上条と五和は左方のテッラと対峙する
宮殿の内部では轟音も響いて来ており外で何かが行われていると言う事が分かる
上条とテッラの距離はおよそ7メートル弱7メートルと聞くと離れているように感じるがテッラの武器は小麦粉を使ったギロチン、つまりは飛び道具であり彼の魔術”優先”もあり距離の差はあってないようなものである
さらに宮殿の床にはテッラが破壊した柱や壁の破片、さらに駆動鎧が使ったであろう弾丸が無数に転がっており、拳しか武器を持たない上条にとって条件は最悪の一言に尽きるであろう
「最後に尋ねるが、おとなしくC文書を渡す気は無いんだな?」
「えぇ、存分に玉砕してください」
テッラのその一言を聞くと同時に上条は走る
そしてテッラもまた彼の動きを確認するのと同時に小麦粉の刃を振るう
素の刃を彼は右手を前にだし防御しつつ前に走るが
「優先する-大気を下位に小麦粉を上位に」
その声と共に小麦粉のギロチンが膨らむ
およそ3メートルほどの大きな団扇となったギロチンが上条の方へと向かう
彼はその攻撃に反応できなかったが近くにいた五和が彼の腕をつかみ横へと飛び攻撃を回避
その後五和は上条から手を離し槍を構えテッラへと攻撃する
直撃すればひとたまりもない一撃をテッラは避けようとせずにこう告げる
「優先する-刃を下位に、人肌を上位に」
その一言で彼女の刃は皮膚にはじかれる
その後も彼女はテッラへと攻撃を続けるがことごとく防がれてしまう
しかし五和もただでは終わらない攻撃をしている中で見つけた彼の欠点、それを告げる
しかしテッラは余裕を崩さずにこう告げる
「優先する-天井を下位に、小麦粉を上位に」
それと同時に突然天井が落下してくる
「…ッ!!」
五和は槍を垂直に構え圧殺を免れる事には成功するが彼女は武器を奪われてしまう
そしてその隙を見逃す相手では無い
ギロチンの刃が彼女へ容赦なく襲いかかる
ギロチンは五和に直撃し、小さな体は後方へと吹き飛ばされる
彼女の体は地面で数回バウンドするがその途中で不自然に動きが止まる
地面にたたきつけられる寸前で彼女の体は数センチ地面から持ち上げられその後ゆっくりと地面に着地する
「五和ッ!!」
上条は彼女の方を向くと彼女は意識が無いが呼吸をしている事は感じられる為一先ず安心する
だが彼は疑問に思う、一瞬彼女が浮いていたのはなんだったのだろうかと
そしてその疑問は直ぐに解決する
「ようやくついた…まぁちょっと遅かったみたいだけどな」
そうして現れたのは右手に短剣を構えた一夏であった
腕にはやけどの跡もあるが元気そうである
それを見た上条は
「織斑、まさか土御門が言ってた助っ人ってお前の事だったのか!!」
「そういう事、ちょっと遅くなったけど助っ人として加勢するよ」
それを見たテッラは余裕を見せつつ
「まさか生きていたとは、流石にこれは予想外ですねー。それにしてもちょっとがっかりですねー。噂の幻想殺し、多少苦戦すると思っていたんですが、まさか未完成とは。本来の性能であれは今の攻撃からあの少女をかばうくらいは出来たのではありませんか?」
その言葉を聞き上条は思わず自分の右手を見つめる
するとテッラは
「もしかして知らない?そんな訳ありませんよねー、本来ならば知らなければいけないことだ。まさか知ってた事を覚えていないとか?」
「テメェ!!」
「まさか図星ですか?これは楽しみな研究材料が見つかりましたねー」
そう言うが上条の内心は穏やかでない
自分が記憶喪失であると言う事は誰にも言っていない、そして近くには一夏もいる
そして思い浮かべてしまうのは一夏がそれを問い詰めてくる可能性
しかしその予想は大きく、いい意味で裏切られる
「敵の挑発に乗るなよ。それに俺が君と会ったのは三沢塾の時が初めてだそれ以外では一度もあってない。仮に事実だとしても俺は他言しない。約束する」
「織斑…サンキュ」
「気にするな。」
二人のやり取りを見たテッラは大笑いしつつ
「素晴らしい友情ではありませんか。と言う事でここで仲良く死んでもらいますかねー」
テッラがそう言うと一夏は
「余裕だね。そんな不良品術式使ってその余裕、こっちが関心したくなるくらいだ」
「(織斑も気づいてる…土御門や五和もあの『優先』には欠点があるって言ってた)」
両者のにらみ合いは続く
するとテッラは
「おや、そちらからは来ないんですか?なら今度は此方から行かせてもらいますかねー」
彼はそう告げると小麦粉のギロチンを彼らへと放つ
それが戦闘の再開を告げる合図なのであった。
今回はちょっと字数が少なめです
次回でどうにかテッラ編を終わらせようかなと思っています
6月は月2ぐらいで更新出来たらいいなーと思っています
面接等が入ってくると厳しいですが…
次回もよろしくお願いします