第50話
九月二日。この日はIS学園の始業式の日である、そして一夏も久しぶりに一組の教室へと入る
すると彼の前にクラスメイトの一人であり彼の席の左後ろの生徒、谷本癒子が一夏に声をかけてくる
「あっ、織斑君。おはよう…ちょっと日に焼けた?」
彼女のその言葉に彼は目が点になる。すると後ろから
「あっ、一夏おはよう。」
「一夏さんおはようございます。少し焼けました?」
そう言いながらシャルとセシリアが教室に入ってくる。
「あぁ、おはよう。言うほど日に焼けてないと思うぞ」
彼はそう言うが実際彼は二日ほど海に言っていたのでもしかしたら日に焼けていたのかもしれないが、あの時は色々あったので正直日焼けなどどうでもよかったと言うのが彼の本音だ
その後も続々とクラスメイトが教室に入ってくる。ちなみにこの日ラウラは欠席だった。なんでもドイツ本国に帰国していたのだが天候が悪く飛行機が遅れまだ日本に帰国できていないのだと言う、教の夕方には日本に着くと言う事が教室にやってきた千冬から告げられた
九月二日この日は始業式の後二学期の行事予定が告げられた後解散となる。
そして一夏は放課後気分転換も兼ねて付近を散歩することにする。ちなみに今日特訓が無かったのはアリーナの点検があったのが理由だったりする
そして付近を歩いていると、そこでティナを見つける
「ようティナ。どうしたんだこんな所で?」
彼が彼女に相当とティナは
「あぁ一夏…ほら”御使堕し”の時にこの学園に張ってあった結界があまりの威力で壊れかけていたのよ。今はその修復の最中ね。」
「そっか、俺にも何かできないか?」
「うーん…特にないわね。さっき調べたのだけれど結界の破損もそうだけれど、何より起点そのものが壊れていたところもあったから。さすがにこれは厳しいわ。母さんに頼んで新しい起点となる奴を送って貰う必要があるわね」
彼らがそんな会話をしていると
「あっ、織斑君、それにハミルトンさんも。こんな所で会うなんて奇遇だね。あなたたちも校舎の付近の掃除の途中?」
そう言いながらやってきたのは一夏と同じクラスの相川清香である。ちなみにハンドボール部所属であり、風紀委員会にも所属していたりする
するとティナが
「あら相川さん久しぶりね。私はこのあたりをふらついてたのよ、一夏も同じね」
「そうなの…夏休みの終わりに風紀委員で清掃やってるんだけど敷地ぎりぎりのところに一定の間隔でかなりのゴミが有って大変なのよ。ほら見てコレ破片だと思うんだけど何の破片なのかしらね?」
そう言いながら彼女は持っていたゴミ袋の中身を彼らに見せる、中には大量の陶器と思われる破片が入っていた。するとそのゴミを見ていたティナは
「(そうだった…今日は風紀委員の清掃活動の日だったわ。これ全部壊れた起点の破片じゃない…さすがにこれ以上風紀委員に押し付けるのはちょっとね…)相川さん、よかったら私も手伝うわよ」
「ほんとに、ありがとう!!」
「まぁ私もたまには学園の清掃活動に参加しないとね」
そう言いながら彼女達は一夏に別れを告げると清掃活動に参加するのだった。
この日はそれ以外に変わったことは無く、一日が終わる
そして次の日、この日は二学期最初の実戦訓練の日である。ちなみにこの日は二組との合同と言う事もあり一夏対鈴の試合になった。
そして彼らはISを展開し上空に上がるのだがどうも一夏の動きがぎこちない。鈴は一応一夏に通信を送る
「どうしたの一夏?体調が悪いなら織斑先生にそう言って代わって貰えば…いや多分無理ね」
「体調なら大丈夫だ、何久しぶりに展開したからちょっと感覚を忘れてただけだよ」
「そっ、それじゃぁ始めましょうか!!勝った方が負けた方に罰ゲームよ!!」
そう鈴が勢いよく告げると、双天牙月を展開すると一夏に向かってくる。そして一夏も雪片を展開するとそれを受け止める。この時彼は”零落白夜”を使わずに攻撃を受け止める。すると鈴が
「どうしたの。お得意の零落白夜は使わないのかしら!!」
「あんな燃費の悪いものを序盤から出せるか!!切り札は最後までとって置くものだ」
彼はそう告げながら鈴に攻撃を打ち込もうとするが、そこは代表候補生簡単に攻撃をかわすと一端距離を取り衝撃砲を放つが、一夏はクラス対抗戦同様ぎりぎりで回避する。すると鈴はいったん間を開け今度はさらに速度を上げ衝撃砲を放つ。
「(確かに速いが…それでも天使の水翼に比べれば遅いもんだ。でもあれは目に見えてたからなぁ…っとヤベッ!)」
彼は数発を回避したが最後の一発だけはタイミングがずれ回避に失敗、直撃する。するとその様子を見ていた鈴は
「さすがに私だってただ撃っただけじゃないわ。発射のタイミングをずらして連射することも覚えたのよ。さすがにこれは見切れなかったようね」
「…さすがは候補生。優秀な事で」
その後も二人は切り合い、そして衝撃砲を回避したりするが鈴は心の中に一つの疑問があった
「(おかしい…一夏、どうして零落白夜を使わないのかしら、考えられるのは奥の手が有り機会をうかがっている、それかもう零落白夜を使うだけのエネルギーが無いか…さて、どっちかしらね)」
試合はこう着状態へと突入したが、ここで一夏は勝負に出る。
衝撃砲の攻撃をかいくぐりある程度距離を詰めると一気に彼女へと突撃する。そして雪片を構え双天牙月に当たる一歩手前で素早く瞬間零落白夜を発動させる
「(零落白夜を使っての不意打ち攻撃!?流石にそれは読めなかったわ…でも!!)」
すると彼女はあろうことか双天牙月を手放すとスラスターを使い彼の頭上まで飛び上がると直ぐに逆さになり彼の背後を取る
そしてそれを見ていた一夏は
「(まさか近接武器を手放すなんてな、ほんとに考えてることは同じか…)」
そして彼も雪片を手放し、右側のスラスターを使い強引に後ろを振り返ると左腕にある荷電粒子砲を構える
そして
「「これで、終わり!!」」
そう言い上空で大爆発が起り影が一つ地上へと落下してくる。落下した人物は…
「まぁ、さすがにアレはびっくりしたけど。それでも私の勝ちね。まぁ罰ゲームも考えてたけどそれは無しにしてあげるわ」
「はぁ、勝てると思ったんだけどなぁ…」
あの試合の勝者は鈴であった。あの時鈴は衝撃砲を連射した後、足のスラスターを作動させ体を地面と平行にすることで一夏の射撃を直前で回避そのままスラスターをうまく使い体制を立て直し衝撃砲を受け怯んだ一夏に強引に蹴りを叩き込み勝利したのだ。
ちなみに試合後、鈴はクラスメイトに”あの荷電粒子砲がもう少し発射速度が早ければ私の負けだったわ”と言っていたそうだ
その後一夏は千冬に”不意打ちに頼るからこうなるのだ馬鹿者”と言われていた
そして周りで見ていたほかのクラスメイトからは拍手喝采が上がっていたのだからあの試合が好ゲームで会った事が伺える
ちなみに今は昼休みであり、専用機持ちのメンバーで昼食を食べている。鈴も気持ちの整理が多少ついたのか箒が居ても目に見えて不機嫌にはなっていないが、それでも箒とは話そうとしない。するとラウラが
「まさか己の切り札を不意打ちで使うとはな、さすがの私でも予想できなかったぞ」
「それは僕も同じだよ」
「私もですわ」
彼女たちはそう告げたが一夏は、苦笑いしつつ
「いやいや、序盤から使うよりは終盤のああいう場面で使った方が効果的と思ってな。大事なのは技の威力もそうだけど。それ以上に使うタイミングだろ?一撃必殺なんだから不意打ちにだって使えると思ってたんだ」
彼の使う魔術でも。召喚爆撃と言うのは大規模な攻撃で有ると同時に不意打ちとしても使えるし、それ以外の魔術でもそれは言える。この辺は魔術師としての一夏と言う人物の感覚であるが、やはりそれを彼女たちは意外と評価しているあたり彼女たちと感覚が大きくずれているのだと思っていた…
すると鈴は
「不意打ち以上にあんたの燃費、どうにかならない訳?不意打ちに頼らざるを得ない機体構造にこそ問題があると思うけど」
「二次以降したことで燃費の悪さに拍車がかかってるからなぁ…はぁ」
彼は大きくため息を吐く。するとその様子を見ていたセシリアが
「私もそうですが、一夏さんの機体こそ実弾装備が必要だと思うのですが…それすら機体が拒んでいますからね」
そう彼の機体の場合、容量と言う事もあり機体が干渉を受けないかのごとく装備を拒絶してるのだ
なので実弾兵器が使いたいとなると対戦相手の武器を奪うか味方の武器を借りる以外に方法が無く、エネルギーに至っては味方のエネルギーを分けて貰わなければならないのだ
するとシャルが不意に
「って事は、もしもペアを組むんならやっぱり僕になるのかな実弾兵器って言う点でも僕の機体なら大量にあるよ」
「いや、今の戦法を続けるのならば私と組め」
シャルの言葉にラウラも続く。すると一夏は
「組む相手かぁ…俺は誰でもいいなぁ。って言うか俺の場合弱すぎてお前たちの足を引っ張る可能性だってあるし」
その後も彼らは昼食をとり終わり午後からの実習に備え更衣室に向かうのだった
ISの二期が決まりましたね
それと八巻の発売日も近くなっているわけですが…8巻の内容を見て判断しますが、仮にISの時系列と禁書の時系列がかぶった場合、状況によっちゃ禁書を優先させます
特に第三次世界大戦、ハロウィン、アックア戦、テッラ戦は必ずやりたいので…