一夏1時間目はアリーナでの授業と言う事もあり、朝のSHR終了後シャルルを連れて急いで男子更衣室に向かおうとするが、
「おい、シャルル急ぐぞ遅刻したら千冬姉に何されるかわかったもんじゃない」
「えっ、どういうこと?更衣室ってそんなに遠かったっけこの学園」
「お前、俺たちの立場分っているか?」
「どういう事?」
「二人しかいない男子なんだぞ、更衣室も遠いんだよ…っと!!」
そう言いながら一夏はシャルルを引っ張り急いで更衣室に向かおうとするが、その途中で一夏とシャルルを一目見ようと大勢の女子生徒がやってくるが一夏は何とかそれを回避、無事に更衣室までたどり着くことができた。
そして一夏達が着替えようとすると不意にシャルルが
「一夏、その着替えるからあまりこっち見ないでね…」
「あぁ、別に男の着替えを見る趣味は無いからな」
一夏はそう言い後ろを向くがすぐに
「着替え終わったよ、それじゃぁ行こうか一夏」
「あっ…あぁ(シャルルの奴やけに着替えるのが早かったが…もしかして中にISスーツの上下を着込んでたのか?)」
そう制服の中にISスーツの上下を着込むのは別におかしなことではないが、一夏の頭には疑問が浮かんでいた。
そしてアリーナに出ると千冬が
「遅い、一体いつまで時間をかけるつもりなんだ馬鹿者」
そう言い一夏に出席簿を振り落す、シャルルは初日と言う事もあってか出席簿を振り落さなかった
そして千冬が
「今日からお前たちにも実際にISを装着してもらうがその前にオルコット、凰お前たちに模擬戦をしてもらう」
「いきなり模擬戦とは気が乗りませんが…まぁいいでしょう」
「セシリアに同意」
そうして鈴とセシリアはしぶしぶ前に出ていくが千冬が彼女に何か耳打ちをすると二人は突然やる気を出したがその理由を一夏は知らなかった。そしてセシリアが
「それでお相手はどなたですの?」
「お前たちの相手は彼女だ」
千冬がそう言い上空を指さすと空から一機のISが急降下してくる
「みなさんどいてくださーい!!」
そう言いながら落ちてきたのは副担任の麻耶だった、そして落下地点には一夏がいたが難なく回避。
麻耶もその後は何とか体勢を立て直し地面への激突はしなかった
「それではあなたたちの相手は私が勤めさせていただきます」
「「はい!!」」
そして千冬が模擬戦開始を宣言すると同時に3人は同時に空に上がり模擬戦を開始する。そしてその間千冬はシャルルに麻耶の使っている量産機のISリヴァイブの説明を頼むと彼女は難なくそれを説明して見せた。
そして模擬戦は麻耶の完勝と言う結果に終わった。なんでも彼女は昔日本の代表候補生だったと言う。なので1組の教員は日本の国家代表と代表候補生と言う実力者が受け持っているというとても豪華なクラスと言う事になる。裏を返せばそれだけ危険視されているクラスと言う事でもあるだろう。
そして授業終了後、一夏とシャルルは更衣室に戻ったのだが、ここでもシャルルは一夏が着替えているうちに着替え終わってしまっていた。そして昼休みになり、一夏は久しぶりに屋上に上がるとそこには簪と布仏が二人で昼食をとっていた。ちなみになぜシャルルを誘わなかったかと言うとクラスメイトとんかよく昼食をとっていて邪魔をしては悪いと思ったからだ。そして二人は一夏に気づくと
「あっ、オリムーやっほー」
「織斑君も…お昼食べに来たの?」
「ん、まぁそんな所だな」
そうして一夏は彼女たちのところに向かい昼食を食べていると一夏はふと疑問を口にする。
「布仏さんと更識さんって幼馴染なのか?」
そう今回と言い、前回のお見舞いの時と言いよく彼女たちが一緒に話しているがその雰囲気がどこか昔からの付き合いと言う感じだったので一夏は気になったのだ。すると布仏が
「私とかんちゃんは昔からの幼馴染でもありわたしは専属のメイドさんなのだー」
「本音、それは言うなって言われてるじゃない…」
「ははっ、じゃぁ聞かなかった事にしておくよ(のほほんさんがメイド…ゴメン全く想像できないんだが…)」
「オリムー、何か失礼な事考えなかったー?」
「ごめんね織斑君…気にしなくていいから…」
メイドの事を言うなと簪が言ったのは自分たちが特殊な家計の者であると言う事を悟らせないようにするためなのだが、一夏はすでに更識家の事を知っていたので特に深入りはしなかったのだが、布仏がメイドと言う事は心の底から信じることができなかった。
そして放課後になり一夏は鈴、セシリア、シャルルの3人でいつものようにISの練習をしていると不意にセンサーにISの反応が出る、そして一夏がその方向を見るとそこには黒いISを装着したラウラが立っていた
そして周りにいた生徒からは
「あれっ、あのISってまだテスト段階じゃなかったの?」
「完成したからそのテストの意味も含めてここに来たのかしら?」
そんな疑問をラウラはよそに一夏に声をかける
「おい、貴様も専用機持ちなら私と戦え」
「何でだよ…と言うか俺にはお前と戦う理由がないんだが」
「いや、貴様がいなければ教官は現役を引退せずにすみ、栄光は続いていたのだ、それを絶つ原因となった貴様を私は認めない」
「(成る程、要は俺さえいなければ千冬姉はずっと現役を続けていれたと言う訳か随分と理不尽な因縁を付けられたものだ)それはお前の理由だろ、俺がお前の相手をする理由にはならないんだが」
「そうか、ならば嫌でも戦わせてやる!!」
そうすると彼女は突然ISの砲門で一夏に狙いをつけると、そのまま一夏めがけて射出するが一夏はそれを雪片で難なく切り払う、さすがにこれには一夏も思うところがあったのか
「わかった、そんなに戦いたいなら相手してやる。かかってこいよ」
「ほぅ…良いだろう叩きつぶしてやる」
そうして一夏とラウラは一触即発の雰囲気になるが鈴とセシリアは一夏をシャルルはラウラを止める
「このバカ!!少し落ち着きなさいよ、ここで騒ぎを起こしてあんたまで謹慎食らいたいわけ」
「そうですわ、一夏さん気持ちは分かりますが落ち着いてくださいまし」
「ボーデヴィッヒさんも、自国に泥を塗るつもりなの?」
そんな騒ぎに発展するとアリーナのスピーカーから
「そこのお前たち、これはいったい何事だ!!」
その声で彼女は興がそがれたのかISを解除してアリーナから出て行き、それを確認した一夏達もISを解除する。さすがにこのまま特訓を続けても意味がないと全員が思い、今日はそのまま解散となった。
そして一夏は着替え終わると、保健室にお見舞いに向かい、中に入るとそこにはティナしかいなかった。そしてそれを疑問に思った一夏が
「あれ?谷本さんはどうしたんだ?」
「流石にいつまでも保健室にいるわけにもいかないから自分の部屋に戻ったわよ、しばらくは自室で休むそうよ、私もそろそろ部屋に戻ろうとしてたし」
「そうか」
「それよりも随分と厄介な事になってるんじゃないのあなた?」
そう言われたので一夏は今日会った出来事をティナに報告すると
「成程片方はフランス代表候補生のスパイ疑惑、もう片方の候補生はあなたに個人的な因縁を突き付けてきたってことね」
「そう言う事、さっき相手して片付けようとしたら流石にに止められた」
そうさっきラウラの挑発にあえて乗ったのはあの場でラウラの問題を片づけることで、それよりも大きな問題であろうシャルルの方に専念しようとしていたのだがさすがにあの場で解決するには無理があった
「それでどう思う?」
「私の予想だけど、その疑惑の子おそらく魔術師ではないと思うわ。もし魔術師なら放課後に特訓なんかしないで学園に張った結界の術者である私を潰しに来るなりすると思うから」
「戦闘要員の俺じゃなくてティナを狙うのか?」
「まぁ普通は戦闘要員よりも支援要員の私みたいな人間を潰した方が後々楽になるからね、複数の魔術師がいるならなおさらよ。」
「成程ね、確かにティナがいるのといないのとじゃぁ全く違うからなぁ」
「そうでしょ、だから私に感謝するのよ」
「あぁ、いつもありがとうございます」
「全く、調子いいんだから…それよりも気を付けなさいよ、恐らく貴方と疑惑の子おそらく同室にさせられるでしょうし、そのドイツの子が部屋に侵入してきて暗殺なんてことにならないでよ」
「仮に暗殺に来たらそれ相応の対応をさせてもらうよ」
「ふふっ、そうね」
そう言いながら一夏はティナを鈴の部屋まで送り、すかさず自分の部屋に戻り中に入るとすぐに荷物を確認して、自分の荷物や霊装に細工がされていないかを確認し、何もないと一夏は安心する
「(よかった何もない…となるとシャルルが1組に来たのは本当にただの偶然と言う事になるのか。いやでもなぁ、となると俺が感じたあの違和感って一体何なんだ?着替えの速さと言い、昼休みの時のクラスの女子の仲良くなる時の話題の提供と言い、なんか違和感があるんだよなぁ。戦闘要員の直感って奴なのかな?)」
そう、シャルルの着替えの速さは同じ男の一夏から見ても異常な早さであったし、昼休みの話題提供では、女子しか知らないであろうお菓子の話題について行ったり、しまいにはアクセサリーの話題などにもついていったのだ。周りの女子の大半はシャルルに感心していたが、それでも一部の女子は違和感を持っていたであろう。
そうしていると部屋のドアが開き、シャルルが中に入ってくる、すると
「あっ、一夏、僕ねこれからシャワー浴びようと思うんだけど…」
「あぁ、別に断るようなことでも無いと思うんだが…」
「その、のぞかないでね」
そうしてシャルルがシャワー室に入って行ったのだがこの時一夏の頭には疑問しかなかった
「(いや、男のシャワーなんて除くか普通?って言うか俺ってそんなに信用されていないわけ?まさか俺ホモ疑惑でもかけられてるのか?)」
そう一夏が思っていると不意に部屋のドアが叩かれたため一夏はドアを開けるとそこには
「あっ、織斑君、その少しいいかな?」
そう言いながら部屋の前には相川がやって来ていた
一夏が部屋に入れるわけにもいかずどうしようか考えていると、相川が一夏を廊下の隅に連れて行き
「あのね、織斑君デュノア君の事なんだけど…いいかな?」
「あぁ、シャルルがどうしたんだ?」
「昼休みにね私達デュノア君と話してたんだけど、男の子にしてはあまりにも女の子の話題についていきすぎてないかって思っちゃって、だってねお菓子の人気とかならまだしも女の子のアクセサリーでどれが人気とかデザインのここら辺が良いよねとかそんな話までしてたの。もちろんIS学園に良くから孤立しないようにってそう言う話題の事前学習をしてきたって言われればそれまでなんだけれど…」
「それでも同じ女子の相川さんから見てもおかしい…と」
「うん、私以外にも何人かそう思う人がいてね。それで私ね…織斑君にこんなこと言いたくはないんだけど、もしかしてデュノア君…女の子じゃないかって私思っちゃって」
「成程、まぁ一応そうかもしれないって事だけは頭に入れておくよ、ありがとね」
「ううん、私も変な事言っちゃってごめんね。聞かなかったことにしてもいいから」
そうして一夏は相川と別れ一夏は部屋に戻ることにした