IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第12章 神を名乗りし者
第114話


一夏は現在イギリスの自宅にてテレビを見ていた

その内容と言うのは

ヨーロッパ各国にて大規模なデモが行われ多数の負傷者が出ているという内容だ

しかもデモが起こっているのはフランスやドイツと言ったローマ正教徒が多くいる国で起こっておりイギリスではデモは一切起こっていない

 

それを見た一夏は

 

「(十中八九この間の襲撃だろうな…学園都市でも大規模な襲撃があったらしいし)」

 

一夏はイギリスに帰国後、学園都市襲撃の報告書を読む

そこにはローマ正教、『神の右席』と呼ばれる組織の一人が起こした襲撃で学園都市の機能が麻痺、上条当麻が撃破と言う内容であった

神の右席の詳細に関してはステイルが調査を行うとの事であり、一夏は待機と言う命令が下されている

 

いつもなら一夏の家に上がりこむ少年やジュノンも来ていない

彼らは彼らで任務が下され忙しい事は容易に想像がつく

 

そう思った彼はここ数日の間は術式と霊装の調整を行っている

今回はかなりの規模の戦闘になる。そんな風に感じたのだ。

そう感じつつ一夏は学園都市にいる一人の少年を思い浮かべていた

 

「(当麻の奴、元気にしてるかな…)」

 

そんなことを考えていると彼の携帯に一通のメールが届く

差出人は一夏の同僚であるステイルからであった。そしてその文面を見た一夏は

 

「目的地はフランスか…もうちょっと詳しく書いてほしかったけど仕方ない。現地に着いてから考えるか」

 

そう言いながら彼はフランスへと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と一夏が考えている件の人物、上条当麻はと言うと

 

「で、なんでこんな事をしたのか先生に話してみなさい」

 

職員室で長身の女教師から説教を受けていた

説教を受けているのは彼以外にも、土御門元春、青髪ピアスの三人とその後ろには吹寄制理がイラついた顔で立っている

 

学校は丁度昼休みの時間帯で教師も大勢いる

テレビを見たり、携帯の画面を見ながらリズムを取ったり、新聞を見たりさまざまである。

そのような状況の中で説教をしている教師、親船素甘は厳しい視線を彼らに浴びせながら

喧嘩をした理由を尋ねる

 

すると当麻は観念したように

 

「だって…だって!せっかく俺が手間暇かけて呼び出したライズ・ファルコンを青髪が神宣で無効にするから…それだけじゃないんです。勝負が終わった後に俺らが『バニーガールは赤と黒どっちがいいか』って話してたら土御門が『バニーと言ったら白兎が最強』とかわけの分からないことを口走るから!!」

 

その言葉と同時に親船は椅子ごとひっくり返る

その後彼女は後ろの吹寄に視線を向けつつ

 

「ま…まさか、貴方もそんなくだらない論議に参加して…?」

 

「私はあのバカ三人を黙らせようとしただけです!!」

 

吹寄はそういう。ちなみにそのバカ三人は職員室であるというのに再び言い争いを始めていた

 

その後彼ら三人+吹寄は草むしりの罰を言い渡されるのであった

 

 

 

 

 

そしてIS学園の食堂ではシャルロットとラウラが厳しい表情で画面を見つめていた。ちなみに近くには彼女以外にもセシリアと鈴、簪がいる

 

「ラウラ、そっちも酷いの?」

 

「あぁ、デモは悪化する一方だ。私の部隊も鎮圧に乗り出すことをクラリッサが提案している所だそうだ」

 

二人がそんな話をしていると鈴が

 

「まぁそれだけこの間の襲撃がヤバいって事よね。それにしてもなんでイギリスじゃデモは起こってない訳?」

 

鈴はそう尋ねる

彼女は中国出身であり、ヨーロッパ各国の宗教の事には詳しくないのだ

するとセシリアは

 

「そうですね。イギリスはイギリス清教が主流なのですが、イギリス以外のヨーロッパの国、イタリア、フランス、ドイツなどの国はローマ正教の方々が多いのです。今回のデモは国での活動と言うよりローマ正教としてのデモと言う事ですので…しかもローマ正教の信徒の総人数は約20億人。デモを起こせばこのぐらいの規模にはなってしまいますの…」

 

「規模が凄いわね…私には想像もつかないわ」

 

「日本じゃ考えられない…」

 

彼女たちはそんな話をする

今回のデモの背後にあるものを彼女たちは知るはずもない。


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