更新が遅いくせにコロコロとタグを変えたり、前の話の内容をちょろちょろっと変えたりして、自分自身これで大丈夫なのかと心配しだしてきました。
そんな作品ですが、辛抱強くお付き合いお願いいたします。
時は戻りダークとマジックがともに消えた場所、そこに二人のバーストリンカーがシノギを削りあっていた。
「いいねいいねぇ、なかなかに骨のある野郎だ!」
「クソッ、ゴツイもん振り回しすぎなんだよ!」
アックスとレックス。二人の周囲はまさに惨状と呼べるもので、幾つもあった大木がその周りだけなくなっている。
全てはアックスの剛斧が起こした結果だ
。
身の丈ほどもある大斧の一振りをレックスが防ぎ、その矛先がズレる度に木々が一本一本なくなってしまう。
いや、今の説明では誤解を招いてしまうだろう。まるでアックスとレックスがまともに打ち合えているかのように。
それは違う。
正確には、レックスは己の武器である両腕のクロウで攻撃を受け流している。
もし、真正面から攻撃を防ごうものなら押しつぶされ、圧力でもって無造作に叩き割られるだろう。
それほどまでにホライゾン・アックスの斧は強力で圧倒的だった。
「おいおい、俺のどこが骨のあるやつなんだ? 受け流してばっかだろ」
「ははっ! それでいい。今までの奴は遠距離で豆鉄砲をパンパン撃つか、はたまた影からこそこそする不届き者ばかりだったからな! 正面から受ける奴に出会えてうれしいんだよ!」
「全くもってそいつらの気持ちがわかるよ。 それで、その不届き者はどうなったんだ?」
「俺のウッズを見てわからないか?」
きっと真っ二つになったのだろう。そうレックスは悟った。
流石は猛者の集うアキハバラBGの高ウッズリンカー。今までの対戦者よりも一味もふた味も違う その威圧感に、レックスは押しつぶされそうになる。
横薙ぎの攻撃は上方へと。
縦に叩き割るようにくるのは少し体をずらし真横へ。
最低限の動きで最大限の効果を出す。それがレックスのスタイルだ。
「なんだかんだ言ってお前も相当やる口だな」
「ありがとさんよっ、と!」
剛斧をいなし続け、ようやくできた少しの隙。
それをレックスは見逃しはしなかった。
「グッ───、やるねぇ」
レックスの鉤爪はアックスの脇腹を数センチ切り裂き、アックスの体力を削った。
「完全なパワータイプってのは攻撃のスピードが遅いって相場が決まってるんだよ」
レックスは両腕の鉤爪を勢いよくこすり合わせ、火花を散らす。
これはレックスが調子を上げてきたときにする癖だ。
「さて、こっからもいくぜ!」
「───ハッ……ハハハハハハハハァァァ!」
突然、まさに唐突にアックスは狂ったように笑い出す。
それは歓喜の笑いにも聞こえ、またはレックスをあざ笑っているかのようにも聞こえてくる。
「なぁ、[グラファイト・エッジ]ってリンカーを知っているか?」
その急な問いに、少し、ほんの少しだがレックスの顔がゆがんだように思えた。
「知っているが……、それがどうした」
「俺はな、その話を聞いたとき衝撃を受けたのさ。強化外装にポイントを極フリして、その剣技は王をしのぐとさえ言われたその戦闘スタイルに……」
「その大きすぎる斧が憧れの結果ってか?」
「違う違う。 第一グラファイト・エッジは双剣を使うリンカーだ。大斧使いがどうして双剣使いに憧れるんだよ」
「……? ───っ! まさか……」
レックスは嫌な予感がした。背筋には冷たいものが走り、もしそれが本当だったとしたらと焦る。
グラファイト・エッジは双剣使いのリンカーで、現在は失踪している黒の王の剣の師とうたわれるほどの実力者だ。
その剣は全てを切り裂き、また全ての攻撃を弾いた。
ついた異名が[矛盾存在(アノマリー)]
もし、アックスがそのアノマリーに類似したリンカーだとしたら。
「さあ、俺の本気を見せてやろう」
アックスの手にしていた両刃の斧が半分に割れた。いや、正確にはもとに戻ったのだろう。もともと片手斧だった武器が二つ合わさり大斧となっていたのだ。
「これが俺の本当の武器、双斧(そうふ)だ」
地平線色のアバターに握られた一対の斧。
「第二ラウンドだ」
その2本の白銀に鈍く光る対照的な斧が、レックスに猛撃の牙をむく。
荒々しく、かつ精密に。
攻撃は最大の防御とはよく言ったものだ。レックスは左上から振り下ろされたら右腕を振り上げ弾き、下から怒涛のように突き上げられると体を捻り避ける。
その一つ一つの攻撃に隙がまるでない。
反撃する余地が一部もなくなっている。
それでも、アックスが猛追し、レックスが全てを防ぐという形で拮抗は保たれていた。
「しぶといねぇ。ま、そうじゃないとな!」
「クソッ! 余裕だなこの野郎!」
たとえ半分に鳴ったとしても、元が地面を揺らすほどの威力を秘めていたのだ。半身の片手斧でも その威力は並大抵ではなかった。
現に、アックスの攻撃を受け続けているレックスの腕は痺れ、もはや感覚が無くなっているほどだ。
ただ無意識的に、
上から来た攻撃は右手の鉤爪の甲で迎え打ち。
横なぎの斧は左手の側面で向きをそらす。
たとえ感覚がなくとも、意地と気合で動かし慣れている両腕を操作し、命を削り取ろうとする攻撃から身を守る。
これで模倣なのだ、さぞかしオリジナルのアノマリーは強かったのだろうとレックスは気の抜けない戦闘中にもかかわらず思っていた。
グラファイト・エッジはレックスも一度は憧れたリンカーだった。
ただ、レックスの師匠から「あいつは剣がないと何にもできない。剣があったなら、なんてタラレバ根性なんか持つなよ」と釘を刺されていたので、その憧れも数秒で潰えてしまっていた。
「まったく、強いな。でも───っ」
「でも……弱点はあるってか?」
「───ッ!?」
レックスは動揺した。自分の言わんとしていたことをアックスに先にいいあてられたからだ。
そして、その動揺からくる半瞬の硬直が、レックスにとっては致命的な───それこそ絶体絶命と呼べる隙を作ってしまっていた。
アックスがその隙を見逃すはずがなく、まず、双斧はレックスの鉤爪を弾き、レックスは大の字のような態勢になった。
全身ががら空きとなった今、レックスは為す術なく双斧の刃がその躰に牙を突き立てられる。
脇腹、胸、肩、アバラ。
見えるところの次々と深いキズが出来上がってく。
しかし、それでも緑色タイプのアバターだった。レックスの体力の減少は少なく、なかなか減らない。
「硬いねぇ。これなどうかな?」
連撃を繰り出していた腕を止め、アックスは右側に両腕を下げ溜めのような態勢をとった。
「《ジャック・ザ・サーキュレイト》」
アックスの体がブレたように思えた。そして気づいた時にはアックスは目の前に迫り、今にも両手に握られた斧がレックスの体を切り裂き、真っ二つにしてしまおうと振り下ろさせる。
レックスは野生の感ともいえる速度で、反射的に体を捻る。
そのおかげでシンメトリーに斬られ、命を奪われることは回避できた。
代償は腕一本。
焼けるような鋭い痛みがレックスの全身を駆け巡り、体の一部を失ったことからバランスを崩し地べたに這ってしまう。
「あれを避ける……か。 お前は強い。俺の次にな」
勝者の余裕か、アックスはレックスの前に屈みこみ、トドメを刺さず話かけた。
「まぁ~、最初に言ってた事を覆すことになるが教えてやるよ、ウィート・ブルの事を」
アックスはレックスの返事を待たずに続ける。
「あいつは俺のダチなんだよ。 だが最近様子がおかしくてな、ここ最近めっきり話してねぇ。 もし会いたいんだったら霞ヶ浦にある湖畔に行けば会えるかもしれないな」
「そうか……ありがとよ」
「いいんだよ、久々に楽しませてくれたしな。それじゃ、オサラバ───」
「───師匠が言った。最後まで油断するな、瀕死の敵ほど恐ろしいものはない」
レックスはアックスの言葉を遮り、ポツリと言った。
「さっさとトドメを刺せば良かったのに、情報までくれてありがとさん。だけど俺は、勝利だってもらっていくぜ」
最初、こいつは何を言っているんだとアックスは思った。この圧倒的有利な状態から挽回されることなどあるはずがないと、必ず勝てると、あるいみ固定観念のような確信を持っていたからだ。
だが、それは慢心へとつながった。
「俺は昔[T・レックス]って呼ばれてたんだよ」
レックスは地面に這いつくばりながらもしっかりとアックスの双眸を見据えながら言った。
「見せてやるよ、俺のアビリティ。《エボリューショナル》!」
這いつくばっていたアバターの形が変形───否、膨張しだしていた。
両足は大木のごとく太くたくましく、頭は顎が特に成長し、全てを飲み込んでしまいそうなほどの大きさになってしまった。
その姿はまるで恐竜。
アックスはその変貌に戦慄した。
「おいおい、反則じゃねえか……」
恐竜と化したレックスが横なぎに首を振り、顎を開きアックスの捕える。
アックスは暴れていたものの、数秒で力が抜け、ダラリと足が垂れ下がった。
数秒ののちにアックスの体は破片となり爆散した。
レックス「今回は~」
ダーク「自己紹介をしよう!」
レックス「何回か続きますよ」
ダーク「今日、紹介するのは~」
レックス「俺です!」
ダーク「それではお願いします」
レックス「エメラルド・レックス。 本名は橘彰祐。 身長179cmの体重63キロ。アバターはリザードマンみたいな形をしています」
ダーク「ホントにねぇ、最初見たときはコモドドラゴンかとねぇ」
レックス「そこまでリアルじゃねえよ! アビリティは《エボリューショナル》 必殺技は《バレットブロウ》と《クロスクロウ》の二つです」
ダーク「なんで必殺技しなかったの?」
レックス「腕なかったし……」
ダーク「……oh]