IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第117話

一夏は教皇庁宮殿へと急ぐがその道のりは大変である

アビニョンの街中には学園都市が送り込んだ駆動鎧があちこちに配置され、機体をやり過ごしたかと思えば進む道には瓦礫が散乱しており簡単に進むことは出来ない

道中に現れた魔術師は簡単に倒せるがこちらはそうは行かないのだ

 

「(道はこっちであってるんだよな…多分)」

 

街は破壊されているため画像はあてにならない。あてになるのは地図と自分の勘だけである。

彼は走り続けると近くに駆動鎧がいた為一夏は身を隠す

相手の狙いは一夏ではなく近くにいる暴徒である

 

「(どうする気だ…まさかあの武器で皆殺しに…!?)」

 

彼は暴徒に申し訳ないと思いつつ制圧法を見守る

学園都市の駆動鎧は暴徒に向けショットガンを放ち暴徒に直撃するが血は流れず地面にたたきつけられ気絶するだけである

同様の方法で敵意を見せるものを対処に暴動に参加していない市民は見つけ次第バルーンのようなものに放り込み空へと飛ばす

 

「(撃っているのは空砲か…衝撃派を叩き付け気絶させて行くって方法か。流石に生身の人間相手に殺傷力のある実弾は放たないか)」

 

その光景を見て彼は暴力的とはいえ効率的だと思う

普通の人間ならこの光景を許せないと思うのが当然であるが魔術師の一夏からすれば多少の被害はしょうがないと思ってしまうあたり感覚がずれ始めているかと彼は内心思っている

 

とは言え彼もこの周辺に長居するつもりはない

教皇庁宮殿へと足を進める必要がある

そして行動を開始しようとしたのだが

 

「はぁ、ついてないな。こういうのを不幸だ、って言うんだろうな」

 

一夏の後ろには駆動鎧が5機、そのうち3機はこちらに銃口を向けている

初めに遭遇した駆動鎧の操縦者は見逃したが目の前にいる操縦者はそんな慈悲は与えず問答無用で制圧する気であるのは簡単に分かる。

 

「(どうにかして逃げ切るか…!!)」

 

そう言い一夏が足を進めた瞬間、銃声が響くのであった

 

 

 

 

 

 

同じころ上条と五和も教皇庁宮殿へと向かっていた

途中までは土御門とも行動をしていたのだが、彼とは先ほど別行動を取った所である

今は教皇庁へと向かっている最中である

幸い道は五和が知っているため彼は彼女の後をついて行くだけでいい

そうして走っていると

 

「…!」

 

「どうしました?まさか敵!?」

 

「いや違う。誰か俺の噂してる気がしてさ」

 

「はぁ…?」

 

上条が突然足を止め付近を見渡したため五和としては敵が来たのかと警戒するがそうではなかったみたいで一先ず安心する

 

彼らも一夏同様学園都市が制圧する様子を見てきたからこそ一秒でも早くC文書を破壊する必要があると思っているのだ

 

そうして足を進めていると教皇庁宮殿へと到着する

警戒しつつ中に入ると中は不自然なほど静かである

分かっているからこそ彼らは慎重に足を進め逸五和に関しては槍を構えながら歩く。

 

とは言え付近では銃声が途切れることなく響いている

その事から外では戦闘が行われている事が容易に想像できる。

 

すると彼女は

 

「そういえば、ツチミカドさんが言っていた助っ人って誰なんでしょうね?ここには居ないみたいですが…」

 

「そうだな…」

 

五和の問に彼は簡単に答える。二人の中にはどうしても最悪な展開が頭をよぎるがその考えを振り払う

そして彼は有る疑問を口にする

今アビニョンにいる駆動鎧は何処から来たのだろうと

学園都市にいる彼だからこそ思う疑問である。そもそも最新技術の機体を堂々と外に出すこと自体異常なのである

 

 

その後彼は携帯で学園都市にいる一人の少女に電話を掛け状況を確認すると彼女の口から衝撃の事実が伝えられる

内容は宗教団体が国際法に触れる兵器を製造及び使用しているためその処理として学園都市が行動を行っていると言う事だ

 

どうやら学園都市、都市の外に関わらずこのニュースは取り上げられているらしく少女は知らない方が変だと言う

 

「そっ、そうなのか…」

 

上条は言葉に詰まるが、その途中言葉が出なくなる

外で響いていた音が突然止まったからだ

不審に思った彼と五和はゆっくりと前へと進む

通話状態のままだが声は聞こえない、と言うより耳に入ってこないのだ

 

その後、突然轟音が響き壁が破壊される

壁を破壊した正体は学園都市の駆動鎧、それが上条の体にぶつかり彼は吹き飛ばされ手に持っていた携帯電話は床に落ち破壊される

五和はあわてて槍の穂先を突きつけるが駆動鎧は動かない。

上条はどうにか起き上がると同時に一人の人物が現れる

 

左方のテッラ

手には羊皮紙が握られている

決戦は近づいてきている

 

 

 

 

 

決戦が近づいている一方で一夏は手間取っていた

と言うのも

 

「クソッ…あと少しなのに!!」

 

例の駆動鎧の追撃を振り切れていない為教皇庁宮殿に到着していないのだ

 

「(どうする…破壊するか!?でも…)」

 

彼は戸惑う。敵を倒す事への抵抗ではなく、その後の事を考えているのだ

一夏はイギリス清教所属の魔術師。イギリスと学園都市は協力関係であるらしくここで一夏が機体を破壊するような事があれば面倒な事になると考えているのだ。

すると一夏の携帯電話にメールが届く。差出人は土御門である

携帯を開き内容を確認するとそこには

 

「後処理はこっちでやる、機体が来たら容赦なく破壊しろ。か」

 

メールにはご丁寧に機体のコックピットの場所まで表示されている

 

「中の人間さえ殺さなきゃオッケーって事な。なら遠慮なく行かせてもらうか」

 

そうして一夏は路地を飛び出す

駆動鎧の操縦者はおそらく獲物が来たと思ってるのであろう

その考えが間違っているとも知らずに

 

銃口から弾丸が飛び出すよりの早く一夏が動く

右手に持った短剣を振るうとショットガン自体が爆発し破壊される

 

機体は一瞬怯み隙が生じる

すると一夏は左手に杯を構え水の槍を呼び出すと胴体ではなく頭部のカメラをピンポイントで破壊する

仕上げとばかりに両足の関節部に傷を入れる

 

「どういうことだコレ?」

 

一夏は武器を構えしばらく警戒していると付近に集まっていた駆動鎧も突然動きを止める。警戒と言うより機体が完全に止まったらしく中からは叩いているような音が聞こえる

数機は一夏の場所すら把握できていない

 

彼が一機を撃破したら付近の機体の動きが止まったというのはこの機体の問題点でもあるのだ

その問題点とは一つの機体が得た様々な情報と言うのは付近の機体にも強制的にフィードバックされ情報を共有する

つまり一つの機体が損傷を負えば付近にいるすべての機体にもフィードバックされてしまうのだ

ここにいるのが完成品でロールアウトされていればこんな問題は抱えないのだがアビニョンに投入された駆動鎧はようやく学園都市内の兵器迎撃ショーに出せるようになった試作機であり、課題もあるのだ

 

「今倒したのがこの辺りの作戦を指揮してる隊長機って事なのか?まぁいいや。パイロットさん、逃げるなら早く逃げた方が良いぞ。暴徒はまだいるはずだからね」

 

一夏はそう言い残し宮殿へと向かうのであった




超久しぶりの更新となりました。
毎日ES作成に追われ多忙な日々でございますww

あとはあれですね
ラブライブの映画行きたいなぁと最近思っています
サンシャインも楽しみですね
時系列的にはミューズ解散から数年後になるのかなぁと思っています
禁書とレールガンの関係みたいになるのかなと思っていましたがww


次回もよろしくお願いします

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