IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第13話

「海が見えてきた!!」

 

そうバスの中でクラスメイトが言う、彼らは今日から臨海学校であり今はバスに乗り宿泊する旅館に向かっている。ちなみに日程は初日はほぼ一日自由時間であり、二日目からISのテストや専用機持ちは装備の確認などをするのだ

そしてしばらくするとバスが旅館の近くに止まり、生徒はそれぞれ荷物をバスから降ろし、もちろん一夏も荷物を下ろして自分の部屋。ちなみに彼の部屋は姉弟と言う事もあり千冬と同じ部屋だ

荷物を運び終わり、自分も着替えて海に行こうと部屋から出て旅館から出ようとすると後ろから

 

「一夏、久しぶりだにゃー」

 

一夏は一瞬訳が分からなかった。なぜここに土御門がいるのであろうか。確かに近いうちに会いに行くとは言っていたがまさか臨海学校の時に同じ旅館に宿泊しているとは思わなかったのだ。さらには

 

「お久しぶりです織斑一夏。」

 

「土御門…それに神裂さんまで!?一体どういう事だよ!!」

 

一夏がそう驚いていると、まだ旅館にいたのか同じクラスの谷本と鷹月、さらには二組の鈴とティナもやって来て

 

「この人たち織斑君の知り合い?女の人はどこか篠ノ之さんに似てるけど親戚か何か?」

 

「織斑君も随分知り合いが多いのね」

 

そう谷本と鷹月が言い

 

「まさかこのタイミングで来るなんてね、正直予想外だったわよ…」

 

「何?ティナもあの人たちのこと知ってるの?」

 

「ちょっとした知り合いなのよ」

 

そう鈴とティナがやり取りを繰り広げている。幸いなのはこの場に千冬がいなかったことだもしいたのなら間違いなく説明を求められたであろう。

一夏達はそうしていると土御門が周りに聞こえないよう小声で

 

「詳しい話は夕方にするにゃー。」

 

「分ったよ、ティナにもそう言っておく」

 

そう言い一夏達は土御門たちと別れ海に向かう事にした。その途中そういう関係かを聞かれたが、さすがに鈴がいる以上中学時代の同僚と言う手は使えなかったので、適当にはぐらかして教えた

 

そして海に着くと、それぞれ更衣室に向かい水着に着替え、他の生徒が居る場所に向かうとすでにみんなそれぞれ自由に過ごしていた。ちなみにティナと谷本の二人は水着は着ているが怪我と言う事もあり遊ぶことは出来なく、パラソルの下で雑談をしてすごしている。一夏は二人のもとに向かい

 

「二人ともここにいたんだな」

 

一夏が二人にそう言うと谷本が

 

「織斑君、どうしたの?」

 

「いや、なんとなく声を駆けたくなったんだよ」

 

「そう?それよりもどう、水着にあってる?」

 

「あぁすごく似合っているよ」

 

「ありがと、それよりもさハミルトンさんの水着って織斑君に選んでもらったんだってね」

 

「あっ、あぁ」

 

「織斑君センスいいじゃない、ハミルトンさんも結構嬉しそうに話してたんだよ」

 

「そうなのか?」

 

「そうよ、ねぇ」

 

一夏がそう聞き谷本がティナに話を振ると

 

「そっ、そうよ。それよりも一夏、あなたもこんなところにいないでほかの人と遊んできたらどう?せっかくの海なんだから楽しまなきゃ損よ」

 

「そうそう、私たちはここで話しているから織斑君はみんなと遊んできなよ」

 

二人がそう言ったため、一夏はパラソルのあった場所を移動し、周りを見渡していると鈴が走りながら一夏のもとに駆け寄って来て

 

「一夏、これから競争しない?」

 

「また突然だな…良いぞ。どこまで行く?」

 

「そうね…準備運動がてら、あの手前の浮いてるポールのとこまでってのはどう?」

 

「手前って、随分と浅いよな、まさか走っていくのか!?」

 

「意外と難しいのよコレ。いくら浅いとは言っても、油断していると足取られるわよ」

 

「油断しないで行くよ」

 

そうして二人は一斉に走ってポールまで向かったのだが、これが意外と難しい。最初は簡単に足を付けることができたのだが、途中から深くなり足がつかなくなり、最終的には泳いで手前のポールに向かう事になったのだ。ちなみに勝負は鈴の勝ち、一夏は完全に油断していた

そして浜辺に戻ってくると

 

「どう、結構疲れたでしょ?」

 

「あぁ…さすがに最初から泳がないで行くときついな…」

一夏がそう鈴と話しているとセシリアが一夏達のところにやって来て

 

「一夏さんよかったらサンオイルを塗ってくれませんか?」

 

「別にいいが、できる範囲しか塗らないぞ」

 

「良いですわよ、お願いしますわ」

 

そして一夏はセシリアにサンオイルを塗って行ったが、さすがに男の一夏にはできる範囲が限られていたので、残りは鈴にやって貰った。まぁ鈴が途中で悪乗りしたためセシリアに怒られてはいたが…

 

彼はその光景を呆れてみていると、クラスメイトの鏡ナギと相川と簪を引っ張ってきた布仏が一夏達のところにやって来て

 

「織斑君、一緒にビーチバレーしようよ」

 

「私このためにボール持ってきたんだよ」

 

「オリムーと対戦だー、かんちゃんもやるよね?」

 

「私は…やらない…」

 

「ええっーそんなこと言わないでやろうよー」

 

彼女たちがそう言うと後ろから

 

「一夏、僕たちも入っていい?」

 

「私も入れて欲しいが、ビーチバレーとはなんだ?」

 

そう言いながら水着を着たシャルロットとラウラがやってくる。どうやらラウラも一夏達が買い物に行った後日にシャルロットと一緒に水着を買いに行ったようだ。

ちなみに簪は結局ビーチバレーには参加しなかった

 

「よし、それじゃぁ人数もそろったことだし始めるか。」

 

そうして一夏達は最初にラウラに簡単にルールを教えその後ビーチバレーを始めたのだが、その途中後ろから谷本が

 

「まさか、7月のサマーデビルと言われたこの私が怪我でビーチバレーに参加できないなんて…」

 

と言っていたとかなんとか

その後、千冬と麻耶もビーチバレーに参加するなど、この日は一年生全学年が思う存分海を満喫した

そして夕方になり全員が旅館で夕食をとっているが、一夏とティナは早々に食べ終わり、別々に夕食の会場をでて土御門と合流、こっそり旅館の外に出て話をすることにした

 

「それで、どうして二人はここに来たんだ?護衛って聞いてたが」

 

すると神裂は

 

「護衛、それとウサギに釘をさす…と最大主教は言っていたのですが」

 

「ウサギ…このあたりにウサギの名をとる大規模な魔術結社でもあるっていうのかしら?」

 

そう神裂とティナがやり取りをしているが、一夏だけは違っていた

 

「ウサギ…まさか、束さんが何かやるって言うのか?」

 

そう一夏にしてみれば魔術結社よりもウサギの耳の形のヘアバンドのようなものをしている篠ノ之束が真っ先に浮かんだのだ。するとティナが

 

「でも何で今更?」

 

その問いに一夏は

 

「明日7月7日は箒の誕生日なんだ…もしかして明日、束さんが来るのかも」

 

すると土御門は

 

「その線は十分にあり得るな。妹の誕生日に新型持ってきてその性能実験がてらに何らかの事件が起きるってこともあり得る」

 

「そんな!?、今の篠ノ之さんを下手に甘やかしたら誰かが私達の二の舞を受けるわよ」

 

「そう言えばあなたの怪我はその箒と言う人物によって負わされたのでしたね」

 

そう土御門、ティナ、神裂が言う実際箒に間接的にとは言え殺されかけたティナとしては箒の精神がどれだけ危険なのかを理解していた

そして土御門は

 

「だが、魔術サイドの俺やねーちんは下手に彼女を殺すことはできない。境界線を破ってしまうからな。だからこその護衛だ。一夏やティナと言うよりはこの旅館に住んでいる人間の護衛だな。そのウサギが性能実験と評して旅館を狙う事は十分にあり得るだろうからな」

 

「だからこそ聖人の神裂さんや土御門が来たんだ。もし旅館を狙ってきても確実に撃退できるようにって」

 

そして土御門の言葉に返すように一夏が言う、仮に事件が起きたとしてまずISに乗れる一夏は戦闘に参加させられるため旅館には居れない。そしてその隙をついて旅館に雇用ものなら怪我をしているとは言えティナの結界や聖人の神裂、それに土御門ならばほとんどの敵を撃破することができる。土御門に関しては彼は超能力開発も受けているせいで十分に魔術を使う事は出来ない。それでも彼は必要となれば己の体を無視して魔術を使うからだ

 

最後に一夏は

 

「それで、明日はどうする俺は専用機関係で遅くまで戻ることはできないぞ」

 

「明日は俺とねーちんは旅館いるにゃー。それで何も起きなければそのまま退散するぜよ。俺も長い間学園都市から出ているわけにはいかないんでな。」

 

「私も同じです。」

 

そう言いこの夜の秘密の作戦会議は終わり各々時間をずらして旅館に戻る事にした

そして部屋に戻り中に入ると

 

「丁度いい時間に帰ってきたな一夏、今さっきまで小娘どもが部屋に来ていたんだぞ、まぁあまりにも遅いから今頃は風呂にでも入っているんじゃないのか?」

 

「千冬姉、酒飲んでるし…」

 

千冬の口調はいつもより砕けているし、顔も若干赤いので一夏はすぐに飲酒していると言う事に気づいた

そうすると千冬は一夏に

 

「一夏、お前ハミルトンの事が好きなのか?」

 

「えっ、なんだよいきなり」

 

「いや、前にお前と店であった時ないつもよりも楽しそうだったじゃないか」

 

「あぁ、余計な気を遣わなくていいから…かな?でも好きかどうか言われるとよくわかんね」

 

「そうか、まぁお前が誰と付き合っても構わんが後悔だけはするなよ」

 

そう言う彼女の声はどこか明るかった。ちなみに千冬は酒に強い方ではないので弟の一夏としてはあまり飲むなと言っているのだが、あまり聞き入れてはもらっていない。それでも悪酔いしないだけいいかと一夏は思っている

 

「(これだけ飲んでも次の日にはケロッとしてるんだからこれはこれですごいのかもな)」

 

そしてこの日の晩は千冬が酒を飲み早くに寝てしまったので一夏も寝坊するわけにはいかないので早くに眠りについた


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