天稟のローズマリー   作:ビニール紐

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今回は無双回!!(白目)


第22話

「行くよ」

 

テレサがそうダフルに言う。

 

そして、その言葉が空気を伝わり、ダフルに届く……その前にテレサはダフルの間合いに入り込んでいた。

 

「……っ!」

 

遅れてテレサが蹴った大地から炸裂音が鳴り響く。音を置き去りにする神速の踏み込みだ。

 

そのままテレサは突撃からの刺突をダフルに放つ。それはリフルにすら知覚困難な超速度の攻撃。

 

しかし、これにダフルは反応する。

 

ダフルは刺突の狙いーー心臓を守る為、両手で突きを防御、クロスしたダフルの腕と大剣の鋒が激突、重く鋭い金属音が衝撃波と共に大気を揺らした。

 

「むぅ」

 

ダフルの足が地を離れる。接触の瞬間悟ったのだ。このまま踏ん張っては防御ごと貫かれると。だからダフルはあえて踏ん張らず、テレサの攻撃に押される事を選択した。

 

凄まじい勢いで押されたダフル、彼女は一瞬にして数百メートル以上の距離を弾き飛ばされた。そして、それを追ってテレサが神速でこの場を去る。

 

ここまで、ほんの一秒足らずの出来事だった。

 

「「ダフル(だふる)!」」

 

二人の攻防を遅れて知覚したリフルとダフが、娘を心配して同時に叫んだ。

 

そんな親の片割れーーリフルの顔面に。

 

「……フッ!」

 

ヒステリアが大剣を走らせた。

 

リフルがダフルに意識を向けたと同時に、動いたヒステリア。彼女は瞬間的に70%近くまで妖力解放して跳躍、高い解放率で跳ね上がった速力が、彼女の身体を一瞬でリフルの元へと運んだのだ。

 

「なっ」

 

予想より遥かに疾いヒステリアの動きにリフルが僅かに動揺する。

 

この状況、並みの覚醒者なら一巻の終わり。だが、リフルは深淵だ。そんじょそこらの覚醒者と同じと考えてはならない。なんとリフルは動揺しながらもその斬撃を回避。

 

それどころかカウンターをまで放って来た。

 

複数の触手が前後と真下からヒステリアを突き殺そうと迫ってくる。

 

「ちっ」

 

これにヒステリアが舌打ち。

 

リフルに悟らせぬよう、彼女の身体を駆けず跳躍でここまで来たヒステリアは、今、空中に居る。当然そこに足場はない。その為、普通の方法ではこの攻撃を回避出来ない。

 

故にヒステリアは普通でない方法で回避する。

 

ヒステリアは真下から来た触手の一本に狙いを定めると、剣の腹で押すように弾いた。それにより触手の軌道が変わる。変わった触手が背後から来た触手に激突、双方の攻撃が止まった。

 

その間、ヒステリアは触手を押した反動で倒立回転し、前方からの攻撃を飛び越えた。

 

「ちっ」

 

ヒステリアを仕留め損なったリフルが舌打ち、追撃を彼女に放つ。それを空中で振り向くように放った大剣が斬り飛ばす。再び瞬間的に妖力を解放し、斬撃の威力を高めたのだ。

 

妖気力解放中のヒステリアならば硬いリフルの触手をも斬り裂ける、速度に隠れ勝ちだが、ヒステリアの攻撃力は決して低くはないのだ。

 

リフルの攻撃を凌いだヒステリアが着地。そんな彼女に再び触手が襲い掛かる。

 

だが、既にヒステリアの足は地に着いている。ヒステリアは『流麗』でリフルに残像を見せ、その攻撃をあっさり回避した。

 

「ちっ、ちょこまかと」

 

「フッ、付き合ってもらうわ、深淵さん……あちらの戦いが終わるまでね」

 

苛立つリフルにヒステリアは不敵な笑みを浮かべると、大剣を正眼に構え彼女を挑発した。

 

 

時を同じくて、リフルとヒステリアのすぐ近くでダフとアガサ達の戦いも始まっていた。

 

「がはぁあ」

 

口を開いたダフ。その口内から太い鉄柱のようなモノが射出された。

 

それは再生能力を応用し、硬い外皮を棒状に固めたモノ、その強度は鋼鉄に匹敵する。当然、その威力はかなりのもので、当たれば五体が砕かれるだろう。

 

ーーもっとも、当たればの話だが。

 

「…………」

 

真剣な顔付で射出された鉄柱をアガサが避ける。そして、アガサは意外な程に良い動きで………いや、ナンバー相応の素晴らしい動きでダフに突進、すれ違いざま大剣をダフの足に叩き込んだ。

 

「くぅ…」

 

だが、斬れない。アガサの斬撃はダフの足に一筋の薄い線を残す事しか出来なかった。

 

「てめーらの、ちからじゃ、おれはきれねーよ」

 

そう言ってダフが背後を振り返る。

 

そこにはラキアが刺突の体制のまま固まっていた。ラキアも死角からアガサと同時に強襲していた。だが、やはりと言うべきか? 彼女の攻撃も僅かに外皮を傷付けるだけで、彼に血の一滴も流させる事が出来なかった。

 

「ふん」

 

ダフが裏拳をラキアに放つ、それをラキアはバックステップで回避、だが、拳が通過する直前、ダフはデコピンのように中指を弾いた。

 

大人の頭程もある指先がラキアの顔面に直撃、その顔を陥没させ弾き飛ばす。

 

「ご、ぎゃ…!」

 

悲痛な呻きを漏らし、ラキアが赤い線を空に引いて空を舞う。そんな彼女の腹部を細い鉄柱が貫いた。

 

「まず、ひとり」

 

ダフが掌をラキアに向けながら呟いた。

 

「ラキア!」

 

アガサがラキアの身を案じ叫ぶ。

 

「ギヒャアア!!」

 

そのアガサの声を掻き消すように五体の龍喰いが雄叫びを上げダフに飛び掛った。

 

「おっと」

 

それにダフはドンッと地を蹴り後ろに下がる。そして相対的に遅くなった龍喰いの一体をその右手で捕まえ、握り締めた。

 

「ギ、キャガ、ガ」

 

潰されまいと龍喰いが両手を突っ張りダフの握力に抗う。しかし、それは無意味だ。ダフは口からしたの同じように龍喰いを握る掌から細い鉄柱を射出、動けない龍喰いの頭を打ち砕いた。

 

「てめーらは、ちからはつよいけどよぉ」

 

更にダフは背後に下がり続けながら、左手の指先から細く多数の鉄柱を射出する。それを龍喰い達は高くて跳躍して回避。

 

いや、正確には回避させられた(・・・・・・・・・)

 

「うごきが、わかりやすいんだよなぁ」

 

ダフは腕から自身の身長に迫る、巨大な鉄柱を生成すると、それは握り棍棒のように空中にいる龍喰い達に振り抜いた。

 

「ギ、ギャ」

 

横薙ぎに振るわれた巨大な鉄柱が龍喰い四体を纏めて砕く。この一撃に二体が即死、二体が下半身を砕かれる地に落ちた。

 

「うらぁあ!」

 

そして、ダフは地に落ち再生に入った龍喰い二体に棍棒を叩き付け、駄目押しにその足裏で踏み砕く。

 

それは全く容赦のない追撃だった。

 

「……もっと、かずがいりゃ、やっかいだけどよ、このかずならたいしたことねぇな」

 

龍喰い達が再生しない事を確認すると、ダフは最後に残ったアガサを睨み付ける。その視線にアガサが顔を真っ白に染め、歯をガチガチと震わせた。

 

「さて、はやく、こいつ、ころして、えんごにいかねぇと」

 

「ちょ、つ、強過ぎ、ない?」

 

アガサが泣き言を呟いた。その声は恐怖と緊張で震えている。

 

それも仕方あるまい、攻撃は効かず、味方はあっさり全滅してしまったのだから。

 

覚醒者ダフ、その実力はダフルや深淵を除く覚醒者の中で最高に近い。本気の本気で集中した彼を止められる者は戦士、覚醒者を含めても両手の指で足りる。

 

そのダフがアザサ目掛けて棍棒を振るった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(……おかしい)」

 

ローズマリーは男の覚醒者と戦いながら内心で首を傾げた。

 

戦い始めてから数分、男の右腕は二の腕からへし折れ、胴体には戦鎚でも撃ち込まれたように陥没し、片目は完全に潰れている。

 

それに対しローズマリーは無傷、戦況は完全にローズマリーの優勢だった。

 

しかし、何かがおかしい。

 

「…………」

 

殺意も、気迫なく、淡々と、決まった作業をするように男がローズマリーに接近し、その左腕を振るう。男の指先についた鋭い爪がローズマリーに迫った。

 

だが、ローズマリーは男の手の振りよりも速く、彼の懐深く潜り込むと、その胴体に拳を突き出した。

 

その細腕からは考えられぬ、ローズマリーの剛腕が男の腹部に直撃、怪音を鳴らし硬い鱗を粉砕、腹を大きく陥没させ、その巨体を十数メートル殴り飛ばした。

 

「…………」

 

しかし、そんな強力な拳打を受けながらも、男は倒れない。攻撃により浮いた二本の足を地に打ち付け、地面に線を引いて身体を停止させると、間を置かず再びローズマリーに襲い掛かった。

 

その動きはダメージで鈍っているが、彼の表情には痛みも、格上と戦っている緊張感も、そして、このままでは死ぬという恐怖もない。

 

何もない感じていない、そんな顔だった。

 

「(……なんなんだ、この人っ)」

 

そんな男にローズマリーは恐怖する。戦闘力は予想通り大した事はないせいぜい一桁下位の覚醒者レベル。外皮が非常に硬い以外は目立った特徴のない相手だ。

 

だが、男は決定的になにかが壊れていた。そして、何がヤバイか分からないがとにかく得体の知れない危機感を感じる。

 

その為、ローズマリーは決着を早める事にした。

 

男が右足を軸に一回転、長く太い尻尾をローズマリーに振るう。それをローズマリーは地に身体を擦り付けるくらい体勢を低くして回避、そのままの接近し、男の右足にローキックを叩き込む。

 

一撃、二撃、三撃、瞬く間に三回の蹴撃を繰り出したローズマリー。強力な連続蹴りを同じ箇所に打ち込まれ、男の足がその肉ごと真っ二つにへし折れる。

 

そして、折れたのは軸足だ、体重を支えていた足を粉砕され、男が膝をつくように倒れ込む。その倒れて来た男の顎をローズマリーが蹴り上げた。

 

轟音と共に身体ごと男の頭が跳ね上がり、それにより男が棒立ちになる。

 

次の瞬間、その腹に飛び蹴りが直撃、斜め上に男が蹴り飛ばされた。

 

放物線を描き、背中から地面に落ちる男、しかし、その着地点にローズマリーが先回り、落ちてきた男の後頭部に、右足を振り上げた。

 

ーー直後、轟音が木々を揺らす。

 

落下する全体重とローズマリーの蹴りの威力をまとめて喰らった後頭部が彼女の足型に陥没、その威力に押され、男は高速で頷いた。

 

行ってはならない角度まで首が曲がり、それにより鰐型の長い口が、自身の胸に激突、頭がバウンドし、ローズマリー目掛け後頭部が返ってくる。

 

そこにローズマリーが止めの一撃を放った。

 

ローズマリー渾身の蹴り、それが陥没していた後頭部に再度激突、直後、硬いもの同士が高速で衝突した音に続き、バチャンっと水面を叩いたような音が響く。

 

そして、男の頭は敢え無く爆散、ローズマリーの視界を赤一色に染め上げた。

 

 

 

 

 

黒い帯が優雅な動きで空を舞う。

 

黒帯は水面を泳ぐ蛇の如く、緩やかな速度でうねりながら進むと、急にうねりを止め、ピンと伸び、一本の黒槍と化した。

 

「つぅ……」

 

タイミングを外し放たれた黒槍、それをヒステリアが首を逸らして躱す。だが、彼女の頬には一本の赤い線が引かれている。

 

回避しきれなかったのだ。

 

「見事な動きだけど、そろそろ目が慣れて来たわ」

 

そう、冷静な声で、触手を放ったリフルが言う。

 

序盤は、急がねばと焦るリフルを挑発と『流麗』で更に乱し、深淵相手にヒステリアは互角の戦いを演じていた。

 

だが、中盤以降からは焦っては余計に時間を食うと悟り、冷静さを取り戻したリフルに押されっ放しになっている。

 

無理もあるまい、元から地力が違う。むしろ押されながらとはいえ、ローズマリーのような再生能力もなしに単身、時間を稼げているだけで驚嘆すべき事だ。

 

 

ーーしかし、それもそろそろ限界。

 

「はぁ…はぁ…くっ」

 

ヒステリアの体力が底をつき始めて来たのだ。

 

現在、ヒステリアが使用している『流麗』は本来は多用するような技ではない。

 

瞬間的な妖力の急上昇により運動速度を大幅に引き上げ、その速度差と巧みなステップを併用する事で相手に残像を見せる。それが流麗という技だ。

 

そして、この瞬間的な妖力の急上昇がかなりの負荷を使用者に与える。しかも、今使っている流麗は普通のものとは違う。

 

普通、流麗は緩急をつける為に最初は妖力解放せず、無解放から妖力急上昇させる。

 

だが、今使っているのは妖力解放状態からの流麗だ。遮蔽物の少ない開けた場所でリフルの攻撃を避け続けるには常にある程度の速度を維持しなければならない。

 

そして、ヒステリアをもってしても、無解放でその速度を出す事は出来なかった。

 

だから今、ヒステリアは無解放から40%解放のところ、20%解放から60%解放というかなり負荷が大きいやり方で流麗を発動しているのだ。

 

「ふふ、速度が落ちてきたわね、ほら捕まるわよ?」

 

正面から刺突、背後から薙ぎ払い、左右からは斬撃、と四方からヒステリアに触手が殺到する。速度が落ちたせいで包囲されてしまったのだ。

 

「くっ…」

 

その同時攻撃をヒステリアは跳んで避ける。回避ルートはこれしかない。

 

だが、それは罠だ。

 

「ほら次よ!」

 

リフルは身体を支える最低限のを残し、全ての触手を正面に集めると一瞬、ギュッと力を溜めるように縮め、その直後、弾けるようにそれを放った。

 

百を超える触手が刺突の雨となってヒステリアに襲い掛かる。

 

ーー避けられない。

 

「はぁあああッ!!」

 

ヒステリアは必死に大剣を動かし、迫る触手の群れを斬り払う。しかし、剣一本で凌ぐにはその数が多過ぎた。

 

ザクザクと地にシャベルを突き立てるような音がする。その度に鮮血が宙を舞う。

 

そして、数秒後、ヒステリアが地面に着地。同時にボトリと、水気を含んだ重いものが地に落ちた。

 

「ぐぅ、はぁ…はぁ、がぁ、はぁ」

 

荒い息を繰り返し、ヒステリアが倒れそうな身体をなんとか立たせる。

 

その身体には左手がなかった。

 

「……やるわね」

 

ヒステリアと地に落ちた穴だらけ(・・・・)の左手を見てリフルは心底関心したように呟いた。

 

ヒステリアは攻撃を捌ききれないと悟るや否や左手を捨てた。右手で大剣を振るい、それでも落としきれなかった刺突を左手を盾に受け逸らし、悪夢のような連撃を最小限のダメージでやり過ごしたのだ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

攻撃が止んだ隙に急いで息を整えるヒステリア。そんな彼女を見てリフルは肩を竦めた。

 

「頑張ってるけどもうボロボロね、そろそろ諦めたら? これ以上粘っても辛いだけよ?」

 

「はぁ、はぁ……ふふ、まだ…まだよ」

 

リフルの言葉に、途切れ途切れ言葉を返すと、ヒステリアは再び大剣を構えた。息も絶え絶え、体力も限界、その上、片腕を失った彼女だが、その気迫だけは衰えていない。

 

そんなヒステリアにリフルは呆れたような顔をする。

 

「なんでそこまでして時間を稼ぐの? そこを退くなら見逃してあげても良いのよ?」

 

「はぁ、はぁ……ふぅ……嘘ね」

 

「本当よ、正直、あなたほどの実力者を見逃したくはないけど……今はあなたを殺すより優先したい事がある」

 

そう言ってリフルは一瞬、心配そうな目でヒステリアの遥か後方、轟音と衝撃波が絶えず巻き起こっている地点に目を向ける。

 

そこはテレサとダフルの頂上決戦が行われている場所、最強のクレイモアと最強の覚醒者が雌雄を決する地だ。

 

ここからでは大まかにしか分からないが、妖気の動きを見る限り、二人の戦いはほぼ互角らしい。

 

だからこそリフルは怖い。天秤が傾くか分からないからだ。

 

持久戦となればダフルが有利だとは思うが、それでもひとつ間違えれば負けかねない状況だからだ。

 

早く援護に行きたい。それが偽りなきリフルの本心である。

 

しかし、ここまでの戦い振りから短時間で勝てる程、ヒステリアは容易い相手ではないとリフルは思った。

 

いや、正確には短時間で勝てるには勝てる、だが、下手をするとヒステリアを覚醒させかねない。

 

流麗という繊細かつ覚醒の危険を孕んだ技を使っているのだ。追い込みすぎて限界点を読み間違え覚醒……なんて事になったらどう転ぶか分からない。

 

覚醒して、ヒステリアが戦いを止めるなら良いが、もし、戦闘続行なんて事になれば目も当てられない。元の力量から考えてヒステリアが覚醒すれば間違いなく深淵レベル。そんな彼女と戦えばダフルの援護どころか自分の命さえ危なくなる。

 

ーーだからこそ。

 

「私は早くあの子の元へ行きたいの、そこを通してくれるなら私達に手を出さない限り二度とあなたを襲わないと約束するわ……どう、悪くない取引だと思わない?」

 

だからこそ、リフルは交渉を持ちかけた。見逃してやるからそこ退けと。

 

「…………」

 

その提案に、ヒステリアは油断なくリフル観察しながらも考える素振りを見せる。

 

そしてヒステリアは。

 

「………嫌よ」

 

体力回復と僅かな時間を稼いだ後、リフルの申し出を拒否した。

 

「……そう」

 

考える素振りはブラフだろうとリフルも分かっていた、だが、万が一があるので待った。

 

待った結果、予想通りだった。

 

予想通りだったからリフルの殺意が高まった。

 

 

「意思は硬いのね。そういう人は嫌いじゃないけど……今はちょっとウザいわね」

 

「まさか、少しでもその申し出を受けると思ったの? そんなの受けるわけないじゃないあの子と約束したんだから」

 

「約束? ……さっきあの子が言ってた時間を稼いでってやつ?」

 

「ふ、ふふ、違うわ」

 

「違う?」

 

ではなんだ? と首を傾げるリフル。そんな彼女にヒステリアが会心の笑み浮かべ、こう言った。

 

「ええ、あなたを倒すって約束よ」

 

「…………」

 

ビキ、ビキという音がリフルのこめかみから鳴った。

 

「……そういう強がりは……」

 

触手で地面を蹴り、リフルがヒステリアに踏み込んだ。

 

危険を感知し、ヒステリアが下がる。

 

それと同時に高所にあったリフルの上半身が地面スレスレまで落ちる。足の代わりだった触手達が凄まじい勢いで、彼女の上半身に巻きついた。

 

ーーそして。

 

「これを凌いでから言う事ねッ!!」

 

黒い刃の竜巻がヒステリア目掛け放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 




腕が軽い…

こんなに筆が進むのは初めて(出来が良いとは言ってない)…

もう更新を待たせないーー!(フラグ)

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