ない。今日は出前でも取るとしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【とある飲食店】

 

 

『ゴシュジン!ゴシュジン!』

 

「どうしたの?ハコ」

 

『カシキリ!カシキリ!』

 

「え?まあ構わないけれど。今日は晩に誰か来るなんて事も無いだろうし」

 

『タベホウダイ!タベホウダイ!』

 

「うーん……食べ放題の相場は知らないなぁ……一人1000Gでいいんじゃない?」

 

『54ニン!54ニン!』

 

「それじゃあ今のままだと入らないね。今日の昼の間は誰か来る?」

 

『ハンバーガー、ジュヨウナシ!』

 

「ははは、手厳しいね。それじゃあ改装するから手伝ってくれる?」

 

『ザシキ!ザシキ!』

 

「座敷かぁ…大丈夫かな……」

 

『ダイジョウブ!ダイジョウブ!』

 

「じゃあ、そうしようか」

 


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