会場から脱出した一夏達は現在会場の人気のない所に身を隠していた
そうしながら一夏は形態にとりつけられた通信用霊装に魔力を流すと
<ティナ聞こえてるか?>
<えぇ聞こえてるわよ。>
<今時間大丈夫か、その荷物を渡したいんだけど…>
<今?そうね…大丈夫だと思うわ。何処に行けば良い?>
ティナがそう尋ねた為、一夏は合流地点を伝える。その後通信を切る。
そうして連絡が終わったのを確認すると少年は一夏に
「どうでした?」
「すぐ来るってさ。」
二人がそんなやり取りを交わし、しばらくするとIS学園の制服を来たティナがこちらにやってくる
そしてティナは変装した一夏を見つけると
「一夏の変装のセンス…」
そんな事を言う
ちなみにその間彼女は笑いをずっと堪えている
すると一夏は
「そんなに変か、俺の変装!?」
「一夏には似合わないわ。まぁ表向きの理由を考えるとサングラスは必要だから仕方ないとは思うけどね。」
そんな事を話していると少年がティナの元に向かい、一つの箱を手渡す
彼女はそれを受け取ると、その場で中身を取り出す
「ペンダント、盾の形をしたバッジ、後は石、頼んだもの全部入ってるわね」
彼女はそんな事を言うとそれらを制服のポケットにしまう
すると一夏は
「いまのって全部、霊装か?」
「えぇ、寮に戻って調整する必要があるから今はまだ使えないわよ」
「成る程」
「そう言えば、そのピンク髪の子、誰?」
ティナはそう言いながらジュノンを見る
すると一夏は
「初任務の時に救出した子」
「ちなみにその子、聖人です」
簡単に説明し、少年が補足する
するとジュノンはティナの所に向かうと
「初めまして、ジュノンです。色々有って今は貴方と同じ組織に所属してるの。よろしくね」
「よろしく。聖人って事は神裂さんと同じね、話したことある」
「勿論、いまじゃ普通に友達だね~」
その後彼らは雑談をした後ティナと別れる
その際、一夏は数日間は自宅に滞在することティナにを伝える
そしてティナはIS学園へと、一夏達は自宅へとそれぞれ戻るのであった
一夏達がティナと話しているのとほぼ同時刻、某所にあるマンションでは
女性二人、少女一人、男性二人、少年一人の計六人が帰還した人物を確認すると
「おかえりなさいエム。追跡は振り切った?」
「追跡など居なかった。」
「そう」
金髪の女性とエムと呼ばれた少女はそんなやり取りをする
そうしてしばらくすると
「スコール、この後はどうするんだ?」
「そうね、本部に報告をするぐらいかしらね、貴方も来るオータム」
「うん」
そんな事を言うと彼女たちは部屋を後にする
一連の流れを見ていた一人の男性、イオは彼女に
「エム、お前は行かなくていいのか?」
「どうせ報告など事務的な物だ。」
「そうか」
そんな事を話していると、また別の男性が少年、クスグに対し
「そう言えば今日はどうした、お前が騒ぎを起こさないなど。風邪でも引いたか?」
「別に、あの場に聖人がいたからね。騒ぎを起こすとヤベェから撤退した」
「聖人…日本人か?」
「いや、旦那が前に言ってたアイルランドの奴」
「そうか…」
そのような話をするとエムがイオに
「せいじん…?」
「”私達の側”の特殊な20人の事だ。ISなど簡単に破壊できるぞ」
そんなやり取りをする
そうしていると部屋に置いてある花瓶…に見せかけた通信用霊装に反応が有る
すると今まで話に加わら無かった最後の少女、オトゥーが花瓶の前に立ち
<…?、元気です…そう…イオ…?代わります>
「誰からだ?」
「…分からない、女の人」
「ふむ」
そう言い彼は花瓶の前に立つと
<変わりました…、!?、はっ、お久しぶりです。ええ元気ですよ、アトラクはいつも道理、クスグは…まぁ仲良くやってます。えぇ…>
「誰?」
「分からない…イオが敬語って事は上司?」
「イオが敬語…奴は”我ら”の中では立場が上の方だ、それで敬語と言う事はボス、もしくはそれに近い者と言う事か」
「アトラクは会った事あるのか?俺達のボスに」
「無いな…イオは顔見知りだと聞いているぞ、クスグとオトゥーの二人は会った事が無くて当然だと思うがな」
彼らが話している間にもイオは連絡を続ける
<えぇ、では今後も現状維持…了解です。失礼します>
そう言うと通信が終わる
するとクスグがイオに対し
「旦那、誰からだ?」
「トップ16人のうちの一人からだ」
「トップ16って事は…アイツと同じか」
「そう言う事だ、お前は奴の天敵として位置づけられ、実際にお前は奴に勝てているからな」
「アレは相性が良かっただけだろ」
「まぁな。っと、話が折れたな、彼女の話によると我らは現状維持、まだ睨まれるようなことをするなと言う事だ。他のメンバーもあまり作業は進んでいないようだしな」
「オッケー」
「「了解」」
その後、彼らは部屋の中で自由に行動することになる
とは言えエムは直ぐにスコールたちに呼ばれ別室へと移動する
そして、IS学園の生徒会室では今日の襲撃に関しての報告が役員に対して行われていた
「今日の襲撃で一般人、学園の生徒含め負傷者数名、これは戦闘の巻き添えではなく避難の際のトラブルによって生じた物、一年専用機持ちも襲撃にあったが軽傷、これが今までに分かっている数です。学園の寮で新たに怪我が判明したと言う事が有ったら報告お願いします」
生徒会長のサラが役員にそう尋ねるが反応はない。すなわち寮で怪我が判明した人物は居ないと言う事になる
すると話を聞いていた役員の田中美空が
「今日の襲撃犯は学園祭の時と同一人物でしょうか?」
そう質問するとサラは
「そう考えて間違いないかと、イギリスから奪われた機体はすでに確認しています。あとはフォルテが交戦した一名を含め、今回は2名での襲撃になりますね」
「前回みたいな不審火が無いって事は放火犯は今回居ないって事よね?」
「凰さんの言うとおりですね。ただ今回も会場の荷物の搬入口のシャツターが切り裂かれると言う事も発生していますし、犯人は、もしかしたらまだ居たかもしれませんね」
「それで今回と前回の犯人は一体どういう連中なのでしょうか?」
田中がそう聞くと、それ以外のメンバーは複雑な表情を浮かべる
するとサラは
「すみませんが、それは言えません」
「どういう事ですか?」
「今回の襲撃は国際的なテロリストとは言えるんですが、グループ名などは公表してはいけないのです。ここに関しては私の一存ではどうすることも出来ません。ただISを利用したグループと言うのは断言できます」
「それさえ分かれば十分です」
「そうですか。では今日はこれで解散です。」
彼女がそう言うと生徒会役員は雑談をしつつ生徒会室を後にする
その後サラは職員室に報告書を持って行き、この日を仕事を終えるのであった