第三次スーパーロボット大戦α外伝 危機なる地球から アースゲート戦記 地球連邦地上軍極東部隊 彼の地にて斯く戦えり   作:溶けない氷

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ゲート戦記の年が西暦じゃなくて新西暦
しかも銀河頂上決戦の真っ最中だったら?
結論
つまり地球は恐ろしい場所


 第三偵察隊、ドラゴンは強獣に含まれますよねの巻

『二重橋の英雄』こと伊丹耀司もこの特地の調査するために門の中へと来ていた。彼は

多くの一般市民を皇居へと誘導しその後現場指揮をとって作戦を立案、駆け付けた練馬・習志野のMS部隊を指揮し反撃を成功させ、銀座事件を終わらせた立役者でもあった。

 

そんな彼は特地へと向かい数回の襲撃を迎撃した後、上司からの命令により第三偵察隊の指揮に任命され、現在は交流を交わしたコダ村の村長に教えられた森へと向かう為、隊のメンバーと共に1年戦争時のギャロップ陸戦艇とホバートラックに乗って移動していた。

ジオン軍が地上に遺棄したものを利用するあたり連邦も打ち続く対異星人戦争・地底勢力あとおまけでザフトとかで疲弊しているのだろう。

最もネェル・アーガマはおろかサラミスでも小さいアースゲートを通るのは無理だという理由もあるが。

 

「ん~、空が蒼いねぇ。さっすが異世界」

 

伊丹はギャロップのブリッジの窓から頭と右手を出して空を眺めて感嘆していた。10年前のコロニー落としや環境破壊の進んだ故郷と比べれば特地の環境は銀河でもなかなか見つからない特A級惑星並。

 

「こんなの北海道にもあるっすよ。俺はもっと写真で見たバイストンウェルやラ・ギアスっぽいのを想像してたのにこれまで行った村は人しかいないし中世ヨーロッパとそっくりだし・・・・」

 

そんな伊丹の言葉にギャロップをを操縦している後輩の倉田がブツブツと不満を漏らす。彼は異世界だという事で幻想的バイストンウェルのような世界である事を期待していただけに少々期待はずれと思っていたのだ。

曲線の美しいオーラバトラーもプラーナで動く美しい魔装機神もないなんて

異世界っぽくない。

これじゃただの中世ヨーロッパ風の観光コロニーと変わらないと文句を言っている。

そんな倉田にブリッジで前方を観察していて副長席に乗っていた桑原曹長が道のりを指示し、伊丹に意見を述べた。

 

「伊丹中尉、意見具申します。この先へ暫く行けばコダ村の村長の言っていた森です。今日はその前で一旦野営しましょう」

 

「うん。賛成」

 

「あれ?一気に森を突っ切らないんすか?」

 

「今森を抜けたら夜になっちゃうでしょ。何がいるのかわかんないっしょ?それに村があるならそこの人達を威圧してどーすんの。俺たちは地上軍よ、ティターンズじゃないんだから。」

 

倉田の質問に伊丹は最もな答えを述べた。確かに夜間の森は野生動物が活発に動き始める。

それでさえ危険であるのに特地なら尚更だ。

確認されてない未知の生物が襲ってくるという可能性も決して0ではないし。

ここがαナンバーズの前身のロンド・ベル隊がかつて召喚されたバイストンウェルに近い状況ならば

確認されてはいないが強獣やハイパー化して巨大化する亜人やオーラバトラーがいても

全くおかしくはないのだ。

生物だと言っても侮ることはできない。

多分?生物?の使徒のようにコロニーレーザー以上の粒子加速砲を打ち込んできたり

ATフィールドでN2爆雷を地形が変わるまで集中投下してもへっちゃらだったり

宇宙怪獣のように光速の99.9%の速度で体当たりしてきたり

惑星破壊級の光弾を打ち込んできたり、ニュートン力学が通用しないワープ中の亜空間でも攻撃したり。

そういう生物がごまんといる地球の常識から考えればドラゴンが

ビームやミサイルを放ったり分身したり宇宙空間から攻撃してきたりテレポートしたり

合体変形したり巨大化するのを警戒するのは当然と言える。

加えて連邦軍の正規軍はコロニーに毒ガスを使用し1500万人を虐殺したティターンズや

プラントに核ミサイルを打ち込んで30万人を虐殺したブルーコスモス派のせいで

軍全般の評判が地に落ちたせいもあり人道に配慮するようになってはいる。

まぁアルヌスの丘の戦いで連合王国軍相手に

鹵獲したジュピトリアンのバグを使ったりとか無茶もまだまかり通るが。

更に森を抜けた先には村がある。

当然、ホバートラックやギャロップなんて知っている筈もない。

最悪村人に攻撃される可能性すらある。

そうした可能性も含め、今日は森を抜けず一度野営をして

日が明るい時に村の手前で車両を降りていくのが最善手であるだろう。

「伊丹中尉、目標の森を確認しました。しかし.....」

 

「ん?どうしたの?」

 

ギャロップの銃座に着いていた兵士からの連絡に伊丹は応答する。

 

「...燃えています。かなり凄い勢いです」

 

「え?うわっ本当だ。全体一旦停止、降車して様子を見よう」

 

目標だった森が凄い勢いで燃えていた。真っ赤な炎が青々とした木々に燃え移り焼き尽くしていく。

真っ黒な煙が蒼い空へ登りそこだけ黒ずんで見えた。

 

伊丹達はギャロップのブリッジから、未だ燃えている森を見ていた。

 

「うわー.......燃えてんなぁー」

 

「燃えてますね......大自然の驚異?」

伊丹と倉田が目標が燃えてる事に少し呆然とし、桑原も望遠鏡をみながら相槌をうった。伊丹は有るものに気付き、桑原から望遠鏡をもらうと改めて森を見て、それを見つけた。燃えていく森の間から見えた赤い鱗、巨大な一対の翼、爬虫類らしい顔にその口から放たれる炎、ドラゴンだ。

 

「この世界にもバイストンウェルの強獣みたいのがいるんだな。」

「あれってオーラバトラーの材料になるんですよね

じゃぁやっぱりあれも巨大化とかするんですかね?」

 

桑原と倉田も見つけたのかドラゴンに対し口々に何か言っている。伊丹もドラゴンを観察していた。

 

その後ろからMSのパイロットスーツを着込んだ一人の小柄な女性隊員が近づいていく。

 

「伊丹中尉、どうしますか?」

 

「ねぇ、あのドラゴンさぁ、意味もなく森を焼き討ちする習性でもあるのかな?」

 

「ドラゴンについての習性にご関心があるなら中尉自身が見に行かれては?」

 

「栗林ちゃあん、おいら一人じゃおっかないからさぁザク改でついてきてくれない?」

「ザク対ドラゴンなんて安っぽいB級映画みたいですね?」

「嫌です。中尉こそいい加減MSに兵種転換してご自分で見てきては?

今時、尉官なのにMSで戦わないなんて中尉くらいですよ?」

 

伊丹が身体をもじもじさせながら女性隊員……栗林志乃に頼んだが栗林はキッパリと断った。

ちなみに伊丹、自分は歩兵一本筋だとしてMSへの兵種転換を断っている。

今時MSくらいユニバーサルOSで旧ザクからガンブラスターまでニュータイプじゃなくとも子供でも動かせるのに・・・・・・・

まぁ本音はMSに乗らされて宇宙でジオン残党やザフトや宇宙人やSTMCや機界31原種みたいなのと戦わされちゃかなわないというのが本音だが。

まぁ無理もない。しかしそのせいで昇進が遅れに遅れてるが本人はあまり気にしていないらしい。

ちなみに何故今時ザク改かというと銀座に現れた帝国軍がかつて現れた

バイストンウェルのドレイク軍を連想させたため当初はシラカワ博士に追い出されたドレイクが空気も読まずまた地上進行してきたと思われたため

オーラバトラー=ビーム効きにくい

じゃぁ実弾系MSでいこう→STMC対策とかで最新機種は回せない

倉庫で埃かぶってたり訓練隊で使ってたり作業に使ってたザク改を回そう

ということになったらしい。

統合整備計画後の機体なので

『整備性ならザク改に勝るMSは今は無い!」 by バーニィ談

未来世界の情報から開発中のハイパーナノスキン・縮退炉搭載MSなら埋めといても数千年は持つかもしれないが。

特地に展開している部隊の中にはパーツの生産がとっくに終わった陸戦型GMや陸戦型ガンタンクという面々もいるのでまし?なのだろうか?

ジムコマンドすらないというのが連邦のお寒い状況を示している。

少なくとも互換性がかなりあるホビーハイザックのパーツは生産しているし。

 

「あ、そう。じゃ適当な場所に停止して様子みよっか。ドラゴンが行ったら森に入ろう」

そして暫く様子を見て、ドラゴンが去ったのを確認してから伊丹達は焼け野原になった森へと足を踏み入れた。周辺では栗林のザク改がジムマシンガンを構えて警戒にあたっている。

元は緑豊かな森はもはや真っ黒に焼け焦げた木々しか残っておらず、

高温の炎で発生した上昇気流によって発生した雨で森は大きな水溜りがそこかしこにできていた。

相当高温だったのか雨が降って時間がたっているのに未だに地面はその熱を残していた。

森を抜けた先には、村であったであろう、多くの建築物の残骸が一面に広がっていた。

焼け跡や広けた場所からは最早元の容姿すら判別できない黒ずんだ焼死体も発見された。

しかし人の形がわかるだけでもまだ良い方で中には人としての原型すら留めていないものもあった。

 

伊丹達はその惨状に何人かは吐き気を催したが、それでも生存者のいる僅かな可能性もあるため、隊を分けて捜索と状況収集を始めた。

 

そして捜索から一時間ほど経過し、伊丹は村の中央の井戸の淵に腰掛け、持っていた水筒の水を飲んだ。

 

栗林が村の状況と死亡者数などの報告する。伊丹は報告を聞きつつ持っているタオルを濡らす為にロープが括り付けられた桶を井戸へ落とした。

 

コーン、という何か硬い物が当たった音がしたので伊丹と栗林が井戸を除きこむ。井戸の中は薄暗かったがその底には金髪の少女が一人、額にタンコブを腫らしながら倒れていた。

 

急いで部隊のメンバーを呼び集め伊丹が井戸に降りて少女を救助する。少女はまだ息はあるが、その肌はまるで氷の様に冷たくなっていた。

『こういう場合はドラム缶とビームサーベルで風呂を作るといいんだ』

とは天田少尉の実体験からだがあいにくギャロップに湯船は無いし

ザクのヒートホークは形状から風呂を温めるには適していない

急いでタオルとポンチョなどで体温の回復を図り、医療技術を持つ栗林より身長の高い女性兵士の黒川が対応したし少女をギャロップの医務室に搬入、コダ村の村長にこの事を報告する為に伊丹達はコダ村へと向かうことになった。

 




ファンタジーと地球を繋げよう
結果
地球の方がよっぽどファンタジーでした

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