IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第112話

一夏達がIS学園の校門付近まで接近し、今は近くにあった建物の陰に隠れ様子を伺っている

学園の上空では戦闘が行われており、規模はかなり大きいと判断できる

 

「侵入…は出来そうだけど入った瞬間気づかれるなこりゃぁ」

 

一夏は率直な感想を言う。一夏達の実力を持ってすれば学園内部に侵入することは容易であるが、中には候補生や教員部隊が多数配置されているのは明確であり入った瞬間、誰かに見つかるのが目に見えている。

 

すると少年は

 

「戦況的にはどうなんですかねぇ…見た感じ学園側が不利ですか?」

 

「多分な」

 

一夏と少年がそんな事を言い合っていると

 

「私が中に入って様子、見てこようか?女だし誤魔化せるでしょ」

 

ジュノンがそう言う

さらに

 

「入ってみて貴方たちが入っても問題ないようなら合図するわ」

 

そう言うと一夏達の了承も得ずに、建物の壁を伝い校門を簡単に飛び越え学園内へと侵入する

 

「やっぱ凄いわ聖人」

 

「ですね。」

 

二人は素直に感心していた

 

 

 

 

 

 

 

一方ティナはと言うと学園の寮内に残っていたがそこでは妙な光景が広がっていた

 

「これ…どういう事?」

 

ティナが見たのは大半の生徒はこの騒ぎで避難しているのだが一部逃げ遅れ部屋に居る生徒全員が床に倒れているのだ

 

「私が無事って事は有毒ガスではない。魔術であったとしても私には影響がない…どうなっているの?」

 

部屋のテレビがつけっぱなしだが画面は真っ暗であり何が起こって居るのか判断が出来ない

廊下でも数名の生徒が倒れていたが目だった外傷はなく魔術師のティナであっても原因は全くと言って良い程分からない

 

「このフロアだけでもこれだけの人数が倒れてる…もしかして避難先でも同じような影響が?」

 

彼女はそんな事を考えながら避難先へと進むのであった

 

 

 

 

 

 

ティナの見た現象と言うのは生徒の誘導をしているサラの耳にも入ってきていた。

 

「生徒の昏睡ですか…共通していることは何かありますか?」

 

「避難している子や避難した子たちがテレビやラジオの類を見ていたって事しか…」

 

「そうですか、根拠は有りませんがまずは昏睡を止めます。伝言形式で構いません、テレビやラジオ、携帯、スマートフォンと言った通信機器類の電源をすべて切るように伝えてください。」

 

「ぜっ、全部。正気なのサラちゃん!?」

 

彼女と話している女子生徒、新聞部部長、黛薫子は驚く

するとサラは

 

「作業をしている私たちが無事と言う事はガスではありません。通信機器類の電源を切れば昏睡する人数は減ります…もし減らなかったら、そこまでです。」

 

「分ったよ…後は現場の子たちに任せるしかないしね」

 

「えぇ、私も現場に出られればいいのですが…」

 

サラは生徒会長であるが、この非常時に何も出来ない自分にもどかしさを感じていた

そうしながらも仕事に集中できるあたり、さすが候補生と言えるところであろうか

 

 

 

 

 

 

 

学園外部で避難活動を一通り終えた簪と本音も避難しようと考えていたが状況は悪化してしまった

専用機持ちや教師部隊が無人機の迎撃を行っていたが敵の援軍が途切れず徐々に押され始めていた。そのような中で撃退しきれなかった無人機が簪たちの居る方面にもやって来ており、現在彼女たちは身を隠していた

 

「かんちゃん…マズイよこれ」

 

「分ってる…」

 

彼女達もその状況は分かり切っていた

簪も専用機を持っているが、実戦に投入できるレベルではなくここで展開出来ない

今までは戦闘の影響が付近まで来なかったため影響はなかったがこの状況ではそうも言っていられない。見つかって袋叩きにされるのも時間の問題でありそんな事は彼女達でも分かっていることだ

 

「本音…最悪私が囮になる。その隙に貴方は逃げて…」

 

「ええっ、そんな事出来ないよ~!!」

 

「そんな事言ってる場合じゃ…!?」

 

簪が本音を説得しようとすると、無人機が彼女たちの居る方向を見ており暫くするとこっちに向かってくるのが分かる

 

「…っ!?行くよ、本音」

 

「うっ、うん」

 

そう言い二人は茂みから飛び出し、走り出すが無人機は彼女たちを見つけると攻撃を始める

当てる気が無いのか、いたぶっているのかは分からないが攻撃はすべて地面に放たれており、直撃はしていないが走るのに一苦労である

 

「きゃあっ!!」

 

「本音…!!」

 

暫くすると本音が爆風で吹き飛ばされ、地面を転がる

簪が助けに向かうが彼女たちの周囲を8機の無人機が包囲しており万事急須である

 

「…そんな…」

 

数機は砲口をこちらに向けており、簪はダメもとでもISを展開しようと考える

 

「(こうなったら…弐式を使うしか…)」

 

彼女はそう思うが、それは敵わない。なぜなら

 

無人機の一機に槍が突き刺さり、直ぐに無人機の内部から無数の棘が現れ一機が爆散する

 

「えっ…えっ?」

 

「なっ、何!?」

 

二人が呆気にとられていると、そんな事を気にしないかのように落ちてきた槍をピンク髪の少女がそれを空中で回収、爆散した影響で落ちてきた破片を使い空中を移動すると、無人機の正面に入り槍で切り付け上半身と下半身を真っ二つにする

 

残りの無人機も女性に対し、ビームを放つが彼女は空中で身をひねりながらそれらをすべて回避

 

「残り6…」

 

そう言いながら地面を音速挙動で走り抜け、遅れて地面が爆発する

すぐさま飛び上がると近くにいた無人機に狙いを定め、無人機の中心部を槍で一突き。

ISの装甲はかなり固いはずだがその槍は装甲の強度など無視し貫く。

無人機も攻撃を受け、墜落するがその途中彼女は無人機の左腕を切り裂くと、それを掴み取りレーザーを放った無人機に向け放り投げる。レーザーは腕に当たり爆発、付近には黒煙が立ち込める

 

「残り5、一気に行くわ!!」

 

彼女はそう言うと、一気に勝負を付けにかかる

一機を蹴りで地面にたたき落とし、その反動を生かし一機に接近し槍で切り裂き、そこを捕えようと残りの無人機が彼女を仕留めにかかるが彼女は体制を立て直し、2機を槍で同時に撃退。地面にたたきつけられた無人機が体勢を立て直すが、その瞬間槍が凄まじいスピードではなたれ無人機を貫く。攻撃を受けた無人機は衝撃と威力の相乗効果で一撃でやられる

 

ここまでの戦闘に1分かかっていない

 

「まっ、こんな所かな」

 

そんな戦闘だったにも拘わらず、少女は息を全く乱しておらず、むしろ余裕と言う雰囲気すら纏っている

 

「すっ、すごい」

 

「(あの人何者…あんなスペックを叩き出すISなんて聞いた事が無い…もしかして装甲を最小限に抑えた新型のIS!?)」

 

そうしてピンク髪の少女は彼女たちの方を向くと

 

 

「今の内に逃げなさいな」

 

「あ…あのっ」

 

簪が彼女に声を掛けようとした途端、付近には風が吹き荒れ、しばらくするとそこに女性の姿は無かった

 

簪と本音はしばらくの間、棒立ちであったが直ぐに避難を始めるのであった




更新遅れてスイマセン、最近色々と忙しかったので…
更新はしばらくの間遅くなりますが、よろしくお願いします

簪にIS扱いされるジュノン…ww
ちなみにジュノンは魔術を一切使ってません


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