天稟のローズマリー   作:ビニール紐

39 / 41
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします(土下座


第39話

──挨拶もなしにテレサが跳んだ。

 

銀の疾風と化した彼女は、瞬く間も無く接すると音より速く大剣を走らせた。斬光が鋭利な弧を描きダフルの脳天に迫る。

 

しかし、ダフルは挙動から放たれる大剣の動きを予測。左に一歩ズレて斬閃を紙一重で躱すと、応手に突きを放って来た。

 

「…………」

 

銀の切っ先が迫る。その動きを優れた瞳で捉えながらテレサは刹那の間思考する。妖気の流れで狙いは最初から分かっていた。この突きは胴体を目指している。

 

しかし、想定より速度が速い。

 

攻撃直後の硬直を脱する時間がない。このままでは、回避出来ずに貫かれる。然りとて大剣を引き戻す時間はない。

 

テレサは大剣から右手を離す。そして高速かつ緻密な動作で突き進む剣先を摘む。もちろん、この程度でダフルの刺突は止められない。だが、テレサの指は自身の体重を支える力は余裕であった。

 

右手で身体を押し上げ、大剣の上で倒立。刺突をやり過ごすと、そのままテレサは前方へと回転し踵下ろしを放つ。

 

ダフルは左手を掲げ、この一撃を受け止める。瞬間、踏み締めた大地が悲鳴をあげ陥没、地と接する両足が深々と埋まり、そこを中心に放射状にヒビが広がった。

 

「……フフッ」

 

ミシッと、本人しか聞こえない肉が軋む音がする。それに笑みを浮かべ、ダフルは左手に力を込める。拮抗していた力のバランスが崩れ、テレサが大きく弾き飛ばされた。

 

小石のようにテレサが宙を舞う。彼女はクルクルと後方回転し体勢を整えるとダフルから三十メートル程離れた位置に着地した。

 

「痛いなぁ」

 

蹴りを受けた左手を軽く振りながらダフルが言う。大人っぽい、目も覚めるようは美しい外見とは裏腹にその声はやや舌足らずで可愛らしいものだった。

 

「いきなり襲い掛かって来るなんて酷いわ」

 

「ハッ、どの口がほざく。先に襲い掛かって来たのはそっちだろう」

 

「え、私なにかしたかしら?」

 

わざとらしく首を傾げるダフル。その仕草は可愛らしく無駄に様になっており人の苦笑を誘う。しかし、コイツは覚醒者の中でも別格に強い化物だ油断は出来ない。

 

「石コロが飛んで来たぞ」

 

「あら、挨拶くらいで怒らないでよ」

 

「じゃあ、私の挨拶にも文句言うなよ」

 

「挨拶の割には殺す気満々だったわよ」

 

「それはお互い様だろ」

 

世間話のような会話をしながら、テレサは注意深くダフルの隙を伺う。しかし、困った事にテレサの目から見てもダフルに隙は見当たらなかった。

 

直立のようで僅かに膝を曲げた体勢。右手の大剣は先が地に着くかつかないかの位置で保持されている。それは大剣の扱いに慣れた戦士が良くする構えの一つだった。

 

「……その剣は誰から習ったんだ?」

 

「お父さんからよ」

 

「嘘つけ、お前の父親ってあの大雑把ぽいデカブツだろ、絶対違うだろ」

 

「デカブツって失礼ね、ああ、でも大雑把ってのは否定出来ないかな」

 

そう、言って笑った瞬間、ダフルがテレサに踏み込んだ。その意表を突くような動きには訓練の跡がある。やはり、何者かに師事したのだろう。テレサは突っ込んで来たダフルを迎え撃つ。

 

「やあっ!」

 

可愛らしい掛け声とは裏腹に、危険な風切り音を響かせ大剣が薙ぎ払われる。テレサはソレをギリギリまで引き付けて躱すとカウンターを取ろうとし──

 

「チッ」

 

──急にそれを止め大きくバックステップで距離を離す。

 

それと同時にテレサが予定していた回避地点を黒い槍が貫いた。剣撃で作った死角に黒髪の槍を潜ませていたのだ。もし、テレサが大剣を紙一重で避けていたら串刺しになっていただろう。

 

「えいッ!」

 

下がったテレサを追ってダフルが攻め込む。左右に振られる大剣に死角から来る髪の槍と鋭い杭。テレサはそれらを防がず躱す。外れた攻撃が地を穿ち、岩を砕く。

 

「…………」

 

無言でテレサが顔を顰めた。危なげなく踊るように避ける彼女だが、その実あまり余裕はない。傷を負うほどではないがヒヤリする事が何回かあった。その理由はダフルの妖気にある。

 

(……面倒なものを覚えやがって)

 

ダフルは極限まで妖気を封じて戦っている。いや、正確には大剣を振る右腕以外の妖気をギリギリまで抑えているのだ。

 

剣撃の動きは妖気読みで簡単に予測出来る。しかし、それ以外、髪を硬化させて伸ばす攻撃も、杭を撃ち出す攻撃も、単純な手足の動きすら先読みが難しい。どうしても大きな妖気を内包する右手に意識が行ってしまうからだ。

 

実に適切な策だ。妖気読みに長けた相手へは非常に効果的だろう。やり辛いことこの上ない。

 

テレサは妖気感知によるものから、視認と経験と基づく先読みへとシフト。集中力を高め反射速度を高めると攻撃を躱しながらダフルの動きを注視する。彼女の癖や呼吸を掴もうしているのだ。

 

「…………」

 

しかし、相手を知ろうとしているのは相手も同じだった。テレサの行動を予測していたのだろう。ダフルはテレサが先読みの性質を切り替えた途端これまでにない妖気を纏い攻撃を繰り出した。

 

突然増した攻撃速度に僅かに反応が遅れ回避が間に合わない。テレサは迫る斬閃を大剣で弾きその反動で身体をずらし、時間差で来た黒槍を回避。ダフルの背後を取ると反撃に転じた。

 

走った剣撃がダフルを目指す。狙いは首、直前でダフルは左腕で跳ね上げ、大剣の腹を叩き斬撃を頭上へ逸らす。

 

弾かれた大剣から伝わる衝撃がテレサの身体を浮き上がらせた。膝が伸び、極短い隙をテレサが晒す。そこに多数の杭が発射される。

 

至近からの放たれた範囲攻撃。テレサは片手を大剣から離し、最初に来た杭を掴み取るとそれを武器に後続の杭を弾き飛ばした。

 

「それ私の」

 

「なら返す」

 

連弾を捌ききるや否や、テレサは杭を投げ返した。ダフルは真っ直ぐ顔面に来た杭を首の動きだけで躱す。

 

だが回避の直後、銀の切っ先が眼前に現れた。

 

先の意趣返し。杭を目くらましに放たれたテレサの刺突だ。これは避けられるタイミングではない。

 

──ガィンっと金属音が鳴り響き、ダフルが大きく弾かれ飛んだ。

 

「おいおい」

 

思わず、テレサの口から呆れ声が漏れる。なんとダフルは顔を動かし、剣先を自身の前歯で受けたのだ。

 

「イタタ……」

 

あっさり着地したダフルが、僅かに切った口端を指で擦る。テレサはダフルに追撃せんと膝を曲げ身を沈めた。直後、地面から髪の黒槍が飛び出して来る。

 

咄嗟に進行方向を後方に変更し槍を回避。すると今度は杭の群れが飛来。しかし、この距離では牽制以上の役割は出来ない。テレサは軌道を見切り、数十の杭を楽々躱しきった。

 

「丈夫な歯だな」

 

「健康には気を使ってるからね」

 

そう言って『いーっ』と子供のように歯を剥くダフル。前歯には小さな傷が一つあるだけで、折れたり欠けたりしておらず、それすらも漏れた出た妖気により復元してしまった。

 

「……なんだ、もう妖気は抑えないのか?」

 

右手以外からも妖気を発し始めたダフルにテレサが問い掛ける。

 

「うん、今みたいな戦いも嫌いじゃないけどね」

 

そう言って笑うや否や、ダフルの顔が黒く変色し金属を思わせる光沢を放った。いや、変化は顔だけに留まらない。首も手足も、そしてきっと服で見えない胴体も滑らかな黒に染まっていた。

 

肌色の変化と共にダフルの妖気が急速に膨れ上がる。途端に目隠しされたような、太陽が雲に覆われたような異様な感覚がテレサを襲う。これには覚えがあった。

 

──強烈な匂いが犬の嗅覚を効かなくするように。

──強過ぎる光の前に人が視界を失うように。ダフルから溢れた膨大な妖気が、氾濫した大河の如く彼女以外の妖気を流し、テレサの妖気感知を狂わせたのだ。

 

「…………」

 

ドクンっと心臓の音が聞こえた。自分が緊張している事がはっきり分かる。辺りに満ちる妖気はかつてのダフルと比しても強大で、テレサに死を予感させるほど苛烈だった。

 

「…………ふぅ」

 

嘆息と共に肩を竦め強張った身体をほぐす。気付けばテレサも妖気を引き上げていた。妖気を解放したのではなく、解放させられたのだ(・・・・・・・)。これは危機感から来る無意識の行動、初めての経験だった。

 

テレサの妖気がダフル一色に染められた地に別の色が混じる。二つの色か互いを喰い合うように広がり、それ以外の色が完全にその地から消えた。

 

(……こうなる前に片付けるはずだったんだがな)

 

テレサは好機を見逃した己に苦笑を浮かべた。

 

テレサがダフルの姿を視認した時、彼女は覚醒体ではなかった。それはこれ以上ないチャンスだった。

 

何故なら、その名の通り覚醒体こそが覚醒者の本領であり、例外なく覚醒者は人間体より覚醒体の方が強い。そして、個体差はあるが覚醒体となるのに用する時間は戦士の妖力解放より長い。

 

そう、テレサは最初から全力を出し即座に斬殺するつもりだったのだ。

 

しかし、実際にやった事は僅かに妖力を解放しての奇襲。どう考えても甘い判断である。しかもその後本気を出すタイミングは幾らでもあったのに終ぞテレサはダフルが本領を発揮するまで金眼になる事すらしなかった。

 

その理由は二つ。

 

一つは思ったよりダフルとの戦いが楽しかった事。そもそも戦いと呼べる戦いをテレサと演じられるものは極めて少ない。勝利が確定したつまらない蹂躙にテレサは飽き飽きしており無意識に競い合うという状況を長く続けたいと思ってしまったのだ。

 

そして、もう一つの理由は純粋にテレサが全力を出す事に慣れていない為だ。

 

テレサは本気を出す事に慣れていない。何故なら彼女は最強だから。加減してなお、あらゆる者を圧倒する絶対強者たるテレサは本気はもちろん妖気を解放する事すら稀だ。

 

だから、初手から全力を発揮するのが不得意で、意図せぬ事だが、彼女は最初手を抜いしまう。その癖が身体に染み付いてしまっていた。これは明確な弱点である。

 

だが、その弱点をダフルは見逃した。

 

「…………」

 

テレサは覚醒体となったダフルを見る。肌色が変わり、髪の量が増え、手足の一部が大きく膨れた以外は人間体とさほど変わらない。しかし、その身から感じる圧力は先の比ではなかった。

 

もし、初手からダフルが本気だったら加減中のテレサはあっさり殺されていたかも知れない。それほどのプレッシャーを感じる。

 

しかし、ダフルはそれをしなかった。そして、その訳は皮肉な事にテレサと同じ理由だった。ダフルもまた絶大な力を持った深淵超えの猛者。テレサ同様に最初から全力を出す事が苦手なのである。

 

「うぅ〜ん、やっぱり戦うなら覚醒体じゃなきゃね……でも、まあ、なかなか使いどころがないのよね」

 

そう言って調子を確かめるようにダフルが手足を動かす。それに倣った訳でもないがテレサも剣の握りを確かめる。

 

体調は万全、溢れる妖気はダフルに及ばぬ強さだが軽く深淵を超える。しかも、まだこれで二割を少し超えたところ。おそらく妖気の総量ならばダフルすら大きく越えるだろう。

 

「相変わらず……うんうん、以前にも増してバカみたいに大きな妖気だね」

 

自身を超える妖気をテレサが持っていると理解したダフル。しかし、彼女はそれを恐れることはなくただ呆れたように息を吐いた。

 

「お前に言われる筋合いはないな」

 

「いやいや、倍近い差があるんだから言ってもいいでしょう」

 

「……その割には余裕じゃないか」

 

「余裕……余裕かぁ、確かにそうだね」

 

此の期に及んで大して緊張した様子のないダフルにテレサは違和感を覚えた。しかし、それも次の瞬間には水泡のように消える。ダフルが剣を構えたからだ。

 

「でも、なんでかな」

 

──負ける気がしないんだ。

 

そう笑いダフルはテレサへ踏み込んだ。

 

 

 

 

イレーネ達が辿り着いた時、そこは既に血の海だった。

 

「…………」

 

人人人、五体をバラされモノと化した人の骸が真っ赤に染まった地の上に転がっている。そんな地獄のような光景の横、山道の端に生えた木を背に良く知る戦士が座り込んでいた。

 

「──ノエルさん」

 

エルダが呼び掛ける。それにヨロヨロと力なくノエルが顔を上げた。

 

「……おう、遅かったな」

 

「遅かったなじゃないわよ」

 

内容とは裏腹に弱々しい口調のノエルにソフィアが食って掛かった。

 

「あなた、何こんなところで道草食ってるのよ」

 

「ってもよ、結構ヤバかったんだぜ」

 

てめーだったら死んでたから、と強がりノエルが木に体重を預けながらゆっくりと立ち上がった。疲労か、恐怖か、それとも別の理由か、その全身は小刻みに震えていた。

 

「……何があった?」

 

立ち上がったノエルに三人を代表してイレーネが問う。

 

「……そこに転がってる奴らが襲い掛かって来たんだ。最初はただの人間かと思ったんだ。けどよ、いきなり杭みたいなの飛ばして来やがった」

 

ノエルが地面を指差す。そこに視線をやれば先ほどイレーネが見た杭にそっくりなものが落ちていた。

 

「それがヤバかった。囲まれた時に一発そいつを貰っちまったんだ。そしたら木の実かなんかみたいに、あたしの体に根を張って来やがったんだ」

 

「……なるほど、その傷はそれが原因か」

 

イレーネはノエルの肩に目をやる。そのにはあるべき防具が消失しており露出された肌は広範囲に渡って抉れていた。

 

「ああ、なんとか無理やりとった。だけどおかげで大分消耗しちまったぜ」

 

「そうか、しかし、その傷でよく勝てたな」

 

「ふん、あたしが簡単にやられる訳ねぇだろ……って言いたいところだが、正直ダメかと思った。でもこいつら急に動きが悪くなってよ」

 

「急に悪くなった?」

 

「ああ、最初はすげぇ統制が取れてたんだ。一糸乱れぬってやつだ。だが、ちょうど今さっきなんだがいきなりてんでバラバラで動くようになったんだよ、だからなんとか倒せた」

 

「いきなりか……?」

 

ノエルの言葉にイレーネは警戒しつつ落ちていた杭を拾い上げて観察する。

 

なんでもない石のように見えるそれには僅かに熱の残滓があり、側面には小さな口と目が付いている。

 

さらによく見ると表面には小さな凹凸があり、見ようによっては発芽したての種のように見えた。

 

統率された動き、根を張る杭、そして先ほど感じた生き物というよりもどこか人形を思わせる生存欲の無さ。

 

「…………」

 

イレーネは考えるように黙り込んだ。

 

「…………」

 

「あの、イレーネさん」

 

口を閉じ思考を始めたイレーネに躊躇い勝ちにエルダが声を掛けた。

 

「疑問は尽きませんが先ずは任務を優先しませんか? ノエルさんが足止め出来なかったのでアガサ達に大分距離を話されてしまっています」

 

「おい、それはあたしに対する当てつけか?」

 

「あ、いえ、そういう訳じゃ」

 

「良いのよエルダ、実際ノエルさんが足止めどころか逆にこっちの足を引っ張ってるんだから」

 

「てめぇ、ソフィアぶっ飛ばすぞ!」

 

「ふふ、そのザマじゃとても無理よ」

 

仲間達の様子を見て頷くとイレーネは杭を捨てた。

 

「……そうだな」

 

そう、任務の内容はアガサ達の粛清。謎の敵や不気味な杭の解明は組織に任せればいい。そう思い直し、イレーネは顔を上げ、仲間達に指示出そうとした。

 

──その時だった。

 

暴力的な妖気の波がイレーネ達に伝わった。

 

「「「…………ッ」」」

 

それは大きな、そう大きな妖気だ。それこそこの場の全員が未だ嘗て感じた事がないほどに。

 

「な、なんです、これ?」

 

あまりに巨大な妖気に周囲への警戒も忘れエルダが愕然とした声を零した。たった今発生した妖気、これはプリシラのそれすら軽く超える。自身の正気を疑ってしまうほどの絶大なものだ。

 

「な、なによこれ」

 

「じょ、冗談だろ? なんだよ、このバカでかい妖気」

 

暗く重い、深淵という呼ぶべき悍ましい妖気に怯えたソフィアとノエルが怯えを見せた。相対せずとも分かる。これと戦えば死ぬ、逃げても死ぬ、出会った時点で生存不可能と瞬時に理解する、その絶望的に隔絶した力の脅威を。

 

「…………薬を飲め」

 

戦士達が呆然としたのはどれほどの時間か? いち早く正気に戻ったイレーネが妖気を消す薬を口に放り、ノエル達にも服用を呼び掛ける。その声にハッとした三人も黒い丸薬を飲み込んだ。

 

薬が効力を発揮し、イレーネ達の妖気を消す。その代わりにアガサ達の妖気を感じる事は出来なくなった。しかし、そんな事はどうでも良い。今はこの妖気に見つからない事の方が遥かに重要だ。

 

妖気で消耗を誤魔化していたノエルが、地面に倒れ掛ける。それを見て素早くイレーネが肩を貸した。

 

「すぐに移動を開始する」

 

イレーネが三人に指示を出す。目指す方角は当初の目的地とはまるで方向が違う。だが、それでいい。そのコースこの妖気の持ち主が追って来た場合最も逃げやすい道なのだ。

 

既に四人の中で任務の続行を考える者はいない。

 

(……すまん、プリシラ)

 

イレーネは妖気の方角にチラッと目をやると内心でプリシラに詫びた。この妖気の側にプリシラを見捨てるからだ。

 

イレーネは自分の選択を間違えだとは思わない。情に流され助けに行く事こそ間違いだ。何せ行けば全滅するのは目に見えているからだ。このメンバーのリーダーとして最善の選択を取る義務がイレーネにはあった。

 

だが、それでも仲間を見捨てるという行為は心が痛む。イレーネは死地にいるプリシラに黙祷を捧げると助けに行きたい思いを断ち切って、急ぎ走り出した。

 

 

 

──そう、だからイレーネ達は気付く事が出来なかった。

 

「…………」

 

イレーネ達の近くに一人の女が隠れていたのを。




光陰矢の如し、今週は忙しいから書けないや……と思ったら数ヶ月経っていた一体誰が私の時を消し飛ばした?(言い訳

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。