力持ちの人魚と祝福の風も神様転生   作:峻天

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後書きに、うみなみ寮の案内があります!


002 うみなみ寮は豪邸かも

楽しいティータイムの中...同居人は家族みたいなものと云う訳で、仲人達四人はお互い名前で呼び合うようになった。彼等の親代わり且つ保護者であるセレンにだけは“さん”付けであるが...

 

 

~仲人 side~

 

「翔。アキラとリインについて、話そうかと思う。一緒に暮らす以上、隠し事は出来るだけ無い方が良いし」

 

「行き成りだな...確かに、隠し事が無ければ楽だけどよ...言ってしまって大丈夫か? 二人はショックを受けると思うぞ?」

 

此方の秘密を明かそうかと伝えると、翔は目を見開いて応えた。確かに、ショックを受けるかもしれない。でも...

 

「平行世界だからと言えば、大丈夫...たぶん」

 

「そうだと良いんだがなぁ...う~む」

 

翔は腕を組み、悩む顔で考え始めた。大丈夫だよ...きっと。

 

「ねぇ、悩み事なの?」

 

「もし、そうなら遠慮なく教えてくれ。力になれるかもしれない」

 

「......」

 

此方の様子を見ていたアキラとリインは、悩み事なら相談に乗ると手を差し伸べた。セレンさんは何も言わない。如何やら、此方の言いたい事に気付いているようだ。

 

「いや...アキラとリインにとって複雑な話だから、言って良いか如何か悩んでいるだけだよ」

 

「「私の...?」」

 

何に悩んでいるのかを伝えると、アキラとリインは呟いて首を傾げた。......よし、言ってしまおう。ショックなんて、最初だけだ。後よりも、今の方が良いと思うから...

 

「実は...アキラとリインについて、一部だけ知っているんだ」

 

「代表的なのを挙げれば...アキラは麻帆良学園の水泳部のエースとか、リインは闇の書になってしまった夜天の書の管制人格とかだな」

 

「「!?」」

 

腕組みを解いた翔と共に思い切って伝えると、アキラとリインは目を見開いて驚愕した。うん、予想していた通りの反応だ。

 

「アキラにとっての親友は明石裕奈、和泉亜子、佐々木まき絵の三人。中等部三年の担任は、三学期にイギリスからやってきた十歳の少年ネギ・スプリングフィールドで、修学旅行は新幹線で京都へ行った...で合ってるよね?」

 

「う、うん(詳し過ぎる...何処まで、知っているんだろう?)」

 

「夜天の書の守護騎士は剣の騎士烈火の将シグナム、鉄槌の騎士ヴィータ、湖の騎士シャマル、盾の守護獣ザフィーラ。祝福の風...リインフォースの名前は、最後の主である八神はやてに名付けてくれた...で合ってるよね?」

 

「あ、ああ...間違いは、一つもない(詳しいな...仲人と翔の世元にも、我が主と夜天の書が存在しているのか?)」

 

此方の秘密明かしに追って確認したら、アキラとリインは複雑な心境で顔を縦に振って肯定した。原作と違う所はあるか、と思ったけど...そうでもないみたいだ。

 

「...ねぇ、仲人と翔の居た世元に私とリインは存在していて、会った事があるの?」

 

何故知っているのか、推測したアキラは此方に質問した。言いたい事が同じで、リインは質問に合わせて頷く。その推測は、半分ハズレだよ。会った事があるのは、紙とテレビ画面で...だ。

 

「いいえ。アキラとリインは、フィクションの架空人物で実在していないよ」

 

「アキラは漫画の魔法先生ネギま!で登場し、リインはアニメの魔法少女リリカルなのはで登場する人物って事さ。平行世界は無限で何でも有りと納得してくれると有り難い」

 

「「......」」

 

顔を横に振った僕の返答に加えて、翔は本を読むようなアクションをしたり東のテレビに指差したりして説明した。アキラとリインは黙ったままだけど、事実を受け入れる。思っていたよりショックは小さいようだ...恐れていた事が、杞憂で良かった...

 

「...そう云えば、転生する前に...神様は此処を、魔法少女リリカルなのはと言ってたような気がする...」

 

アキラは目を瞑り、こめかみに右手人差し指を当てて呟いた。その神様が、言っていたと云う事は...アキラの居た魔法先生ネギま!世元にも、魔法少女リリカルなのはのアニメが在るんだね。

 

「一年前に来られた琢磨も、此処を魔法少女リリカルなのはと喜びながら、仰っていましたね」

 

「ははっ...その気持ちは分かりますよ。正直言って...俺も、架空人物ではなく実際に生きているアキラとリインに会えて感激しました」

 

「うん、僕も」

 

セレンさんは思い出して言うと、翔は苦笑して応えた。僕も苦笑しながら同感する。聞いたアキラとリインは、頬を紅く染めて俯いてしまった。有名人の立場は、こんな感じなのかな?

 

「仲人、翔。いいですか? 存じている人物とお会いしても、今回と似た様に“此処はアニメの魔法少女リリカルなのはです”と申し上げる事は、薦められません」

 

それを話して、何のメリットがあるのか? 相手が混乱して、説得の為に世元・平行世界についての説明が大変なだけ。それ以前に余り良い印象を持たないし、相手に失礼でもある。僕と翔は、セレンさんに注意された。聞いたアキラとリインも、コクコクと頷いてその注意に賛同する。無粋ですみません...翔と相談して、その件は秘匿にすると決めた。

 

注意された後...ちょっと不和な感じを落ち着かせる為に、また休憩に入った。その際、セレンさんが「紅茶のおかわり要りますか?」と訊いてきたので、僕達四人は返事して紅茶のおかわりをする。

 

・・・・・

 

「皆さんに確認したい事があります。同僚から何かの力を頂きましたか?」

 

話し合いの再開で、最初にセレンさんが質問してきた。確かに、神様から特殊能力を頂いたけど...行き成りの質問だね。

 

「僕は、一度見た他人の特殊能力をコピーして自分のものにしてしまう力を頂きました。その名称はスキルコピーです」

 

「俺は、イメージした通りの性能を持ったアイテムを何でも作れる力を頂きました。それをアイテムクリエイションといいます」

 

「私は水を操る力と、一時的に指定技能を一流にしてしまう力を頂きました。後の方は確か...皇帝特権といいます」

 

「私は風を操る力と、瞬間回復と呼ぶ力...自分の状態を直ぐに全回復させる力を頂きました(どれも、ロストロギアと判定されるものばかりだ...流石、神様の力と云う所か)」

 

僕、翔、アキラ、リインの順で答えていった。アキラとリインも、力を頂いていると知ってビックリだ...しかも2つ。彼女二人は勿論、僕も翔も転生前と比べて、もう別人だよ...

 

「全員ですね...その力の詳細について、把握出来ていますか?」

 

「「「「(詳細...)」」」」

 

セレンさんから特殊能力の詳細と聞いて、僕と翔は視線を外して神様と会った事を思い出す。そういや...神様から簡単な説明しか、聞いていない。あの時はテンションが高くなっていて、大切な事を忘れていたよ。アキラとリインの方も、詳細の説明を受けていないみたいだ。

 

「私が皆さんの能力情報を調べて、詳細を説明していきましょうか」

 

「「「「はい...お願いします」」」」

 

セレンさんは微笑むように苦笑し、フォローを入れると話した。頭が上がらない僕達四人は言葉に甘えて、能力を調べて貰う事にする。調べる方法は、対象を見るだけらしい...しかも、1秒も掛からないそうだ。神様のレベルは凄いや...本当に。説明に備えて僕と翔は、アイテムクリエイションでメモ帳と鉛筆を4つ作って、2つはアキラとリインに配った。

 

先ずは僕について...驚いた事に、神様から貰った力はスキルコピーだけではなかった。それはSランクの魔力である。特殊能力のスキルコピーで、コピー習得できる数は7つまで。能力を見て自動的に覚えるが、要らない場合は24時間以内に破棄が可能。翔のアイテムクリエイションで引いて残り6つか...その4つ分は、アキラとリインの特殊能力が候補に入るね。因みにセレンさんの調べる特殊能力は、見て分からないのでコピー習得出来ない。

 

次は翔について...僕と同様にSランクの魔力を貰っている。特殊能力のアイテムクリエイションは、魔力を消費してアイテムを作り出す。注ぎ込む魔力の量に比例して、アイテムの性能が高くなる。また、アイテムのエネルギーも、魔力から変換するそうだ。そう云えば【寒くないコート】を着ている間、何かが吸い取られているようなないような感じは、魔力なのかな? だとしたら【寒くないコート】は魔力を吸い取って効果を発揮する仕様になっているかもしれない。アイテムのエネルギー方面でタイプに分けるとしたら、注ぎ込み型・自動吸収型・電池内包型か...秘密道具なら、電池内包型に当てはまるな...兎に角、作るアイテムのエネルギーは有限だと理解出来た。

 

それからアキラについて...僕や翔と同様にSSランクの魔力を貰っている。特殊能力の水を操る力は、魔力を消費して水に関わる物質を操る。元素の水素と酸素を生み出したり、水を作ったり、水を動かしたり、気体・液体・固体と水の状態を変化させたり出来る。もう一つの特殊能力の皇帝特権は、発動させて技能が一流になっている間、魔力を消費し続ける。特殊能力のコメントはさておき、アキラは水に愛されているなぁ...魔力は僕と翔より多いね。SランクとSSランクの差はどれ位か、分からないけど...

 

最後はリインについて...夜天の書の管制人格の力や経験を引き継いでおり、魔力はSSランク。特殊能力の風を操る力は、魔力を消費して大気に含まれる多種の元素(気体だけ)を生み出したり、大気を動かしたり、真空を発生させたり出来る。もう一つの特殊能力の瞬間回復は、体力も魔力も負傷も病気も全回復する。更に、失った部分の再生も可能。但し、発動したら24時間経つまで再発動出来ない。特殊能力のコメントはさておき、夜天の書の力を引き継いでいるのなら、恐いものなしだね...しかも、魔力全回復を含む瞬間回復があって鬼に金棒だ。

 

「セレンさん。突然、能力について話すと云う事は、黒柳琢磨の方も力を貰っているんですか?」

 

こちら転生者全員、転生前に居た世元の神様から能力を貰っている。もしかしたら...と気になったので、セレンさんに質問した。

 

「ええ、彼も同僚から力を頂いています」

 

セレンさんは顔を縦に振って肯定し、黒柳が持つ能力の情報を教えた。彼の能力は「投影開始」と唱えて、剣・槍・弓・盾を作る力と「壊れた幻想(ブロークンファンタズム)」と唱えて、作った武器を爆発させる力と「王の財宝(ゲートオブバビロン)」と唱えて、何も無い空間から武器の数々を出して撃ち飛ばす力。無断で能力を調べるわけにはいかないので、公になっているものだけで、その他にもあるかもしれない。あと、SSS+ランクの魔力を貰っている。どれも、アニメのFateで登場する赤服アーチャーと金鎧アーチャーの能力だ...アイテムクリエイションで、サーヴァントの武具型宝具を再現する事も可能だけどね。しかし、魔力の都合でSランクまでだ。と云うか、相手を殺すアイテムを作る気は無い!

 

「戦闘向けで物騒な能力ばかりだぜ...あいつ、ジュエルシード事件と闇の書事件に関わったかもしれねぇな...」

 

「ええ。翔の言う通り、彼は2つの事件に関わっています(彼の功績は認めますが...人の迷惑を考えない勝手な性格を何とか、直したいものですね)」

 

翔は顔を引き攣らせて呟くと、セレンさんは頷いて黒柳について答えた。ジュエルシード事件では...ジュエルシードの回収を手伝ったり、ジュエルシードの暴走を止めて海鳴市を救ったりした功績がある。闇の書事件では...魔力を蒐集されてSSS+ランクからSランクに落ちてしまったものの、解決に協力した功績もある。黒柳の魔力落ちについて、何とも言えないけど...お疲れ様です。

 

「我が主の為とは云え、彼に悪い事をした」

 

黒柳の魔力落ちに対して、リインは申し訳なさそうな顔になって呟いた。此処...異世元で起きた闇の書の問題でも、他人事ではないらしい。リインは責任感が強いね...

 

「あの事件の中、セレンさんは如何していたんですか?」

 

「私はあの世にある我が城で、仕事をしていました」

 

セレンさんはアキラの質問に答えた。自分の傍(普通の人でも気付く範囲)で起きた問題を除いて、普段は宇宙の全人類が起こした問題に介入しない。起きた事件の情報は、担当の部下から報告を受けているそうだ。人が起こした問題は、人が責任持って後始末をする...それで、正しいかもしれないね。

 

「転生関係の話は此処までにして...これから如何するか、決めましょう。見たところ、貴方達の“肉体年齢”は琢磨と同じなので、四月から私立聖祥大学付属小学校四年生に編入させます」

 

「「「小学校...」」」

 

「学校か...」

 

二度目の小学生活だから、僕と翔とアキラは嫌そうな顔をした。逆に学校へ行った事が無いリインは興味津々のようだ。小学校...う~ん、抵抗が...

 

「アキラ、仲人、翔。そんな顔しないで下さい。義務教育として日本国民はその歳で学校に通うのが当たり前なのです」

 

「「「......はい」」」

 

苦笑しながら、此方に説得するセレンさん。僕と翔とアキラは、渋々了承する。むむ...仕方ないか...もう戸籍が決まってしまっているから【としの泉ロープ】で高校生に戻り、直ぐ高校生活をやり直す考えは無理だな。

 

「仲人、私からのお願いです。寮長になってくれませんか?」

 

「へ!? 僕が寮長?」

 

僕の方へ振り向いたセレンさんに寮長を指名されて、目を見開いて自分に指差す。担任の先生にクラス委員長を指名されたような気分だ...これは中学生以来かな。

 

「はい。私は仕事で忙しいので、殆ど此処に居ません。其処で、日常は四人だけで協力し合って生活する事になります」

 

セレンさんは微笑んで頷き、理由を伝えた。僕達四人だけで生活する中、寮長は家計を立てたり、皆の意見を纏めたりするリーダー役。リーダーは特殊能力が一番多い人に任せると云う単純な理由で、特殊能力が7つまで増える僕を指名した。なに日常生活と関係無いような理由? と思ったけど...突っ込むのは止そう。そんなに嫌ではないからね。

 

「了解しました。任せて下さい!」

 

「仲人。私は副寮長に立候補する。良いかな?」

 

「アキラ? 良いけど......翔とリインは、それで構わない?」

 

自分の胸を叩いてセレンさんに返事した後、アキラが副寮長に立候補してきた。少し驚いてアキラに応えてから、翔とリインに確認を取る。アキラは積極的だね...大人しい所はあるけど、原作と比べて強気を感じる。

 

「おう! 俺は構わないぜ」

 

「異論は無い。困った事があったら、遠慮なく言ってくれ」

 

翔とリインは笑顔で賛成した。これで僕が寮長、アキラが副寮長と決定したね。此処は一つ、気合を入れて...

 

「よーし...皆。気合を入れていこう! えいえい...おー!」

 

「「「おー!/ぉ......おー!」」」

 

「ふふ...(早く馴染んでいる...これから先、上手くやっていけますね)」

 

僕と翔とアキラは、強く握った右手を挙げて気合の一声を上げた。ファイト一発が分からなかったリインは、此方とアキラを交互に見て、遅れて気合の一声を上げる。僕達四人の様子を見て微笑むセレンさん。とまぁ...これで僕達四人の生活が一歩、歩み始めたな。

 

それから暫く経って...セレンさんは、その円柱椅子横に置いたバッグから財布と通帳とキャッシュカードと印鑑(ハンコ)を取り出した。

 

「仲人、これが生活費と印鑑です。失くさないように気を付けて下さいね」

 

「はい! お預かりします」

 

セレンさんから茶色長方形財布と海鳴銀行通帳と海鳴銀行キャッシュカードとブレイス印鑑を受け取った。財布に5千円、通帳に30万円あり、生活費は毎月25日に30万円仕送り(口座振込)するとの事。その日が休日の場合は前日繰り上げとなる。お父さんの給料日と同じだな...

 

その後...セレンさんはバッグから、うみなみ寮の内部マップを4枚取り出して僕達四人に配った。そして、うみなみ寮についての説明を始める。御手洗い・浴室・洗濯場・キッチン・食堂は一階にあり、僕の部屋と翔の部屋は二階にあり、アキラの部屋とリインの部屋は三階にあり、洗面所は二階だけでなく三階もあると聞いた。二階は男子フロアで、三階は女子フロアだね。

 

「個室は寝室付きで二部屋もあって、リッチだな...」

 

「うん。部屋が広くて、掃除が大変そう...」

 

説明を聞いた後に内部マップを見た翔とアキラは、感嘆して感想を述べた。確かに、二部屋もあって豪華だよね...セレンさんの実家にある私室も、そう云う造りになっているのかな? 見てみたいけど...女性に失礼か。

 

「皆さん。今から自分の部屋を確かめてみますか? 家具と家電と着替えは一通り、買い揃えてあります」

 

「そうですね......皆、上の階にある自分の部屋へ行ってみよう!」

 

「「「おう/うん/ああ」」」

 

セレンさんに頷いた後、ワクワクした気持ちで皆に呼び掛けた。翔とアキラとリインは笑顔で賛同する。うんうん、階段を目指してレッツ・ゴー!

 

「ふふ...上の階から戻って来るまでの間、私は美味しい夕食を作りますね」

 

微笑んだセレンさんに見送られ、僕達四人はリビングを後にして廊下の西へ進む。今日の夕食はセレンさんの手料理かぁ...それも楽しみだな~。

 

・・・・・

 

「私の部屋は三階だね」

 

「男子が二階で女子が三階となると、此処で別れだな」

 

「ははっ...そーだな」

 

「アキラ、リイン。用が終ったら、此処に集合しよう」

 

「「うん、解った/了解した」」

 

8段上って、左Uターンして、7段上って二階に着いた所で...アキラ、リイン、翔、僕の順に話した。アキラとリインは僕の決定に了解した後、三階へ右の階段を上って行く。何となく、三階は男子禁制の感じがするな...

 

「仲人の部屋は直ぐ其処で、俺の部屋は南東だな...行ってくるぜ」

 

翔は東へ続く廊下を通って右のスライドドアを開け、部屋の中に入って行った。その反対側(北東)に和室があるけど、二室とも襖は開いたままだ。

 

・・・・・

 

「おおっ!?」

 

部屋の中に入ると、思わず声が出てしまった。八畳だから広いのは勿論、32インチのプラズマテレビやコタツがあり、本棚と勉強机を除けばリビング並みの空間だった。おまけにノートパソコンや携帯電話もある。部屋の南西隅にある勉強机に近付いて携帯電話を確認してみたら、既に翔とアキラとリインとセレンさんのアドレスが登録されていた。メールアドレスにある@の後にceren.ne.jpとあったけど...電話契約は如何なっているんだろう? ノートパソコンの方も気になるな...後で見よう。

 

「おおっ!?」

 

東のテレビの右にある出入口を通って寝室に入ると、また思わず声が出てしまった。何故ならベッドは大人二人でも余裕と云える大きさだからである。見た感じ、フカフカしていて良い夢でも見れそう。二度寝は危険だ...うん。

 

「...よっと」

 

翔から貰った【寒くないコート】を寝室西(入口の右隣)のクローゼットに仕舞い込む。クローゼットと右隣のタンス二台の中を見たところ、着替えは夏服も冬服も充分揃えてあった。匂い、質感、本当に新しいね...

 

「おーい!」

 

「...ん?」

 

翔の呼び声が聞こえたので、リビング似の部屋へ向かった。

 

「翔。如何したの?」

 

「自分の部屋に居てもやる事はねぇから、様子を見に来ただけだ。......つ~か、水色の絨毯と水色のカーテンと家具の配置が、俺の部屋と丸っきり同じじゃん!」

 

部屋の中を見回して苦笑する翔。そうなんだ...これはデフォルト配置で、アキラの部屋とリインの部屋も、此処と同じかもしれないね。今は私物が無いから、個性を感じないな。

 

北にある階段からアキラとリインの足音が聞こえるまで、此処のコタツに入りながらうみなみ寮について、翔とお喋りした。

 

~side out~

 

 

~アキラ side~

 

「凄い...」

 

三階廊下でリインと別れて階段直ぐ前のスライドドアを開け、部屋の中に入ると八畳もあって広かった。麻帆良学園高等部女子寮で亜子と暮らしていた部屋とあまり変わらないが、二人部屋ではなく一人部屋。前の寮個室に無いテレビが置いてあるし、ピンクの絨毯とカーテンは可愛いし、他三人の部屋もこんな感じだと思うと本当に凄い。流石に、仲人の部屋と翔の部屋にピンクは無いと思うけど...

 

「わぁ...」

 

東へ進んで寝室に入ると西のクローゼットやタンスは勿論、東に大きいベッドや綺麗な三面鏡式鏡台があった。前の寮は二段ベッドだったけど、このベッドはふんわりとした感じで気持ち良さそう...良い夢でも見れるかな?

 

「......」

 

亜子...行き成り私が居なくなって、部屋一人になって寂しい思いをしていないだろうか? 私だって寂しいよ...お父さん、お母さん...裕奈やまき絵にも皆、一生会えないと思うと...

 

「...っ!? ん......すぅ...はぁ...」

 

目に温かいものが溜まりそうになるが、暫く顔を上に向いた後に深呼吸して悲しい気持ちを落ち着かせる。泣いちゃダメだ! 転生する前...神様の所に居た時、涙が枯れるほど泣いた。神様は泣いて誠意もって土下座までして謝ってくれたので、怒るに怒れなかった。新しい命を頂いたから前向きに一生懸命生きよう。新しい家族で新しい友達の仲人や翔やリイン、そしてセレンさんが居るから...この世元で私、頑張るよ。お元気で...お父さん、お母さん、亜子、裕奈、まき絵、ネギ先生、皆、さようなら...

 

~side out~

 

 

~リインフォース side~

 

部屋の中に入って周りを見回した後、東の寝室へ進む。部屋は二室もあって広い。些か贅沢ではあるが、初めて自分の部屋を持つのは嬉しいものだ。ベッドで寝れるなんて、何百年ぶりになるか...忘れてしまった。

 

「それよりも...」

 

南の窓から外の景色を眺める。魔法でサーチをかけてみたところ、南へ80メートル離れた場所に、我が主や守護騎士達の魔力反応があった。そんなに住所が近かったから驚いたのは本当だ。セレンさんのご配慮だろうか? 感謝しても、感謝しきれないな...いつまでも忘れずに、孝行だ。

 

「......」

 

胸に手を当て、顔を下に向いて自分の身体を見詰める。私は人間になれた...いや、転生したと云うべきか。我が主に会いたいと云う願いを叶えてくれた神様に感謝している。更に異世元の私が前の世元へ訪れる理由そのものが、今回のケースと同じだと聞いて流石に驚いたがな。

 

「...むぅ」

 

直ぐにでも我が主に会いたいが、空は紅く染まって今は夕方。遅くまで訪れるのは迷惑になる。仕方ないな...明日にしよう。そう云えば、仲人と言う少年は我が主と似ていたな。彼と初めて会った時、我が主かと思ってしまった...性別も性格も別だが、彼女と変わらない優しさを感じる。ふふ...本当に兄妹な感じで、余所な人とは思えないな...

 

~side out~

 

 

~仲人 side~

 

二階階段でアキラやリインと合流して一階に下りると、食欲が湧く美味しそうな匂いが流れた。その匂いを受けた僕達四人は、自然に口の中で溜まる唾を飲んで食堂へ向かう。目的の食堂は確か...リビングの東隣だ。

 

「すげぇ...」

 

「美味しそう...」

 

「これは見事な...」

 

上から翔、アキラ、リイン。僕達四人は食堂の食卓テーブル上に並べられている夕食を見て、目を輝かせている。多種(コーン・玉子・稲荷・エビ・イカ・マグロ・イクラ等)の御寿司を乗せた大皿が食卓テーブルの中心にある。個々の場所に空の小皿とポテトサラダ、大根の角煮、ワカメの味噌汁、デザートのフルーツポンチ。どれも一流の出来上がり。見て涎が出てしまう程、美味しそうだ...

 

「皆さん、おかえりなさい。ささ、席に座って食事にしましょうか」

 

お茶のポットを持ってキッチンから入って来たエプロン姿のセレンさんに言われて、僕達四人は頷いて席に座った。セレンさんは食卓テーブル東(後ろはキッチン側)の席に座り、ポットのお茶を5個のコップに淹れる。席の配置はリビングで話し合いの時と同じ。セレンさんの向かい...食卓テーブル西にある一つの席は空席だ。其処は黒柳琢磨が座る予定だったのかな?

 

「...確か、食事の前に両手を合わせて“頂きます”と挨拶するのだったな?」

 

リインは、転生前に見てきた八神はやて達の生活を思い出し、両手を合わせて確認の為に訊ねた。僕と翔とアキラとセレンさんは、笑顔でその通りと頷く。それは食べ物に感謝の気持ちを込めて...の意味だよリイン。

 

「「「「「頂きます!」」」」」

 

・・・・・

 

「セレンさんの料理って...すんごくうめぇー!」

 

「うん、美味しいね。家庭的な最高神と言うのも凄いよ」

 

「ふふ...ありがとう」

 

翔と僕は御世辞じゃない正直な感想を述べると、セレンさんは笑顔で応えた。御寿司だって...今まで、行った事がある御寿司の店より美味いよ!

 

「むぅ...箸の扱いは中々、難しいな(行儀が悪いらしいから...食べ物を刺して食べるのはダメだ。いつか...我が主の前では、そんな真似出来ん)」

 

「リイン、直ぐ慣れるから大丈夫。食べ物を挟んだ箸を横にすると落としにくい筈...あと、少し力を緩めて」

 

「そうだな...焦らずに、いくとしよう」

 

箸で挟んだ稲荷寿司を小皿に落としてしまい、箸の扱いに苦労しているリインに苦笑して応援するアキラ。日本...東洋の文化に触れたばかりの西洋外国人と同じだね...頑張れリイン。

 

「皆さん、料理は出来ますか?」

 

料理は大丈夫か? とセレンさんは訊ねた。セレンさんは夕食の後片付けの後に、あの世の実家へ帰るそうで...明日の朝食からは、僕達四人だけで作る事になる。今日中に帰るなんて、本当に忙しいね...セレンさん。

 

「大丈夫です。僕は出来ますよ」

 

「俺も、少しは出来ます」

 

「将来の為に精進中で、私も出来ます」

 

「私は料理をした事がありませんので、出来ません」

 

僕達四人はセレンさんの質問に答えた。リインは料理が出来ないと答えた後、俯いてしまう。それはそれで仕方ない...けれど、気にする事ないよ。

 

「リイン、教えてあげるから落ち込まないで!」

 

「勿論、僕も教えるよ!」

 

「俺も! 仲人と比べて、あまり上手くねぇけどな」

 

「アキラ、仲人、翔...ありがとう!」

 

「ふふ...(機会があれば、知らない料理のレシピを教えますね)」

 

アキラと僕と翔は料理を教えるフォローを入れると、リインは元気を取り戻してお礼を言った。セレンさんは微笑む。そう、どんどん覚えていくと良いんだ...皆全員でね!

 

・・・・・

 

「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」

 

その後、僕達四人はセレンさんと一緒に後片付けをする。キッチンのシンクでセレンさんは皿洗い。キッチン中心の調理台でアキラは食器拭き。僕は食器を食器棚に戻す。リインは僕とアキラの手伝い。食堂で翔は食卓テーブル拭き。と云う担当に分けた。

 

後片付けが終わった後...リビングで、セレンさんは帰りの支度をした。風呂の準備は済んでいるから、いつでも入れるとの事。仕事が早いね...

 

・・・・・

 

現在...僕達四人は玄関にいて、セレンさんは玄関の段を下りた。そして、こっち側に振り向く。

 

「皆さん。訊きたい事があれば、携帯電話またはパソコンでメールを下さい。此方の都合によって、直ぐに返事出来ない場合もありますが...」

 

相談したい事があれば、メールで...と聞いて僕達四人は頷いた。宇宙全体とか、あの世とか、場所に関係なく電話・メールが出来るそうだ。ふ~む...常識を超えているな...でも、かなり便利になるから良いけどね。

 

「仲人。最近...この辺りに空き巣が出没していますので、寝る前に戸締りを忘れないように気を付けて下さいね」

 

「空き巣なんて、物騒な話ですね...了解しました」

 

注意するセレンさんに対して了解と答える。うみなみ寮の鍵は特殊で、専用の鍵しか開けられないらしい。鍵を失くしたら大変だな...気を付けよう。

 

「セレンさん。夜遅く一人で大丈夫ですか? 女性なんだし」

 

「心配かけてくれてありがとう。寮から出た後、転移しますので大丈夫です」

 

心配する翔に微笑んで応えるセレンさん。女性だけど...最高神を襲うのは、神をも恐れぬ命知らずな行為だと思うよ...本当に。

 

「セレンさん。今日は色々、ありがとうございました」

 

「いえ、私は居場所を用意しただけの事。後は自分で未来を切り開くだけです。転生して出来た新しい人生なのだから」

 

「はいっ!」

 

元気良く返事をするアキラ。うん、頑張ろうね! この先、どんな人生になるか...自分次第だ。

 

「リインフォース。明日、八神はやての元へ行かれるのでしょう? 今ではなく、出かける前に念話で連絡をお薦めします」

 

「その方が良さそうですね。分かりました」

 

笑顔で応えるリイン。今直ぐ、連絡しないのは八神はやてへの配慮かもしれない。真か如何か、ドキドキして眠れなくなるだろうし...

 

「暇を見つけてまた此処に来ますね。皆さん、おやすみなさい」

 

「「「「はい。セレンさん、お気をつけて」」」」

 

僕達四人は一礼して手を振り、セレンさんを見送る。玄関の引戸が閉まって暫くすると、彼女の気配が完全に消えた。セレンさんは転移したようだ。転移は便利だよね...目的地まで、一瞬で行けるから。

 

「帰ってしまったな...セレンさんの仕事は多いだろうから、いつ会えるか分からねぇけど」

 

両腕を上げて背伸びしながら言う翔。漸く緊張が抜けた感じだね。僕もアキラもリインも同様だ。

 

「そうだね......僕と翔は後にするから、アキラとリインは先にお風呂に入って良いよ」

 

「えっ? 本当に良いの?」

 

「ははは、気にすんな。レディファーストって奴だ。遠慮しなくて良いぜ」

 

「そうそう」

 

戸惑って訊くアキラに、遠慮は要らないと翔は笑って答えた。僕は続いてレディファーストに賛同する。それに...リインにとっては、お風呂が初めてか、久し振りだろうし...

 

「そう...じゃあ、先に入らせて貰うね」

 

「気を遣わせて、すまないな」

 

アキラとリインは笑顔で応えた後、北の階段を上って行った。風呂上がりの着替えを取りに、三階の自室へ戻る為だ。三階から一階の浴室まで、少し遠い...かな?

 

「さて、俺達も部屋に戻るか。玄関は冷えるから早くコタツに入りたいぜ」

 

「ははっ...寒がりだね。僕は玄関の戸締りをしておくよ」

 

玄関の戸締りを終えて僕と翔は二階の自室へ戻った。学校まで二ヶ月以上あるから、その間は如何しようかな......そうだ! アイテムクリエイションでドラえもんの秘密道具を作って、雲の王国を造ってみよう。正直な話...僕達だけの天国を造ってみたかった!

 

~side out~

 

 

海鳴駅前商店街の近くにあるマンションの一室、ハラオウン家にて...

 

「フェイト~。シュークリームをもう一個、食べていい?」

 

「ダメだよアルフ。一人一個までだからね!」

 

リビングの中...アルフはシュークリームの御代わりを強請るが、フェイトは正論を言って却下する。そのシュークリームは翠屋の製品だ。とても美味しいから、また食べたくなるのは無理もない。

 

「う~。分かったよ...」

 

「アルフ。僕のをあげるから、そんな顔するな」

 

「!」

 

「良いの? お義兄ちゃん」

 

「良いさ。僕は甘いものが苦手だからな」

 

クロノは苦笑して、ションボリするアルフにシュークリームをあげた。すると、アルフは頭に生えている耳を立てて元気になる。彼女はフェイトの使い魔で本当の姿は狼なので、人間形態でも頭耳がある。フェイトがクロノにお義兄ちゃんと呼んでいる理由は...クロノの母親であるリンディがフェイトの保護者になった事で、二人の関係が義兄妹になったからである。

 

リビング内のソファに座っているリンディとクロノとフェイトとアルフは、一家の団欒を楽しんでいる中...慌てた様子のエイミィが入って来た。

 

「リンディ艦長。報告したい事があるのですが...」

 

「お疲れ様、エイミィ。ささ、ソファに座って。今お茶を淹れるから」

 

「あ、砂糖とミルクは結構ですよ」

 

エイミィはリンディにクギをさしてソファに座った。いつものやり取りで苦笑するクロノとフェイトとアルフ。普通、お茶に砂糖とミルクを入れないのだが...リンディは珍しい。

 

「エイミィ。報告をお願いね」

 

「はい。はやてちゃんの家の近くに高い魔力反応が四つありました。Sランク二つ、SSランク二つです」

 

「「「「何ですって!?/何だって!?/ええっ!?」」」」

 

エイミィの報告を聞いた四人は驚いていた。魔法文化が無い地球で高い魔力を四つも見つけたのだから、驚かないほうがおかしい。

 

「詳しく調べてみたら四つの魔力は、うみなみ寮と言う建物に集まっているようです。如何しますか?」

 

「そうね、決める前に......最近、転移魔法の反応はあったかしら?」

 

エイミィは詳細を伝えて指示を求めた。リンディは深刻そうな顔で、可能性を考えて質問した。もし転移魔法だったら、魔導師の侵入だと判断出来る。

 

「いえ、ありませんね」

 

「遠くから引っ越して来た、なのはちゃんやはやてちゃんのように魔力を持つ地球の人と考えられるわ。取り敢えず、様子見でお願い(そうだとしたら、管理局に入ってくれると万々歳だけれど...都合の良い高望みかしらね)」

 

「はい! 了解しました~」

 

エイミィはリンディに了解と応えた後、携帯の端末を操作して次元航行艦アースラに居る監視担当のスタッフに連絡する。その監視は主に、八神はやての元に居る守護騎士達に対してだが...大きな事件が二度も起きた海鳴市全体の様子も見ている。

 

「はぁ...面倒な事にならなければ良いが...」

 

今までの事を思い出して溜息をつくクロノ。彼は色々、苦労しているようだ。

 

「フェイト~。どんな人だろうね?」

 

「う~ん...優しくて強い人だったら良いな。黒柳みたいな人は嫌だよ」

 

「安心しな。あんな馬鹿...フェイトに手を出したら、あたしが月までぶっ飛ばすよ!」

 

「あはは...アルフ、月は言い過ぎ」

 

そんなアルフに、フェイトは苦笑してツッコミを入れた。

 

兎に角、フェイトは琢磨を嫌っているようだ。いったい彼は何をしていたのか...今は不明だが、ロクでもない事は確かである。もし彼の性格がマシだったら、良い友達になれたかもしれない。うみなみ寮の一員になれたのに...実に遺憾だ。

 

 

つづく...

 




~~~うみなみ寮の紹介~~~

1)概要

異世元から転生された八雲仲人と麻宮翔と大河内アキラとリインフォースの住居である。その住所は海鳴市の西部にある住宅街北。2005年3月に最高神セレンが不動産屋で土地を買い、2005年12月に最高神セレンの力で建てられた。土地を買う為に使ったお金は、創造ではなく大昔から保有していたレアメタル(主に白金)を売って調達したものらしい。そのお金も、一年前に転生された黒柳琢磨が住んでいるマンションの一室を借りる為に使った。その他に、彼等の生活費も含まれる。


2)うみなみ寮全体の広さ ※南は前で、北は奥となります。

敷地面積:481.9㎡(奥行24.4m×横幅19.75m)
中庭面積:225㎡(奥行12m×横幅18.75m)
建物面積:145.44㎡(奥行9.6m×横幅15.15m)
建物全高:11m


3)うみなみ寮全体の外見 ※南の方で、高所から見下ろした様子。

周りを囲む外塀・出入りの門・うみなみ寮建物は、和風な瓦屋根の木造。しかし、実は見た目だけで材質は木と全く別物である。その為、なのはのスターライトブレイカーを受けても倒壊しない。

出入りの門は、南外塀の西から3.8mにあって、日本貴族の屋敷にあるような造り。その扉は、押して中に入る。周りを囲む外塀の高さは2.5mもあって高い。

中庭は、西に門と玄関を繋ぐ真っ直ぐな石造りの道があって、その東にグラウンドみたいな地面の庭が広がっている。東の真ん中に、洗濯物を干す竿が設置されている。建物の周り、北東西の方には外塀との空きが180㎝ある。

建物側面で階と階の間に瓦屋根が囲んでいて、屋根の造りが正方形面積ではない三重塔みたいな感じ。玄関は南向きで、建物の南西にある。また、その東に洗濯場との裏口がある。ベランダは何処にも無い。


4)うみなみ寮の建物内部 ※半畳(一辺90㎝)を1マスとする。北は奥。

◎一階階段(奥行4マス×横幅3マス)
場所は一階の北西。
廊下との間に壁や扉は無し。廊下側から見て左は階段下壁収納ボックス、右は上り階段。左の階段下壁収納ボックス(内寸:奥行60㎝×横幅120㎝×高さ180㎝)は、多種の掃除用具を収めている。右の上り階段(一段:奥行27㎝×横幅125㎝×高さ20㎝)は、8段→左Uターン→7段で計15段ある。階段ガード(壁と反対側)の厚さは10㎝で、手すりが付いてある。勿論、壁の方も手すりがある。階と階の間の高さに囲む瓦屋根があるから、Uターンの場所に窓は無い。

◎小廊下と御手洗い(奥行4マス×横幅3マス)
場所は一階階段の東隣。
廊下でスライドドアを右へ動かして西側の小廊下(奥行4マス×横幅1マス)に入る。其処から右(東)にトイレ(奥行2マス×横幅2マス)が2つ並んでいる。その中は、左に洋式(西に向いて座る)で、右に鏡と流し台がある。扉は押して中に入るタイプ。小廊下から10㎝下の段差があり、其処でスリッパの履き替え。北が女子用で南が男子用になっているが、構造の違いは無い。トイレの中に窓は無いが、小廊下の北に窓がある。

◎小廊下と脱衣所(奥行4マス×横幅3マス)
場所は御手洗いの東隣。
廊下でスライドドアを左へ動かして小廊下(奥行1マス×横幅3マス)に入る。其処を西へ進んで右に脱衣所(奥行3マス×横幅3マス)がある。その北西隅に扇風機、北に暈し窓、北東隅に西向きの4段オープンロッカーがある。其処から南、脱衣所東壁右に浴室と繋がるスライドドアがある。

◎浴室(奥行4マス×横幅3マス)
場所は脱衣所の東隣。
脱衣所でスライドドアを左へ動かして中に入る。水色のタイル床に白い壁。北は上の換気扇と暈し窓、南に鏡・蛇口・シャワーで3点セットが2つ並んである。湯船は浴室の北側にあって、大きさは奥行150㎝×横幅200㎝×深さ60㎝。湯船の右にあるボックス南側面のバルブを回すと湯船内右面の穴からお湯が出てくる。その量は多いので、早く湯船にお湯が溜まる。

◎洗濯場(奥行4マス×横幅4マス)
場所は一階の北東。
廊下でスライドドア(洗濯場では南壁の西端)を右へ動かして中に入る。床は土足なので、サンダルに履き替え。北の西から東へ、上段乾燥機下段洗濯機が2つ並んでいる。その東隣、北東は手洗い洗濯用のシンク(流し台)がある。廊下から入るスライドドアの東に、雨天時に洗濯物を干す竿(長さ250㎝)が設置されている。東の壁には、洗濯物を持って外へ出られる暈し窓ガラスのスライドドア(幅は180㎝)がある。其処は裏口と呼ぶ。

◎一階廊下(奥行2マス×横幅16マス)
一階全体の真ん中を東西に横切る廊下。東にも西にも窓がある。

◎玄関(奥行4マス×横幅3マス)
場所は一階の南西。
廊下との間に壁や扉は無し。南の壁中央に、外と出入りの暈し窓ガラススライドドア(幅は180㎝)がある。その両端に観葉植物がある。東に下駄箱、西の壁に大きい富士山の絵画がある。土足下段の広さは奥行3マス×横幅3マスで、上段との段差は10㎝。

◎リビング(奥行4マス×横幅5マス)
場所は玄関の東隣。
廊下でスライドドア(リビングでは北壁の東端)を右へ動かして中に入る。床に青い絨毯が敷かれている。東の中央にビデオデッキ付き薄型プラズマテレビ(40インチ)があり、その上に壁時計。南は端から端までの横長い窓ガラス(カーテンはブラインド)があって、右上にエアコン、両端の隅に観葉植物がある。西の壁中心に、水平線が見える大海の絵画がある。部屋の中心に木製テーブルがあり、2つの三人座れるソファがテーブルの北と南に配置されている。北西の隅の小机にFAX付きの電話機がある。

◎食堂(奥行4マス×横幅4マス)
場所はリビングの東隣。
廊下でスライドドア(食堂では北壁の中央)を左へ動かして中に入る。部屋中心に長方形の木製食卓テーブルがある。椅子の配置は、北と南に2つ、東と西に1つ、合わせて六人分ある。北西隅の棚にトースター・ホットプレート・簡易ガスコンロ・IH機器等、食卓で使う調理機器が収められている。南は端から端まである横長い窓ガラス(此処もブラインドカーテン)と、右上のエアコン、両端隅に観葉植物がある。東の壁にはダイニングキッチン。

◎キッチン(奥行4マス×横幅4マス)
場所は一階の南東。
廊下でスライドドア(キッチンでは北壁の中央)を左へ動かして入るか、食堂の東壁左端から中に入る。ダイニングキッチンの為、食堂との間に扉は無い。食堂と隣り合う西は調理シンクがあって、その左端にガスコンロがある。東に、左から順に大家族冷蔵庫・電子レンジと電気炊飯器のある台・食器棚が並んでいる。南は中央の窓ガラス(カーテンは耐油耐火のブラインド)と右上の換気扇。部屋の中心に長方形の調理台(南北の方に長い)がある。

◎二階階段(奥行4マス×横幅3マス)
場所は二階の北西。
廊下との間に壁や扉は無し。廊下側から見て左は下り階段、右は上り階段。

◎二階洗面所・二階倉庫(奥行4マス×横幅3マス)
場所は二階階段の東隣。
廊下との間に壁はあるが、入口(洗面所では南壁の中央)は扉の無いオープンタイプ。洗面所(奥行2マス×横幅3マス)の鏡と洗面台は西壁にある。北の壁右端にスライドドアがあって、その先には倉庫(奥行2マス×横幅3マス)がある。倉庫に窓はあるが、ブラインドカーテンを閉めたままの状態。

◎二階和室×2(奥行4マス×横幅10マス)
場所は二階の北東。
隣り合う二つの八畳和室で、二室とも廊下との間に四枚閉めの襖がある。一部屋で八枚の畳が敷かれてあり、北を除く三方向に四枚閉めの襖がある。西和室の西と東和室の東は押し入れ。北は和風を感じる蓬色の壁で、窓ガラスの前に障子がある。円蛍光灯のフレームのデザインも部屋に合った和風。三方向にある襖の色は白に近い水色。エアコンは東和室の北右上にある。

◎二階廊下(奥行2マス×横幅16マス)
二階全体の真ん中を東西に横切る廊下。東にも西にも窓がある。

◎仲人の部屋(奥行4マス×横幅8マス)
場所は二階の南西。
廊下でスライドドア(部屋内の居間で北壁の中央)を左へ動かして中に入る。部屋構造は八畳の居間(西)と八畳の寝室(東)が隣り合う。その出入り口(床から天井までのオープンタイプ)は部屋間の壁の南端。二室とも絨毯と南窓の布カーテンの色は水色である。

居間の家具配置は、南西に電気スタンド付き勉強机(西に向いて座る)と、その右傍に収納ボックス(3段クリアケース)がある。東に左から本棚・ビデオデッキ付き薄型プラズマテレビ(32インチ)のある長い台と、中心にコタツがある。壁時計はテレビの上。エアコンは寝室出入り口の上。

寝室の家具配置は、北東に大きいベッド(頭を東に向けて寝る)と、その右隣に電気スタンド・目覚まし時計のある小台と、西に右から夏服タンス・冬服タンス・クローゼットがある。

勉強机の上に置いてあった携帯電話とノートパソコンについて、独自のネット回線である為、通信料金は無料。充電器を除いて、プリンター等の周辺機器は置いていないので、自分で購入するしかない。勿論、テレビゲーム機も。

◎翔の部屋(奥行4マス×横幅8マス)
場所は二階の南東。
部屋構造と家具配置は仲人の部屋と同じ。

◎三階階段(奥行4マス×横幅3マス)
場所は三階の北西。
廊下との間に壁や扉は無し。廊下側から見て左に下りの階段。

◎三階洗面所・三階倉庫(奥行4マス×横幅3マス)
場所は三階階段の東隣。
部屋構造は二階洗面所・二階倉庫と同じ。

◎三階和室×2(奥行4マス×横幅10マス)
場所は三階の北東。
部屋構造は二階和室と同じだが、襖の色が白に近い桃色。

◎三階廊下(奥行2マス×横幅16マス)
三階全体の真ん中を東西に横切る廊下。東にも西にも窓がある。

◎アキラの部屋(奥行4マス×横幅8マス)
場所は三階の南西。
部屋構造と家具配置は仲人と翔の部屋と同じだが、寝室南東に三面鏡台(東に向いて座る)がある。もう一つ、絨毯と布カーテンの色は桃色。

◎リインフォースの部屋(奥行4マス×横幅8マス)
場所は三階の南東。
部屋構造と家具配置はアキラの部屋と同じ。

補足1:和室を除いて、廊下も部屋内も白い壁。
補足2:天井までの高さは250㎝で、廊下も部屋内も全て共通。
補足3:玄関・裏口・和室を除く全てのスライドドアの大きさは、横幅90㎝×高さ180㎝。※六尺の畳と同じ大きさと考えて下さい。


5)セレンしか、知らないうみなみ寮の地下 ※生活チートです!

◎自家発電システム
エネルギーを無限に引き出す結晶体によって電気を作る装置。
その結晶体の名は“セレンクリスタル”と言って、セレンしか精製出来ない。
管理局がセレンクリスタルの存在を知ったら、どう反応するんだろうか?

◎ガス製造システム
うみなみ寮キッチンのガスコンロに使うガスを作る装置。ガスポンプもある。

◎水道水製造システム
うみなみ寮で使う水道水を作る装置。水道ポンプもある。
水に薬品を含んでいないし、海鳴市内で水不足状態に陥っても、関係ない。

◎下水処理システム
うみなみ寮のキッチン・洗濯場・浴室・洗面所・御手洗いから排出した下水を分解消滅させる装置。

と云う訳で、電気代・ガス代・水道代は無料です。
盗んでいるんじゃないかと世間から疑惑が浮かぶかもしれないが、そんなの知った事ではない。電線や管が繋がってないから、調べても無駄無駄!

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