IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第33話

一夏がシャルロットに麦茶を渡し、彼は彼女にもティナが買って来たお土産のクッキーを食べるように進め彼女がようやくそれを口にすると

 

「あっ、美味しいねコレ」

 

「そうでしょ。イギリスじゃぁ結構有名なお菓子なのよ」

 

彼女達がそんなやり取りを繰り広げていると、再び家のインターホンが鳴る

なので彼はインターホンから送られてくる映像を見るとそこには

 

「一夏さん、お久しぶりです近くを通りかかったものですからちょっと寄っていくことにしましたの。それとコレお土産に近くのケーキ屋さんで買って来たんですのよかったらご一緒にいかがでしょうか?」

 

「まぁ…良いが…ちょっと待っててくれ」

 

一夏は受話器を下ろすとシャルロットが

 

「あれ?お客さん」

 

「あぁ、セシリアが来たんだよ」

 

 

そう言いながら一夏は玄関を開けると

 

「一夏さん、お久しぶりですお元気でしたか?」

 

「あぁ、まぁ熱いし中に入ったほうが良いぞ」

 

彼はそう言いながら彼女を家に案内すると

 

「そうそう、今、シャルロットとティナも居るからな」

 

「えっ!?」

 

セシリアはそう驚きながらも居間に入るとそこには

 

「やっ、やぁセシリア奇遇だね」

 

「こんにちはオルコットさん」

 

彼女たちはそう挨拶するがセシリアの心境は先ほどのシャルロットとほぼ同じであった

 

「(どうしてデュノアさんだけではなくハミルトンさんまで…もしや抜け駆けする気だったのでは!?)」

 

「(はぁ、もたもたしてたからセシリアまで来ちゃったよ…せっかく二人きりになれると思ってたのに…)」

 

「(一夏、あなたの境遇には本当に同情するわ…)」

 

そんな彼女たちの心境など彼が知るはずもなく、それ以上に彼は大きな問題に直面していた。それは…

 

「(ヤバい…てっきりティナしか来ないと思ってたから昼飯の食材が圧倒的に足りな過ぎる…セシリア、シャルと来てるんだから間違いなく鈴とラウラは来るだろう。箒に関しては夏休み中も何らかのペナルティーが有ってこないか、鈴があいつをまだ許してないから誘わないだろうからな…さて本当に昼飯をどうするべきか…)」

 

そう彼はティナしか来ないと思っていたので食材が二人分しかない、それで今現在あるのはそれ以外だとカップ麺と蕎麦ぐらいしかない。買いに行くのも気が引けたので一夏は多く人が来てもいいように昼食は蕎麦にすることを決める。

彼がそう考えながら台所にいると、居間にいたセシリアが

 

「どうしましょう…ケーキを買って来たのは良いんですが…数が三つしかありませんの」

 

数が三つ、恐らくは自分と一夏、残りは千冬へのお土産にするつもりだったことは容易に想像できた。

そして今家には四人。誰か一人はケーキが当たらないという事になってしまうが、そこは一夏がフォローする

 

「形はちょっと変わるかもしれないけれど、一口サイズ位に切れば何とかなると思うぞ」

 

彼はそう言いながら居間に向かいセシリアからケーキの箱を受け取る。するとティナが

 

「一夏、手伝うわ」

 

「おぅ、悪いなせっかく来てもらってるのに手伝わせちゃって」

 

そう言いながら二人は台所に向かっていくと、その光景を見ていたセシリアとシャルロットは

 

「あの二人仲良すぎですわ、これは一度じっくりと説明してもらう必要がありますわね」

 

「その時は僕も参加するよ…」

 

そう言いながら二人は一夏達を半ば殺気を込めて見つめるが彼らはそれを見なかったことにして作業を進めていく。そうして3種類のケーキを大体一口サイズの大きさに切り終わりそれらを少し大きなさらに乗せると二人の待つ居間へと運んでいく。

 

そして彼らはそれをつまんでいくとティナが

 

「あっ、美味しい。コレ結構いい値段したんじゃないの?」

 

「まぁ多少値が張ったのは事実ですわ。」

 

「それでも美味しいねコレ」

 

彼女たちがそんなやり取りをしていく。ここには金髪の少女が3人なかなかに絵になる光景に一夏も関心していると不意にシャルロットが一夏に

 

「そう言えばさ一夏の部屋ってどこにあるの?」

 

「俺の部屋?二階の入って右側の部屋だぞ。それがどうかしたか?」

 

「いや一夏の部屋を見てみたいなー…なんて」

 

「私も気になりますわ」

 

彼女のその言葉にセシリアも続く。すると一夏は

 

「見てもつまらないと思うけど…まぁいいか。」

 

そう言いながら彼女たちを自分の部屋へと案内しようとすると。家のインターホンが鳴る

流石に一夏も大体来る人間が予想できたため確認せずに玄関のドアを開けるとそこには

 

「一夏、暇だから遊びに来たわよ…ってなんであんたたちが居るのよ!?」

 

「一夏よ遊びに来たぞ」

 

そう言いながらやってきたのは鈴とラウラであった

その光景を見ていたセシリアとシャルロットはがっくりと項垂れた。ちなみに一夏の部屋に行かず居間いたティナはと言うと

 

「ふぅ、麦茶美味しいわ」

 

のんびりと麦茶を飲んでいた

 

 

 

 

そしてその後、昼食を一夏が作ることにした。この時一夏は改めて蕎麦のありがたみを心の底から感じていた。

そうしてあらかた食べ終わったところで一夏が

 

「別に来るなら来るで構わないから事前に連絡の一つくらいくれればよかったのに」

 

そう言うとティナ以外のメンバーは

 

「ゴメンね、うっかりしてて」

 

「私はケーキ屋さんによっていましたので…」

 

「うっ、悪かったわね…」

 

「私はいきなりやって来て驚かせてやろうと思ったのだ」

 

彼女たちはそんな言い訳をしていく。

一夏も表向きは軽く聞き流していたが裏では間違いなく全員がラウラと同じ考えでやって来たことは容易に想像がつき、それはティナも同じであった

 

そして一夏が全員分の食器を下げ、台所に向かおうとするとシャルロットが立ち上がり

 

「一夏、僕も洗い物手伝うよ」

 

「なんか悪いな、せっかく来てもらってるのに…」

 

その光景にセシリアと鈴も焦ったのか

 

「僭越ながら私もお手伝いさせていただきますわ」

 

「私も手伝うわ!」

 

そう言いながら立ちあがるが、その光景を見ていたティナは苦笑いしつつも

 

「お店じゃないんだから大人数で台所に居ても邪魔になるだけよ…」

 

彼女のその言葉を聞いてセシリアたちも悔しそうな表情をしつつもソファに座ると不意に鈴が

 

「そう言えば何でティナは一夏の家にいる訳?」

 

「イギリスに帰った時のお土産を渡しに来たのよ。勿論あなたの分もあるから楽しみに待ってるといいわ」

 

「ありがと。楽しみにしてるわ。」

 

鈴とティナはルームメイトという事もあり会話も弾んでいる。そしてラウラとセシリアに関しては

 

「セシリア、お前は国に帰らないのか?」

 

「私ですか?そうですわね…報告だけなら電話で済ませていますのでこれと言って帰る必要もありませんしので…そう言うボーデヴィッヒさんは帰らないんですの?」

 

「私はもう国に帰ったぞ。そして部隊の連中にも迷惑をかけてしまったのでな、その事も含め謝罪をしてきたのだ」

 

「そうでしたの…」

 

セシリアとラウラがそんな話をしている。

 

 

 

時刻は昼の1時。彼女たちの一日はまだ終わらない




そう言えばIS学園の夏休みって何日に終わるとか具体的な明記が無いからいつ終わらせようか悩み中
4巻終了後に夏休みを終わらせるか、4巻以前に夏休みを終わらせ、一夏達がIS学園をこっそり抜け出す形で4巻の出来事に遭遇させるか…どうしよう…

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