第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり 作:溶けない氷
ぷろとかるちゃーきょうだんのみんな『特地星はぷろとかるちゃーのしそんみんなのもの!げんじゅーみんは皆んなしね!』
ヴォルクルス『どいつもこいつもみんなしね』
帝国『敵が・・・まじきちばっかじゃん・・・・・』
ショウ『人のこと言えるのか?』
アルヌスの避難民が生活費を稼ぐ為に集めた翼龍の鱗と牙をカトー老の古い友人であるリュドーという商人の店へ届ける為、伊丹率いる第三偵察隊十二人と同行するショウを含めた四人はイタリカへと向かっていた。
レレイはイタリカへの道筋を指示しながらデッキの地図をじっと見ている。特地では紙とは普通は羊皮紙のことであり高価で取り扱いも注意しなければカビが生えてしまうものだが連邦の防水紙は引張ても水に濡らしても大丈夫な上に大量にあったので興味津々だ。桑原も歳が歳なのかレレイに対して孫娘を見る様な目でレレイにブリッジコンソールの使い方などを教えていた。
「鬼軍曹って言われてたおやっさんが、可愛い娘相手に相好崩しちゃってねぇ」
その姿を操舵席で見ていた倉田がボソッと呟いた。
下士官養成学校で生身でザクに追い回されたり恐竜帝国のメカザウルス相手の実戦が卒業試験代わりだったりと恨み辛みも積もってはいたが孫娘を愛でる優しい爺様の様な姿を見せられてそんな感情も雲散霧消してしまった。
ロゥリィとテュカも暇だったのかブリッジに上がって計器を見たり外の景色が飛ぶように流れる様を見ながらおしゃべりをしていたが、未だに言葉がよくわからないクルーはその内容が気になった。
和やかな時間が流れていたが監視等からの報告の「2時の方向に煙を確認」
という報告で
ブリッジのスクリーンに地図写真を写し位置と方角から
そして煙の出ている場所が目的地であるイタリカだと判断する。盗賊かの龍に襲われたのだろうか?
焼畑では?と流石に地球育ちの伊丹は思ったがレレイは
「畑、焼く、煙ではない。季節 違う。」
とつたない英語ながら否定した。
それを聞いた伊丹はうんざりしたようだったが
「全員、上空の警戒を厳にしてイタリカに向かう。ドラゴンによる襲撃の可能性もあるから対空機銃座は特に厳重にな」
指示を下され黒川は銃座に桑原はレーダに目を光らせ窓からの光景に目を配る。
ミノフスキー粒子濃度がゼロとはいえ目視が重要なのはここでもかわらないのだ。
テュカとレレイも双眼鏡を借りて警戒する。
ロゥリィはブリッジの窓から前方を眺め「血の匂い」と呟き、妖艶な笑みを浮かべた。
栗林、シュウもそれぞれザク改・ダンバインの発信準備を終える
「栗林さん、ああいう龍相手の空中戦はダンバインに任せて地上を警戒してください。」
「なぜです?ザクも援護射撃をした方が・・・」
「いえ、バイストンウェルの経験からいくと龍が狩りをしている周辺には必ずおこぼれを期待して強獣が忍び寄ってくるんです。
見つかりにくいし動きも早いので襲われるとMSはともかく人間では危ないんですよ。」
イタリカ。テッサリア街道とアッピア街道の交点に発展した帝国有数の交易都市。この領地は代々フォルマル伯爵家が収めてが前当主とその妻が事故で急死し、三人の娘も長女と次女は既に他家に嫁いでいたため結果今ではその末娘である三女ミュイが当主となった。
しかしまだ11歳であったミュイの後継人を巡り長女と次女が争い、口論から爪の引っ掻きあいへ更にエスカレートし、二人が嫁いだ家からも兵が出され衝突する小規模紛争にまでこのお家騒動が発展する。
治安は両家の兵とフォルマル家の兵達によって保たれていたが、門からの異世界出兵に参加していた両家の当主がジェガンに踏まれて戦死。
両家共にイタリカへ構う余裕がなくなり兵を引き上げた。結果不正と腐敗が蔓延り治安は悪化した。
そして現在。傭兵くずれの大規模な盗賊の一団がイタリカを襲撃していた。襲撃時に偶然イタリカに到着した帝国第三皇女のピニャ・コ・ラーダと彼女が率いる薔薇騎士団の精鋭達が防衛の指揮を執り盗賊たちを撃退した。
結果防衛には成功したものの南門は破壊され、城壁には生々しい傷跡が残り、勇敢な若者達も次々に戦死していった。
次に攻撃を受けたらまさしくおしまいだろう。
フォルマル家の兵では数が足りずに市民も参加させたが所詮は一般市民。
危険にさらされるとなぜかなんの実戦経験もない若者や子供がMSやPTや超機人や特機で大活躍して侵略者を撃退するのが日常茶飯事の常識の地球じゃあるまいし、要するに弱いのだ。
その為練度も最低であり一回の戦闘での疲労も大きく士気も低かった。
そんな状態で何とか撃退できたかと先ほど弓弦を鳴らしていたピニャは自身の騎士団員であるノーマとハミルトンに無事かと声をかける。ノーマは鎧の肩に矢を受けていたものの軽傷で、柵にもたれかかりながらも無事のようだった。ハミルトンもくたびれて地面に大きく座り込んではいるが特に怪我はなかった。
「姫様、小官の名がないのは流石に薄情と申しますが」
「何を言っておるのだグレイ。お前が無事なのは解りきっている」
自分の名前を呼ばれなかったグレイはピニャに冗談交じりで苦言するとピニャはそれを素気無く返す。素気無く返されながらもグレイは豪快に笑っていた。血の付いた両手剣を持った髪を短く刈り込んだ浅黒い肌にガッチリとした体格をしたこの騎士は戦場往来の歴戦の戦人とあって特に返り血を受けた様子もなく
まだまだ気力体力共に十分と言える状態だった。
なんとなくバランを思い起こさせる武人である。
「姫様ぁ、なんで私達こんな所で盗賊を相手にしてるんですか?」
無礼と承知ながらも言わずにはいられずハミルトンがピニャに苦情を呈する。
「仕方ないだろう。異世界の軍がイタリカの侵略を企んでると思ったんだから!」
そうピニャ達がイタリカへきた理由は正にそれだ。
ある時イタリカが謎の集団に襲撃されているという噂を聞いたピニャは襲撃者をアルヌスを占拠した異世界の軍隊と考え、大急ぎでイタリカへ向かった。敢えて少人数で赴き敵の戦法を把握し、可能ならそこから自身の騎士団で挟撃するというのがピニャの考えだった。
もっとも本当に連邦が攻撃していればイタリカなど一瞬で消滅していたろう。
イタリカの襲撃者の正体は連合軍の敗残兵の盗賊団だった。異世界の軍隊と思っていたピニャは愕然としたが街を守らない訳にはいかないので指揮を執り、盗賊相手に防衛戦を展開したのだ。
ピニャは民兵達に柵の補強や死体の片付けなどを指示する。すぐ近くではフォルマル家のメイド達が住人へ配給する麦粥や黒パンなどを運んでいた。
そしてピニャはグレイに城門の状態やその対処を話したり
ノーマに交代しながら食事を取る様に等指示を出すと自身も休むため
フォルマル家の屋敷へと向かった。屋敷へ着いたピニャは軽い昼食を済ませるた後には仮眠を取るため客間へ向かう。
食事は粗末なものだったが疲れ切っていて味なんかもうどうでも良く感じた。
そして暫く仮眠を取っていたピニャを叩き起こしたのは冷たい水だった。
『姫様!起きてください!大変です!』
ああ、そりゃ声じゃなく水で起こすくらいなんだから大変だろうな
と思ったが
一気に覚醒したピニャは早急に準備をて南門へと向かった。
・・・・・・・・
南門は大騒ぎだった。城壁はせいぜい12mほどだがギャロップの全高は軽くそれをこえている。
まるで砦のようで、盗賊団の攻城塔かと皆怯えきっていたのだ。
伊丹達はイタリカへ到着する事は出来たがその様子はどう見ても戦闘が起きて間もない状態だった。ビル3階分程ある城門の上から騎士と見られる男の誰何の声が響く。
「な、なにものだ!盗賊どもならば、そんなこけおどしの塔で我らが降参するなどと思わぬことだ!」
「どう見ても戦闘か何かあった後っすよ。どうします?
押し通りますか?」
「うーん、取り込み中だし巻き込まれたら危険だし面倒だから安心安全路線で」
「却下」
伊丹の提案は即座にレレイに即否定された。
「入り口は他にもある。ここがダメなら他に回ればいい。イタミ達は待っていてほしい。私が話をつける」
レレイの発言に伊丹は驚く。その横でテュカがレレイに何故この街に拘るのか、自分達を助けてくれている人たちを自分達の都合で巻き込んでいいのかと問いかけた。
それをレレイはだからこそ行くと答えた。自分達を敵ではないと伝える事で恩を受けた伊丹達の評判を落とさないようにするためだと。するとテュカは自分も行くと言い、伊丹達に矢除けの加護を掛ける。レレイは杖を持って立ち上がりテュカも弓と矢筒を背負う。ロゥリィも行く気なのかハルバードを握っている。
「イタミ達は待ってて」
「いや、駄目だ。ギャロップの巨体に相手は警戒している。
パニックを起こして矢を放ってくるかもしれない。
近くまではホバートラックで行こう。あれなら装甲もあるし威圧感もギャロップほどじゃない。」
と言って自分も歩兵用アーマーをつける。
更に敵対の意思なしを示すため武器は持たず白旗を持っていく。
「伊丹中尉。俺も出ますよ、ダンバインならザクほど大きくないし万が一でもオーラバリアで皆さんを守れます。」
「誰か出てきたぞー!」
城門の上で見張っていた一人が声を張り上げて伝える。城門の覗き窓で様子を見ているピニャ、ハミルトン、グレイは謎の灰色の砦から出てきた小さめの鉄甲車から出てくる者に注目していた。
ピニャはギャロップを攻城塔のようなもので
ホバートラックを攻城槌のようなものかと思っていた。
だとすれば灰色の攻城槌に据え付けられているのは大型のクロスボウのようなもので移動しながら攻撃するのか・・・・
「あの杖はリンドン派の正魔導師だな。それにエルフだと?精霊魔法との組み合わせは厄介だな。油断している今の内に弩銃でーー」
というピニャの言葉はエルフの後ろからヌッと現れた巨大なハルバードで止まり、ピニャの表情は驚愕で埋め尽くされる。
「ロゥリィ・マーキュリー!?」
「えぇ!?」
「ほぉ、あれが噂の死神ロゥリィですか」
ピニャの驚愕の絶叫にハミルトンも驚愕し、グレイは冷静にロゥリィを観察している。
「あぁ、以前国の祭祀で見た事がある。しかし使徒にエルフに魔導師…..何なんだあの組み合わせは・・・盗賊の一味とは思えませんが・・・」
「ピ、ピニャ姫殿下!あっあれを見て下さい!!」
「どうしたハミルトン、初めて使徒を見たのは解るが落ち着いて…….はっ!?」
ハミルトンの取り乱した様子にピニャは諫めようとするがロゥリィの背後から現れた存在に息を呑み、グレイも戦場で見せた気を張り詰めた表情となった。
「あ、 蒼の精霊騎士・・・」
トンボのような羽根、カブトムシのような鎧姿
特地における力と恐怖の象徴、古代龍の炎龍と真正面から渡り合い、傷を負わせたおとぎ話の存在が遂にピニャ達の前に現れた。
「ほ、本物なんでしょうか?はっ!だったら味方してくれるんじゃぁ・・」
「あれは・・・・この歳になって驚くとは・・・」
「なんだ?グレイ?」
「あの騎士からはとてつもない力を感じます。
まさに歴戦の勇士が発する・・・なんというか気のようなものです。
いくさ場ではあのようなものと相対することもありましたがあれほどのものとは・・・
はっきりとあの噂話は本当だとわかりもうした。
あのものに比べれば儂等などものの数のうちにも入らんでしょう。」
(どうする!?彼らを中へ入れるか?もしも彼らの目的がイタリカの征服なら?いや、だったらこの街は碌に抵抗出来ず堕ちている筈。そうしないのが敵対の意思がない為なら…..)
グルグルと思考が巡り、答えがでない状況の中で、遂に通用口の扉が外から叩かれるピニャは決心がついた様に扉の閂を外していく。
(こうなったら勢いだ。勢いで有無言わさず巻き込んでしまおう。そうすれば向こうも此方に協力せざるを得なくなる!)
「よく来てくれた!」
と、三本の閂を引き抜くと通用口を勢い良く開けた。バァン!と鈍い音と不自然な手ごたえを感じふと我に帰ると、ロゥリィも、エルフも、魔導師も、蒼の騎士も、通用口で仰向けに白目を剥いて倒れているベージュの服を着た男を見ていた。
視線が一斉にピニャに突き刺さる。
「........もしかして妾?妾なのか?」
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イタリカでの初仕事が気絶した伊丹の介抱だった。
αナンバーズの何人かなら空気を読まずに扉を正拳突きで粉砕して事態をややこしくしてでも入ったかもしれないので、まぁよしとしよう。
ロゥリィが枕代わりに膝枕し、テュカは水筒の蓋を外してダパダパと伊丹の頭へ掛けながらピニャに対して非難の声をあげている。
レレイは我関せずとばかりにその横で街の様子を観察していた。
暫くすると伊丹の意識が戻り安否の通信がされる通信機を持つと通信する声の主である桑原に伊丹が指示をだした。
「さて、誰か今の状況を具体的に説明してくれないか?」
伊丹の言葉にイタリカの住人達はさっと身を引き、ピニャだけが取り残される。グレイも流石にこれはどうしようもないのか困った様に頭を掻いていた。ハミルトンは驚きの連続で若干反応が遅れている。レレイ達もピニャに対して説明を求める様な厳しい視線を向けている。
「わっ妾?」
今度はイタリカ市民全員が頷いた。
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東門からイタリカへと入った連邦偵察隊は伊丹がイタリカの代表の代理で説明をするピニャの話を聞いていた。
盗賊が攻めてくると聞いた伊丹はこのままでは鱗の売買どころではないと判断。イタリカの防衛に協力する事を決定した。
「しかしショウさん、あなたは民間人ですので参加の義務は・・・」
「いえ、巻き込まれた以上知らんふりはできんませんし。」
作戦が練られる。そこ結果、偵察隊は破壊された南門の守備をピニャ達は東門の守備を担当する事になった。
伊丹は南門に集中して攻めてくる盗賊を押し付けられたなと感じてはいたが
別に盗賊程度ならどうということはないと思い了承した。
圧倒的な火力を持つザクがあるのだからここで実力を見せつければ後の交渉も楽になるだろうという考えもある。
本部に連絡し状況を説明もしたが本部からの返答は現在、大量の入植者の手筈で手一杯で援軍に回す余地はないという・・・
UAVを飛ばして盗賊の斥候を発見しその後ろにいる本隊も確認した。その数はゆうに千にも上ると考えられた。しかしこちらにはザク改にギャロップ、ホバートラックにダンバインまでいるのだ。
負けるはずがない・・・・
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盗賊団の本隊にて
「全く・・・誰だよイタリカの防衛体制はザルだなんてぬかしたやつは・・・
おかげで仲間が結構な数やられちまったじゃねぇか・・」
「文句言うなよ、戦争に予想外はつきものだろ。」
「指揮を見てたが・・どうやら帝国の女騎士が指揮をとってるらしいな・・」
「それで動きが素人連中にしちゃ良くなってたってわけか、ちくしょう。
巨人どもこのかたろくなこたぁないぜ!」
「だがよ、あの女いい体してたぜ・・・へへ・・・街が落ちたらお楽しみだな・・」
「ああ、あの街のご領主様もまだ初々しいって言うしな・・・」
「まぁ次の攻撃でお終いだろうからな・・・そうなったら好き放題だな」
盗賊たちは街で略奪・暴行の限りをつくすきのようだ。
こうなることを止めさせるために貴族や王族は平民から税を取る権利があるのだが
無謀な戦で戦火そのものはおろか戦の後の後難を撒き散らすのだから
果たして為政者としての資格はあるのだろうか?
?????「そんなあなた方に良いお知らせを持ってきましたよ。」
「な!なんだてめぇは!妙な格好しやがって!」
「私は・・まぁそんなこたはどうでもいいでしょう。お知らせといいうのはイタリカの街の守りに異世界の巨人の軍隊が加わったということです。」
「なぁ!きょ!巨人どもが!うそ吐くんじゃねぇよ!」
驚く盗賊たち、巨人がついては勝てる見込みなどありはしない。
「嘘ではありませんよ、20mもあるんですからちょっと見に行けばすぐ分かります。ですがご心配なく、良い知らせと言ったでしょう。私があなた方に手を貸しましょう。」
「はぁ?てめぇがか?」
「ええ、あの街の人間を殺しまくりたいんでしょう?犯しまくりたいんでしょう?奪い尽くしたいんでしょう?お手伝いしますよ」
きょとんとする盗賊たち
「ふふふふふ、その欲望。その浅ましさ、まさに我が主人ヴォルクルス様に捧げるに相応しい・・・さぁ受け取りなさいあなた方が欲する力ですよ。」
「な!ぐぁぁぁぁぁ!」
盗賊たちの足元からまるで蔦のような金属が伸び上がり次々と侵食し
あっという間に人間を金属でできた化け物に変えていく
「ふむ、マシンセルでしたか。地上の技術はどうも相性が合わないんですかねぇ。出来上がったのはゾンダー人間とデモンゴーレムのごった煮みたいなものとは・・・まぁいいでしょう、行きなさい。
そしてたくさん殺すんですよ。」
いまや人間ではなくなったものたちがその変化する前の欲望
すなわち「殺し」「奪い」「犯す」を忠実に実行するためイタリカに向かう・・・・
「ふふふふふ、『この閉じた世界』・・・地球とは比べるもないが、とりあえずヴォルクルス様の呼び水くらいにはなってもらいませんとね・・・」
果たしてこの人物とは・・・
そしてヴォルクルスは一体何をこの世界でなそうとしているのか・・・
______________」
一方夕日が沈みかけていく中、ロゥリィと伊丹が話していた。
ロゥリィが『何故イタリカのために戦うのか、その本音は?』という質問に伊丹は『住人を守るのは本当、でもあの姫様に俺たちと戦うより仲良くした方が得だとわかってもらうため』と答えた。
そして深夜となり、見張りの兵士に眠気が襲い始めるころに東門へ近づく敵があると知らせがあった。
そして急いでピニャへ伝令が出される。
こうしてイタリカの防衛戦が幕を開けた。
・・・・・・だが、ピニャ姫殿下もイタリカの市民も騎士団の面々も知らない・・・
いまから相対するのがこの世界では考えられない化け物だということを・・・
・・・地球ではそこらへんでよく暴れてたが・・・