ソードアート・オンラインってなんですか?   作:低音狂

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今回のお話は百合成分が含まれているため、閲覧は自己責任にてお願い致します。
あれです、エ○スが書きたかっただけなんです。



時には道を踏み外すことだってある。にんげんだもの

 

「お前はバカなのカ?あぁ、いや、すまなイ。バカだったナ」

 

 有無を言わせず、私のことをバカ、バカと連呼するアルゴ。今回の件においては私がバカであったことは事実故、これを否定することが出来無いでいた。

 シリカとの戦いの後、イライラのあまり身体が火照っていた私は、一人ボス部屋にまで遊びに行っていた。ここまで言えばもう理解できただろう。

 そう、私はまた一人でボスを撃破してきたのだ。

 第一層においてバカなことをしたと反省したはずが、また同じミスを繰り返してしまった。これがバカと言わずして何をバカというのだろうか。なんなら阿呆と言っても良い。

 

「おい、聞いているのかこのバカ」

「聞いていますよ……」

 

 流石に何度もバカと言われては、私のガラスのハートに傷がつく。もっとも、これを口にすれば笑われることは必至だが。

 

『え?お前がガラスのハート?そんなわけねぇダロwwwよくその口で言えるなwww草生えるはプゲラwwwm9(^Д^)』

 

 なんてふうに笑われかねない。

 もしもこんな風にアルゴにゲスっぽく笑われたりしたら、きっと私はふさぎ込み、いじけるだろう。

 そんな面倒くさいことはしたくはないので、ガラスのハート云々は言わないようにしておこう。

 だが、私が余計なことを言わないにしても、今すぐにこのお説教が終わるわけではない。

 どうにかして終わらせることが出来ないかと思案していたところ、改めてアルゴは私に今回の動機を問いかけた。

 今回の動機、それは私がイライラしたことで火照ったからだを鎮めるべく、ボス相手に八つ当たりをしに行ったわけだが……。

 

「もうお前さんさ、恋人でも作ってイチャイチャなりズッコンバッコンなりしてたらどうダ?」

「生々しいですよ!」

 

 私に答えに対する返事は、そんな私では考えつかないような内容だった。

 後者に関してはこの際無視するとしても、恋人を作るというのは案外いいのかもしれないと、私の中の客観的な部分は考える。

 命を大事にはしているものの、今の私の行動を見れば説得力に欠けると言うもの。なんせ一人でボスに挑むくらいだ。

 だが恋人が出来れば、その人と少しでも長く一緒に居る為に、私も大人しくなるはず。しかし……。

 

 ―――だからと言って、無理に恋人を作るというのも何かが違う。

 

 それこそ、彼氏を作るだけであれば簡単に出来るだろう。

 同じギルドである男子3名に加え、ディアベルやクラインもいる。なんならキリトを加えても良い。

 だが、自分のイライラや火照りを抑えたいが為に彼氏を作るというのは、私の性格的に、そして相手に対して不誠実である以上そう簡単に実行に移す訳にはいかない。

 ならば身体だけの関係であっても後腐れのない男性を探すか。しかし、これもやはり私の性格上無理だ。

 異性に肌を見せるというのは、それ相応の覚悟も必要だし、なによりあまり複数人に見られるのは嫌だという気持ちがある。

 

 ―――異性に見られるのが嫌?ならば同性は?

 

 明らかに異常な考え方。世界には同性婚も認められている国があるし、時代が少しでも同性愛に対して寛容になってきている以上あまり異常というのは良くないのだろうが、それでも生物としての本能がそう思わせる。

 子供を作ることの出来ない同性間での恋愛、けれど、私が今必要としているものに必ずも恋愛感情は必要ない。そもそも、この世界では子を成すことはない。

 なら、単純に性欲という形で体の火照りを発散させるだけならば、アルゴであっても良いのではないのだろうか。

 どうやら昨日のシリカとの戦いがまだ尾を引いているらしい、普段ならば考えないようなことを考えてしまった。

 

「アルゴ……」

 

 幸いにもここは私の一人部屋、ベッドも置いてあるし、誰かが突然やってくるということもないだろう。

 ならやることは単純だ。このままアルゴをベッドに押し倒してしまえばいい。これからやるのは軽い冗談なのだから。

 AGIに多めに割り振ったステータスはアルゴよりも速く動ける。これを利用して、私は本当にアルゴをベッドに押し倒してしまった。

 脚を閉じられないように膝で割り、片手を自由に動かしたいがためにアルゴの両手を片方の手だけで拘束する。

 直ぐに理解が追いつかない様子のアルゴ、状況を理解するのに数瞬の時を要したが、理解が追いついてしまった瞬間、顔から湯気が出そうなほど真っ赤にして叫び始めた。

 

「な、何してんだヨ!ガチか?ガチなのカ!?」

 

 そんな風に叫ぶアルゴが煩わしいと、彼女の口を塞ぐためにキスを……するわけがなく、首筋にキスの雨を降らせた。

 しかしどうやらこれは悪手だったようで、更に顔を赤くし叫ぶ。

 

「なんかガチっぽくて嫌ダ!」

 

 嫌がる素振りを見せるアルゴだが、本気で拘束から抜けだそうとはしていない様で、先程から私の腕を退かせようとしていない。ただ、もしかしたらステータス的な側面で力が足りていないだけかもしれないが。

 そんなアルゴに囁きかける様に、私は言う。

 

「恋人を作って欲望をぶつければいいと言ったのはアルゴ、貴女でしょう?私はそれに従ったに過ぎません」

「いや、だからっておかしいダロこれは!オレっちもお前も、女だ……ッッッ!?」

 

 少々うるさいと感じた私は、少しでも黙らせる為にアルゴの脚を撫でる。前に私は臀部を撫でられたのだから、これくらい構わないだろう。もっとも、私は彼女のお尻には触らないように注意している。

 じわじわと舐る様に脚に手を這わせ、足の付根から足先に掛けてゆっくりと撫で始めた。

 もう一度、今度は登るように足の付根に向けて手を這わせると、先程は聞こえなかったアルゴの熱っぽい吐息が聞こえてきた。

 足の付根にたどり着くと、今度は丹田のあたりを念入りに、そしてそこから場所を移して脇腹を撫でる。

 彼女の慎ましやかな胸に触れてみたいという欲求を抑え、なるべく露骨な部分(意味深)は触らない。

 あくまでスキンシップであるかのように、彼女の身体を弄っているだけだ。

 

「や、やめロ……ック……はぁ、はぁ」

 

 どうやら彼女は敏感らしい、あくまでお腹や脚を撫でているだけなのに、顔を赤くして息を乱している。

 さらにもう一度、先程は触らなかった内ももを優しく撫でる。

 余程くすぐったかったのか、唇を噛んで声にならない声を上げるアルゴ、目尻には涙が浮かんでおり、私の嗜虐心をより刺激する。

 

 ―――あれれ~おかしいぞ~

 

 どこぞの名探偵のような間の抜けた台詞が頭に思い浮かぶと同時、先程アルゴが言った様にガチっぽくなっていることに漸く気付いた。

 これでは私が本当に女性に気があるようではないか。

 

「さ、触るなら……ちゃんと、触れヨ……」

 

 漸く異常性に気づき戸惑い始めたところにこの台詞。今私の中で、何か切れてはいけない物が切れたような音がした。

 潤んだ瞳で求めるように私のことを見つめる彼女は、頬を赤らめ息を乱している。呼吸の度に上下に動く胸は慎ましやかながらも、確かに存在している。

 普段はお姉さんキャラを作っているアルゴが、今は明確に女としての自分を見せている。

 

 ―――もう、レズでもバイでもいいや。

 

 諦めとは違う、新たな扉を開いてしまった私は、よりアルゴをいじめるために、嫌がらせのような質問をすることにした。

 

「ちゃんと触るって、どこを触れば良いのですか?貴女のその可愛らしい小さなお口で、はっきりと、私に聞こえるように言って下さい」

 

 自分でもこんな性格だっただろうかと疑問に思うほど、ひどい台詞がスラスラと口から出てくる。

 これは本格的にやばい。そろそろどこかで落としておかないと、今後アルゴとの関係が冗談では済まされないものになってしまう。

 私からこの様なことをしておきながらなんと身勝手な、と思わなくもないが、それはそれとして置いておく他あるまい。

 

「だか、ら……お……」

「お……なんですか?」

 

 今の自分はとてもサディスティックな笑みを浮かべていることだろう。止めなければと頭ではわかっているのだが、身体がそれを拒否するように動かない。

 このままどこを触って欲しいのかを言わせたい。そう思っていたところに、ふと異質な音が聞こえてきた。

 誰かがドアをノックする音だ。

 

 ―――助かった……あっ……。

 

 この部屋へと訪れるのは、大抵アルゴかサチだけ。アルゴは既に居るのだから、消去法で今訪れてきたのはサチだとわかる。

 そしてサチは、アルゴと違いノックこそすれ直ぐに扉を開ける習性がある。これはつまりどういうことか。

 

「アルト、アルゴさん、おやつ出来たけど食べ……ないですね」

 

 私がアルゴを押し倒しているところをバッチリと目撃され、そのまま誤解されるということだ。

 

「そっか、アルトこのままアルゴさんを美味しく頂いちゃうんだね。ごめんね、急に入ってきてお邪魔しちゃって……二人ってそういう関係だったんだね。気づかなかったよ……」

「あぁ、サチ!誤解じゃないけど誤解なんです!」

 

 自分でも何を言っているのかわからないが、それも仕方がないこと。熱に浮かされていたとはいえ、私達は本来開いてはいけない扉を開けようとしていたのだから。

 部屋の雰囲気がとても気まずいものとなっているが、幸いにしてサチは直ぐに立ち去る気配がない。

 どうすべきかを考えてふとアルゴの方へ視線を向けると、そこには既に正気を取り戻したアルゴがいる。私達はアイコンタクトでどうすべきかを決定すると、そのまま二人でサチの誤解を解くべく、サチに襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、ちゃんと説明してくれるんだよね?」

 

 私とアルゴの二人は今、サチの前で正座をし、そして説教を受けていた。二人で襲いかかったはずなのに何故正座をしているのか、等という野暮なことは聞かないで欲しい。

 

「だから、かくかくしかじかでして……」

「アルトはおやつ要らないんだね」

「申し訳ございませんでした」

 

 説明しようにも再び頭が混乱しはじめてしまった為、上手く説明することができない。そこで万能の日本語「かくかくしかじか」を使うことにしたのだが、どうやらふざけていると捉えられたらしい。

 おやつを人質?にされた私は、それはもうとても綺麗で素晴らしい土下座を繰り出していた。

 あそこまで言い逃れのできない状況を目撃されたのだ、全て話すしか無いとアルゴと話し合うと、私は全てのことを話し始めた。

 第一層、そして昨日一人でボスを撃破したこと。第一層はともかく、昨日のことに関する動機。そしてそれを抑えるために恋人を作ってはという提案がされたこと。

 その話を聞いたサチは「スケールが違う」なんて呟いていたのがとても印象的だった。

 

「それで、なんでアルトはアルゴさんを押し倒してたの?」

 

 やはりそこにたどり着くかと思いつつ、先程の私の心の中を伝えたところ、サチは頭を抱えて深くため息をこぼした。

 

「アルトがここまでバカだったなんて……それに、流されるアルゴさんもアルゴさんですよ」

「「面目ない……」」

 

 二人してシュンとうなだれる。これ以上何も言い返すことができない故、こうしてうなだれるしか出来なかった。

 それに、こうしてサチに話したところで問題が解決するわけでもない、これから先また今回のようなことが無いとも限らない。

 

「そういえば、なんでアルトが一人でボスを倒しちゃ駄目なの?」

 

 私達が沈んでいたところに、ふと疑問に思ったらしいサチから問いかけが来た。

 何故私が一人で攻略を進めてはいけないのか、ボスに勝てる人間がどんどん進めていけば、それだけ犠牲は少なく、そして速く攻略が済むのではないのか。

 

「別に簡単な問題を難しくするつもりはありませんが、そういうわけにもいかないのです」

 

 まず大きな理由として、私が死んでしまったときの場合。

 それまで一人で進めていた場合、他のメンバーが最前線のボスと戦えない可能性が出てくる。下手をすれば、無理に攻略しようとして犠牲者が増える可能性だってある。

 一人でも犠牲者を出さない為には、私が皆に足並みをそろえる方が得策なのだ。

 

「それに、これはあくまで勘でしかありませんが、50層のボスは普通のボスよりも強化されている可能性があります。もしかしたら25層、75層も……」

 

 もしこの勘が当たっていた場合、私一人では勝てない可能性が出てくる。

 そして上に登れば登るほど、もっと厄介な仕掛けが出てくるかもしれない。

 

「そっか……」

 

 私の言葉に納得したらしいサチは、大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせると、ここに来た本題を告げた。

 おやつの準備が出来たから下りてきて欲しいということ、そして昨日、私と入れ替わりでやってきたサーシャから聞いたことを話したいということ。

 

「では、行きましょうか」

 

 この時の私は、未だ黒い影が忍び寄っていることに気付いていなかった。

 そして、アルゴが頬を赤らめて息を乱していることにも気付いていなかった。

 

 




アルトリアさんをちょろインにしたいって言ったな。
何故かアルゴがちょろインの様になってしまったよ。
IFストーリーって形で、18禁版を書きたいでござる。

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