カッコ好いかもしれない雁夜おじさん   作:駆け出し始め

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 果たして此れは前話(なのは)へのフォローなのか、それともアンチ(止め)なのか……。





漆続・シリアスは、歩いてこない、だから歩いてゆくんだね

 

 

 

―――――― Interlude In ――――――

  Side:高町 なのは

 

 

 

 あたしが小さとき、お父さんがお仕事で怪我をした。

 お家だと治らないらしいから、病院で治す事になった。

 だけど、お父さんが病院にいるあいだはお仕事ができなくなるから、かわりにお母さんがお仕事をがんばるようになった。

 

 そしてそれからはいつもお母さんは夜おそくまでお店にいるようになった。

 お兄ちゃんとお姉ちゃんは学校が終わるとお店に行って、夜おそくなる前にお店から森に行って二人でなかよく剣の練習をしていた。

 だからあたしはいつも一人だった。

 

 朝、頭が痛くなるめざまし時計の音で起きると、きがえて一階におりる。

 顔をあらってテーブルに行くと、用意してある朝ごはんをレンジであたためて食べて、食べ終わったら台所にはこんで水につける。

 むかえのバスが来るまでの時間はテレビを見たりしてじっと待つ。

 むかえのバスが来たら家を出て、カギを閉めたあとにようち園へ行く。

 ようち園が終わって帰ってきても、だれもいないから自分でカギを開けて家に入る。

 着替えてテレビをつけてボーっとしてると、暗くなった頃に一度お母さんがご飯を作りにくるけど、ご飯だけ作るとすぐにお店の方にまた行くから、朝と同じで一人で夕ご飯を食べる。

 食べ終わってまたボーっとテレビを見てると、お兄ちゃんとお姉ちゃんが帰ってきて、すごいいきおいでご飯を食べると、すぐに二人で剣の練習にいく。

 そして誰もいないから家のいろんなところの電気をつけたままにして一人で眠る。

 

 たまにお店がお休みの日は、みんなでお父さんのところに行く。

 だけど、みんなお父さんとばっかり話してつまらないから、いつもすぐに眠っちゃう。

 だからお父さんのところに行った日は夜に目がさめて、そのままぼんやり朝を待たなきゃいけないから、お父さんのところに行くのはあんまり好きじゃなかった。

 

 本当はいっしょにいてほしいし、お話もたくさんしたかった。

 けれど、みんながいつもいつも、【良い子にしててね】、って言うから、わがままを言わないでずっとがまんし続けた。

 そしていつもいつも、【良い子にしててえらいね】、ってお母さんたちがほめてくれるから、あたしは良いことをして褒めてもらえるようにがんばった。

 

 それかららお父さんが病院からお家で怪我を治せるようになるまで、ずっと同じ毎日をくりかえした。

 そしてお父さんがお家ですごすようになると、お店を大きくしてお父さんもお母さんといっしょのお仕事をするため色々じゅんびが始まった。

 だけど、それでもあたしは今までどおり良い子でい続けた。

 そしてそれは小学校に入っても当然続けた。

 

 

 小学校に入ってしばらくすると、泣いていること笑っている子を見かけた。

 よく分からなかったけれど、笑っている子が泣いている子の大切なものをとっているのは分かった。

 そして良い子なら泣いている子の味方をしてあげなきゃいけないから、あたしは直ぐに笑っている子をたたいて怒った。

 

 笑っている子は良い子じゃなくて悪い子だから、良い子のあたしがたたいて怒ってあげて、それから笑っている子に取られていた物をとり返してあげた。

 そしたら笑っていた子も分かってくれて、それから笑っていた子(アリサちゃん)泣いていた子(すずかちゃんは)はあたしのともだちになった。

 

 

 3年生になったとき、助けをよぶ声にさそわれて歩いていると、その日、あたしは魔法を手に入れた。

 

 フェレットのユーノ君が、このままじゃ大変なことになるから、あたしに助けてって言うから、あたしは良い子だしみんなをたすけてあげるためにもユーノ君を助けてあげることにした。

 最初は上手にに使えなかった魔法もすぐに使えるようになったから、つぎつぎに危ない物(ジェルシード)を見つけて封印できるようになっていった。

 

 だけど、良いことしているあたしを邪魔する黒い子がでてきた。

 しかも、管理局とかいう人たちがでてきて、あたしが集めたジュエルシードを取っていった。

 良いことしてたあたしをほめてくれたから悪い人たちじゃないと思ったけど、危ないからもうユーノ君のお手伝いはやめなさいって言われたのはがまんできなかった。

 良いことしているのに何もするなって言われてもなっとくなんかできないし、ユーノ君を手伝うって言ったし、黒い子を怒ってやれば友達になってやれるかもしれないから、あたしと管理局の人たちは一緒にジュエルシードを探すことにした。

 

 そして、あたしはジュエルシードをかけて黒い子と戦った。

 いっぱい魔法の練習をしたから、前とちがってジュエルシードを取られたりせず、きちんとお話しと怒ってやることができた。

 手のかわりに魔法で叩いたけれど、起きた黒い子は暴れたりもしなかったから、手じゃなくて魔法で怒ってあげても大丈夫なんだって分かった。

 

 それからフェイトちゃん(黒い子)のお母さんが一番悪いって分かって、みんなでお話しに行った。

 だけど、やりたい事だけやって虚数空間に逃げられて、まるであたし達が負けたみたいな終り方になった。

 

 全部が終わったらフェイトちゃんとリボンをこうかんして、アリサちゃんたちのようにフェイトちゃんもあたしのともだちになった。

 やっぱり叩いて怒ってあげて、何が悪いのかお話してあげると、みんな分かってくれるんだって分かった。

 

 

 冬になったころ、あたしはとつぜん攻撃された。

 

 悪いことなんて何一つしていないのに赤い子に攻撃されておどろいたけど、フェイトちゃんみたいに事情があるのかもしれないから、お話すればなかよくなれるかもしれないって、がんばってお話しようとした。

 なのに、よく分からないデバイスのせいであたしはピンチになって、あんまりお話しできなかったし、仲間の人もいたみたいだった。

 だけど、ギリギリであたしはフェイトちゃんたちといっしょに戦うことができたから、何とか互角に戦うことができた。

 けれど、見えないところからとつぜん攻撃を受けて、結界を壊して追い払うしかできなくてお話できなかった。

 

 攻撃を受けているのに無茶してみんなのために結界を壊したから、しばらく休まなくちゃいけなくなった。

 だけど、その間にデバイス(レイジングハート)に赤い子の使っていたデバイスと同じ機能を付けてもらうことになったから、アースラで休んでたり学校に行ったりしてのんびり休んでいた時間はむだにならなかった。

 それに転校してきたあたしのともだち(フェイトちゃん)を、他のあたしのともだち(アリサちゃんとすずかちゃん)にしょうかいしたりする時間もできたから、ある意味ちょうど良かった。

 そして、休みが終わると同時にレイジングハートに赤い子達のデバイスと同じ機能が付いて返ってきた。 

 

 同じ機能があるデバイスを持ったあたしは、今度は追いつめられたりせずに戦えた。

 だけど赤い子はぜんぜんお話してくれないどころか、あたしを悪魔と言った。

 でも、お話さえできればあたしが良いことをしてる良い子だって分かってくれるから、[悪魔でもいいよ]、って言い返した。

 そしてお話しするために怒ってあげようと思ったけど、仲間の人に邪魔されて逃げられた。

 

 三度目の戦いもお話できずに終わると、それからしばらくは特に変化も無いまま時間がすぎていった。

 だけど、クリスマスイブの今日、すずかちゃんのともだちのはやてちゃんて子のおみまいへいっしょに行ってあげると、赤い子(ヴィータちゃん)たちと出会った。

 本当はすぐにお話したかったけど、魔法の使えないアリサちゃんたちがいるから、とりあえずアリサちゃんたちがいなくなるまでじっとすることにした。

 そして、アリサちゃんたちがいなくなってようやくお話できると思ったけど、なんだかよく分からないうちに闇の書が暴走した。

 

 なんでいきなり暴走したのかは分からないけれど、とにかくこのままじゃあいけないと思って止めようとした。

 だけど、なんでかアリサちゃんとすずかちゃんが結界の中にいて、しかも攻撃されかけていた。

 急いで攻撃を防ごうとしたけど、攻撃が当たる前にいきなりアリサちゃんとすずかちゃんは消えちゃった。

 なんでも、辛うじて残像らしきものを補足した時間と場所から逆算して、フェイトちゃんの400倍以上の速さで移動したみたいで、多分その速度のまま結界を速さだけで突破した後、空気とのまさつで燃え尽きてしまったんだろうってリンディさんたちは言った。

 原因ははっきりとはしないらしいけど、アリサちゃんたちがかくし持っていたジュエルシードがたまたま発動したとか、中途はんぱな次元ひょう流に巻き込まれたとか、多分そんな感じの理由だろうってリンディさんたちは言った。

 だけど、アリサちゃんたちのことだけじゃなくて闇の書のこともあるから、まずは闇の書をどうにかすることにした。

 

 途中、フェイトちゃんが消えたりしたけど、はやてちゃんが攻撃してって言ったから思い切りはやてちゃんというか闇の書さんを攻撃したら、フェイトちゃんがどこからか出てきた。

 そしてようやく闇の書さんだけじゃなくて、はやてちゃんともお話できると思ったとき、あの二人が現れた。

 

 

 殺傷設定の魔法を使いながらいきなり現れて、みんなだけでなくてバリアジャケットが堅いあたしもひどい目にあった。

 しかもいつもは人がいないところに住んでるから魔法を使い続けているみたいで、自分が魔法を使っていることにすら気付いてなかったみたいで、いっしょにいたケアリーさんって人が注意してようやく気付けるくらい、いい加減で無責任な魔導師だった。

 勿論アマテラスって人がいつも殺傷設定の魔法を使っていることを忘れていたケアリーさんも負けないくらいいい加減で無責任な魔導師だと思った。

 だけど、駄目な魔導師のはずなのに、二人の魔法は信じられないほどすごかった。

 

 詳しくはあとで知ったけれど、手抜きな感じで使った魔法で闇の書のバグじゃなくて問題点だけを取りのぞいて、転生機能とかはそのまま残っているっていうでたらめ具合らしくって、たとえ管理局に闇の書になる前の情報があっても復元や初期化が限界みたいで、壊れる前と壊れた後のいいとこ取りなんて管理局でもできないらしかった。

 しかも、闇の書から取りのぞいた悪い部分が形になって現れたけれど、ケアリーさんはあっと言うまに倒してしまった。

 管理局が切札の武器を使わなきゃ倒せないような怪物で、多分あたしでも倒せるかどうかは分からないすごい怪物なのに、あっさりと。

 原形が分からなくなるほど攻撃したわけでもないのに倒せてたから、リンディさんたちはデバイスとかへのハッキング能力が管理局を超えるほど高いか、それとも実力差に関係無く一撃で相手を倒せるようなレアスキルを持っているかの多分どっちかだって言ってた。

 ただ、どっちも見たことも聞いたことも無い能力だから、管理局から隠れていたのはまちがいないだろうとも言ってた。

 だけど、そんなことを抜きにしても、その時はあたしたちにいきりなり攻撃してきた悪い人でしかなかった。

 

 闇の書のバグを倒したケアリーさんはあたしたちが止める間もなくすぐに逃げたから、残ったアマテラスさんとお話しようとした。

 いきなり攻撃したり、管理局の人でもないのに事件へ勝手に関わったり、魔導師なのに管理局からかくれて管理外世界に住んでたりとか、悪いことをいっぱいしたんだから大人しくつかまってってお話しした。

 だけど、アマテラスさんは全然お話を聞いてくれないどころか、また魔法であたしたちを攻撃した。

 お話しようとしていたから止めたり防いだりもできなくて、不意打ちされたあたしはすぐに気絶した。

 けれど、あたしはほかの魔導師の人より凄く丈夫だから、すぐに目をさますことができた。

 

 目をさますとなんでなのかアースラの中にいた(………………ほこりとかで汚れていたからシャワーを浴びるのにちょうど良かったけれど)。

 そしてリンディさんと一緒にシャワー室からでると、あたしたちはエイミィさんからとんでもない話を聞かされた。

 

 

 殆どがアースラに通信したクロノ君たちとクロノ君のデバイスからの情報だけど、まず二人の名前が分かった。

 男の人の方はケアリー・マキリって名前で、すごい魔法が使えるだけの人だった。

 だけど女の人の方は、アマテラス・ダイニチ・ダキニテンって名前で、日本で神様っていわれている人と同じ名前だった。

 けれど、たしかヴィータちゃんたちの使っている魔法がはやっていた国の王様が教会で神様って言われていたはずだから、アマテラスって人も聖王って人と同じただの人間なんだから、お話すれば分かってもらえると思った。

 でも、レイジングハートやアースラに残っていたきろくや、クロノクンたちから聞いた話が、あたしの希望をこなごなにこわした。

 それは、フェイトちゃんたちだけでなくてアースラのたくさんの人たち、そしてお話してたあたしも殺していたということだった。

 

 ぜんぜんお話を聞いてもらえないことがこわかった。

 信じて攻撃しないでお話してたのに、あたしを裏切って攻撃したのが許せなかった。

 しかも、いくら仮死状態から生き返らせられるっていっても、すこしまちがえればそのまま死んでしまうっていう、すごく危ないことを平然とやっていたのも認められなかった。

 あと、アースラの切札とかいうのをむだ打ちさせたり、気に食わないあたしたちをアースラに入れておいだしたり、やりたいほうだいしていたことも認められなかった。

 ほかにも、勝手にアリサちゃんたちをつれだして巫女にして、自分たちの方の人間だから管理局は関わるなってことも認められなかった。

 

 二人とお話してまちがったことをやめさせるためにも、すぐに地球へ行こうとした。

 だけど、みんなしてあたしが地球へ行こうとするのを邪魔した。

 けれど、何とかフェイトちゃんとアルフさんは分かってくれたから、なんとか闇の書とはやてちゃんを捕まえに地球へ行こうとしている人たちに割り込んで地球へ行くことができた。

 でも、かんじんのアリサちゃんたちの場所が分からなくて、電話をかけても電源を入れてくれてないからつながらなかった。

 だから、仕方なくまずはさっきまでいたところに行ってみることにしたけど、アリサちゃんたちもいなければ手がかりも何も無かった。

 どこを探せばいいのか分からなくてしばらくなやんでいたけれど、とりあえず忍さんやアリサちゃんのお父さんとかにアリサちゃんたちがどこにいるのかきけばいいと思いついた。

 そしてそこから近いすずかちゃんの家に行こうとして、あと少しですずかちゃんの家につくと思ったとき、いきなり出てきたユーノ君とクロノ君があたしの邪魔をしだした。

 

 あたしじゃ勝てないとか、あたし以外も危ない目にあうとかいってたけれど、勝負もしてないのに勝てないなんて分かるはずないし、あたしが勝てばだれも危ない目にあわなくなるし、こんどはお話しながら怒るから、さっきみたいに不意打ちされないから平気だっていった。

 だけどユーノ君達はあたしが行ってもお話にならないっていった。

 ユーノ君たちじゃあの二人とお話できなかったんだろうけど、あたしなら今度は油断しないからお話できるっていった。

 なのにユーノ君たちは信じてくれなくて、あたしの邪魔をしつづけた。

 だけど、フェイトちゃんとアルフさんが助けにかけつけてくれて、何とかユーノ君たちをふりきってすずかちゃんの家に向かうことができた。

 

 すずかちゃんの家にすずかちゃんとアリサちゃんがいるってフェイトちゃんが教えてくれたから、少しでも早くあの二人とお話しするためにスピードを上げた。

 だけど、あと少しですずかちゃんの家に付くってときに、今度はどこからか出てきたヴィータちゃんたちがあたしの邪魔をしだした。

 3対4であたしたちが不利だし、時間がかかると倒したユーノ君たちがまた邪魔しにくるから、すきをついてフェイトちゃんたちにヴィータちゃんたちをまかせてすずかちゃんの家に突撃した。

 アリサちゃんたちが動いていないならフェイトちゃんから聞いたとおりの場所にいるはずだから、とりあえずその場所めがけて全速力で飛んでいった。

 窓やとびらがあるけれど、バリアジャケットを展開しているからけがもせずに通ることができた。

 おかげでスピードを落とさずたどりつけた。

 

 アリサちゃんたちが動いていなかったから1回で見つけられたから、なんとかさがし回らずにすんだけど、そんなことをよろこんでいるひまは無いから、急いであの二人がどこにいるのかアリサちゃんとすずかちゃんにきいた。

 なのに、窓やとびらを壊したこととかをもち出してあたしのお話をきいてくれなかった。

 いまはあぶないあの二人が魔法を使えるあぶないじょうたいで、なにかあったら窓とかとびらじゃすまないくらいにいろいろ壊れるからそんなことを気にしている場合じゃないっていうのに、そんなことも分かっていないアリサちゃんたちにイライラした。

 だけど魔法が使えないアリサちゃんたちにどうやって魔法のことを分かってもらえばいいのか分からなくてなやんでいたら、いきなりお兄ちゃんが出てきた。

 

 すっかりわすれてたけれど、イヴは忍さんといっしょにすごすってだいぶ前からいっていたから、すずかちゃんの家にくればお兄ちゃんとあっちゃうかもしれないのは当たり前だった。

 けれど問題なのはおにいちゃんとあっちゃったことじゃなくて、魔法どころか今なにがおきてるかもしらないお兄ちゃんに、どうしてあたしが今ここにいて、そしてなにをしているかを説明すればいいのか分からないことだった。

 説明できなきゃ良いことしているのに門限をやぶっている悪い子って思われちゃうから、何とかして説明しなきゃってかんがえた。

 だけどお兄ちゃんはあたしがお話しようとする前に勝手にあたしを悪い子だってきめてかかった。

 魔法のことをしらないお兄ちゃんとお話しても分かってもらえないかもしれないし、そんなことをしているあいだにあの二人がどんなことをするか分からないから、お兄ちゃんには少しバインドをかける(まっててもらう)ことにした。

 するとお兄ちゃんだけじゃなくて忍さんとかもおどろいていたけれど、後になればあたしのやったことはいいことだったんだって分かってもらえるから気にしないことにした。

 そしてようやくあの二人とお話できるとおもったのに、あの二人をよべるすずかちゃんがまるであたしが魔法でむりやり言うことをきかせている悪い人みたいに言って、あたしの言うことをきいてくれなかった。

 ……やっぱり言葉だけじゃなにもつたわらないから、フェイトちゃんのときみたいに全力全開でぶつかってみることにした。

 

 外じゃないから魔力を集めるのに時間がかかったけれど、あのときに負けないほどの魔力をきちんと集められた。

 あの二人とお話して分かってもらいたいことや、それを邪魔するすずかちゃんやお兄ちゃんにあたしがなにをしているのか分かってもらいたいことや、あたしがみんなをまもってあげようとしていることを分かってもらいたいこととか、そんな気持ちを集めた魔力にこめて、おもいっきりスターライトブレイカーをうった。

 

 集束も制御もバッチリだし、なにより距離がこれより近かったら魔力を集めるのに邪魔になるかならないかのギリギリで、本当に全部が全部バッチリだった。

 しかもすずかちゃんは魔導師じゃないし動いてもいなかったから、ハズレるなんてありえなかった。

 そしてそのとおりで、あたしのうったスターライトブレイカーはすずかちゃんに当たった

 ……だけど、なんでなのか、すずかちゃんに当たると、あたしの魔法は、………………はじめからなにも無かったみたいに、消えた。

 

 

 …………あたしの全力全開が、あたしの気持ちが、………………あたしの魔法が、……………………まるであたしが魔導師じゃないって言っているみたいに消えたのを見て、なにも考えられなくなった。

 …………だけど、立ったままのあたしをほったらかしにして、すずかちゃんがかってにお兄ちゃんにかけているバインドをブレイクした。

 しかも手や足でさわるだけじゃなくて、息をかけただけでブレイクした。

 

 ………………なんで魔導師でもなんでもないすずかちゃんがあたしの魔法を防げたのかはぜんぜん分からなかった。

 けれど、そんなあたしを無視してすずかちゃんはレイジングハートを壊そうとしだした。

 しかも魔法が使えないどころかしりもしないお兄ちゃんをつかって。

 当然あたしはバカにされて怒ったけど、そのとき今までしゃべっていなかったアリサちゃんが急にしゃべりだした。

 だけどアリサちゃんがしゃべったことはあたしを馬鹿にするようなことだった。

 

 アリサちゃんたち…………というか多分あの二人の魔法はあたしたちの魔法とは違って、出来もしないことを魔法とよんでいた。

 しかも、そんな出来もしないことを魔法といってあたしたちの魔法を認めないだけじゃなくて、あたしたちの魔法はゴミだとかってに決めてかってに怒っていた。

 もちろんそんなことは認められないから、すぐにアリサちゃんたちだけじゃなくてあの二人にもさっきの言葉をとり消してもらうために、あたしの魔法はゴミなんかじゃないって証明しようとした。

 だけど、もう一度全力全開の魔法をうとうとしたとき、あたしはなぜかいきなり眠りながら倒れてしまった。

 

 

 

 そして目がさめたとき、あたしはすずかちゃんの家じゃなくて自分の家のリビングにいた。

 

 

 

―――――― Interlude Out ――――――

  Side:高町 なのは

 

 

 

 

 

 

Side In:Alisa(アリサ) Bannings(バニングス)

 

 

 

 …………あぁ……………………なのはが目を覚ましちゃったわね。

 …………SAN値が碌に回復してないから、正直、後84時間くらいは気絶しててほしかったわ。

 何で大人……って言うか社会人と話してSAN値が奈落を目指すみたいに急激な右肩下がりするのよ?

 ………………思い返したらマジで眩暈がするわね。

 

 

 

▲▲▲▲▲▲

 

 

 

 多分戦闘ヘリ並みの速度で士郎さん達の多分居る所(高町家)へ行ったけれど、ちょっと早過ぎたみたいで恭也さんの説明が終わっていなかった。

 だけど、恭也さんがどんな説明をしたのか知らないけれど、士郎さんが突如庭に降って来たあたしに対する追求をしないだけじゃなくて、桃子さんや美由希さんが追求するのを手で制しながら直ぐ様玄関に二人を連れて移動した。

 そして直ぐに迎えの車が来たから士郎さん達は車に乗り込んで、あたしは一緒に乗り込むんじゃなくて外に居た方が良いだろうと思って、車に並走したり追走したりしながらすずかの家迄移動した。

 

 すずかの家に着いた時には士郎さんが車内で桃子さん達にある程度事情を話していたみたいで、車に乗る前よりは混乱度合いが低く見えた(後部座席と運転席を防音ガラスで遮断する車を選んだ鮫島のファインプレイね)。

 お蔭で質問攻めに遭ったりせずにすずか達が居る筈の食堂へ向かうことが出来た。

 徒、士郎さんが確認の為と言ってあたしの手を取って、掌(親指と人差し指の間の柔らかい所辺り)に棒手裏剣みたいなのを突き立てようとした。

 けれど、当然あたしは無傷で、逆に某手裏剣みたいなのの方が拉げた。

 そして其の光景を見た士郎さん達は驚いたというよりは信じられないという顔をしていた。

 ……多分一般常識的に正気を疑う話の確認をしただけで、其れ自体は当然だと思うし余計な説明の手間が省けて楽だけど、あたし的にはティッシュで作った紙縒りを付き立てたみたいなことでショックを受けられると、疎外感を感じるというか鬱陶しいというか面倒臭いというか、……兎に角愉快な気持ちにはならなかった。

 

 最低限の事実確認を済ませると無言の儘移動を再開した。

 そして目的地の食堂に入る為に扉を潜った瞬間、予感じゃなくて予知とも言えるモノが自分に在る事をあたしは知った。

 まあ、予知した内容は、〔気合いを入れないと錯乱する程の事態に遭う〕、という、事前に知りたい類のモノじゃなかったけど。

 だけど、食堂に居る面面を見た瞬間、予知が無くても直ぐに同じ答えへと辿り着くのが分かった。

 ……何しろ虚空に在るウィンドウに、N2地雷の上でブレイクダンスを踊っていたバ艦長が居たんだから。

 …………おまけに何を考えているのか、話し合いに不要と思える面面が矢鱈と多かったし。

 

 クロノとかいう奴は現場責任者みたいだから分かるし、はやては何かの重要参考人みたいだから、多分監督者のクロノとか言う奴が此処に居る以上は此処に居るのも仕方ないし、時空管理局側で一番宗教関係に理解の在るユーノとかいう覗き容疑者も理解は一応出来る。

 だけど、はやての家族兼戦力らしい5人……て言うか5名は居る必要無いし、なのはを無条件に全肯定してるっぽいフェイトとかはもっと必要無い……て言うか邪魔だし、隣の頭悪そうな犬耳尻尾の女の人は勘だけどフェイトより邪魔に成りそうだと思った。

 …………何だか仮装大賞で、〔子供を大量に参加させれば取り敢えずはなんとかなる〕、的な考えが透けて見えて頭痛がしてきたわね。

 ………………あたし達を如何こうしても彼女達が出てくれば、呆気無く人的にも物的にも破産した挙句に蹂躙された末に滅亡するって分かってないのが丸分かりで胃痛がしてきたわね。

 ……………………と言うか、真面目な場に分別の付いていない奴を、数を揃えて威圧したり情に訴える為とかいう理由で同席させるとか、一体どれだけ交渉レベルが低いのか見当も付かなくて眩暈がしたわね。

 

 実際、取り合えず生首ウィンドウ以外は全員席に座って、それから一通り自己紹介した後、如何してはやて達も同席しているのかって話が出た時、クロノとユーノとはやては兎も角、残りは折角だからとかいう理由をバ艦長が吐いた時、事情の良く分かっていないはやてと折角だからと言われた奴等以外は盛大に頬を引き攣らせた。

 多分、クロノとユーノが眼で謝罪してなきゃ話し合いにすら成らず、時空管理局の奴等はすずかの家から叩き出されたと思う。と言うかあたしとすずかが叩き出した。

 

 まあ、話し合いが始まる前に、

1.神子グループ (あたし & すずか)

2.神子支援グループ (パパ & 鮫島 & 忍さん & 恭也さん)

3.心持ち神子支援グループの支援グループ (桃子さん & 美由希さん)

A.時空管理局グループ(自殺級のバカ) (バ艦長 & フェイト & フェイトのお供)

B.時空管理局側グループ(世間知らずの容疑者) (はやて一家)

C.時空管理局の関係者になってしまっているグループ(苦労人) (クロノ & ユーノ)

っていうグループに別れているのがあっさり浮き彫りになったのが収穫と言えば収穫かもしれないけれど、ぶっちゃけ自己紹介無しに話し合いをしても多分2分で判明する程度の情報だから、いっその事激烈に雰囲気を悪化させない為にも行き成り話し合いに移る様誘導するべきだったと思った。

 

 ……分別(常識)の在るパパ達と、分別の無い(自滅フラグを量産する)バ艦長達との間を取り持てとか、無理ゲー寸前過ぎて泣けてくるわね。

 一応彼処の男子2名が馬鹿じゃないのが救いだけど、肝心のトップが馬鹿という危険な馬鹿だって判明したから、マグマに水程度になりそうで泣きたかったわね。

 だけど、それでも話し合いと言えるか分からない、話し合いみたいなモノは始まってしまった。

 

 

 ……結果は当然と言えば当然な迄に散散だった。

 後、本気でフェイトは残念な子だって分かった。

 

 一体何処を如何すれば彼処迄なのはの味方になれるのか分からなかった。

 と言うより、はっきり言って気持ち悪いレベルの依存度だった。

 ……うん、引くわね。具体的にはマジ引きとドン引きの中間くらい。

 て言うか、折角大人しく気絶しているのに起こそうとしたり回収しようとしたり、凄くウザ……じゃなくて面ど……じゃなくて煩かった。

 まあ、其のお蔭と言うと腹立たしいけれど、時空管理局では高い魔力……と言うか高レベルの術式を操れれば普通に一人前と認めて子供でも時空管理局に籍を置けるらしいし、嘱託とは言え何時でも立身出来る状態らしいなのはは時空管理局的に大人らしいから、保護者の権限(と言うか義務だけど)で保護と言う名の拘束をするのはおかしいと言っていたから、地球とは文化や風習が違うと知れた。

 ……一応ソレを聞いて、子供が危険な仕事に就いている事に納得はしていないものの理解を示したあたし達を見て、此れ幸いとあたしとすずかへ自主的な時空管理局への投降をフェイトが進めてきた時、遂にパパ達の堪忍袋が裂け始めた。

 

 国交すら存在しないにも拘らず、一方的に自分達の法を……刑法だけを当然の様に適用させようとするとか、普通に考えれば植民地以下としてしか見ていない振る舞いだし、そんな発言を止めさせないトップを見て、話し合いにすら成らないなら叩き出して塩を撒いて後に此れからの事をあたし達だけで決めると言った。

 そしてそれは桃子さん達も同じらしく、場の雰囲気が激烈に悪化しだした。

 ……まあ、時空管理局と抗争状態に移行したら、最悪煩いという理由だけであたし達毎消し飛ばされかねないことをあたしとすずかと男子二名は理解しているから、懸命に……一所懸命に取り成した。

 

 何とか取り成しを成功させて一息吐けると思ったけれど、フェイトはなのはのことを軽く扱われたと怒るし、それに反応してお供の方も怒るしで、折角取り成したのが無駄になり始めた。

 バ艦長は薄い笑顔で子供の言うことだから多めに見てほしいとか、子ども扱いするなら初めから参加させるなと言いたくなる台詞を吐くし、パパ達は交渉能力が無いどころか阻害するしか出来ない子供を同席させてたことに再び堪忍袋が裂け始める程怒り始めた。

 しかもフェイトを馬鹿にされたとお供の方がパパの胸倉を掴み上げて恐喝するもんだから、鮫島がお供を蹴り剥がしながら床に踏み付けつつ首に鏃と槍の中間みたいな鋭い万年筆を押し付けて無力化した。

 すると突如将来が心配な格好に成ったフェイトがお供の方……と言うか鮫島に突撃しようとしたけれど、そこに素早く恭也さんが割り込んでフェイトの突撃を食い止めた。

 だけど、フェイトの突撃を一瞬警戒した鮫島の隙を突いて、お供の方は空を飛ぶ術式で重心を踏んでいる鮫島から何とか逃げ出した。

 但し、床に踏み付ける前に鮫島がお供の首に巻き付けていた単分子鋼線を知らなかったみたいだったから、自分から縊殺と言う斬首死体に成り損ねた状態へと成った。

 

 多分食道や気管は斬れてるだろうけど延髄は斬れてない筈だから動こうと思えば動けるだろうから、鮫島が倒れて動かないお供に止めなのか確保なのかは分からないけれど追撃に掛かった。

 するとフェイトが怪光線……じゃなくて怪光弾を7つ鮫島に撃ち出したけど、キャッチボール並に遅い怪光弾は全部恭也さんと士郎さんと美由希さんが某手裏剣みたいなのを投げて迎撃した。

 徒、完全に迎撃出来たわけじゃなくて、某手裏剣が当たった瞬間に怪光弾が近くの通電物質目掛けて放電現象を始め、5つは机や椅子や床に向かって放電されたけど、残りの2つの内の1つはあたしへ放電し、もう一つは忍さんへ放電された。

 

 幸い空中放電したにしては不思議と電圧が異常に低いみたいで(テーブルクロスやカーペットの焼け跡を見る限り)、忍さんも電撃を受けた右腕……というか右半身を摩りながら無事をアピールした。

 けれど、電撃を受けた周辺が少なからず麻痺しているみたいで、右腕が軽く痙攣するだけで抱え込むことも出来ないでいた(あたしは当然平気)。

 そしてソレを見た恭也さん達は頭部や心臓付近に着弾すれば死にかねない危険な攻撃と判断したみたいで、多分隙在らばフェイトを殺害も視野に入れて無力化しようとしていたみたいだけど、その前に鎖と輪でフェイトは緊縛プレイの刑に処された(何故か不気味な程似合っていた)。

 

 ……あたしやすずかが動くとマジで滅亡一直線になりそうだったから限界迄傍観するつもりだったのをもう少しだけ早く察してほしかったけれど、何とか男子二人の対応が間に合った。

 一応お供の方もフェイトと同じく拘束して、アドバイザー兼ブレーキ役の筈の覗き容疑者に見張りを言い付けて食道から叩き出した。

 序にはやての家族も見張りの助力と言う名の厄介払いを気絶した儘のなのは毎したから、何とか再び取り成すことが出来た(なのはの扱いに何も言わなかったけれど、恭也さんが士郎さん達に何て言ったのかちょっと気になる)。

 一応あたしとすずかに怪光線を放ったのが残っているけど、少なくても滲み出る気品と知性から最低限の分別は在りそうだから、はやての護衛として残っていることにパパ達は特に反感を抱かなかったみたいだった。

 

 そして今度こそ話し合いが始まった。

 徒、初っ端から行き成りバ艦長が、

1.あたしとすずかの自主投降

2.あたしとすずかの減刑の為に彼女達を説得して投降させる

3.あたしとすずかの減刑の為に地球での活動拠点として保護者が協力と言う名の隷属を享受すること

と、ホザいてきた。

 

 ……まさか事情説明もしないで、しかも起きながらに寝言を歌う特技を披露しだしたのは驚いたわね。

 …………まぁ、バ艦長の上の奴等の言い分を一応言っておかなきゃいけないから、無駄だと分かっていても言うだけ言っただけみたいだけど、事前に説明していれば真っ黒男子が胃腸溶解で気絶寸前になる事態は避けれたと思うけどね。

 後、フェイトとかを同席させたのは、情に訴えて要求を飲ませようとしたというアピールを上にする為だったらしいけど、それで上の連中が納得するっていうんなら一体どれだけ上の連中は馬鹿なのか激しく気になったわね。

 それと、上の連中も頭痛がする程頭悪そうだけど、艦長(半笑)は艦長(半笑)で胃痛がする程に交渉能力が低いわよね。

 

 まあ兎も角、三度目の正直とばかりに漸くまともな話し合いに突入出来た。

 幸い話の方向性は初めから、【彼女達を刺激しない】、って決まっていたから、ある程度はスムーズに話が進んだ。

 徒、やっぱり宮使いの儘成らない所が在るらしく、彼女達を放置するという決定がなされる可能性はは現状ではほぼゼロらしく、仮に艦長(泣)が彼女達に対して何もアクションを起こさなかったとしても直ぐ様別の者達が彼女達を刺激する任務に就くだけらしかった。

 当然艦長(泣)としては自分達も巻き添えを食いかねない暴挙は食い止めたいらしいけれど、派閥問題どころか派閥を統括する上自体が確保乃至殺害の二択しか頭にないらしいから、如何足掻こうと無理らしかった。

 だけど、そこで素直に食い下がってしまえば巻き添えは必至な以上、何としても妥協点を引き出さなければいけないけど、如何足掻いても時空管理局から妥協点を引き出すのは大規模テロでも起こさない限り不可能で、仮に其の案を実行すれば戦力確保乃至敵対化を恐れて彼女達への干渉度合いが爆発的に高まるのは火を見るよりも明らからしいから、あたし達に妥協案を持ち掛けてきた。

 

 艦長(胃痛)の持ち掛けてきた妥協案は大きく纏めると、

1.自分達の所属する組織の馬鹿を一箇所に自分達が纏める

2.1が完了する迄あたし達は彼女達が行動に移らない様に只管鎮め続ける

3.1が完了した時に艦長(胃痛)はソレ以外の奴等は全員離脱させる

4.3が完了した後に彼女達に面倒な馬鹿達を一掃してもらう

と言うモノだった。

 

 軽く聞いた限りではあたし達に彼女達の説得という難易度激高な案件を押し付けている都合の良い妥協案に聞こえるけれど、あたし達が説得に失敗すれば舐めた案件を寄越した張本人として馬鹿達と一緒に消されるのはほぼ確実だから、あたし達の胸先三寸に命を賭けなきゃいけないことを考えると、舐めた要求とは一概に言えないモノだった。

 しかも、人海戦術で馬鹿を送られ続ければあたしとすずかは兎も角、ほぼ確実にパパ達は無事じゃ済まないから、その妥協案は悪くは無かった。

 徒、勝手にあたし達が決められる事柄じゃない以上は即答出来ないから、明日……と言うか今日はデートがあるらしいし、明日は其の続きかもしれないし、それに引越しと言うか新居に腰を据える為の期間や年末の所用、そして年明けの七日間を考慮して、話を通せるのは早くても半月後になるだろというのがあたしとすずかの予想だった。

 そして、余り詳しく艦長(憔悴)に彼女達の事情を話すのもマズイから、年末年始の1週間以内は面倒ごとを持ち込まない方が良いと言って、半月後に話を通すと言うことを強引に納得させた。

 それと、話は通すが説得しきれるかは未知数だともきちんと告げた(真っ黒男子の悟った顔で気絶し掛かっていたのが印象的だった)。

 

 妥協案の詳細をある程度煮詰めて一段落すると、遂に場を引っ掻き回し捲くったなのはに関する話に移った。

 なのはが魔法に関わるに至った経緯、それと同時に関わった事件、最近なのはが関わっていた事件、そして先程迄如何いう状況だったのか、……大まかながらも要点を押さえながら真っ黒男子が語った。

 途中で音声付映像も流れ、あたし達のSAN値に多大なダメージを与えながらも真っ黒男子は語り続けた。

 ……〔対話 = 武力行使 = 勝利 = 相互理解〕、とか言う図式が成り立っていると勘違いしているっぽい光景は、本当に絶縁するべきか真面目に悩んだ。……恭也さん達家族の方がもっと深刻に色色悩んでいたけどね。

 

 取り合えずなのはのへの注意と言うか矯正と言うか教育と言うか……、兎に角、未来で生み出されるだろう被害者を減らす為の対処は、倫理と道徳面からは保護者の士郎さん達が行い、法や規則面からは艦長(激頭痛)が行う事が決まった。

 それと、フェイトとそのお供は当然艦長(エリクサー所望状態)が如何にかすることになった。

 そしてはやてとその守護騎士達だけど、あたし達全員の意見としては、[現行法で罰する事は出来ない上、偶偶性質の悪い時限爆弾に取り付かれたにも拘らず利用しようとしなかった以上、喩え法整備が成されていても罪に問われないであろう以上、はやて自身を咎めるつもりも無ければ悪感情も一切無い]、という答えがあっさり出た(情報が正しく且つ不足無く伝えられていると言う前提でだけど)。

 但し、対象が蒐集出来るならばほぼ無差別に襲撃した守護騎士達に関しては別で、あたしも含めて全員差は在れどもなあなあで済ますつもりは無かった。

 

 喩え守護騎士達に殺意が無いとしても、襲われた相手がソレを理解出来るとは限らないし、死ななくても平和に暮らしていた時に突如襲われれば、其の後一生平和でも怯えて暮らすことになるようなトラウマが刻まれたかもしれない以上、知り合いの家族だからといって過分な減刑を特にパパ達男性陣は望んでいなかった。

 一人残されるはやてが可愛そうだからといって温い刑罰を科してしまえば法どころか治安が乱れるし、奉仕活動に因る刑罰の相殺などという被害者の神経を鑢で逆撫でする様な真似をすれば時空管理局内どころか民間にすら不和の種をばら撒く以上、きっちりとけじめを付けるのが一番だと言うのがパパ達男性陣の主張だった。

 特に、はやてが守護騎士達の罪を引き受けようとするのは全員揃って反対だった。

 何しろ、罪の無い者が自主的にとはいえ罪を引き受けられるという事は、自主的と判断されてしまえば脅したり操ったりして罪を肩代わりさせる事が出来るということに繋がるから、断じてするべきでないとあたし達全員は主張した。

 それに若しはやてが罪に問えてしまうなら、時空管理局に所属していない上に本人の与り知らないところで物事を進められていても、その関係者というだけで幾らでも裁けてしまえ、況してや奉仕活動で罪の相殺という前例まで作ってしまえば、戦力に成りそうな者を見つけてはデバイスとかいうのを秘密裏に押し付けてはデバイスの不法所持とか使用とかで簡単に戦力を確保しようとする馬鹿が湧くだろう以上、地球で時空管理局が更に馬鹿な真似をしない為にも見過ごすわけにはいかなかった。

 仮にはやてが時空管理局に所属した後に過去の行為を穿り返したりして裁くというならギリギリ許容範囲内だけど、所属もしてないのに罪に問われるなど在ってはならないことだとあたし達は断固として反対した。

 若し既にそういう前例が出来ているとしても、今回も認めてしまえば益益時空管理局は増長する上に地球も益益舐められてしまう以上、地球に住む者として譲る事は出来なかった。

 ……所属した後に過去の行為を穿り返して罪に問われるのも、攫った後に強制的に奉仕活動をさせるか国籍に準ずる物が無い不穏分子として処分されるかの二択を迫られる可能性も在る以上認めたくはないけれど、悪意を持って大暴れしている時空管理局に属していない者を捕らえた場合なども在るだろうから、其処迄反対するのは踏み込み過ぎだと判断したみたいでみんな黙っていた。

 

 結局最終的に、

1.はやて達は時空管理局に所属する

2.時空管理局に所属したからこそ所属前の事に対しての刑罰を受け入れる(此処を強調する様にしつこくあたし達が主張した)

3.実行犯の守護騎士達は改変された夜天の魔導書の仕様で過去の記録を引き継いでいない以上刑罰は今回の事件だけに限定する(恐らく懲役10年以下で、服役態度次第では1年以内の仮釈放も在りえるっぽい)

4.はやての護衛の官制人格は改変された夜天の魔導書の仕様上暴走は止むを得ないので罪には問われないが現在の夜天の魔導書に不備の有無の確認が終わる迄軟禁処置となる

5.巻き込まれただけのはやては特に罪は問われないが夜天の書の持ち主の為安全確認に付き合わなければならないのでほぼ軟禁状態と成る。

という方向に持っていく事が決まった。

 

 本来なら直接あたし達に関係無い以上は口出しすべき問題じゃないんだろうけど、今地球側が舐められれば相手が増長して余計なちょっかいを出す頻度が爆発的に増加するだろうからあたし達としては見過ごせなかった。

 そしてそれは艦長(リカバーリング所望状態)も同じみたいで、神殿を土足で荒らした挙句に神に唾を吐いた奴等に落ちる神罰の巻き添えになるのはなんとしても避けたいらしく、はやての若干勘違いした罪悪感の解消法をしない様懸命に説得していた。

 結果、第三者的見地からは割と普通に、だけど時空管理局の見地というか慣例的には大幅な譲歩をした結果になったらしい(普段の振る舞いが透けて見えるわね)。

 徒、漸く話し合いも終わったと思った時、はやてが何だかんだで好き勝手している彼女達の行動をあたし達どころか艦長(リレイズ希望状態)達が言及しないのか不満気に訊ねてきた。

 

 自分なりの責任の取り方に駄目出しを出され捲くった挙句、家族の殆どと此れから少なくても1年近く離れて過ごす破目に成ってしまったから、可也荒い語気ではやては訊ねてきた。

 だけど、彼女達の力の一端を見たあたし達の意見はすずかが代表して言った、〔正義とか倫理とか恋愛とか熱意とか勢いとか若さとか個人の尊厳や権利とか、所詮実力が伴わなければ塵同然だから、私達が彼女達に何かを押し付けたりすることなんて何一つ出来ないってことだよ。要するに分際や引際を心得ろってわけだよ〕、に全て含まれていた。

 ……可也身も蓋もない言い方だったけど、言いたい事は何とか伝わったぽかった。

 

 

 色色在ったけれど、終わってみれば実り在る話し合いに成ってあたし達は少なからず安堵した。

 そしていきなり解散じゃなくて、疑問解消の話し合いへ移った。

 

 一番初めに話に上がったのは、なのはが何故月村家の設備や備品を破壊したのか、だった。

 此れに関してはなのはが独断専行を起こす前辺りからの音声付映像を見せられて即座に疑問は解消された。

 ……自分が説得すれば彼女達を投降させられるって……如何いう思考回路を形成しているのかっていう謎が生まれたけれど、なのは的には善意のみで行動していたのは分かった。なのは的善意のみで動いていたのは分かった。作戦も計算も無く、なのは的善意のみで動いていたっていうのは解った。

 …………後、起きたらほぼ確実に又暴走するのも分かった。

 

 ………………ちょっと善意が鬱陶しい気がするけど、普通なら微笑ましい話で終わる筈だし、一般的に見たら頭ごなしに否定される考えでないのは十分分かっているし、普通ならその動機は褒めても問題無いとすら言えるんだけど………………如何せん相手が拙過ぎ。

 相手の堪忍袋の大きさや耐久力は不明だけど、常識で考えて蟻未満の脅威の存在……と言うか、如何足掻こうが群体ですら脅威にならないのにその群体の一部が相手と対等な認識の訳知り顔で説得するって、不快な羽音を撒き散らす蚊を叩き潰すみたいに何気無く殺されるイメージしか湧かないわね。

 ……うん。如何考えても死亡フラグにしかならないし、滅亡フラグとかを建てかねないなのはは何としてでも大人しくさせないと拙いわね。

 とは言え、物理的に大人しくさせるだけならあたしかすずかが張り付いていれば全然問題無いという理由で、艦長(少し安心した面がムカつく)達はあたし達になのはを押し付けてきた。

 

 ……易や、確かにあたしやすずかがなのはの首でも掴んでればなのはは振り解くことも出来ないし、デコピンでもすれば記憶もカッ飛ぶ勢いで意識を飛ばせるだろうけど、都合の良い生贄を見つけた顔をされて安心されるとスッゴイムカつくんだけど?

 一応、これから直ぐに彼女達だけじゃなくてはやての事も含めてしなきゃいけない根回しが逃げ出したくなる程ど在るらしいのは分かるし、そんな時に何時起きるか分からないなのはの傍で待ち続ける暇なんて無いだろうし、かと言ってあの戦艦にあたし達が行くと立場的に色色面倒なことになるのは明白だからあたし達がなのはの手綱を握ることになるのは分からなくはないんだけど、SAN値直葬されるのが分かってるだけにスッゴイ引き受けたくない。

 しかも、時空管理局との繋ぎ役として残されるのが覗き魔野郎というおまけ付き。

 ……殴った後に熨斗付けて返したい。

 

 まあ、結局言い包められて特大の爆弾を此方側が預かる事になった。

 しかも、パパや忍さんは此れからの事の話し合いで月村家に残った儘話し合いをするけど、士郎さん達はなのはが落ち着けるだろう家に連れて帰ってから家族会議をすることにした。恭也さんも含めて。

 だけど恭也さんが居なくなると当然忍さんの護衛が居なくなってしまうから誰かが就かなきゃいけないけれど、丁度すずかがいるから問題は解決してしまう。

 すると、なのはの暴走を抑える為に傍に付き添い続けるという、貧乏神すら哀れむだろう激烈な貧乏籤を引く破目になるのはあたしで、その時あたしは世界があたしに悪意を持って回っているような錯覚に陥った。

 

 デバイスとか言うのをなのはから離しておけばなのはは碌に術式を起動出来ないらしいけど、さっき迄の様子を見る限り洒落にならない程魔術(と言うよりも某チンプイの科法と言った方が正解でしょうね)に傾倒しているっぽいから、科法が使えないと錯乱してまともに話し合いに成りそうにないからデバイスとか言うのを隔離させるのは出来そうにないわね。

 と言う事は当然何とかに刃物状態で話し合いをすることになるんだけど…………うん、話し合いになるイメージなんて全然湧かないわね。

 疑いも無く自分を正しいとか善だとか思っている奴を説得するのって超難しいのに、その上相手が倫理上基本的に間違っていないとなると、もう無理ゲーの領域よね。

 なのはの考え……と言うか行動は基本的に倫理上間違ってはいないんだけど、あくまでソレは最善じゃなくて選択肢の一つ止まりで、相手に因っちゃ大間違いの上に地雷を踏み抜く最悪の選択に変化するのを分からせるのって、無茶無理無駄の三拍子よね。

 

 ……まあ、自分の根幹に関わらないことだから対なのは用鎮圧装置に成るのは無理矢理諦めるとしても、如何考えても高町家の修羅場に部外者があたしだけってメッチャ気まずいわね。

 覗き魔はなのはをソッチの世界に引き摺り込んだ当事者だから兎も角、あたしはなのはがソッチの世界で如何こうしているのに無関係と言っても良いくらい影響与えてない筈だから場違い感が半端ないわね。

 おまけにあたしが居るとなのはが彼女達のことで突っ掛かってきて話に成らない状態に成るだろうから、居ない方が良いんじゃないって状態に成りそうで余計居辛くなりそうで鬱になるわね。

 

 とはいえ、他に何か良い代案が在るわけでもないから、済し崩しと言うか流されてと言うかあれよあれよと言う間にと言うか、気が付けば高町家の居間で、しかもなのはの隣でスタンバる状態になってた。

 

 

 

▼▼▼▼▼▼

 

 

 

 ……うん。現実逃避にもなりはしないわね。

 と言うか、逃避した先でしんどい目に遭ってたら逃避する意味無いわよね。

 …………ほんと、一体如何してこうなったのかしら?

 天災と言うか神災に遭ってから四半日も経ってないのに、気が付けば地球どころか他天体最大組織(仮)との極秘折衝役にジョブチェンジするって、何処のサーガにもプロローグから此処迄高速でどん底に落ちていく話は無いんだけど?

 

 ぶっちゃけ、此のペースでどん底に落ち続けたら1年後には地球人の代表に祀り上げられた挙句、エホバ神じゃなくてキリストを祀る感じであたしやすずかも祀り上げられて現人神とか言われて外も碌に歩けなくなりそうなんだけど?

 そして懲りずに彼女達に突っ掛かるなのはを無力化しようとあたし達が出張ろうとするんだけど、善意と狂気であたし達の代わりに勝手に周りがなのはの無力化に動き出して、ソレを皮切りに地球人 VS 時空管理局とか言うSF戦争に突入……………………って、だから何で現実逃避した筈なのに逃避先で豪い目に遭ってるのよあたしは!?

 しかも戻った現実じゃ、寝惚けて混乱……と言うかバーサク状態が抑えられてたなのはが徐徐に覚醒してバーサクし始めているとか、弱り目に祟り目過ぎて泣きそうなんだけど?

 

 

 

 結局、話は荒れに荒れた挙句、拗れて捩れて歪んで砕けて終わった。

 

 やっぱり、動機は一応褒められる類のモノでも、仮(?)所属している組織の規則を破った挙句、器物破損と家宅侵入という日本の法律に反した以上叱責は当然なんだけど、動機が正しければ過程も正当化されるという子供らしい思考回路を持つなのはは猛反発。

 しかも自分の動機は絶対正しいと信じて疑っていないから、話が荒れる荒れる(なのはの動機を否定しきれないのも荒れる要因に少なからず含まれているけれど)。

 その上、人間から見れば傍若無人の窮みとも言える彼女達を放置するようにという言葉を聞いて、更に暴走。

 自分(正義)が勝つとしか考えていないなのは的に、正義から外れた連中を放置するという考えは無いみたいで、暴走というよりもだんだん病み始めてきた。

 

 最終的に、

● 地球に近寄れない様にして地球から追い出す

● 暴走しても構わない様にデバイスとか言うのを破壊か押収した上で封印処置をして地球に残す

という二択になった。

 

 勿論士郎さん達は科法に振り回されている感の在るなのはの今の現状を打破する為にも、地球に残ることを痛切に訴えていたけれど、なのははどっちも嫌だの一点張り。

 だけど、それでも科法を使えなくなるくらいなら地球を離れた方がマシという考えが駄駄漏れだった。

 ……当然そんななのはの考えを知った士郎さん達の間の空気は、落胆や失望や悔恨や困惑や他諸諸のネガティブ要素で満ちていて、超居辛かったわね。

 

 

 結局、なのはの説得も叱責も成功しなかった。

 その上、なのはへの対応は艦長(逃亡)達への丸投げに近い容で終わることになった。

 

 徒、最後に気分転換がてらに覗き魔が実は此の間迄居たフェレットだという事を暴露してやった。

 だけど、やっぱり士郎さん達は大人と言うか他人事というか、〔混浴可能な年齢みたいだし大して問題無し〕、という結論を出した。

 …………乙女的に金的地獄を味合わせたいところだけど、桃子さんがなのはに風呂に入れられる際に凄く抵抗したという言葉も考慮して、ビンタ一発かヌードデッサンの題材として貸し出されるかを選ばせてチャラにすることにした。渋渋。

 

 

 

Side Out:Alisa(アリサ) Bannings(バニングス)

 

 

 







【後書】



 どうも、戦闘シーンも無闇矢鱈に無駄にしょうもない長さにしてしまいますが、ソレ以上に事後処理が長くなる作者です。

 え~、色色言いたい事は在るのですが、ザックリとなのはの回想について言います。

1.なのはをアンチしたいわけでもヘイトしたいわけでもありません。
2.なのはが孤立したり壊れていく様を描写したいわけでもありません。
3.なのはを救いたいわけでも幸せにしたいわけでもありません。
4.寧ろ自然にハブれるならハブった儘で話を進めたかったりします。
5.要するになのはの描写は何であれ面倒臭いというわけです

 結論から言いますと、原作主人公に対して完全無関心というわけです(SSを執筆する上で致命的と悟りました)。
 ……なのはの行動や言動に思う所が在っても、なのは自身には全く思う所が無いとか、もう嗤うしかありません。
 まあ、一言で纏めるならば、【リリカルなのは】にではなく、【高町 なのは】に対する愛が無いと言うことです。
 正直、なのはを踏み台にしたりするぐらいなら管理局のオリジナルモブキャラを登場させた方がマシだと思ってます。
 ですので、なのはを描写すると如何しても不自然になってしまい、結果、アンチともご都合主義とも判別し難い出来に成ってしまいました。

 ……多分一番の解決案は、無印開始前に雁夜達を登場させ、なのはが雁夜達に絡む要素を極力潰して回る(魔法少女にさせず且つ蒐集事件に遭遇させない。出来ればアリサ達と友達関係にさせない)のが一番なのでしょうが、ソレをやると最早別の作品になると気付きました。

 例:アリサになのはがビンタ → アリサの鼓膜破裂(子供同士でも十分在りえます) → すずかに奪い返した物を渡すなのはの背後で耳を押さえて呻くアリサ → 耳から汁だけでなく血が流れるアリサを見てテンパるすずか → 自分が奪い返してやった物を受け取らないすずかを不審に思い始めるなのは → 何とか我を取り戻したすずかが大声を上げて助けを呼ぶ → 訳が分からず益益不審がるなのは → 教員が駆け付け……

 …………ダーク系ですね。
 まぁ、もっとダークにしようとすれば脳震盪もセットにし、足首を捻りつつも膝から石やコンクリートに崩れ落ちて膝の皿が割れ、止めに受身も取れずに変な態勢で倒れこんで蜘蛛膜下出血と脊椎損傷というトリプル追加コンボも炸裂させられます(実際あるらしいです)。

 話を戻しますが、自分は原作との乖離度に比例した割を誰かに回してしまうので、なのはを描写しない為に無印前から遣り直すという選択は無いので、此の儘アンチともご都合主義とも付かない描写が続いてしまいますが、平に御容赦下さい。


 因みに自分は好きなキャラには幸福で有頂天状態にするか、逆風を吹かせたり恥辱や屈辱に塗れてのたうち回させるのが好きです。大好きです。ワクワクします。ゾクゾクします。幸福の余り流す涙も哀惜の余り流す涙も等しく感動します。
 ……まあ、でもやっぱり幸せな状態の方が好ましいですが。


   ~~~~~~~~~~


【本編捕捉】


・ケアリーって誰?

 雁夜の対外向け(と言うか厄介事に関わる時の)名前が、ケアリー・マキリ、です。
 尚、容姿は若い頃のゼルレッチとほぼ同一で、他も色色偽装していますので、素の時の雁夜を見ても同一人物判断出来ないようになっています。
 後、玉藻はアマテラスという名前で管理局に認知されており、容姿は黒神長髪のアルクェイド状態で認知されています。

 因みに名前が違っても別人格を形成したりとかはしていませんので、喋り方は全部演技や地です。
 当然何気に子供に甘いのは其の儘です。
 が、断じてロリでもなければペドでもショタでもありませんので、男女区別無く主要キャラに対する好感度の基本値は0です。
 雁夜曰く、[美少女?美幼女?青田買い? 馬鹿か? 大人が基本的に他所様の子供と関わる(付き合う)わけないだろが]、と言う、実に身も蓋も無い意見を炸裂させていたりします(子供の言葉を一一本気にしない、一般的大人の処世術です)。


・なのはの回想がおかしい件について

 あくまでなのは主観なので、事実及び他者の思惑と一致しない部分が多多在ります。
 子供特有の自分に都合の良い解釈、又は其の枠を飛び越えた超解釈な箇所も幾つか在ります。
 その為、〔俺の物は俺の物。皆の物も俺の物〕、〔新世界の神になる!〕、〔鳴かぬなら、倒してしまえ、ホトトギス〕、的な考えが炸裂し捲くっています
 正しく子供にありがちな、中途半端な自分中心天動説です。


・空気摩擦云云

 断熱圧縮が正解です。
 隕石や宇宙船や人工衛星が大気圏突入で燃える原因は、空気摩擦ではなく断熱圧縮であって、大気摩擦では岩石どころか金属の沸点に到達するなど地球ではほぼ確実にありえません(人為が働いてもほぼ不可能)。

 因みに断熱圧縮とは、気体内を物体が一定以上の速度で動き続けると、気体が後ろに流れるよりも早く次の気体が前の気体に重なり、それが続くことで気体が重なり(圧縮され)続けることで気体自体が発熱する現象です。
 分かり易く言えば某一方通行が高電離気体を作成していたのを、力技で作成している状態です。
 尚、大気圧や大気成分、更に重力に自転に公転に風向きに他etcで発生する速度が変動しますので、宇宙空間では極めて起こり難いです(寧ろ宇宙塵に当たって機体が砕ける方が先でしょう)。


・フェイトの400倍の速さ云云
 フェイトの最高速度を80~100km/hに設定していますので、あの時の雁夜の速度は8.8~約11km/sです(宇宙船の大気圏突入速度が約6.9km/hです)。
 ICBMも振り切れる速度です。M20で動く先生より早いです。房中術のノリで1回毎に某メタルキングを倒した感じの経験値を得てましたから、真面目に力の制御に明け暮れていた時より強くなっています。宛ら某死姦●極でなく和姦●造。


・↑でのフェイトの速さって遅過ぎるような気がする件について(長いので飛ばし読みを推奨します)

 仮にフェイトが音速で動いているとした場合、音速突破時の爆音や衝撃波、更に急加速に因るGや急旋回に因る遠心力等、問題が在り過ぎます。
 特に急加速は深刻で、加速時間が0.1秒で音速に到達すれば肉体に掛かる負荷は約350Gで、フェイトの体重が25kgならば約8.7tで、アニメの演出から加速距離を5cmと仮定するならば、約12100Gで体重が3000tを超えます(慣性を中和しているなら通常飛行時は前進中に後進へ0秒で切り替えられるにも拘らず、全くその様な描写が無いことから慣性中和は不可能若しくは気休めにもならない程度の軽減度合いと判断)。
 当然そんな莫大な重力負荷に耐えられるなら、ヴィータのギガントハンマーなど普通に耐えられます。
 そして防御が弱い弱いと言われているフェイトが此の防御力を持っていると、頑健と言われるなのはがラケーテンハンマーでバリアジャケットどころかプロテクションシールドを破壊されたことと矛盾してしまいますので、フェイトの最大速度を80~100km/hとしました。
 ……他にもラケーテンフォルムの体積と加速度からのエネルギー計算に因るなのはのシールドの頑健さを算出し、なのはより強力であろう夜天の魔導書の官制人格が放ったSLBをフェイトと二人掛かりで凌げたことから官制人格のSLBの大まかな威力計算とか、山程考察が在りますが、更にウザくなりますので省略します。


   ~~~~~~~~~~


【リリカルなのは世界の天照とかは如何なっているのかについて】

 細かく決めてはいませんが、仮に存在する場合、雁夜がリリカルの地球に居る限りは玉藻の完全な支配下に在る状態で一体化して雁夜の護衛に就いていると設定しています。
 逆に存在していなければ信仰は全部玉藻のモノとなるように設定しています。
 つまり、何方に転んでも、 玉藻 + 型月世界の地球の分の信仰 + リリカル世界の信仰 or リリカル世界の天照達の全て = 現在の玉藻 、という公式が成り立つ為、どちらに転んでもリリカル世界にいる限り変わりは無いです。


   ~~~~~~~~~~


【大まかなスペック】


・アリサ&すずか(神子状態)(急成長中)
 最高移動速度 :約400m/s(浮くだけなら出来ても現在はほぼ移動不能)
 瞬間最高速度 :約900m/s(空気蹴り可)
 弱パンチ   :約  40KJ(デザートイーグルの弾丸約40発分)
 中パンチ   :約 100KJ(某美琴のレールガン約40発分)
 強パンチ   :約 620KJ(大型樋熊の体当たり約12発分)
 体当たりパンチ:約4050KJ(平均的落雷の約0.0027発分)
 魔力垂れ流し砲:真名解放エクスカリバー以上
 耐久力    :某初代ターミネーター級(神秘補正有りならA以下無効化)
 生命力    :四季並
 レベル    :3.99次元
 属性     :覇者 or 賢者
 所持金    :????円(玉藻が使いパシらせるのに支障無い程度の金銭が得られる様にしているのでロックフェラーやロスチャイルドも涙目状態。尤も、保護者と言うか財閥に殆ど流れる)

・なのは&フェイトのいいとこ取り(普通に成長中)

 最高移動速度 :約12m/s(飛行時のみ)
 瞬間最高速度 :約40m/s(飛行時のみ)
 弱魔力弾   :約0.35KJ(日本の警察官の拳銃(ニューナンブ)の弾丸約1発分)
 中魔力弾   :約   1KJ(デザートイーグルの弾丸約1発分)
 強魔力弾   :約  15KJ(対物ライフルの弾丸約1発分)
 溜攻撃    :約 130KJ(高威力戦車砲約0.1発分)  !
 SLB    :投げボルク未満(青子の攻撃がBだったのを考えれば寧ろ高評価(無論神秘不問))
 耐久力    :某ゼルガディス並
 生命力    :一般人
 レベル    :3.1次元
 属性     :ヒドイン or チョロイン
 所持金    :大体0~1万円

・ギルガメッシュ(バックアップ有り)(地味に高速成長中(というかチート受肉体に馴染んでいる最中))
 最高移動速度 :約3km/s(空気蹴り可)
 瞬間最高速度 :約9km/s(空気蹴り可)
 弱攻撃    :風王鉄槌(ストライクエア)
 中攻撃    :投げボルク並
 強攻撃    :カラドボルクⅡ並
 溜攻撃    :真名解放エクスカリバー以上
 全力攻撃   :ORTも手傷を負う(宝具有り)
 耐久力    :A++以下無効(バックアップ無しだとB以下無効)
 生命力    :首だけになっても食らい付く!
 レベル    :5.8次元
 属性     :お笑いと英雄と(ラスボス)の三重属性
 所持金    :戯け!王に貢ぐ栄誉を解さぬのなら生かしておく価値など無い!!(ほぼ∞)

・雁夜(成長中というか最早進化中)
 最高移動速度 :約10km/s(揚力無視&空中疾走可、及び、無茶すれば底上げ可)
 瞬間最高速度 :約40km/s(揚力無視&空中疾走可、及び、無茶すれば底上げ可)
 弱攻撃    :カリバーン以上
 中攻撃    :真名解放エクスカリバー以上
 強攻撃    :原作ギルガメッシュの手加減状態エヌマ・エリシュ並
 溜攻撃    :原作ギルガメッシュのバックアップ有りエヌマ・エリシュ以上
 全力攻撃   :ORTも手傷を負う
 耐久力    :A++++以下無効(神代回帰 質:A(EX) 量:C(EX?) 編成:人類発祥後起きた(若しくは人類が引き起こした)自然現象)
 生命力    :肉体不要
 レベル    :5.9999次元
 属性     :ヘタレと特攻と救世(傍迷惑)の三重属性
 所持金    :稼ごうと思えば幾らでも



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