第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり   作:溶けない氷

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どう考えてもブライト少尉の再現や
なお、英雄にはなれん模様
特地に危険な生物がいないとわかった時ダカールのアホ連邦議員はどんな対応をするのか・・
なお、地球的に危険な生物とは全長2〜3kmくらいの宇宙怪獣高速型以上を指す。
20mくらいある兵隊級や500mくらいの揚陸艇級は使い捨ての砲弾・ミサイル扱い


伊丹中尉 ホワイトベース時代のブライト大佐の気持ちがよくわかるの巻

コダ村に戻った偵察隊はまず村長に森であったことを説明した。

とはいえ言葉がわからないためメモに絵を描き、

その絵を元に片言で何とか伝えたのだが。

地球連邦の今の技術力なら遠からず翻訳機くらいなら開発されるだろう。

なんといっても巨人族のゼントラーディやメルトランディ。バッフ・クラン、星間連合の皆さんにバルマー人とすら意思の疎通が問題なくできるのが地球人なのだから。

意思の疎通が出来ても和解できるとは言ってない。

村長は伊丹達に感謝し、

すぐに村の住人と近辺の村々に伝える事と

荷物をすぐに纏め安全な場所に逃げる準備をする様に指示した。

人の味を好む炎龍がまた襲ってくる前に遠くの街へ逃げる為に。

 

・・・・・

「お師匠、これ以上積み込むのは無理」

 

「レレイ。どうにかならんのか?」

木々に囲まれた家屋に一台の荷馬車があり、

荷台には積める限りの荷物が積まれていた。

荷馬車の荷台に荷物を積んでいた銀髪の

ショートカットの少女が言うと家屋の小窓から

顔を出していた老人が困った様に少女にといた。

彼女達はこの村に住んでいた魔法使いの師弟だったが

先程村の者に炎龍の事を聞かされ、

荷馬車に荷物を積んで避難する準備をしていた。

 

この世界の荷馬車はホバートラックと違い浮遊しないし馬で

荷台を引く為積みすぎれば重くて馬は引くことが出来ないし

舗装されていない地面では

キャタピラでもないため車輪が減り込んで嵌ってしまう。

おまけに車輪の車軸は木製なので重量に

耐え切れず折れてしまうかもしれない。

 

「コアムの実とロクデ梨の種は置いて行くのが合理的」

 

レレイと言われた少女は荷台から木の実が入った袋と植物の種の入った小袋をお師匠と呼んだ老人に手渡した。

 

「ん~まいったのぅ。だいたい炎龍の活動期は五十年先だった筈じゃ。それはなんで今ごろ・・・・・」

 

と老人はブツブツ言っている間に荷台に幌を掛け、ロープで固定したレレイが老人に早く乗るよう言うと老人は『儂はお前なんぞに乗っかるような少女趣味はないわい!どうせ乗るならお前の姉のようなボン キュ ボーンの・・・・』と

笑っていたがその老人に向けてレレイは魔法で固めた空気の玉をぶつける。老人は腕で顔を庇いながらレレイに

『魔法は神聖なものじゃ、むやみに使って良いものではないのじゃぞ!』

と言うとレレイは渋々ながら魔法を使うのをやめた。

 

「わかったわかった、そう急かすな。全く冗談の通じん娘じゃのう」

「冗談は、特に性的なものは時として相手の人間関係を壊す。大人なら弁えて当然」

老人は杖を片手にどっこいせとレレイの隣に乗り込む。レレイは冷たい視線を向けながら淡々と老人に言う。

 

「はぁ......疲れる。.....歳はとりたくのぉ」

「大丈夫。客観的にみてお師匠はゴキブリよりしぶとい」

「無礼な事を言う弟子じゃのう......」

「これはお師匠からの教育の成果」

とレレイはピシッと馬に手綱を打ち、

馬もそれに従うように全身しようとするが全く進まない。

やはり荷物を積みすぎたのだ。

1馬力では仕方ない。

原因である老人は『し、心配するでない!

儂らは魔導師じゃ!ただ人の如く行く必要はない!』と言ったが

レレイについさっき自分がレレイに魔法を止める時に言った事を

そのままそっくり言い返され、

固まってしまったが暫くすると情けなさそうな表情で

『すまんかった』と謝罪した。

「いい。お師匠がそういう人だとわかってる」

それをレレイは実も蓋もない言葉で返したのだった。

結局魔法を使って重量を軽減して馬車は移動した。

魔法とは便利なものだ。

ちなみに地球のマクロス移民船団のデストロイドモンスター

も重力軽減装置のおかげで歩けるらしいので

重力制御は案外簡単なのかもしれない。

ラ・ギアスの魔装機もなんか不思議精霊メカニックで

動いているらしいので考えても無駄だろう。

同じ様に荷物を荷馬車に積む村の人々を通り過ぎ、

村の出口へ向かう道へ向かうが道は多くの

荷馬車が列をなして塞ぎ、一向に進む気配がなかった。

老人が前の荷馬車に乗る青年に何事かと声をかけると

青年は焦った様に頭をかきながらこの先で荷を積みすぎて

車軸を折った荷馬車が通路を塞ぎ他の道も既に塞がってしまったと説明した。

 

その横で聞いた事のない異国の言葉をレレイは聞いた。後ろから数人の男・・・・

女性もいたが彼らは鎧も付けずベージュ色の服を着ており

同じ配色をした兜を身につけた者達が荷馬車の脇をなにか言いながら通っていく。兜をしているなら軍人だろう。

しかし、あの様な服装をした軍隊をレレイは見た事も聞いた事もない。

彼らに興味を持ったレレイは老人に様子を見てくると伝えると馬車を降りて彼らの後へついて行った。

レレイが彼らを追って列の前方に行くと確かに車軸が折れて横転した荷馬車が通路を塞いでいた。そして横転の際に投げ出されたその馬車の所有者と妻と子供が道端でぐったりとしていた。直様レレイはそちらへ向かう。

途中軍人達と同じ服を着た人が何か言っていたが手振りで下がる様言ったのにだろう。しかしそれどころでは無いので構わず先へ進んだ。

まず夫とその妻を確認する。その次に子供を診ると、

頭を強く打ったためか顔や手足は血の気が無く、

鼻からも血を流している。その上大量の汗を掻いて

身体はドンドン冷えていっている。

 

(この子の状態が一番危険)

 

「レレイ!何があった!カトー先生は?」

「村長。事故、子供が危険。母親と父親は大丈夫と思われる。お師匠は後ろの馬車で待っている。私は様子を見にきた」

先程のベージュ色の服を着た軍人達に連れられた村長が

レレイに気付いたのか声を掛けた。

レレイは状況を簡潔に説明しているとその横から長身の、

軍人達と同じ服を着た女性が子供の様子を診て村長の隣にいる三十代ほどの男に報告すると報告を受けた男は全体で何か指示をだした。

「レレイ!」

突然の悲鳴が上がり村長がレレイの名を叫んだ。

「危ない!」

同時に巨大な金属の手が飛び出てきて、

それに驚いたレレイは振り返ると身動きが取れず暴れていた馬が

一つ目の緑色の巨人に掴まれて持ち上げられていた。

もう少し遅かったら、レレイは自分の十人分はある馬体に押し潰されていただろう。

慌ててレレイに駆け寄って無事を確認する村長に目はいかず、

レレイは軍人達を見た。

そしてわかった事は彼らが馬から自分を助ける為に

巨人に何かをさせたということだった。

彼らはこんなに強そうな巨人すら味方にしているというのか・・・

「中尉、何やってるんですか。交通整理くらいしっかりやってくださいよ。」

レレイは異国の言葉はわからなかったがこんなごつい巨人が

女性の声で話したのには心底驚いた。

ザク改を操縦する栗林からきつい叱責の言葉が飛ぶ。

混乱を広げないためにもザク改を村人の面前に出すことはなるべく

避けたかったがこんな交通渋滞が発生していてはやむをえないと

ギャロップで待機していた栗林が出張ってきたのだ。

村人たちは突然現れたジオニック製の巨人に怯えているが

伊丹が拙い言葉ながら危険はないということを村長に伝えたため

村長は皆にあれは異国の軍隊に参加している巨人の兵士だから

恐れることはないと落ち着くよう指示している。

しかし突然巨大な城とまではいかなくともお屋敷のような乗り物から18mの巨人が

出てきたら誰でもびっくりするだろう。

この世界には巨人の兵士も確かにいるがザクほど大きくもないし総じて知能が低く

オーガーなどは人食い鬼の異名どおり人々から恐れられている。

伊丹はそのことも考慮して栗林にザクに村人から離れているように指示した。

・・・

「どうクロちゃん。エルフの女の子の様子は?」

ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉エンジンの音がかすかに聞こえるなか、ギャロップの医務室の椅子に座った伊丹は救助したエルフの少女を診ていた黒川に声を掛ける。黒川は少女のバイタルが安定し、意識も回復しつつあると答えた。

遺伝子確認の結果エルフと人間のDNA構造は99.98%まで

同一だと確認されたがアナハイム製の医薬品・ナノマシンがはたして副作用なしに効くのかわからなかったため投薬ができなかったがこの分なら心配はなさそうだと。

それを聞いた伊丹は安心したのか表情が緩むが直ぐにその表情は曇った。

あの後、こんな遅々とした車列では龍に捕捉されることは確実と考えた伊丹は

ギャロップの格納庫を避難民に開放し村人を一気に輸送することにした。

それでもトラブルの種は尽きない

慣れ親しんだ村を捨てMS3機を収納できるとはいえ荷物と村人で文字通りすし詰めの格納庫。

ストレスから取っ組み合いの喧嘩や口論など次から次へと沸き起こる問題の数々。

逃避行とはここまで厄介なものかと伊丹は深く溜息をついた。

ブライト艦長のホワイトベースの伝記を士官学校で叩き込まれたとはいえ

まさか自分が同じような状況に陥るとは思ってもいなかったのだ。

ギャロップの積載量は確かに多いがこの数の村民全ての荷物を積み込むにはザクを一機とはいえMSを積んでいるため容量が足りなかった。

せめて接続式のホバーカーゴがあれば村人や周辺の住人の荷物を一機に運べ容積にも余裕がでたのだが・・・

いや、と伊丹は頭を振って考えを正す。

これまでに落伍者も大きな負傷者もなくやってこれたのはひとえにこのサイド3製の駿馬のお陰だ。

これで旧式のトラックやジープ、もしくはホバートラックだけだったらどうなっていたことか・・・・

伊丹はぞっとする

(傷病者も落伍者も続出、おまけに雨まで降ってきたこの天気だ。

ぬかるみでますます車列は進まなかったろうな・・・・)

一年戦争後は物資輸送のため主砲をとりはずされて大型輸送車として

使われ。

民間向けに再生産さえされていただけのことはある。

αナンバーズの飛ばされた一万二千年先の未来でもギャロップはアメリアで使われていたくらい使い勝手がいい。

こんなことがあった。

ある家族の荷馬車が荷物の重さに耐え切れず、

車軸を折ってしまったことがあった。

青い顔をする男性は伊丹が連れてきた村長に説得され

持てる荷物だけもって他の荷を捨てる事になった。

しかし男性は荷物の前から動こうとしなかった。

止むを得ず伊丹はザクに荷物をギャロップの即席の

元主砲設置場所に増設した荷物置き場に置かせた。

すると他の家族も我も我もとどっさり荷物を置いてくれるよう頼み始めたのでギャロップは中も外も荷物と人で立錐の余地もなくなってしまった。

連邦軍もバッフ・クランとのように偶発的な衝突や無計画な戦線拡大などを防ぐため

車両やミデアの増援を要請する事もできず、

伊丹は自分のお人好し加減に呆れてしまった。

そしてやっと荷物を積み込み終わって逃避行開始から一時間ほど経ち、太陽が真上に昇りかけた時だった。

「にしてももうちょい速く走れないんすかねぇ。こんなに遅く走ってちゃ空軍がいたらいい的っすよ。」

ギャロップを低速で運転する倉田がボヤいた。

低速といっても30kmはでているが200kmは楽にでるギャロップからすれば

鈍足もいいところだ。

荷物が崩れてけが人が出ることを恐れてこの速度にせざるを得なかったのだが・・・・

そして後ろを振り返るとブリッジには子供の姿があった。

子供は最初こそギャロップの巨体(といっても地球では既に小型陸戦艇だが。)に怯えていたがすぐに慣れてあちこちに入り込む

外では大人たちが心配するのもよそにデッキでかけっこをすると

ブライト艦長なら「全く、ホワイトベース時代を思い出すな。」

とコメントするかもしれない。

かの伝説の艦長も最初の任務は避難民を乗せての逃避行だったし・・・

他にも怪我をした人や妊婦、老人など

総じて体力のない人達がギャロップの個室に収容されていた。

これでは戦闘行動になったら皆パニックを起こしてしまうのでは?

「そういうな。村人置いてけぼりにするつもりか?

これでもこの世界では早い速度なんだ、のんびりいこうよ。」

「そりゃわかってんすけど・・・・あれ?中尉、前方に妙にカラスが飛び交っているんすが?」

 

倉田が話すのと同じタイミングで気付いた伊丹も双眼鏡で確認していた。そしてカラスが集まっていくところを見るとそこにいたのは・・・・・・1

「ゴスロリ少女とオーラバトラー!?」

「え!?」

道の真ん中で座っているゴスロリを着た少女とその後ろ隣に立っている青い甲虫のようなオーラバトラー・・・・

間違いない!バイストンウェルのダンバインだ!

ゴスロリ少女はギャロップに驚いてささっとダンバインの後ろに隠れてしまうが・・・

「うぉぉっ!ダンバイン!本物!?」

隣で自分の双眼鏡でそれを見ていた倉田が呻いた。

2年前のバルマー戦役の頃に地上に現れたオーラバトラーは

SRX計画にも関わっていた天才ショット・ウェポン博士が設計し

地上の濃いオーラ力もあって核融合エンジンの

モビルスーツやパーソナルトルーパーとも互角以上に渡り合ったのだ。

しかし伊丹は様子を見る様に伝える。

もしもあれがドレイク軍のように敵だったら果たして勝てるのか?

伊丹の背中に冷や汗が流れる・・・

ダンバインを始めとするオーラバトラーの特徴は高い3次元機動力

サイズに似合わない強力な白兵装備

そしていざとなったら自爆同然でもオーラ力を暴走させて行う巨大化。

会話は通じるのか?敵対関係にある勢力だったら?

と伊丹が思った時、ダンバインのハッチが開き

パイロットが少女に何か伝えると

少女は土を払いながら立ち上がり、

コックピットに滑り込むように乗り込む。

そしてパイロットが此方へ白旗を掲げて機体を飛ばしてきて

そして伊丹の座るブリッジの窓の前に来る。

オーラバトラーということで伊丹は一瞬萎縮したが

それを表情に出さずにいた。

機銃座からも緊張が伝わって来る。

ホバートラックも機銃を構える。

アルヌスでは数多くのワイバーンを屠った機銃もオーラバトラー相手ではわからない。

ザクも発進準備を整えてはいるが避難民を

踏み潰さずにでるのは難しそうだという。

伊丹も知っているが白旗が違う文化圏の特地で

『敵意無し』を意味するとは限らないのだ。

事実、バッフ・クランの間では白旗は『お前たちを殲滅する!』

という徹底抗戦を意味する地球とは逆の意味の旗でもあるのだ。

『すみません。あなた方は地球人ですか?』

ダンバインから聞こえたのは特地の言語だった。

しかしまだ完璧に特地の言葉が解っていない伊丹達はそれが何を言っているか判らなかった。

するとダンバインのパイロットは苦笑してヘルメットを脱ぎ

「あなた方は地球連邦軍ですね?

こちらはショウ。ショウ・ザマ、元地球連邦軍ロンド・ベル隊所属。

バイストンウェルの聖戦士ショウ・ザマです。」

 




結論
やっぱギャロップは1万年後でも現役だけあるわ
なお、レプリカの模様
デザイン的にはダンバインの方が
ファンタジーロボットっぽくてビルバインより好き

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