IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第108話

上空では鈴とサイレントゼフィルスを纏った少女が向かい合ったまま動きは無い

暫くの間続くかに思われたこの状態を打ち破ったのは鈴であった

 

「(黙っていても仕方ない。ここは仕掛けるのが適切よね!!)」

 

そう思うと彼女は衝撃砲を連射し少女に攻撃を仕掛ける

勿論少女はシールドビットを展開し攻撃を防ぐ。

 

「馬鹿の一つ覚えか?」

 

少女はそう言い右腕に構えたライフルで鈴を仕留めようとするが

目の前に鈴は居ない

鈴は衝撃砲を放った後高機動パッケージの力もあり素早く少女まで接近すると少女ではなく衝撃砲を防いだシールドビット二機を青龍刀で破壊する。そしてすぐさま距離を取ろうとするがその寸前で少女もライフルからレーザーを放つ

 

鈴は下がりつつ回避しようとしたが完全によけきる事は出来ず左腕に攻撃が当たる

とは言えダメージは小さく鈴はまだまだ戦えるようだ

 

そしてセシリアもけん制攻撃を行い鈴から距離を取らせる

箒も隙を伺い攻撃を仕掛けてみるもののビットにより攻撃を入れることが出来ない

 

「(まさかビットを二機失う事になるとはな。先の先制攻撃でアイツも潰しておけば良かったか…)」

 

少女がそう考えている間にも箒が攻撃を仕掛けてくる

 

「(ココはクスグの考えみたいに細かい事を考えず、倒せそうな雑魚を一機一機確実に潰していくか。)」

 

少女はそう考え、今までとは攻撃方法を変え、3人の中で一番経験が浅いと読んだ箒に集中砲火を浴びせる

 

「何!?」

 

箒も今までとは違う攻撃法に驚き、攻めるのを止め回避に専念

途中被弾するが機体のおかげで大きなダメージにはなっていない

 

それを見ていたセシリアと鈴は

 

「させませんわ!!」

 

「ったく経験が浅いのに無理に攻め込むから!!」

 

そう言い箒の援護に入る

鈴としては”例の事件”以降箒に良い感情を持っておらず助ける気が起きなかったが今は生徒会役員、有事の際には一般生徒を守るのも役目の為、仕方なく箒を援護する

 

 

 

 

 

 

 

そうして上空での戦闘が激化していく中、会場の外に出ようとしている一夏達はと言うと、観客席の中を走りながら入る時に利用した荷物の搬入口を探していた

 

「上空での戦闘も激しくなってきたな…!!」

 

「織斑さん、ありました荷物の搬入口です!!」

 

「ゲート開いてる!?」

 

「開いてないです」

 

荷物の搬入口を見つけたもののシャッターで閉ざされており開けようにもロックを解除しなければならない

召喚爆撃を使用しこじ開けることも考えたが、爆発音で気づかれる可能性もあるのでどうしようか一夏は悩む

 

二人がそう言いあっているとジュノンは肩にかけていた特殊な槍入れから自身の霊装を取り出す

 

「下がってて、ぶった切るわ!!」

 

そう言い彼女はしまっていたシャッターを紙のように簡単に切り裂く

 

「すごい威力ですね…」

 

少年と一夏はその切れ味に感心しつつ搬入口を利用し外に脱出する

幸いなことに付近に人はおらず、この脱出が見られると言う事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、観客席では一人の女性が避難することなく余裕そうに上空での戦闘を見ていた

 

「エムにしては珍しいわね、一機ずつ倒していくなんて。」

 

女性は上空で鈴たちと戦闘している少女、エムが普段とは違う立ち回りをしていることに軽く驚いていると不意に声が聞こえる

 

「観客席にて不審人物発見ッス ウェルちゃんの予想は大当たりッスね」

 

そう言い現れたのはフォルテ・サファイア

女性はフォルテの声に振り返ると

 

「ISは確かコールド・ブラッド、だったかしら?」

 

「そうッスよ、よく知ってるッスね」

 

フォルテがそう言った途端、一本のナイフが彼女に向かって放たれる

彼女は機体を纏い大鎌でナイフを切り裂く

そのままフォルテは機体を纏い女性へと接近し攻撃を仕掛けるが、女性はISを右腕のみ展開し攻撃を受け止める

 

「いなくなった更識さんならともかく貴方じゃ私には勝てないと思うけど?」

 

「随分と、余裕ッスね!!」

 

そう言いフォルテは後退すると再び攻撃を仕掛ける

ただし今度の狙いは彼女ではなく床、そこに鎌の刃を叩きつけ、床の破片が女性へと向かう

 

女性はその攻撃でもダメージは受けず、体全体を薄い熱線のバリアで身を守っている

するとフォルテは笑みを浮かべる

 

「私の機体相手にバリア…これなら勝ち目が有るッスよ!!」

 

そう言うと彼女は女性に再び向かって行く

女性はナイフを投げつけフォルテがナイフを切り裂くと大爆発が起き付近に黒煙が立ち込めるとフォルテは

 

「一撃は入れるッス!!」

 

そう言うとフォルテは鎌を横に振り抜く。すると鎌の刃からエネルギー波が放たれ女性へと向かっていく

女性はバリアでそれを防ごうとするがバリアはエネルギー波が触れた途端消えてしまう

その事に驚きつつも女性は黒煙が立ち込めているすきに逃げていく

 

「ここは追撃をしない方が吉ッスね。次は逃がさないッスよ」

 

そう言いながらも彼女は女性が逃走した方を眺めると

 

「熱線を使うIS…どっかで聞いた事が有るような気がするッス」

 

 

こうして観客席での戦闘は幕を閉じるのであった

 

 

 

 

 

一方上空はと言うと

戦闘で箒は戦闘不能となりセシリアと鈴も損傷は大きく、エムはビットを破壊されて以降大きなダメージを受けていない

そしてエムが一気にケリを付けようとすると通信が入る

 

「なんだ…わかった。撤退する」

 

エムはそう言うと撤退を始める

 

「待ちなさい!!」

 

セシリアは追撃を行おうとするが鈴によって止められる

 

「鈴さん!!」

 

「落ち着きなさいよ。このまま追っても返り討ちに会うだけ、今日のところは負けを認めましょ」

 

「ですが!!」

 

「と言うか生徒会長命令、無理な追撃はするなって」

 

そう言いセシリアを諭すと彼女たちは会場に帰還していく

その後、鈴は生徒会に合流し状況を報告する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてキャノンボールファストは幕を閉じるのであった


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