第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり 作:溶けない氷
講和か、今までどれだけの地球外勢力や地底勢力と和解しようとしてどれだけ失敗したんだろうか。
いや、同じ人間、話すことができるなら和解など遥かに容易なはず
そう言っても地球人同士での戦争が結局は頻発しているのが地球だ。
「艦長、街の郊外に着陸しました」
「後は彼らが上手くやってくれることを祈ろう。」
フォルマル邸
謁見の間
「こういうのなんかザンスカールっぽくって嫌ですね。」
ウッソが感想を漏らす。
ショウは
「いや、爵位とか権威をつけるにはこういうのも必要なんだよ。」
ピニャ姫殿下もミュイ伯爵令嬢も緊張で嫌な汗が止まらなかった。
空飛ぶ巨人や青い騎士から人間が出てきたのには驚いたが3人とも若く
1人は鉄飛竜を次々と落とした猛者なのに明らかにピニャより小さい少年だ。
ミュイ伯爵令嬢より少し大きいだけでは?
魔導師だというのだろうか?
頭がグルグルしてきたが、なんとか条約を少しでも有利に締結しなくてはと必死になって頭を働かせる。
領土の何割かとか名家の子女を人質に出すとか治外法権とか
向こうの要求が過酷な事を覚悟すらしていたが
伊丹中尉の要求は通商条約の締結と交通の自由というあっさりした穏当なものだったのでホッとしていた。
実際には交渉はハミルトンに任せきりだったし公式な使節でもないのでウッソの懸念は当たってはいたのだが。
兎にも角にも村人の鱗と牙は売れたし 通商協定のおかげで税もかからなかった。
レレイも気持ち嬉しそうだ。
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「そうか、ひとまず停戦はなったか。」
「はい、それとひとまずV2とF91、ダンバインはアルヌス基地で一度きちんと見てもらおうと思います。何分大気圏内で動かすのも久しぶりですし、オーラコンバーターも本格的に調整しないと」「わかった、では伊丹中尉。V2、F91、ダンバインはアルビオンと共に一足先にアルヌス基地に帰還し、メンテナンスを受ける。アルビオンにしても次元航行は初めてだった為、不具合が無いか早急に確かめようと思うのだが、そちらの戦力は足りるかね?」
「はい。停戦はなりましたし、ギャロップの足なら逃げに徹すれば問題ありません。」
だが大佐も中尉もこれが破綻フラグだとは夢にも思わなかった。
ギャロップが基地に帰投する途上でピニャ姫殿下の薔薇騎士団と遭遇。
無視して進むは無礼が過ぎると思い、富田軍曹が下車してアルヌスの丘へとイタリカから帰ることを伝えるとここでもやはり功に焦る女性騎士が説得しようとした、伊丹中尉に剣を向けるも伊丹中尉の指示で交戦することなく離脱したという。
この事を無線で報告されたシナプス艦長はこめかみを抑えながらパイロットを招集し偵察隊と対策を講ずることにした。
「まずいことになったな。」
ウッソはため息をつきながら
「まぁ、いつものことですけどね。」
キンケドゥは
「だが連邦の指揮官が騙し討ちにあって殺されたという風に連邦が捉えたら。」
「うむ、軍内部のブルーコスモス中心のエクソダス強行派はこれを機に勢力を増すだろうな。
そうなれば後は地球人とバッフ・クランの様に互いに殲滅戦を仕掛け合うという最悪の事態に発展しかねん。ゆえにこの件は本部が知る前に急ぎ我々の手で穏便に解決するしかない。
偵察隊のギャロップの今の指揮官はクワバラ曹長だったな。
彼に連絡をとり急ぎ伊丹中尉の返還ないし奪還を計画しよう。」
ショウは不安になりながらも
「もしも彼が既に殺害されていた場合は?」
「…考えたくは無いが本部が実行犯の引き渡しと賠償程度で引き下がることを祈ろう。
だがブルーコスモスやプロトカルチャー教団が彼を殉教者に仕立て上げる可能性も考えておこう…」そう言ってアルビオンを回頭させ再びイタリカに向かわせる。
だが事態は既に流れ始めていた
?????「無線を傍受していたがこれは良い具合に事が運びそうだ。
これもプロトカルチャーのお導きか。是非とも彼には殉教してもらおうか。」
果たしてこの謎の人物は何を成そうというのか…
両者に和解の余地はあるのか。
一方では
「マサキ〜いい加減地図の概念を覚えるにゃ。」
「地上に出るつもりで、勢い余って次元を越えて異星に出るなんてマサキの方向音痴っぷりは最早超時空級にゃ。」
「るせぇよ!それより連邦軍のIFF反応はこっちなんだろうな?」
「それは大丈夫にゃ、信号を自動追跡してるからすぐに視界に入るはずにゃ。」
「どうだかにゃ〜この前なんてゼロシステムで探されてようやくだったにょに。」
「ぷぷっ 『ゼロ、俺にマサキの行方を示せ』にゃんてヒイロのゼロシステムの無駄すぎる使い方でようやく発見されたにゃんて。」
「今回もまた迷うことほぼ確定かにゃ?」
召喚された魔装機神は盛大に迷っていた。
短いですね。
尚ゼロシステムは迷子探知機じゃありません。