第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり   作:溶けない氷

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主要登場人物
バナージ・リンクス
シン・アスカ
伊佐未勇
宇都宮比瑪
今回は3次Z時獄の映画『ソレスタルビーイング』イベントから着想を得ました。
ところでαナンバーズの戦いが映画として公開されたら
映画『ソレスタルビーイング』が控えめな描写にしか思えなくなってきますね。


銀座事件 その1

銀河中心部へと地球連邦軍αナンバーズ旗艦エルトリウムおよびツインエクセリオン・スーパーエクセリオン等の銀河中心部殴り込み艦隊が出撃してから地球時間で1ヶ月が経過しようとしていた。

東京・銀座にある破嵐映画館では今、『バルマー戦役 ロンド・ベル隊ドキュメンタリー』が上映されていた。

 

『本作品はノンフィクションドキュメンタリー映画であり。一切のCG・特撮を使用しておりません。』

宇宙へと進む全長8kmの旧型戦艦エクセリオン。今では後続艦が数千隻建造されたが2年前の当時は一隻しかない虎の子だった。

2年であれよりでかいものを数千隻用意できる地球の国力が既におかしいのだが。

雷王星付近へと襲来した数億の宇宙怪獣を一網打尽にすべく縮退炉を暴走させる計画だった。

その後はイージス計画へと続くのだがそれはまた別のお話。

「ノリコ!2時の方向に宇宙怪獣!数五千!」

ノリコ・カズミペアのガンバスターに警告するのはクスハ・ブリットペアの龍虎王だ。

サイズこそ50m級と特機としては普通だが古代人の作り出した地球の守護者に恥じぬ強力な性能を誇り、ここに来るまでの30億キロで既に宇宙怪獣を50万は粉砕している。

 

だが逆を言えばこれほどの超機人をもってしても、たかが50万程度しか倒せていないのだ。

 

「わかったわ!ホォォォミングゥゥ・レェェザァァー!」

やはり広域破壊に向いているという点ではガンバスターに勝る機体はあるまい。

指先からホーミング機能を持ったレーザーが発射され一瞬にしておよそ五千の宇宙怪獣が蒸発する。

 

「私達の未来、ガンバスターで作ってみせる!」

「そうよ!だから邪魔しないで!バスタァァァー・ビィィィーム!」

 

バスタービームの一撃で射程内5000万キロにいた宇宙怪獣約500万が大小合わせてまとめて蒸発する。

 

だがやはり数の差は如何ともしがたい。

 

いくらガンバスターが突出した力を持っていようともたかが1億程度を失った程度では宇宙怪獣にとっては髪が2・3本抜けた程度にしか感じまい。

 

巨大なブラックホール爆弾になるべく前進するエクセリオンに宇宙怪獣が全周天から殺到する。

 

ほんの100万単位ほどだろう、少数に分かれて多方向からエクセリオンを沈めようというのだ。

 

だが連中は知るまい、エクセリオンの守りに着くのはガンバスターのみにあらず。

 

「来やがったな!化け物ども!喰らえ!ファイヤーブラスター!」

28mと小柄ながらその存在感はガンバスターに劣るものではない。

宇宙(そら)にそびえる鉄の城、マジンカイザーの一撃の前に殺到する宇宙怪獣の一派がまとめて消し飛ぶ。

だが宇宙怪獣もさるもの全長2kmほどの小型高速級が味方を盾にして亜高速でつっこもうとする。

危うし、カイザー。宇宙怪獣の攻撃をまともに喰らえば機体が損傷するかもしれない。

 

だがロンド・ベル隊のチームワークはその程度では揺るがない。

 

「させるか!ゲッタァァァー!ビィィィム!」

 

横から現れて高速級を寸断したのはゲッター線の申し子、真ゲッター。

無限力を体現した存在に対して反応するのか直径80kmほどの合体級が上下から押しつぶさんと亜光速で迫る。

 

「オープン・ゲット!」

 

だがそんなのろい攻撃を喰らう程ゲッターチームは甘くない。

すかさず3機に分離して攻撃を逃れる。

 

「リョウ!こいつが敵さんの指揮艦クラスらしいな。」

 

「パワー勝負なら任せろ!オープンゲット!大・雪・山おろし!」

 

真ゲッター3へとチェンジ!した真ゲッターがその信じがたいパワーで火星のオリュンポス山の10倍はあろうかという巨体を振り回し、周辺の宇宙怪獣にぶつけ万単位で殲滅する。

 

「次はこっちだ!オープンゲット!光速を超えた戦いを見せてやる!」

お次はスピード自慢の真ゲッター2だ。大気圏内では精々マッハ5程度でしか環境に配慮して出せないがその気になれば亜光速程度は出せる。

 

思ったのだが、光速を超えるのは物理的に不可能なのでは…がゲッターなら問題ないだろう。

 

「プラズマドリル・ハリケーン!」

ドリルから放たれる凄まじいプラズマの嵐で光子魚雷にも耐える宇宙怪獣の外殻がチーズのようにスライスされる。ついでに周辺の小型の巡洋艦級も2、3万がまとめて掃除される。

 

「とどめはこいつだ!オープンゲット!ゲッターの恐ろしさを味わえ、宇宙怪獣ども!ストナァァ!シャインスパァァァク!」

ゲッター線を極限まで圧縮して放つ光弾はもはや小型のゲッター線太陽といってもいい。

宇宙を圧して進む緑の太陽に飲み込まれ数百万の宇宙怪獣が一瞬で消滅する。

 

だが敵は宇宙怪獣。その物量は無尽蔵なのだ。

数百の揚陸級がエクセリオンを叩き潰さんと体当たりするのを防いだのはレイ・シンジ・アスカのエヴァンゲリオン3機のATフィールドだ。

「2号機!フィールド最大!」

 

「とっくにやってるわよ!」

 

「この!怪獣め!」

 

零号・弐号機がATフィールドで宇宙怪獣を防ぐ中初号機は空間戦闘仕様の陽電子砲を構える。

地球上で仕様するにはあまりにも強力なまでにチューンされたその兵器は一撃で数百の揚陸級を打ち倒す。

 

その他にもこの空間ではアムロ大尉のνガンダムがフィンファンネルで一撃で弾丸代わりの兵隊級を迎撃し、クワトロ大尉(今ではシャア総帥)が百式のハイメガバズーカランチャーを艦の動力炉に直結し機関銃のごとく連射して敵を近づけさせなかった。

 

そして目標地点にエクセリオンが到達するとキングス弁が抜かれ、艦は重力の井戸の底に沈んでいく。

 

「さよなら…エクセリオン…」

 

特異点に沈んでいくエクセリオンを見ながらそう寂しそうにつぶやくノリコ。

 

ここで映画は終わり、スタッフロールが流れ

 

『本映画の収益は全てαナンバーズの運営に寄付されます。』

 

で終わった。

 

「いやぁ!凄かったよな!この映画!な!バナージもそう思うだろ!」

 

「あ、ああ。そうだな。正直凄すぎて何がなんやら…」

 

「いやぁ何と言ってもガンダムだよ!アムロ大尉のνガンダムとか無双しすぎでしょ。

俺もアナ高卒業したら絶対アナハイム本社でガンダム設計者になるぜ!

バナージも一緒に頑張ろうな!」

 

「あ、ああ。ミコットは?」

 

「う〜ん、私はやっぱり日本で就職かしら。今なら宇宙人や地底人も攻めてこなさそうだし

やっぱり特機関連で潤沢だし。何よりゲッター線に興味あるしね。」

 

「何言ってんだよ!一番すげぇのはクスハ姉ちゃんの龍虎王に決まってんだろ!」

 

そういってタクヤに反論するのはオーブからの留学生のシン・アスカだ。

 

「お兄ちゃん、なにかあると何時もクスハお姉ちゃんのことばっかだよね。

ラーカイラムの中でもお姉ちゃんの前でだけはいい子にしてたし。」

 

「な!そ、そんなこと!命の恩人なんだから礼儀正しくするのは当然だろ!」

 

「ふ〜ん、どうだか?オーブでコックピットに一緒に座らせてもらってからいつもお姉ちゃんの後ろばっか追いかけてたくせに。」

 

映画館から出てきた兄弟は戦火のオーブからαナンバーズによって救助されたらしい。

 

 

「ねぇ、勇。この次次回作の映画には私達も出るのよね。」

「らしいな。一応破嵐映画の人からは連絡が来たが…正直記録映像があんなとんでもないことになってるとは思わなかった。」

「そうねぇ…でもよく考えたら私達も相当無茶してたわよ。」

「津波やアクシズを押し返したりしてたからなぁ。」

「まぁこれでひまわりの家にも余裕ができたから文句はないけど…」

「ああいう、とんでもな人たちと一緒だと思われるてたのか…」

 

勇と比瑪は正直微妙な気持ちになった。

αナンバーズ=ほぼサイヤ人というのが最近の地球圏の人たちの認識らしい。

 

「それで俺たちはもうちょっと東京見物してから寮の方に戻るけど、バナージ

とシンとマユちゃんはどうする?」

 

と言っていたその時、遠くの方で爆発音が響く

『ウォォォォ!』

見れば古風な鎧をつけた人間らしき生き物や二本足の生き物が人々を襲っていた。

 

「あれは!タクヤ!マユとみんなを連れて逃げろ!また宇宙人が攻めてきたんだ!」

 

「お兄ちゃんも早く!逃げないと!」

 

「俺はあいつらをこいつで食い止める!クスハ姉ちゃん達がいない間、地球は俺たちが守らないと!」

 

そういって工事現場においてある旧ザクに走っていくシン。

 

「シン!無茶だ!そんな旧型じゃ宇宙人にはかないっこない!」

バナージが叫ぶがシンはあっという間に乗り込み炉に火を入れる。

 

「MSの操縦ならアムロさんやカミーユさんに教えてもらったんだ!

実習のプチモビと同じ、いけるぞ!」

 

一方で爆発を目にした勇と比瑪も行動に移っていた。

 

「君たち!早くここから逃げて!あいつらは私達が食い止めるわ!

来て!ブレン!」

 

「地球を渡してたまるかよ!来い!ブレーン!」

勇と比瑪がそれぞれのブレンパワードを呼ぶ、後に銀座事件と呼ばれる異世界人による東京襲撃の始まりであった。


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