MÄR - メルヘヴン - 竜殺しの騎士   作:魔女っ子アルト姫

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お待たせ&ご心配おかけしました!
今日より再開します!!


MÄRΩ編
忍び寄るフェイク


「よぉ」

「久しいな」

 

とある居酒屋に集う二人の男。一人はもう一人を手招きし席へと誘導し座った男へ酒を振舞う。乾杯の後にやって来た男は一気にそれを飲み干す。

 

「………最近、キナ臭い噂を聞く。偽物のARM、即ち【フェイク】と呼ばれるARMが出回っているとな」

「ああすげぇ出回ってるぜ。本物のARMと違って魔力が無い奴でも使用可能ってだけなら可笑しくは無いがほぼ全ての人間が使えるって頭が可笑しい仕様だ」

「異様だな、最低級のウェポンならまだしもガーディアンやネイチャーはある程度魔力が無ければ使用出来ないはずだ」

 

酒を飲み交わしながら話題は今世間に蔓延している謎のARMについて。ARMは魔法で特別な彫金を施した、特殊能力を持つアクセサリー。発動させるだけなら誰にでも出来るが使いこなす為には魔力や第六感(シックスセンス)が必要となる。それなのに今世間に出回っているARMはそれの必要としないという異常さを持っている。一般人でも使えるARMとの流行しているらしいが話が上手すぎる。

 

「やっぱり隔絶された空間にいたらこういう話は聞きづれぇか?」

「ああ。奇妙なARMが出回っているという話は聞いていたが詳しくはな」

「一度大爺に話してみてくれねぇか?有力な対抗策を知っているかもしれねぇ」

「ああ解った。情報の提供感謝しよう、これは礼だ」

 

そう言いながら懐から金貨を15枚ほど取り出し男の前へと差し出す。流石に多すぎるといわれるが懐かしの男と酒を飲めた礼を含めていると笑う。

 

「ったく受け取ってやるよ、じゃあ近々また会おうぜ。掟の竜騎士、ジークさんよぉ」

「ああ。また会おう、豪傑のアラン」

 

 

 

 

魔法の国"カルデア"

 

嘗てのウォーゲーム大戦においてこの国はチェスの兵隊の大軍を率いたファントムに襲撃された。その際は訪れていた救世主"メル"の面々によって救われた。その襲撃後、カルデアは外敵に備える為にカルデア全体を覆うほどの結界を張っていた。だが、今その結界が破られてしまった。

 

「これがフェイクの力、既にフェイクはメルヘヴン全体に浸透している。それらを活用すればこの世界を支配する事など容易い事。素晴らしいでしょうフェイクの力は!!」

 

多数の人間を傀儡としその命を力に変えて強引に結界を破壊した男の名は"アトモス"。フェイクARMを産み出したウンヴェッターの手下。そしてそのアトモスに向かって二人の少年。一人はウンヴェッターの子孫のインガ・リド・ウンヴェッター。そしてもう一人の少年は嘗てのメルのリーダーであるギンタが使用していたARM"バッボ"と共に敵に立ち向かうカイという少年。

 

「兎も角バッボさえ残ればいい、残りは消してしまおう」

「拙い宮殿を狙ってる!!」

「カイ、ハンマーをでかくして奴をぶっ飛ばせ!」

「それじゃあ間に合わない!!トトッ!!」

「ハイスピード!!」

 

丁度その場にいた嘗てのメルのメンバーであるドロシー、アルヴィスも敵に攻撃の攻撃を阻止しようとARMを発動させようとするが間に合わない。アトモスが操るフェイクのガーディアンが更なる力を傀儡から吸い上げそれを宮殿に向けて放とうとした瞬間―――

 

「……何……!?」

「え!?」

 

巨大な砲等を向けていたガーディアンは動きを完全に止めた。砲等は次第に切断されたかのようにずるずると落下して行き遂にガーディアンそのものが消滅してしまった。

 

「―――やれやれ。久しぶりに帰ってきたかと思ったまた厄介事か。つくづくこの国も面倒だな」

「だ、誰!?」

「それにしてもまた貴方に会う事になるとはね―――ミスター」

「お、お主はもしや……!!おおっ我が第三家来!!」

「ええお久しぶりです」

 

その場に現れたのは鷹のような鋭い瞳に白銀のような髪。そして聖人のような気高い雰囲気、そしてその手にした剣は全てを断つ事が出来るほどに鋭い物。

 

「お帰りジーくん♪ナイスタイミング♪」

「ただいまドロシー。アルも居るとは以外だったがな」

「ああ久しいな親友」

「前大戦の英雄の一人……竜騎士、ジークフリード!!!」

 

 

「さてと、お前のガーディアンは既に沈黙している。まだやるつもりか?」

「いえ私はこれで手を引きましょう」

 

アトモスは体を次第に霧のように変化させ消えて行く、空に混じっていくように上っていくアトモスは勝ち誇ったかのような口調で語り続ける。

 

―――伝える事は伝えました。後はお前たちだ、命を使い果たしてでもバッボを奪え!!

 

その場に残っているのはフェイクARMによって傀儡にされてしまった人達のみ。峰で斬り付け気絶させようと考えたがその前に

 

「カイッ!」

「ああ!いっけぇえ!!」

 

バッボを投げつけた少年、カイによって人々は気絶させられ終わりと告げていた。

 

「しかし……また、厄介ごとになりそうだな」




遅くなって申し訳ありません。

徐々に元のように3000文字に戻していくつもリなので
ごゆっくりお付き合いください。

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