第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり   作:溶けない氷

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つまり日本から銀河終焉の序曲が始まったってことですね。
なお、このSSではクスハルートを考えています。
っていうかシリーズ通じて主人公ってクスハちゃん優遇されすぎぃ!



サイバスターでお茶会へ

ギャロップのブリッジにて

伊丹中尉奪還作戦を話し合った一同は

「隊長、今頃死んでるんじゃない?あんだけ酷い目に遭ってたし。

それともオタク的にはああいうキャラに苛められて本望?」

「まぁ、隊長なら大丈夫だろう」

「そうだな。あのベルばら軍団は隊長の趣味じゃない」

笑って茶化した倉田を富田はチョップで黙らせる。

「あれでも隊長、一年戦争生き残ってるしエコーズ出身だからな」

栗林があんぐりと口を開けて聞く

「え、誰が?」

「だから伊丹中尉」

「いや嘘でしょ富田ちゃん?」

エコーズ Earth, COlony, ASteroid その意味は地球、コロニー、惑星、活動場所を選ばず任務を遂行する地球連邦軍の特殊部隊だ。

ここ2年でも地底勢力・宇宙人・ジオン・ネオジオン・ザフトなどといった正面切っては敵わない相手でも敵地に少数で侵入し中枢を破壊するといったやり方で多大な戦果を挙げている精鋭ぞろい・・・・

一方では要人の暗殺やBlack opsといった非合法な作戦も行っているという噂も立つ。それゆえにMan hunterという名も付いているのだが・・・

レレイも英語が少しわかるためどういうことか聴きたがっていたので富田が説明している。

栗林は顔を手で覆って『うそでしょ〜ありえな〜いと』悶えている。

「大体、MSに乗れないエコーズ出ってのがありえないでしょ!」

どうもエコーズといったら屈強なダグザ中佐のような面々しかいないと思っていたらしい。

レレイがどういうことか説明されると、レレイはクスッと微かにだが笑った。スライム並の精神力で何時もすぐにブリッジ勤務をさぼって席では薄い本を読んで菓子を頬張る伊丹が精強な戦士と言われても普段見ている姿のギャップもあってか思わず笑ってしまう。

まだあの3騎士や栗林が精強という方が

レレイが翻訳してテュカやロゥリィに説明すると二人も思わず吹き出しケラケラと笑い転げていた。

ショウもキンケドゥもウッソも意外といった顔をしている。

「あの、のほほんとしてた人がねぇ・・・」

「じゃ、あの人も10傑集やエキスパートみたいに本気になったら凄いんですかね?」

「人は見かけによらないってことだな。」

超人3人の間でも伊丹はとにかく凄いらしいという結論に達する。

この世界で凄いとはどれくらい凄いのか?

一人でゼントラーディ一個艦隊を壊滅させるプロトデビルン並みなのか?

アカシックレコードにアクセスできる文字通り神のサイコドライバー並みなのか?無限に進化し続け、全宇宙の知的生命体の天敵と成り果てるゲッター線の申し子並みなのか?

・・・・・よく考えたら伊丹が問題にならないほどの超人が3人もいるのだが・・・

作戦としては単純でギャロップ偵察隊の面々が潜入、その間ショウ達はイタリカの街の近くの森で待機というものだった。

ティカやレレイ、ロウリィが先行し街の様子を見てくるという話だったが・・

と一方その頃アルビオンでは・・・

強襲揚陸艦アルビオン

全長305m 総排水量48900t この世界では水上艦すら古代ローマ時代とさして変わらないガレー船揃いであることを考えればもはや巨大という言葉すら生易しい。

戦艦大和ですら全長263mである、しかも浮いているのだから目立つという問題ではない。

オペレーターのジャクリーヌ・シモン アルビオンのブリッジの紅一点は「艦長、伊丹中尉の奪還ですが成功すると思いますか?」

「してもらわなければ困る。それに彼もエコーズ出身ならそう簡単にはくたばりはせんだろう

「そですね・・・艦長!接近する物体あり!6時の方向!距離50000!高度2000!3機!IFFに反応!連邦軍の機体です!こ、これは・・・」

「どうした!機種は?」

「機種はバイアラン・カスタム!通信が入っています!」

「回せ!」

バイアラン・カスタム、元ティターンズ開発の大気圏内での飛行能力に特化した機体だ。ザフトとの戦争では数に勝る同じく飛行MSディンを核融合ジェットの高機動力と強力な内蔵火器のメガ粒子砲で圧倒した稼働時間の短さを差し引いてもお釣りのくる優秀な機体だ。

音声通信回線を開くと連邦軍のパイロットの声が入る。

威圧的だと感じたのは機体が元々ティターンズの物だからだろうか?

「こちらは地球連邦軍のウィリアム・コーヘン大尉。総司令部から捕虜になった伊丹中尉の奪還作戦の援護に回るよう命令されています。」

(しまった!無線を傍受されていたのか!)

ありえない話ではない、この星では通常地球では一般的なミノフスキー粒子濃度がゼロなのだから。無線は簡単に傍受できる、ましてや友軍のものなら暗号解読の手間もないに等しい。

だがここで恐らくはブルーコスモスかプロトカルチャー教団の息がかかった物に手を出させるわけにはいかない。

「こちらはグローバル議長の命令で行動しているエイパー・シナプス大佐。協力感謝するウィリアム大尉、しかしながら中尉が捕虜になった経緯は双方の誤解からの物であり、現在平和裡に解放するよう交渉中である。

貴官らは現在の位置で待機されたい。」

「了解・・・」

(なんとか時間が稼げたな・・・だが急いでくれよ)

もしも救助が失敗すれば司令部付きのバイアランは強行突入を命ぜられているのだろう、そうなれば小さな火種は一気に全面戦争へと燃え上がりかねない。

 

一方で肝心の伊丹中尉

自分の処遇自体では地球・バーム戦争ばりの全面戦争が始まってしまうとは思いも寄らず、館の豪奢なベッドで目覚める。

痛む身体をおして状況を察しようと起きようとすると側から手がそれを止め、伊丹を再びベットへ横たわらせて掛け布団をきちんとかけなおされた。

部屋の隅からレトロな燭台が寄せられ、懐かしい感じのする天然の火の明かりが周囲の視界を明瞭にする。

すると視界に浮かび上がったのは『お目覚めになられましたか?ご主人様』と微笑む、所謂メイドさん達だった。

「へっ!?ここは?アキバにメイドホテルなんて出来たっけ!?」

 

と思わず日本語で叫んでしまう。そう、伊丹中尉はいまや絶滅危惧種言語の日本語話者なのだ。

日本語は勿論英語も知らないメイド達は言葉がわからず首をかしげるだけだ。そして『ここはトクチ星だった』と思い出した伊丹は原地の古ラテン語にも似た言葉で『ここはどこだ?』と尋ねると『フォルマル伯爵のお屋敷です』と返ってきた。

(フォルマル伯爵のお屋敷?ああ、イタリカか。そういや自分はあの騎士団のお嬢さん達にこっぴどい目に遭わされて・・・・)

「水を貰えるかい?」

「かしこまりました。他にご要望のものがございましたらなんなりと。」

そして先程水を取りに去ったメイドと入れ違うようにメガネをかけた長身のメイドが伊丹の側へ進み出て跪いて控える。しかしその容姿に伊丹は思わず眼を擦った。

『う、宇宙人!?』

何故ならそのメイドの頭に猫耳が生えていたからだ。よくよく見ればその手もフサフサで模様の付いた、正に猫の様な毛が生え、爪も鋭い。目もネコ科の動物みたいな縦線の瞳孔だ。

 

「どうかしましたかニャ?」

 

「いや、何でもない。状況、街の状態や俺の扱いについては?」

(そうだよな、違う惑星なんだからこれくらい当たり前だよな。)

そう言っていままで連邦が遭遇(戦ってきた)宇宙人の面々や地球の地底のご近所さんを思い出す。

巨人、翼が生えてる、ツノが生えてる、爬虫人間、機械生命体、巨大化する、融合合体する、分裂する、宇宙生物…

うん、猫人くらい普通だな。

勿論ファンタジー世界の常識として魔法で街を消しとばしたり、

建物をキックで粉砕したりするのが普通かもしれないがそれは考えないでおこう。

「ただいま夜半過ぎでございます。街の者は寝入り、すっかり静かになった頃合いでございます」

 

猫耳メガネのメイドの補足にと脇から老メイド長が現れて話を始めた。

その話によるとイタリカ及び領内では薔薇騎士団が盗賊対策、治安確保の為に動き始めたとの事だ。

(薔薇騎士団…なんだろう?ネオジオンやドクーガを連想する?)

無論、連想したのはネオジオンの薔薇(笑)騎士のギャグ担当のあの人やドクーガのクラシックを空気を読まずオンエアするあの人である。

 

そして伊丹は賓客として姫殿下から礼遇することを命ぜられ、その伊丹を甚振りながら連行したボーゼスとパナシュにピニャが烈火の如く怒り、特にボーゼスは額に杯をぶつけられて怪我をしてしまった。と非常に詳しく、丁寧に説明されてしまった。

するとメイド長と先程の水を取りに行ったメイドと猫耳メガネのメイドを含む四人のメイド達は腰を折って伊丹に対し深く礼をした。

 

「この者たちがイタミ様の専属です。なんなりと心やすく何事であってもご命じ下さい。モーム、アウレア、マミーナ、ペルシアでございます」

 

メイド長に名前を呼ばれた順に一人ずつ前にでた。

モームは伊丹に水を渡したヒト種でアウレアは緋色の長い髪の一本一本がそれぞれ太い蛇になっている少女、マミーナは頭に長い兎耳の女性でペルシアは伊丹の身体を起こすのを手伝ってくれた猫耳メガネのメイドだ。

「ご主人様、宜しくお願いします」

「は、はい。こちらこそ宜しく。」

とうっかり合わせて会釈してしまう。

(一つの星にこんなに沢山の種族がいるなんて。やっぱこれもプロトカルチャーの遺伝子操作の結果なのか?)

地球人がプロトカルチャーによって作られた種族である以上、他の星でもその星にあった人間の派生型も存在するはずという仮説は以前からあったがこの星はそれの証明かもしれない。

 

 ………………………

ピクンと垂れていたマミーナの片方の耳がピンと立った。

「どうしましたマミーナ?」

「階下にて何者かが窓より侵入しようとしているようです」

 

「恐らくイタミ様の手の者でしょう。案内を」

「他の者でしたら?」

「いつも通りに。」

メイド長の言葉にペルシアとマミーナの表情も雰囲気が変わり、愛らしいメイドから館の警衛へと変貌した。

「かしこまりました」

膝立ちからスッと立ち上がると二人は部屋から出て行く。その後ろ姿を見送った伊丹は『あの二人は?』とメイド長に問いかけた。

「マミーナは戦闘ウサギ

、ペルシアはキャットピープル。こちらのアウレアはメドゥーサ。モームはヒトです」

「へぇ、この星でも多種族が一緒に働くのは普通なんですか?」

「いいえ、滅多に御座いません。先代の伯爵様は大変開明的な方で帝国内の種族間の摩擦は貧困からであると考え、ヒト種以外の亜人も積極的に雇い入れておりました。まぁ、ご趣味でもありましたので......」

「へぇ、何だか部下と気が合いそうですね」

伊丹は脳裏に宇宙人マニアの部下の姿を思い浮かべて心の中で苦笑した。

伊丹はαナンバーズには文字通りの宇宙人やロボット、妖精、人造人間、果ては本物の神様もいるのであっさり受け入れた。

その割にティターンズやブルーコスモスのように同じ地球人同士でいがみ合う連中も後をたたないので帝国の事は言えない。

やはり人類はアムロ大尉が語ったように宇宙よりもその先、地球の重力を振り返る事もできない外宇宙へと旅立たなければ争う必要のない種族、真なるニュータイプへと進化できないのか。

暫くするとガチャっと部屋のドアが開き、そこから夜間迷彩を施した富田、栗林、倉田、勝本、古田、仁科、レレイ、ロゥリィ、テュカが案内されて部屋へ入ってきた。

ロゥリィの姿を見るやメイド長やメイド達は『まぁ、聖下御自ら脚をお運びいただけるとは!』と彼女の周囲に集まり、跪礼して祝福を求めるとロゥリィも柔らかい表情で静かに掌を向けると彼女から柔らかいオーラらしきものが出てそれをメイド長とメイド達がそれを浴びて喜んでいた。

 

「エムロイって確か死と断罪と戦いの神だよな。あのメイドさん達はその信徒?」

戦いの神と聞いてゲッターを連想する伊丹であった。

 

その後は連邦軍やメイドさん達との交流会となった。メイドさん達が運んできてくれたお菓子やお茶、隊員達が持っていたお菓子などを出し合い、思い思いに摘んで口に運んでいる。

無線で危険なしとされたために周辺で待機していた3人のパイロットも呼ばれてお茶に加わった。

栗林とマミーナはお互い気があうのか格闘戦とかの話で色々盛り上がっている。特にマミーナは栗林の身のこなしをベタ褒めしており栗林はそれに照れていた。

倉田はペルシアと楽しく話している。最初こそ固い挨拶をしていたが純粋な好意が伝わったのかいい雰囲気である。

ペルシアにしても欲望や恐れを含まない視線は心地いいらしい。

ロゥリィはメイド長と話している。信徒の世話をするのも神様の務めらしい。

レレイはアウレアの蛇の髪をいじくっては観察していた。

メデュサは乱獲され、絶滅危惧種となっていたためレレイさえ知識でしか知らないのだ。

ところでいつの間にこんなに言語能力が発達したのだろうか?

これが新西暦の人間の可能性なのか …

ウッソもキンケドゥもショウもチャムもバイストンウェルでも見た事のない亜人がいっぱいで驚いている。

ウッソは伊丹から帝国での亜人の扱いなどの説明を受けて

「そうですか、この世界でもやはり見た目が違う人種かな?そういう人たちが共存していくのは難しいんですね。」

だがキンケドゥは今までの経験から決して人間はそこまで愚かではないという事も子っている。

「だが火星のバーム星人と地球人との共同テラフォーミングの例もある。希望はあるさ。」

「それは、二人のニュータイプの直感ってやつですか?」

「ニュータイプっていっても超能力者じゃありませんよ…ヒトの革新だなんて皆んな大げさに騒いでるだけですから。」

その話をお茶会のすみっこの方で小さくなっているピニャ姫殿下もボーゼスも聞いていた。

ロゥリィはウッソとキンケドゥに

「貴方達って、一体何者?なんか不思議な感じがするわ。

うん、ショウやイタミとはまた違った感じね。」

「僕達は普通の人間ですよ、ただちょっと他の人たちより感がいいぐらいですから。」

レレイは一方ではウッソに伊丹との会話で出た

『ニュータイプ』という意味について知りたがっていた。魔導師のようなものなのか?と聞くと

「宇宙に出た人類が適応して得た能力…らしいですよ。

戦争なんかせずにすむ人たちの事を指すので僕達は違うんでしょうね。」

戦争なんかせずにすむ、レレイは想像がつかない。

全てを悟りきった長いひげを蓄えた大賢者の様な人たちを想像する。

ところでニュータイプの能力でちょっとならオールドタイプの立場はどうなるんだ。

伊丹は一方でキンケドゥとMS論壇に花を咲かせていた

「あ〜!F91!やっぱサナリィ系は洗練されてていいよねぇ!こっちにも量産型F91とかガンブラスターとか回って来ないかなぁ!」

そう言っていると栗林が

「何いってるんですか隊長!MSはジオニックに限りますよ!まぁアナハイムに吸収されちゃったけど。動かしてみれば操縦の素直さと実弾装備で性能を限界まで叩き出す楽しさがわかりますって!」

どうやら栗林はジオニック党ザク派らしい。

一方ではティカは

「えっと、でも私はあの『えふきゅうじゅういち』ってかっこいいと思うよ。すらっとしててお父さんぽいし。」

ティカはサナリィ派F91党に染まりつつあるらしい。

武器的には勇者党ライディーン派にもなりうると思うのだが・・・

そうこう言っていると突然屋敷の外が騒がしくなり轟音が聞こえて来る。

連邦軍も屋敷のメイド達も騎士団の全員も駆けつけてみるとそこにはイージス計画以来の懐かしい顔、風の魔装機神サイバスターが街のど真ん中に迷惑も考えず駐車していた。

ショウが叫ぶ

「サイバスター!?マサキなのか!?」

するとコクピットハッチを開いてマサキが顔を出す。

「お、やっぱりショウじゃねぇか!それにウッソもシーブックも!いやぁやっぱ俺の勘は当たるもんだな!。」

「何言ってるにゃ、連邦軍のIFFをオートトレースする装置をセリアにつけてもらってなけりゃ逆方向に向かってたところニャ。」

「でもまぁあの3人がいるにゃら、離れず一緒に行動するにゃ。少なくとも一人で行動するという大惨事は避けられるにゃ。」

かくしてマサキもお茶会に参加することになった。

特地3人娘も遠巻きにサイバスターとマサキを眺めていたが、その目は驚愕で見開かれている。

ティカは「あれ....信じられない。風の精霊王様...」

レレイは「ありえない。人間が精霊の使いだなんて、そんなこと古の大魔導師でも。」

ロウリィは「全く異世界の戦士達。どれだけ常識をひっくり返してくれるのかしらぁ。私よりも明らかに格上の精霊が人間に付き従うなんてホントふざけてるわね。」

一方ではすっかり忘れ去られたピニャ姫殿下は

「はは…また増えた…」

どんどん増える強大な帝国の敵に胃がキリキリと痛んだ。

だが、これで強大なら『ガンバスター』や万単位で量産された『シズラー』、

『真ゲッター』や『マジンカイザー』を相手にしたらどうなるんだろうか?

ちなみに帝国が攻め込んだ日本は文字通り神のごとき(まぁゲッター線やビムラーみたいな意思あるエネルギーは神様みたいなもんだし。)特機やそれを相手にする地底人や宇宙人が毎日の様に襲来する魔境なのだが…




皆さん何派ですか?ちなみに私は光子力党マジンガーZ派です。

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