第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり   作:溶けない氷

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ヒルドルブを活躍させるで〜
結果
キャタピラにゴミが詰まるのはいやじゃ〜


アルヌスの戦い!吠えろヒルドルブ!の巻

アルヌス、この世界においては神聖とされる丘である。

しかしながら実際には周辺より少し盛り上がっただけ丘であり

実際、神聖(笑)という雰囲気には程遠い。

伝説によると2000年前に人間はこの丘から現れたとか・・・

2000年ごときで伝説になるあたりどうなんだろうか?

ゼ・バルマリィ帝国の歴史は50万年くらいらしいので2000年で帝国(笑)

というのはどうなんだろうか?

・・・・・・まぁ地球にはあの島国とかこの島国とか神聖でもローマでも帝国ですらないのに帝国(笑)

とかもあったのであまり人のことは言えまい。

その丘の上で地球連邦軍の砲兵部隊のグレイグ大尉は緊張していた

(陸戦の機会なんざしばらくは巡ってこないと思ってたがな・・・・)

実際この銀河戦争の天王山、カルネアデス計画が発動してからは

STMC対策で地球圏の各勢力はBF団もヌビアコネクションも地下に潜ったらしく地球はしばらく静かだったのだ。

プラントとも講和がなった今となってはSTMC対策に全力を傾けることができる。

もっともカルネアデス計画が失敗すればどれだけ対策しても無駄だろう。

STMCとはそういう存在なのだ。

だがここに来て新しい光明が見えた。

地球に新たに都合よく現れたアースゲート1だ。

プロトカルチャー教団はこれを

『慈悲深く賢き先人プロトカルチャーが

その子孫を銀河の終焉、アポカリュプシスから救済すべく開かれた

ノアの箱船の入り口であり、

アースゲート1の先の世界こそプロトカルチャーが

地球人に用意された約束の地なのだ。』

と宣伝している。

この教義を元にいまやプロトカルチャー教団は一気に勢力を拡大。

元ティターンズや元ブルーコスモスのメンバー、プラントやネオジオン、果ては火星のバーム星人やゼントラーディ・メルトランディの信者までいるというカオスっぷりだ。

現在はアースゲート1をプロトカルチャーのアーティファクト、

特地をプロトカルチャーの聖地と定義づけそれを奪還することを聖戦と呼びかけている。

・・・・・

(確かに、こんな絶望的な状況下では縋りたくなるのも仕方ないよな・・・)

実際、この特地派遣部隊の中にもプロトカルチャー教団の信者はいる。

プロトカルチャー教がそれまでのキリスト教・イスラム教・仏教と違う点は

はっきりと首都のダカールにでかでかと神々の奇跡の証拠SDF-01マクロスが鎮座しており。

教団の神々、プロトカルチャーの存在をどう頑張っても否定し難く証明していることだ。

10年前のSDF-01マクロスの墜落から始まったいわゆる新興宗教で人類の祖

プロトカルチャーが残した遺跡や遺物を崇拝し、これらを解析することによって

人類の文明・文化レベルをプロトカルチャー黄金期に匹敵するものにしようというジオニズムや旧西暦科学万能主義の変形だと思われていたのだが・・・

連邦議会や軍部や経済界、科学界の中にもプロトカルチャー教団の信者はどっさりいる。

それくらいプロトカルチャーの奇跡のような科学は魅力的なのだ。

現在、アースゲート1はプロトカルチャー信者の議員の要請で

まちがってもテロリストや宇宙人や地底勢力や異次元勢力や宇宙怪獣などに破壊されないよう

光子力研究所に作らせた超合金ニューZα製の『枠』で補強されているため

例え反応弾やN2爆雷の直撃を受けてもびくともしまい。

光子魚雷なら集中させれば破壊出来るかもしれないが

その前に地球が、かじりかけの林檎になってしまうだろう。

噂では死亡したブルーコスモスの盟主アズラエル氏や財界の有力者

ロード・ジブリール、

アナハイム社CEOのメラニー・ヒュー・カーバイン、

ビスト財団のマーサ・ビスト・カーバインという錚々たるメンバーも関わりが深いという・・

おかしなことにプラントの新議長のデュランダル氏も繋がりが深いというが・・・

(まぁいい、どっちにしろこいつを試せる機会が巡ってきたんだ)

特地派遣部隊の任務には特地における脅威の査定と排除が含まれている

今は宇宙観測衛星を打ち上げて宇宙勢力の存在を確認しているところらしい。脱出して住み始めたらSTMCがこんにちは、ではあまりにも救いがない。

よって今の派遣軍の任務はアルヌスの丘に迫る連合王国軍の30万人の大群を殲滅することである。

今その蟻の大群に砲を向けるのは10年前に

『時代遅れ』『出来損ない』『倉庫の肥やし』と呼ばれ

スクラップにするにも金がかかるため

月グラナダの真空倉庫(要するに使うかもしれない物置場)で

10年間忘れ去られていた悲しき戦狼モビルタンク『ヒルドルブ』だ。

試作一号機は地球で撃破されたが2号機は

グラナダに連邦が進行してきた場合に備えておいていたが

侵攻の前に終戦で放置されていたのだ。

この度の特地侵攻にともなってあちこちから旧型機を(主に一年戦争時の陸戦用MS)かき集めた結果

その中に混じっていたのを少佐が気に入って乗機にしているのだ。

あちこちの部品を連邦製に変えてるが、自慢の30cm砲の威力はお墨付きだ。

なぜ、そんな骨董品をと問われると少佐は

『だって、かっこいいだろ?』と返したという

似たような陸戦強襲型ガンタンクがあるのに

・・・いやあれも同じくらい旧型だが・・・

そう思っているうちに、連合王国の大群が動き始める

「連中・・・・どんな手を打ってくる機だ?」

無論、この少佐。

まさか相手の思考レベルが侵略するのは奴隷集めのため。

戦術レベルが中世レベルとは思いもよらない。バイストンウェルとは違うのだ。

 

丘の連邦軍仮設アルヌスベースを建設中の工兵隊のプチモビは脅威には映らなかったらしい。

現在の連邦軍の兵力はほんの3000人 戦闘用モビルスーツ100機程だがモビルスーツは空襲をを警戒してカバーで隠蔽してあったのも戦力を誤認させた。

相手をやはり似たような格好のバイストンウェルのオーラバトラー軍団のようなものだと思っているのだ。

まぁこのバルマー戦役このかた地球人より科学が進んだ相手ばかり侵略してきたからこう思うのも当然だが・・・

「妙だな・・・連中・・飛ばないのか?」

ドラゴンが飛ぶ。それは理解している、だが少佐は他の兵士も当然飛ぶものだと思っている。まぁ当たり前だな。

「まさか!連中、射程ギリギリから超速度で近づいて接近戦に持ち込む機か!」

 

接近戦が得意という人間はよくいる。

例えばBF団の十傑集や国際警察のエキスパートは

指ぱっちんの衝撃波でモビルスーツを真っ二つにしたり

足から出した衝撃波で超音速で走ったりする。

余談だが銀河大戦終結後の銀河で成立した銀河連邦では参加国の

友好と団結を象徴する競技としてMS道、通称ガンダムファイトが催されることになる。

別にガンダムでなくともいいが・・・

そのガンダムファイターは人間の可能性を示しており

読者も知る通り、最近 移民船団マクロス35892の大洗女子学園が

銀河機動兵器道女子高校部門で

強豪の地球の沖縄女子宇宙学園のグレートガンバスターチームを破って優勝した奇跡が示す通り

普通の人間の女子高校生でも努力と根性で鍛えれば惑星を投げつけたり

ワープしたり亜光速で飛んだり、

おでこからビームだしたりできることを示している、生身でも。

ちなみにさらに上の東方不敗流免許皆伝者クラスになると

ゴルディオンクラッシャーを受け止めたり

超STMC1億匹組手ができるらしい、素手で。

これこそ人間だけが内に持つ神、今を越える力、可能性という神なのか・・・

 

そんな地球の一般常識をあてはめた少佐は・・・

「HQに連絡!バグの使用を要請!設定エリア内のIFF反応の無い目標に無差別攻撃に設定!」

バグ、かつてジュピトリアンが使用した空飛ぶ人斬り電動鋸である。

質量兵器なのでオーラバトラーやドラゴン相手に効くかもしれないという理由で鹵獲したものを持ってきたのだ。

流石にバイク戦艦はないのが救いか・・・これ・・・母さんです、しかし

「鹵獲したアインラッドならあるで」by ゴップ談

というわけで旧式でもモビルスーツ隊は急遽アインラッドを装備している。

旧式にはちょっと狭いのと数機分しか無いのが難点か。

「ガンタンク隊に連絡!敵が予定されたポイントに到達次第砲撃開始!」

レーダーマップ上にUAVからの情報が次々と表示される。

「全く・・・ミノフスキー粒子が無いってのはこんなにやりやすいもんだとはね

主砲、曲射榴弾込め!次弾同じ!敵を近づけるなよ!」

かくしてアルヌスの戦いは始まった。

雨あられと降り注ぐ榴弾に隊列が崩れたところに

バグが人、ドラゴン、亜人を問わず鋸が血糊と残骸のせいで斬れなくなりバッテリーが尽きたところで自爆させるまで切りまくった。

青い空の下、戦場のあちこちにバラバラやミンチが飛び散っている光景は

なかなかシュールだ。

あとに残った兵士たちはモビルスーツ隊が殲滅した

アインラッドで。

「この!生身でモビルスーツに向かってくるなんて!正気かよ!」

「この虫ケラどもが!潰れろ!潰れちゃえよ!」

「うじゃうじゃをぐちゃぐちゃ、まるで車でカエル潰してるみたいだな。」

「少佐ぁ!キャタピラ組はいかんでください!詰まったら掃除しませんよ!」

黒富野全開の光景は描写するのも憚られる。

しかし、自らの足で前進した陸戦型GM隊に対峙した王国軍の中には奮戦するものもいた。

ダークエルフの王国のある魔導師は接近するGMに対し炎の魔法で攻撃した

「巨人とはいえ、目をやられれば!」

とはいえそんな物が通るほどぼうっとしているパイロットがいるはずもなく

マシンガンの斉射と胸部バルカン砲で貴重な魔導師部隊はあっというまに一掃されてしまったが。

また、勇敢にもマシンガンの弾幕をくぐり抜けた騎士たちは

「足だ!足を潰せ!」

と馬上の槍で突撃していく

ルナチタニウム製の足に

あまりにも無謀な行為に、MSに乗ればもてそうだし

就職にも有利そうだからと入隊6ヶ月の新米MSパイロットは恐怖すら感じたのか

ビームサーベルで物心ついた時から数十年にわたって厳しい修練を続けてきた

高貴な生まれの騎士たちをジュッと切りはらって蒸発させた。

あまりにも無謀な行為の連続だったが成果はあった

生身の人間の突撃に恐怖を感じたパイロット達は接近されるのを嫌い

銃弾をやたらめったら使用したため、補給が一時期追いつかなくなった。

流石に熟練兵は敵の行動に慣れたため踏み潰しやビームサーベルで弾薬を節約したが。

対人戦闘に慣れていないものはそうはいかなかった。

夕日がようやく地平線の彼方に落ちようかというころ、

夕日を背景にビームサーベルで敗残兵を刈っていたMSは

重傷を負ったドナウ藩王国の国王デュランには

死神のようにも、罪人を狩る天使のようにも見えた。

ピニャ皇女殿下には

「我々は未知なる敵を怒らせてしまったのだろう・・・

怒った連中は報復としてまず雷のような攻撃で兵士達をなぎ倒した、

ついで天の輪で切り刻み

最後には天の戦車に乗った巨人達と、巨大な鋼鉄の死神達が我々を光の剣で焼き尽くした・・・一体あれは本当に人間の軍隊なのか・・・

信じはしないでしょうね、だが目にした時には全て手遅れなのだ。」

グレイグ少佐は

「これは戦闘じゃない・・・一方的な虐殺だ!」とも述べた。

だがこの勝利が後に議会でエクソダス計画推進の大きな原動力ともなった。

誰だって強い敵(STMC)から逃げて安全な土地に行きたいのだ。

 




兵隊「鎧袖一触やで〜」
結果
ぐちゃぐちゃ

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