IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第11章 襲い掛かるは人形、戦うは少女と天使
第110話


9月30日 午前8時

 

一夏が日本に一時帰国して数日が経過し、その間一夏は自宅で休息を取りさらには落ち着いて術式の調整も行う事が出来た

ここまでゆっくり休めたのは久しぶりだと感じる程である

その間、少年とジュノンはと言うと家で雑談、もしくは霊装の点検や術式の調整など、こちらも余裕をもって作業できたようである。

すると少年が

 

「もう少しでここともおさらばですか、何と言うか寂しいですね」

 

「まぁこのあたりは治安が良くて過ごしやすかったわね~」

 

ジュノンと少年はそう言う

一夏としては何気ない日々でも海外で過ごしていた彼らにとってみればやはり日本で過ごした日々と言うのは特別なのであろう。

 

そうしていると一夏の携帯電話に一通のメールが来る

差出人は天草式の東郷であり、内容と言うのはこちらの用事が終わったため、今日の深夜に日本から出ると言う内容のメールであった

 

「おっ、天草式の方も準備が終わったのか。時間は随分と遅いな」

 

「向こうの船の術式の都合でしょう。」

 

二人はそんな事を話し合った後、家の片づけを始める

いくら人払いを使っていたとはいえ、家を出た後に、千冬が帰宅し人がいたと言う事に気づかれると非常に厄介な事になるのは目に見えていたため、家の状態を一夏達が来る前に戻す必要が有りそれはそれで大変であったりする

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏達がそ自宅を掃除しているのとほぼ同時刻、IS学園では朝のHR前であり登校してくる生徒たちは廊下や教室で雑談を行っていた。ティナもその一人であり2組の教室で外を眺めつつ

 

「(はぁ…一夏ったらあれから全然連絡してこないんだから、まぁ無闇に外に出られないって言う状況を考えたら納得も出来るけど…でもねぇ…)」

 

一夏とはキャノンボールの一件以降一切連絡を行っていないのだ

別に用事が有ったと言う訳では無いので連絡を行わなくても可笑しくは無いのだが、彼女としてはやはり久しぶりに会った仲間と話をしたいと言うのが乙女心というものであるが、相手は一夏である

周囲の状況を冷静に分析し、召喚爆撃を得意とする一夏であっても悲しい事に乙女心は理解できないのである

 

「(あの勘の鋭さの一割で良いからそう言う事に向けてくれれば…やっぱ私が行動しなきゃダメよね…)」

 

そんな事を考えていると

 

「なーにしてるの朝からボーっとして。風邪でも引いた?」

 

そう言って現れたのはルームメイト兼クラスメイトの鈴である

するとティナは

 

「別に。今の世の中、女子は草食よりも肉食の方が良いのかなと思っただけよ」

 

「肉食過ぎても引かれるし、そこは加減しなきゃね。」

 

「そうね。と言うかそっちは大丈夫、お疲れモード全開だけど」

 

「生徒会の仕事に慣れるまでの辛抱よ。」

 

「そっ、無理は禁物よ」

 

二人はそんな雑談を行いHRを迎えるのであった

 

 

 

 

 

 

 

そんな中日本の某所では一人の女性がモニターを眺めつつ

 

「よーし完成だ!!。今日の夜にはこれを発進させることが出来るよ~」

 

そう言ったのはIS開発者の篠ノ之束、彼女はようやく納得のいくものが出来たのか随分と喜んでいる

 

「束様、今回は数が多いのですがすべてをIS学園に向かわせるつもりで?」

 

「そーだよ、くーちゃん。」

 

束がくーちゃんと呼ばれた少女に言葉を返すと彼女は

 

「そう言えば束様は今まで一度も学園都市を標的にしたことは有りませんが何か理由が?」

 

そう束に問う。彼女は束と共に行動してきたが今まで一度たりとも学園都市を標的にしたことが無いのだ

今回の無人機も学園都市様に制作したのだと彼女は思い込んでいたためIS学園に向かわせると言うのは予想外だったのだ

すると束は彼女の方に向きを変えると、表情を真面目にし一つ問う

 

「くーちゃん。もし、もしだよ学園都市が本気で私たちを潰しにくるならどうして今まで何もなかったと思う?」

 

「それは…見つけられないから…でしょうか?」

 

「ハズレ。超能力とか作ってる機関が私たちを見つけられないなんてありえないよ。これは保障する」

 

さらに彼女はこう続ける

 

「それにね、もし本気で私たちを潰しに来るなら。もう私たちはここに居ないよ。そうだね…白騎士事件を起こした時には一件落着じゃないかな?」

 

そう言う。くーちゃん、クロエはその答えが意外だったのだ

束が素直に負けを認める。そんな姿を初めて見たのだ。さらに束は言葉を続ける

 

「それにね白騎士事件のときだってハッキングはして標的は日本にしたけど学園都市を標的にはしなかったんだ。それにその後だって本気で潰すなら向うの兵器でちーちゃんごと生け捕りにされるのは明確。つまり学園都市にしてみれば自分たちが標的にならなきゃどうでもいいって事さ」

 

「そんな事有るのでしょうか?」

 

「無いとは言い切れないよ。それに私が初めてISを紹介したあの学会、他国の馬鹿どもは馬鹿にしてきたけど学園都市はその発表を見て何も言わなかった。白騎士事件の後、学園都市が何もしなかったのだってそうだね、学園都市の連中が政府に対し[え?自分たちが馬鹿にした兵器に一泡ふかされたから報復したいしそのために力貸せってHAHAHA冗談は顔だけにしな]的な事をいったんじゃないかなって私は思ってる。前回の福音だってそうだしね」

 

「束様…」

 

彼女は内心すげぇ、滅茶苦茶考えてると思っていた

何時も突然行動を起こし混乱を起こす彼女がこれだけ考えて居る所をクロエは初めて見たのだ

すると束は苦笑いしつつ

 

「くーちゃん、私だって科学者であり発明家だよ?根拠のない行動はしないのさ」

 

「そうですか」

 

彼女たちはそんな事を言いながら再び作業に入るのだった




学園都市が束を本気で潰すつもりなら白騎士やった時点で潰してるだろうと言う予想から
もしかしたらアレイスターが束の気づかないうちにISを利用している可能性も…?

くまでもこれは束の考えであり各国の考えではありません。
イギリスやフランスと言った魔術以外の国家はISなら学園都市に勝てると思ってても不思議じゃ…ないかなぁ?
ロベルトさん?平常運転ですよ




追記:本編とは全く関係ないけどノーデン早く禁止にならないかなー?

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