IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

90 / 126
第84話

オリアナを探すために合流した一夏と上条は街中を走っているが一向に見つかる気配が無い

そして彼らはいったん店の中に入るとオリアナが居ないかどうかを確認する

 

「マズイね…発動時間が近くなってるな」

 

「あぁ、後2時間って所だろうな」

 

一夏の言葉に上条が反応した時、上条の携帯電話が鳴る

彼は電話に出ると電話の相手であるステイルと話をしている。どうやら話題は姫神の治療が終わりその事についての話である。一夏にはよく聞こえないが序盤の彼の表情を見るにどうにか成功したらしい事が伺える、のだが話の後半から彼の表情が変わる。それは深刻な表情言うより焦っているような苦笑いしていると言った表情だ

 

「(ん…何か有ったのか?)」

 

一夏はそう思いつつ彼を見ていると彼もしばらくした後電話を切る

すると彼は一夏に対し

 

「なぁ織斑、ステイルって小さい女の子相手なら纏わりつかれても実力行使はしないって知ってたか?」

 

「いや知らん、でも姫神さんってそんなに小さいか?俺らと同年代だろ、身長だって記憶が正しければそんなに小さくなかったはずだし…」

 

一夏も三沢塾の時に姫神とあっているが決して小さくはなかったと彼は記憶している。平均的な女子高生の身長ではなかったであろうか、彼がそう思っていると上条は

 

「身長もそうだけどそれ以上に見た目が幼く見える女の子って事、インデックスみたいな感じの」

 

「そうなのか?法の書の時はもろアニエーゼに…あっ、でもあれってインデックスに攻撃したからだよなぁ…普段はどうなんだろ…」

 

一夏は最近ではステイルと戦闘で共に行動していることが多く彼の私生活など知らない、と言うより興味が無いため上条に言われた事に対して有効な反論が出来ないでいた、噂ではステイルには数人弟子がおりその子たちは幼いと言う事位しか知らず、一夏は弟子たちに会った事が無いためこの話題に関してはどうにも言えない。

 

すると上条は

 

「おっと、急いで土御門に連絡しなきゃな。この話は今度な」

 

「おう、こんな事件さっさと片付けようや」

 

彼の言葉に一夏も反応する

 

そうしてしばらくした後一夏達は土御門と合流する。

土御門は多少は回復しているものの本調子とは程遠く本来ならば病院に行かなければならないのは目に見えている。

そして彼は一夏達に”使徒十字”の発動条件と、使用ポイントを話していくが彼は自身の結論に懐疑的である

理由としては”使徒十字”が使用されたのは夏の星座が主流の時、しかし今は九月であり秋の星座が主流である。さすがに星座を自由自在に操るなど”御使堕し”の際に現れた大天使クラスでなければ不可能だ。

そうであってもオリアナたちはリスクを背負ってでも星座に深く関係するポイントを探し土御門もまたそのポイントを探っていたのだ。すると彼は

 

「だが未解明のギミックの内容によっちゃ、オレが見つけ出したポイント以外にも天文台として使えちまうかもしれないんだにゃー」

 

「…時間も時間だ、俺たちでそのポイントに向かって実際は誰も居なくて、もう彼女たちは別の場所で”使徒十字”を発動させました、なんて事もあり得るからな」

 

土御門の言葉に一夏が反応し、上条はその言葉を聞き終えた後携帯電話の時計機能を使い時刻を確認すると、午後5時前であった。

 

この時間となってしまうと学園都市に有る電車やバスを使ったとしても街の端から端をくまなく捜索するなど不可能に近い。

 

すると上条は

 

「もうあれこれ考えている時間もねえぞ!気が付いたらどこのポイントにも向かえませんでしたって言うのはゴメンだぞ!!」

 

「そいつは分かってんだよにゃー…」

 

時間の都合と言うのはこの場に居る誰もが理解している。

そしてその場に沈黙が走ると不意に土御門の携帯が鳴る

 

そして彼は画面を見ると

 

「一夏、カミやん。イギリス清教からだ!!」

 

少しでもヒントが欲しい彼らにしてみれば絶好のタイミングでの連絡であった。

土御門が慌てながら電話を操作しスピーカーモードにする。

そして電話口から聞こえてきたのは

 

<そちらはステイル=マグヌスさんで有っているのでしょうか?>

 

「「「間違い電話かよ!!」」」

 

3人がほぼ同じタイミングでそう叫ぶ

それにしても外国人が日本語で話すのはどうだろうと上条と一夏は疑問に思う。

そして土御門が電話で女性と話をしていると一夏は

 

「(ん…この声どこかで…?)」

 

一夏は電話口から聞こえてくる女性の声に対しわずかに反応する。それは上条も同じだったのか疑問をぶつけると彼らの予想道理電話の相手は法の書の戦闘の際に一夏達が救出したオルソラ=アクィナスで有った

 

すると電話先に居る彼女もまた上条の声に反応し話をするが途中で脱線しかかった為、土御門が話を進めるように言うが彼女は平気で聞き流し脱線し話をする

 

しばらくした後オルソラはようやく本題に入る。

話の序盤の方はすでに彼らが知っていた事実であったが後半に関して彼らは全く知らなかった

”使徒十字”が6月19日に使用されたと言うのはバチカンではその日でしか使えなかったからであり、ほかの地方で使うには違う日付でなければならないと言う事、さらにそれらを使用する際には使用者はエリアの特色や特性を詳しく把握することが必用なのだと言う

 

そして彼らはオルソラと話を進め一夏はその中で

 

「(そこまで考えて処刑されたって事か…まぁ昔のお偉いさんならそのくらいの事は考えるか。自分の死がその後の領土に直結するんだ。…って事は今日以外の日付で日本で”使徒十字”を発動するならまた別な場所、最悪IS学園付近って事も有ったんだよなぁ)」

 

一夏がそのような事を考えていると、上条が丁度重要な事、今日9月19日に日本で使徒十字の使用が出来る場所を尋ねると彼女は

 

もうわかっている。そう迷わずに返答した。

 

その後土御門は電話を切ると

 

「オリアナたちが持ってきた”使徒十字”って言うのは何処でも自由に使えるような物じゃなかったって訳か」

 

「あぁ、恐らくおオリアナたちは学園都市のどこに使用ポイントが有るかって言うのは事前に調べが付いていたはずだぜい」

 

すると上条が彼らに対し

 

「でもよ俺たちが最後にオリアナを見てからどのくらい時間がたってると思ってるんだ?もしかしたらもう別なポイントに向かったかもしれないんだぞ」

 

彼の言葉に対し土御門が否定する、星座を使うという視点では使い勝手が悪いとの事であった

そして彼は使うのに最適な場所を地図を取り出ししるしを付ける、しかしそれを見た上条は

 

「おい、お前が印をつけた場所って!!」

 

「そんなにヤバい場所なの?」

 

「あぁ、警備体制は学園都市でもトップクラスの場所だにゃー。」

 

上条はそう言い、学園都市の人間では無い一夏はその意味が分からないためそのような疑問をぶつけ、土御門が補足する。

印をつけた場所は第23学区。そこは1学区すべてを航空・宇宙開発分野のために占有させている特殊な学区であり外国人観戦客用の国際空港のほか戦闘機や無人機の開発を行っている場所である。

 

土御門のように学園都市の内情に詳しい人間でなければ攻めあぐねるような場所だと言う

 

そして彼らは話をするとようやくステイルが合流してくる。

すると上条は土御門に対し今まで会った事を告げ、ステイルが慌て、土御門は忌々しそうに

 

「…にゃー、これがカミやん病か。このクソシリアスな時に、土御門さんは血まみれで戦ってる時に、お前たちはラブコメ満喫とはどういうことだにゃー…ってかお前達そんなにフラフラしやがって、男なら一本筋を通さなくてどうするんですたい!!」

 

土御門のその言葉を一夏は苦笑いしながら聞いているとそれを見た上条は一夏を見ながら

 

「カミやん病とか言うな!それに織斑、お前だって人の事は言えないだろ!!ハミルトンだけかと思ったら何だよ、今日一緒に行動してた水色髪の巨乳な美人さんは!!」

 

「なっ、一夏お前までもがハーレムを作ってたのかにゃー!?」

 

思わぬところで一夏に飛び火したため一夏は慌てて

 

「ちょっ、まっ!?ティナや楯無さんはそういう訳じゃないって」

 

「これはカミやん病確定だにゃー…」

 

土御門は憎らしげに一夏を見つめる。すると一夏は目を逸らしつつ

 

「それでどうするんだ。その…第23学区だっけ?すごい警備なんだろ俺たちでも潜り込むのは厳しいんじゃぁ…」

 

「いや一夏、目の前にハーレム要因が二人もいるのはエリート陰陽師、土御門元春的にあっさり流せないんだが…まぁいいそれはあれだ今回ばかりは俺だけにある特権って奴を使っちまえばいいんだぜい」

 

彼の言った”特権”と言う言葉に上条も反応すると

 

「特権だと?」

 

彼がいぶかしげな声を出すと土御門は携帯電話を取り出すと

 

 

 

 

 

 

「あぁ。学園都市統括理事長って知ってるかなにゃー?」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。